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2009年2月16日 (月)

「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」

城内実氏「郵政利権=カイカク利権その3」と題する記事で、素朴な疑問を提示されている。

一、郵政民営化見直し、四分社化見直しがなぜいけないの?
二、「見直し断固反対」って今頃こんな態度とっているのは、もしかして国民の目からの「郵政利権(かんぽの宿)かくし」をするためではないよね?
三、数年前に私がある雑誌の鼎談で申し上げたが、郵政民営化をめぐる問題は、「改革派」対「抵抗勢力」の戦いではなくて、たった一握りの「売国派」対「国益擁護派」の戦いだった。
いや違うという反論を聞きたいのだけど。
四、新聞の社説を書く人も、経済学者も、多くの国会議員も郵政民営化の中身が本当に分かっているのかな。
五、あと郵政民営化をして良かったことがあったら教えて欲しい。
しかも具体的な数字をあげて。
六、全国に約2万局ある郵便局の事務機器や自動車、携帯電話などはこれまでできるだけ個々の郵便局が地元の業者から購入、リースしていたようだね。
(ここまで城内実氏のブログからの抜粋)

郵政民営化法第19条に「3年ごとに総合的な見直しを行い」との規定が明文化されている。「かんぽの宿疑惑」は郵政民営化の根本的な問題を表面化させている。問題がどこにあるのかを明らかにして、問題を解決することは当然のことだ。「見直し論議」に過剰反応を示して、「見直し」を封殺することが不合理である。

城内氏は、「8割近い国会議員は法案の内容が良く分かっていないかった」と指摘している。「かんぽの宿疑惑」が拡大しているが、郵政民営化法策定の段階から、「かんぽの宿」不正払い下げが画策されてきたとの疑いも浮上している。その経緯については改めて示す。

日本郵政は今回の「かんぽの宿」売却以外にも不動産売却を実施してきており、また、巨大不動産を開発する方針を示してもいる。日本郵政保有資産は紛れもない国民資産である。その貴重な国民資産が一部の特定勢力によって「私物化」=「利権化」されている現実が浮かび上がっている。

このような重大問題が浮上するなかであればなおさら、「郵政民営化の見直し」は不可欠である。小泉元首相や竹中元郵政民営化担当相の慌てふためいて見える、激しい反応が、「郵政民営化」に対する疑念を拡大させている。

2005年6月7日の衆議院郵政民営化特別委員会で、城内実議員が竹中平蔵担当相に質問した。
「郵政民営化準備室が発足したのが昨年の四月ですから、この昨年の四月から約一年間、現在に至るまで、郵政民営化準備室に対する、米国の官民関係者との間で郵政民営化問題についての会談、協議ないし申し入れ等、こういったものが何回程度行われたのか、教えていただきたいと思います。」

竹中氏は次のように答弁した。
「昨年の四月二十六日から現在まで、郵政民営化準備室がアメリカの政府、民間関係者と十七回面談を行っているということでございます。」

この経緯については城内氏自身がブログにも記されている。この延長上で、同年8月2日の参議院郵政民営化特別委員会で、民主党の櫻井充議員が、米国の通商代表ゼーリック氏が竹中氏に宛てた信書の内容を暴露した。

郵政民営化法案は米国の要請に従って詳細が定められたと推察される。竹中氏はその法案作成に、「前代未聞と言われるほど直接かつ詳細に係わった」(竹中氏の著書における竹中氏本人の表現)のである。

『文藝春秋』2009年1月号に読売新聞の渡邉恒雄氏へのインタビュー記事「麻生総理の器を問う」が掲載された。渡邉氏は竹中氏について以下のように述べている。

「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」と明言した。僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、「東京三菱と三井住友」だと言う。あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、「みずほとUFJはいらない」というわけだ。どうして三井住友を残すのかというと、当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」と聞くと、「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」

渡邉氏の証言に出てくる、
「当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いた」
というのが、2002年12月11日に、竹中平蔵金融相が三井住友銀行の西川善文頭取、ゴールドマン・サックス証券CEOのヘンリー・ポールソン氏、同証券COOのジョン・セイン氏と密会し、その直後に、三井住友銀行がゴールドマン・サックスから5000億円の資金調達を実行したことを示している。この点は2月13日付記事に記述した。

