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2009年2月28日 (土)

解散総選挙が日本経済を救出する唯一の道

2009年度予算が衆議院を通過して、予算の年度内成立が確定した。野党が予算成立に反対して麻生政権に揺さぶりをかけることは可能だった。しかし、民主党は予算成立を容認するスタンスを取った。

その背景には、日本経済の恐るべき悪化がある。米国発の世界経済危機が深刻化しているが、経済悪化がもっとも深刻化しているのは日本である。2月27日に発表された本年1月の鉱工業生産指数は前月比10.0%低下した。前年同月比では30.8%低下で、過去最大の落ち込みを示している。世界大恐慌時に匹敵する経済悪化が進行し始めている。

厚生労働省は昨年10月から本年3月にかけての非正規労働者の失職者数を15.7万人に上方修正した。厚労省の予測数値は時間を追うごとに上方修正されている。不況深刻化、企業倒産、失業の阿鼻叫喚(あびきょうかん)が日本経済を覆っている。

経済深刻化の責任を負うべき第一の存在は麻生政権である。麻生首相は「政局より政策」と言いながら、自身が首相の座に留まることを優先し続けている。そもそも、2008年度第2次補正予算の国会提出を2ヵ月も先送りした責任が重大である。

麻生首相が第2次補正予算の内容を記者会見で発表したのは昨年10月30日である。その内容を具体化した補正予算案を国会に提出したのは年明け後の1月4日だ。この間、日本経済は文字通り、つるべ落としの悪化を示した。

現状で経済悪化に歯止めをかけるには財政政策を活用するしかない。大胆な政策対応が不可欠である。しかし、麻生政権の対応はtoo little too smallである。

麻生政権は75兆円の景気対策だと主張するが、真水は12.5兆円しかない。塩崎恭久元官房長官は「需要創出効果は2.4兆円しかない」と発言している。75兆円の大半は融資枠拡大の規模が占めており、直接需要を拡大する部分が極めて小さいのだ。しかも、この数値は2008年度の1次、2次の補正予算、2009年度の本予算を合計した数値である。

「兵力の逐次投入」を絵に描くような対応である。「失敗の本質」を何一つ学んでいない。中川秀直氏-竹中平蔵氏-高橋洋一氏などのラインは、これまで財政政策の効果を全面否定してきた。世界の先端の経済学では財政政策の有効性を主張する考え方はないとまで言明していた。中立の財政政策が求められた2001年度から2003年度にかけて、近視眼的な緊縮財政を強行して、日本経済を破壊した実績を持つ。

経済主体の合理的期待、マンデル・フレミング効果を唱え、財政政策の効果を全面否定してきた。ところが、これらの人々が隷属する米国が財政政策を積極的に位置付け始めると、手の平を返したように財政政策の発動を主張し始めた。要するに理論の基盤が存在しないのだ。経済政策についての理論的基盤の脆弱さは致命的である。

米国のオバマ政権は2月17日、7870億ドルの景気対策法を成立させた。減税と政府支出を中心とする真水だけの景気対策である。70兆円規模の景気対策を迅速に決定している。

米国は大統領選挙を実施し、国民世論に支えられた本格政権を樹立した。同時に実施された議会選挙の結果、オバマ政権の民主党は上下両院で過半数を確保した。政権政党と議会多数党が一致して政策運営を迅速に実施できる体制が整った。また、大統領就任後の100日間は大統領提案が尊重される「ハネムーンの100日」の風習もある。

この環境下でも共和党議員の一部は、大統領提案に強く抵抗した。オバマ政権が提案した大型景気対策に反対したのだ。この状況に直面したオバマ政権の対応に注目しなければならない。オバマ政権は直ちに協議を進め、当初提案を修正して法律成立を優先した。その結果、2月17日に景気対策法が成立したのだ。

米国経済の回復を実現するには、今回の対策だけでは不十分だろう。2009年後半に追加景気対策が必要になると考えられる。しかし、オバマ政権が着実に、かつ迅速に対応を進めていることが重要である。

麻生政権は完全に国民の支持を失っている。政権末期の様相を強めている。しかも、参議院では野党が過半数を制覇している。麻生政権が提案した「定額給付金」には国民の6-8割が反対している。

衆参ねじれ状況の下では、首相が野党の意向を十分に尊重しなければ、政策の迅速な決定が実現するはずがない。国民世論が反対する政策を強行するのは愚の骨頂である。麻生首相は野党が法案成立を遅らせていると批判するが、野党を批判する前に、自らの行動を謙虚に反省するべきだ。

日本経済は最悪の状況に陥っている。最大の原因は与党の対応にある。麻生首相は月刊誌に解散総選挙を高らかに宣言したのだ。石井一民主党議員が国会で追及した「書いたらやれ、やらないなら書くな」は正論である。

予算成立が確定的になったことで自民党内の動きが流動化し始めている。自民党総裁交代を求める声が聞こえてくる。しかし、その前に考えるべきことがある。自民党がわずか5ヵ月前にお祭り騒ぎの総裁選を実施したことを忘れてもらっては困る。自民党の総意として麻生首相を選出したのではなかったのか。

麻生首相がだめなら、解散総選挙を選択する以外に道はない。麻生首相は、解散権は首相の専権事項と主張するが、日本国憲法にそのような規定はない。天皇の国事行為としての衆議院解散が規定されているだけだ。解散権を首相が私物化することが許されているわけではない。

予算成立後、直ちに解散総選挙を実施するべきだ。

①国民の審判を仰ぎ、国民世論に支えられた本格政権を樹立すること。
②未曾有の大不況に歯止めをかけるに十分な大型経済対策を迅速に決定すること
③「かんぽの宿」疑惑で噴出した「郵政利権化」の実態を明らかにし、問題の全容解明を実現すること
が求められる。

 米国のオバマ政権は巨大景気対策を決定する一方、2013年度の財政赤字半減を政策目標として提示した。財政赤字削減が公約通りに実現するとは考えられないが、金融市場の懸念に的確に対応している。

 急激な不況に対応するには財政政策を活用することが正しい。景気対策を実施すれば財政赤字が拡大するのは当然だ。大型景気対策を決定して財政赤字の急拡大を容認する。しかし、景気回復が実現した段階では財政赤字縮小策を大胆に実施する。これが正しい政策対応だ。米国の政策方針は正道を示している。

 日本の政策担当者の能力不足が鮮明である。景気対策を実施するときに消費税増税を合わせて提示するのも愚の骨頂。財政赤字の見かけに囚われて「政府紙幣」などの「目くらまし」政策に逃げ込むのも間違っている。

 解散総選挙を実施して本格政権を樹立することが、日本再建の第一歩である。国民の信認を失い、迷走する経済政策に固執する麻生政権を延命させることは日本崩壊を招く。自民党は麻生首相を選出した責任を痛感すべきである。

 自民党各派閥は自分たちの利害得失だけを考えた行動を繰り広げているが、そのような姿勢に国民は怒りを沸騰させている。麻生首相の能力に問題があることが明確になっている以上、解散総選挙実施以外に選択肢はない。早期の解散総選挙実現に向けて意思統一を図らなければならない。

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