吉田茂が生んだ秘密警察国家日本とCIA
テレビメディアは執拗に小沢代表攻撃を続けている。それほどに、「既得権益勢力=悪徳ペンタゴン」にとって小沢一郎代表は脅威なのだと考えられる。
「悪徳ペンタゴン」は、政権交代が実現しても大連立に誘導できれば、既得権益を維持できると考えていると思われる。小沢代表さえ取り除くことができれば、大連立への誘導が可能と考えているのだろう。
しかし、小沢代表が民主党を指揮して政権交代を実現する場合、特権官僚と外国資本の利権は根本的に排除される可能性が高い。
特権官僚および米国権力と連携する政治権力が小沢代表に標的を定めて、異例の、そして異様な攻撃を続けているのは、このような事情を背景にしているからと考えられる。
西松建設への便宜供与の疑いを考えるなら、職務権限を持つ与党議員が優先されるべきだ。「きっこのブログ」様によると、西松建設の元社長は、東北地方での公共事業受注を期待して献金を行ったが、受注がまったく伸びないため、二つの政治団体を解散したと供述しているようだ。
小沢代表サイドの便宜供与を立証するのは難しいのではないか。
資金供出者が西松建設であることを認識していたとしても、寄付行為者が政治団体であれば、政治資金報告書には寄付行為者を記載するだけでよいとの判断を、東京地検特捜部OBの郷原弁護士が示している。これまで報道されている情報からは、小沢一郎代表秘書の大久保氏にかけられている嫌疑の内容が定かでない。
自民党清和政策研究会(町村派)の実質的領袖である森喜朗元首相や尾身幸次元沖縄及び北方担当相に対する献金と西松建設の受注の関係を捜査しないのも、不自然極まりない。また、次期総選挙で自民党から立候補予定の高橋嘉信元秘書に関する報道が皆無に近いことも驚くべきことだ。
一連の捜査は麻生首相が警察庁長官経験者の漆間巌氏を官房副長官に任命した時点から計画されてきた、小沢代表攻撃の「国策捜査」である疑いが濃厚である。麻生政権はマスメディアを総動員して、小沢一郎代表秘書逮捕の勢いに乗じて、小沢代表辞任を一気に実現させようと目論んだと考えられる。
しかし、その目論見は現段階で成就していない。二つの誤算があったと考えられる。ひとつは、漆間巌官房副長官が「自民党には絶対に波及しない」と発言し、「国策捜査」であることを自白したと誰もが受け取ったこと。いまひとつは、テレビメディア総動員のPRにもかかわらず、国民の多数が冷静な判断を示していることだ。
総選挙を目前にしたこの時期に、自民党議員が多数、まったく類似した状況を抱えながら、小沢代表の周辺だけを狙い撃ちにしたように、強制捜査が実施されたことに、直感的な不自然さを感じた国民が多数存在したと思われる。
司法・警察権力に対する国民の信頼は著しく低下している。メディアと司法・警察権力が政治権力からどれだけ独立しているのかが、民主主義の健全性を測るバロメータである。ネット情報がマスメディアによる情報空間の独占に風穴を開け、政治権力が支配する情報だけに接してきた国民の目に、少しずつ真実の情報が映し出される状況が生まれている。
BS11「にっぽんサイコー!」3月7日放送の田中康夫氏と田中良紹氏による対談のなかで、田中良紹氏が米国での体験談を語り、日本が北朝鮮と同じ範疇に分類されていたエピソードを紹介された。司法権力とメディアの現状が北朝鮮になぞらえられるとの見解が驚くほどの説得力を持つ。
現状から脱出するには、国民が真実に目を向けることが不可欠である。3月8日放送の「サンデー・プロジェクト」で田中真紀子議員が訴えたように「日本人がどれだけマチュアである(成熟している)のかが試される」。
マスメディアが提供する映像、ナレーション、コメント、数値に惑わされずに、冷静に、落ち着いて、客観的に判断できるかが試されている。
一連の騒動を冷静に見つめれば、その異様さ、不自然さは誰の目にも明らかである。なぜ、国家権力とメディアが連携して、この不自然な騒ぎを仕立て上げているのかを考察する、冷静な姿勢が何よりも大切である。一歩立ち止まって状況を見れば、事態の異様さに気付かぬはずはない。
田中真紀子議員は、CIAの関与を示唆した。
共同通信記者出身のジャーナリスト春名幹男氏の著書に『秘密のファイル CIAの対日工作(上・下)』(共同通信社)がある。
下巻第八章「政界工作」第1節に「日本情報機関の父・吉田茂」とある。
吉田茂氏の経歴について、上記著書から引用する。
「吉田は1878年(明治11年)、土佐自由党草分けの一人、竹内綱の五男として東京に生まれた。幼児に横浜の富裕な貿易商、吉田健三の養子となり、東京帝国大学政治科を卒業後、外務省に入省した。大久保利通の次男、牧野伸顕伯爵の長女、雪子と結婚。天津総領事、奉天総領事、イタリア大使、イギリス大使を歴任した。