竹中氏は自著のなかで、日本郵政株式会社のCEOを人選することが重要な仕事であり、2005年10月29日に西川氏に就任を依頼したことを記述している。

西川氏が初代社長を務めることになった日本郵政株式化会社傘下での郵貯資金と簡保資金の委託運用先を見ると、三井住友系企業、ゴールドマン・サックス、メリル・リンチの比重が異常に高いことが分かる。この情報については、「ふじふじのフィルター」様がより正確な情報を提供してくださっている。また、「かんぽの宿疑惑」の時系列整理も示してくださっている。

オリックス不動産への「かんぽの宿」一括売却について、鳩山総務相が「待った」をかけたことに対して、竹中氏は1月19日付産経新聞に稚拙な反論を掲載した。すでに本ブログで指摘したとおりである。竹中氏は次のように記述した。

「(「かんぽの宿」売却の時期や価格の判断は)市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」

竹中氏は、日本郵政株式会社が発足した時点で、「民営化」は成立しており、これ以降、「郵政」は民間会社であって、政治家や官僚が口出しすることは「根本的に誤っている」と主張しているのだ。

また、竹中氏は、2008年4月20日他に放送された「朝日ニュースター」BS放送番組『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』第3回のなかで、次のような驚くべき発言を示している。以下の記述は、同放送を再構成した「ダイヤモンドオンライン」に掲載された「サブプライム危機の真実 民営化した郵政は米国に出資せよ」と題する記事からの引用である。

「そこで今回、ニッポンの作り方として、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」とぜひ申し上げたい。」

「翻って考えると、日本にはかつてとんでもなく巨大なSWFがありました。それが今の日本郵政なんです。資金量でいうと300兆円。他のSWFとは比べ物にならないほどのSWFがあったんです。民営化したので、今はSWFではない。だからアメリカから見ると安心して受け入れられる、民間の資金なんです。」(引用ここまで)

竹中氏は「民営化したので、今はSWFではない」と述べるが、当時はもちろんのこと、2009年2月段階でも、日本郵政株式は100%政府が保有している。「株式会社形態」に移行しただけで、「日本郵政」は純粋な国営企業、国有企業である。

日本郵政が保有する300兆円の資金は日本国民の貴重な、かけがえのない資金である。その資金を、まるで自分のポケットマネーのような感覚で勝手に使われたのではたまらない。

昨年春にもし郵政資金が米国サブプライム危機対策に流用されていたら、いまごろどのような事態に陥っていただろう。想像するだけでゾッとする。

郵政民営化プロセスにおける重大な構造的欠陥についての記述は機会を改める。

明確に認識しなければならない重要な事実は、「株式会社形態に移行した後は、日本郵政経営者の判断がすべてであり、所管官庁や政治家が監視することは「根本的に間違っている」との、現在の所管大臣に対する反論を全国紙に掲載して恥じないような人物が、「郵政民営化」を取り仕切ってきたという恐るべき現実である。

日本郵政も日本郵政保有資産も「かんぽの宿」も、紛れもなく貴重な国民資産なのである。特定勢力の利権を満たすために、勝手に流用することを許すことは出来ないのだ。

「郵政民営化」を取り仕切ってきた人物が、このような基本判断を有していることを踏まえれば、日本郵政公社ならびに日本郵政のこれまでの業務を全面的に再調査する必要が生まれる。資金運用委託先の決定がどのようなプロセスを経て決定されたのかも明らかにされなければならない。

「かんぽの宿」は巨大な闇にメスを入れるための突破口の役割を担っている。

郵政民営化法第二条(基本理念)には、
「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを基本として」
(郵政民営化が)行われると明記されているが、現実には、
「特定の利権勢力の利益に寄与することを基本として」
になってしまっているのではないか。

私は「郵政民営化」そのものに全面的に反対するわけではない。しかし、巨大組織であり、巨大資産を保有する機関であるだけに、国会と国民による完全な監視を満たすことが不可欠である。ずべての問題を明らかにするまで、株式売却等を凍結することが不可欠だ。

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