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2009年2月22日 (日)

「かんぽの宿疑惑」竹中平蔵氏の益々稚拙な反論

「かんぽの宿不正入札疑惑」では、重要事実が次々に明らかにされている。

  

①日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
であった。貴重な国民資産が実勢価格の約10分の1で払い下げられようとしていた。

②一括売却の第2次審査で提示された内容において、オリックス不動産の提示条件よりもHMI社の提示条件が日本郵政に有利であったと鳩山総務相が明言した。

③「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していた。

④日本郵政とメリルリンチ日本証券との間で、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報が浮上した。

⑤オリックスへの「かんぽの宿」一括譲渡契約書に、2年以内でも施設の廃止と売却を可能にする但し書きが盛り込まれていた。

 年間40億円の赤字の存在が安値売却の最大の理由とされてきたが、帳簿上の赤字の最大の要因が、高額の減価償却費であるとの見方が存在する。また、宿泊業務の多くが外部業者に委託されており、その費用が過大に計上されていた可能性が高いことも明らかにされつつある。

 郵政民営化法が成立した際の附帯決議に、「職員の雇用安定化に万全を期すこと」が盛り込まれており、安値売却の大きな理由とされてきた。しかし、オリックスに義務付けられた雇用維持期間はわずか1年であることが判明した。

 総務相が日本郵政に対して資料提出を求め、また、野党を中心に国会で真相究明が進められるなかで、今回の入札が適正でなかったことはすでに明らかになっている。

 しかし、マスメディアが「かんぽの宿疑惑」をほとんど伝えない。テレビ朝日番組「サンデープロジェクト」は、小泉竹中政治の「郵政民営化」政策を全面的にサポートしてきたと言って過言でない。「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の本質が「郵政利権化」であったとの疑惑を生み出す重大な問題だ。

 テレビ朝日が報道機関の一角に名を連ねると自任するなら、「かんぽの宿疑惑」に頬かむりをして、一切報道しないとの姿勢が許されるはずがない。「頬かむり」は番組の「偏向」を自ら宣言するものである。

 2月21日のテレビ朝日番組「サタデースクランブル」も、中川昭一前財務相のG7会見、小泉元首相発言、橋下知事国交省訪問などを扱ったが、「かんぽの宿」疑惑にまったく触れなかった。

 テレビ東京「週刊ニュース新書」も、再び小泉竹中一家の中川秀直氏を登場させ、麻生首相攻撃を展開しただけで、「かんぽの宿」問題にほとんど触れなかった。

 2月5日に麻生首相が「郵政民営化見直し」発言を示して以降、小泉竹中一家を中心に、「郵政民営化見直し」の気運を封殺しようとする常軌を逸する動きが表面化した。

 野中広務自民党元幹事長と鳩山邦夫総務相が時事放談で指摘されたように、
①小泉竹中一家は疑惑追及が自分たちに及ぶことを恐れている、
②「郵政民営化の真相」が「郵政利権化」=「郵政米英化」であることが判明した、

③マスメディアは「郵政民営化の真相」が国民に知られないように、徹底的な情報隠蔽を図っている、
のが「真相」であると思われる。

「サタデースクランブル」では、番組途中のCMに「オリックス生命」が登場した。これでは、「かんぽの宿疑惑」を追及できないのは当然だろう。

①中川財務相G7会見、②小泉元首相の、笑っちゃうくらいあきれてしまうような発言、が繰り返し報道され、麻生政権の窮地が報道されるが、③「かんぽの宿疑惑」続報は封印されている。

竹中平蔵氏は「ポリシーウォッチ」なる組織を舞台に、益々稚拙な反論を示しているが、竹中氏が指摘された問題には何も答えていない。「ポリシーウォッチ」の会合が森ビルのアカデミーヒルズで開かれていることから考えると、小泉元首相と非常に親密な森ビルがスポンサーであるのかも知れない。ポリシーウォッチは極めて偏ったメンバーで組織されている。

竹中氏は次のように訴える。

「鳩山総務相は当初、①なぜこの時期なのか、②なぜ一括売却なのか、③なぜオリックスなのか、との問題を提起した。

①については「赤字」が出ているから売却を急ぐ、②については、「雇用」維持のため、③宮内氏は郵政民営化にまったく関与していない、から、問題はない。

このように反論したところ、鳩山総務相は、今度は、①プロセスが不透明、②価格が安い、と言い始めた。

しかし、①プロセスとしてはM&Aの一般的な手法が用いられており、②2000億円のものを100億円で売るのではなく、100億円のものに2000億円もの資金を投じたことが問題である。プラス400億円の資産とマイナス300億円の資産があるから差し引きでプラス100億円になるので、おかしくない。

一連の動きは、西川日本郵政社長を追放するための陰謀だと思う。西川氏を追放して、総務省出身者が日本郵政社長に座り、郵政4分社化を見直せば、郵政民営化は崩壊してしまう。西川社長を追放するようなことをすれば、こうした仕事に就く民間人はいなくなる。」

こうした趣旨の主張を繰り返した。

竹中氏はなぜこのような次元の反論しか示すことができないのであろうか。そもそも売却価格が不自然に低く、入札プロセスが不透明であるから、問題が表面化したのだ。鳩山総務相はこの問題意識に基づいて、上記した三つの問題を提起したのだ。竹中氏の日本語理解力が問われる。

竹中氏は、「12月26日に日本郵政が売却決定を発表する前に、日本郵政は総務省から了解を得ていた」と主張するが、「役所や政治家から独立して判断するのが「民営化」された日本郵政がとるべき行動だ」とする竹中氏の持論と矛盾する主張である。

今回のケースでは、日本郵政が一括売却方針を発表したものの、会社形態を変更するために総務相の認可が必要だった。その認可に関連して、正当な理由が存在して総務相が認可しない可能性を表明したことに、まったく問題は見当たらない。

貴重な国民資産の売却に不透明な部分を残したまま不透明な売却を容認することが総務相の取るべき行動だと竹中氏が主張するなら、間違っているのは100%竹中氏である。

竹中氏が掲げる「雇用」と「赤字」を根拠とする安値売却の正当性主張は、すでに明らかになっている事実によって破綻している。1万円で売却した「かんぽの宿」が半年後に6000万円で売却された事例が、安値売却の不当性を象徴的に証明している。

経営改善、料金改定、減価償却費の見直しにより、「かんぽの宿」の赤字は恐らく解消可能だと考えられる。「雇用維持」条件も1年であったとのことであるし、「2年の転売規制」も「抜け穴条項」によって「ざる規定」になっていることが判明した。

詭弁を維持し続けている点では、竹中氏と日本経済新聞が双璧を成している。日本経済新聞は2月21日朝刊社説で、
「「かんぽ」撤回が映す民営化後退を憂う」
と題する論評を掲載した。日本経済新聞の堕落には目を覆うばかりだ。

正しいタイトルは
「「かんぽ」疑惑が映す郵政利権化を憂う」
ではないのか。

2007年3月に売却された178件の物件においても、半年以内に77%が転売されていることが明らかにされた。これらの取引も不透明極まりないものだ。

今回の一括売却は、初めからオリックスに安値払い下げを行うことがシナリオとして描かれていたとの、極めて重大な疑惑に発展しつつある。仮に、この疑惑が深まれば、不正入札として刑事問題に発展することは間違いない。それほどの重大性を帯びている。

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