戦後、東久邇内閣、次いで幣原内閣の外相を務め、そしていよいよ首相の座に就くことになった。」
(ここまで引用)
とある。
同書によると、吉田茂元首相は、①膨張主義政策を決めた1928年の東方会議をリードし、②「治安維持法」に死刑条項を設けたことに関与した、ことなどの理由により、GHQの情報機関に「吉田追放」を主張された。
しかし、幣原内閣の下で、公職追放対象者の名簿作成にあたり、日本政府の窓口となってGHQと折衝したのが吉田茂外相であった。吉田外相はマッカーサー元帥との意思疎通を図り、さまざまな工作活動を経て公職追放を免れ、首相の座を獲得したと同書は指摘する。
吉田首相は第三次吉田内閣が発足して1ヵ月半後の1949年3月にGHQ参謀第2部チャールズ・ウィロビー少将あてに以下の内容の書簡を送っている。
「日本の共産主義者の破壊的かつ反逆的な行動を暴露し、彼らの極悪な戦略と戦術に関して国民を啓発することによって、共産主義の悪と戦う手段として、私は長い間、米議会の非米活動委員会をモデルにした『非日活動委員会』を設置することが望ましいと熟慮してきた。」
時代は米国で赤狩りのマッカーシー旋風が吹き荒れているころのことだったという。
この延長上に1952年7月、「破壊活動防止法(破防法)」公布と同時に、「公安調査庁」が発足し、同時期に「内閣調査室」が発足した。「内閣調査室」は吉田首相が自分の元秘書官で警察官僚の村井順に命じて設置した情報機関であることが上記著書に記されている。
同書はさらに、
「公安調査庁、内閣調査室とも、米中央情報局(CIA)との友好的な協力関係を今も続けている。」、「CIAとこれら日本の情報機関との協力関係の基礎をつくったのが吉田である。」と記述する。
昨年10月26日に渋谷から麻生首相宅までの徒歩ツアーを実行しようとした若者たちが、突然、公安警察に不当逮捕された。
この若者たちは、
①渋谷警察署の警官と打ち合わせをして、注意事項を聞き、了解を得て
渋谷を出発したが、
②公安警察職員は、若者グループをマークしながら若者グループに接近し、
③グループ先頭の男性にぶつかると同時に「公妨(公務執行妨害)」と叫び、若者グループ男性3名を不当に逮捕してしまった。
明白な不当逮捕である。この不当逮捕を行ったのが公安警察である。
ところが、メディアはこの逮捕を次のように伝えた。
「麻生首相宅を見学」と称し無届けデモ
(10月26日20:00のTBSニュース)
26日午後、東京・渋谷で、麻生総理の自宅を見学するツアーと称して無届のデモ行進が行われ、参加者の男3人が警視庁公安部に逮捕されました。
26日午後4時頃、「渋谷区にある麻生総理の自宅を見よう」という、ネットなどでの呼びかけに集まった市民グループおよそ50人がハチ公前から行進を始めました。
しかし、事前に集会やデモ行進の申請をしていなかったため、警視庁公安部は市民活動家の男1人を逮捕、さらに、それを妨害しようと警察官に暴行するなどした男2人を公務執行妨害の現行犯で逮捕しました。
公安部は、再三警告を行ったにもかかわらず、行進などを行ったとしています。
(ここまでニュース原稿)
一般に国民は、警察が中立・公正の存在で、「正義の味方」だと思っているが、これらの映像を見ても、この考え方に揺らぎが生じないか、じっくりと考える必要がある。この「渋谷事件」は氷山の一角であると私は考える。
「雑談日記(徒然なるままに、。)」様、「BLOG版ヘンリー・オーツの独り言」様が、この問題を丁寧に紹介してくださっている。
事務方の内閣官房副長官は官僚組織を統括する官僚トップの職位で、通常は旧自治省、旧厚生省出身者が務めてきたポストである。ところが、麻生首相は警察庁長官経験者の漆間巌氏を起用した。漆間氏は情報警察のエキスパートであり、麻生首相は警察権力を政治利用することにより、権力の掌握を図ろうとしているのだと推察するべきである。
漆間氏についての考察は「世に倦む日日」様が詳しく説得力のある論説を掲載されているので、ぜひご一読賜りたい。
日本が戦前の警察国家に戻りつつある。総選挙を目前にした警察権力の濫用と露骨なマスメディア支配を、有効にしてしまうか否かは、ひとえに国民の洞察力、眼力にかかっている。情報操作に風穴を開ける限られた存在がネット情報である。
ネットから発信される「真実」の情報を、草の根から、一人でも多くの国民に伝達することによって、国民を情報操作の闇から救い出すことができる。われわれは巨大権力に抵抗=レジスタンスしなければならない。「新抵抗勢力=レジスタンス戦線」の連帯を広げる国民運動が求められている。
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