小沢民主党代表渾身記者会見とNHK情報操作報道
3月24日、午後9時半過ぎから小沢一郎民主党代表が記者会見を行った。多くの国民に心配と迷惑をかけたことを謝罪し、検察の24日の判断を踏まえ、民主党の役員会、常任幹事会の決定を踏まえて、代表職を続投する方針を示した。
時折、涙を見せるシーンが放映されたが、土石流のようなマスメディアの情報操作に、どれほどの重圧を受け続けたのかがよく分かる。
小沢氏の説明は明快である。小沢事務所は政治資金をすべて公開し、政治資金報告書に記載してきた。今回の秘書逮捕・起訴は、秘書が西松建設からの企業献金であることを知りながら、政治団体からの献金であると虚偽の記載をしたとの疑いによるものである。
巨額の政治資金を受け入れながら、西松建設からの献金であることを認識していなかったはずはないのではないかとの批判が寄せられている。しかし、小沢事務所は政治団体からの献金として事務処理しただけのことであり、寄付行為者が政治団体であったのであれば、資金の出所が西松建設であったとしても、政治資金規正法には反しないとの有力な考え方が存在する。
この問題に関して、元東京地検特捜部検事で、現在は法科大学院教授と弁護士を兼務している郷原信郎氏が、精力的に地検捜査の問題点を指摘されている。
3月24日にも、日経ビジネスオンラインに
「小沢代表秘書刑事処分、注目すべき検察の説明
民主党、自民党、マスコミにとっても正念場の1日」
と題する、緻密で詳細な考察論文を発表されている。
マスメディア報道は、これだけ分かりやすい詳細な分析が提示されているにもかかわらず、小沢氏サイドを一方的に攻撃する偏向報道を続けている。NHKも自公政権に組織の存立と予算を完全に握られているからだろうか、民法と同様の偏向報道を垂れ流している。
小沢代表は記者会見で、秘書が嫌疑をかけられているような罪を犯していないとの認識を示すとともに、無実を主張して闘う姿勢を強調した。
NHKは不思議なことに、この記者会見報道を一通り終えた25日午前零時の定時ニュースで、新たなニュースを報道した。
報道内容は、「大久保隆規氏が検察に対して、最近になって「うその記載」を認める供述をしていることが関係者への取材で明らかになった」とするものだ。
お決まりの「関係者への取材」が出てきた。大久保氏は勾留されている。恐らく接見禁止の措置が取られているだろう。となると、大久保氏の発言を知ることができるのは、大久保氏の弁護人か検察しかないことになる。弁護人がこのようなことを話す可能性はゼロであり、情報は検察のリークによるものでしかないことになる。
検察のリークであれば、そもそも公務員の守秘義務に違反する。こうした守秘義務違反を地検特捜部は捜査して逮捕すべきとも思われるが、リーク情報ほどいかがわしいものはない。私も実体験としてよく知っている。
たとえば、大久保氏が政治団体の資金が西松建設に関連したものであるとの漠然とした認識があったと供述したとしよう。政治献金を受けた窓口はあくまでも政治団体である。しかし、その政治団体が西松建設と関わりがある印象を持っていたと述べたとする。
これを検察は、被疑者は「資金が西松建設のものであることを知っていた」と置き換え、さらに、「西松建設の資金であることを知りながら政治資金報告書にうその記載をした」と述べたように伝えるのだ。
今回のケースの真実を確かめたわけではないから、上記の表現は、ひとつのシナリオとして記述している。
郷原氏の指摘によれば、仮に資金拠出者が西松建設であっても、寄付行為者が政治団体であるなら、政治資金報告書には西松建設と記載する必要はないとのことである。このとき、問題になるのは、その政治団体が、「まったく実体のないダミー」である場合に、虚偽記載が問われるとのことで、問題は政治団体の「実態の有無」になる。
全国に政治団体は万単位で存在している。西松建設の政治団体がダミーであると認定されるなら、大多数の団体がダミーの認定を受けることは免れず、自民党議員事務所の大多数が摘発される可能性が高まると郷原氏は指摘する。
NHK報道は、小沢氏が秘書の政治資金法違反容疑を否定する発言を示したことを受けて、逮捕された当事者である大久保氏があたかも犯罪行為を認める発言をしているとの印象を与える報道を展開することを狙ったものである可能性が高い。
小沢氏が「秘書は罪を犯していない」との認識を示したのにもかかわらず、秘書が「犯行を認める供述をした」ということになれば、小沢氏の発言に矛盾が生じ、小沢氏を追い詰められると考えたのではないか。
午前零時の定時ニュースで突然、新情報が提示されることが極めて不自然である。
たとえば、大久保氏が次のような説明を受けた可能性もある。
政治資金規正法では資金拠出者ではなく、寄付行為者を記載すれば良いことになっている。上述した通りだ。このことを大久保氏に告げて納得を得たうえで、「寄付行為者が政治団体であるとの認識で政治資金報告書に政治団体を記載したのだろうけれども、その政治団体が西松建設と関係しているとはまったく考えなかったのか」と質問する。この質問に、大久保氏が「関連があると聞いたことはある」と答えたとしよう。
このやり取りを、検察が「大久保氏は献金が西松建設からのものだと知っていたとの趣旨の発言をした」、あるいは、それをさらに「大久保氏は西松建設からの献金であることを知りながら、政治団体からの献金であるとのウソの記載をしたと供述している」と検察がリークして、ニュース報道になることも十分に考えられる。
元自民党参議院議員であるとともに元東京地検検事で、現在弁護士をされている佐々木知子氏が、ブログ記事「小沢秘書逮捕に思うこと」に
「政治資金規正法違反は,贈収賄と違って形式犯であり,その違反による強制捜査(逮捕)は従来1億円が基準であった。」
と明記している。
郷原氏も指摘するが、検察が主張する「悪質性」の根拠もまったく示されていない。
いきなり飛躍するが、結局、「政敵を追い落とすために警察・検察権力を不正、不当に濫用する「国策捜査」が実行されたことはまぎれもなく、自公政権に完全支配されるNHKを含むマスメディアが、小沢氏失脚に向けて、全精力を注いで偏向報道を繰り広げていると考えるべきだ。
民主党内部に、自公政権と通じる少数勢力が存在する。民主党執行部がこれらの民主党攪乱分子に交代すれば、今回の謀略は目的を達成する。
しかし、小沢代表は重圧に耐えて踏みとどまった。小沢氏は会見で「国民主権、国民の側に立った政権を樹立することだけを目指して頑張る」と述べた。
「WBCでのイチローのような働きを出来るように頑張る」とも述べられた。「政官業外電=悪徳ペンタゴン」による既得権益維持の政治を打破し、国民を幸福にする政治を確立するには、小沢氏を先頭に立てて力を結集するしかない。
マスメディアは総力を注いで、小沢氏失脚工作を展開し続けるだろう。敵の動きを予知し、情報操作に惑わされずに、この闘いを勝ち抜かなければならない。壮絶な闘いに決死の覚悟で臨むしかない。
なお、『金利・為替・株価特報087号』の発行日を、政治情勢分析を織り込むために3月26日とさせていただきます。変則的な発行日が続き、ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご了承くださいますようお願い申し上げます。
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