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2009年2月23日 (月)

麻生おろしの「どす黒い動機」と確認すべき三事実

2月23日の衆議院予算委員会で鳩山邦夫総務相が極めて重要な答弁を示した。「郵政民営化」見直しに際して、「郵政民営化法」改正も視野に入れることを明言した。

小泉竹中一家は一段と麻生政権攻撃を強めると考えられる。テレビ朝日が激しい麻生政権攻撃を続けている。「郵政民営化」=「郵政利権化」=「郵政米営化」の巨大プロジェクトの巨大果実を目前にして、「郵政民営化」の根幹が変更されたのでは、これまでの苦労が水の泡だ。

具体的な鍵を握るのは、「西川善文日本郵政社長の解任」と「郵政民営化委員会委員の刷新」である。麻生首相が「郵政4分社化見直し」を明言して以降、小泉竹中一家の常軌を逸した反応が際立っている。

四代目世襲を公表した小泉元首相に「改革」の言葉は似つかわしくない。小泉元首相は衆議院の3分の2の議席を強調するが、2007年7月の参議院選挙では自民党が大敗している。自民党大敗の理由についてさまざまな論評は可能であるが、小泉竹中政治に対する根本的な見直しが自民党大敗の背景に存在することについては異論がないだろう。

日本経済が深刻な不況に突入して、小泉竹中政治の誤りが誰の目にも鮮明に映し出された。「格差拡大」を放置し、セーフティネットを破壊したことの問題が噴出している。

同時に表面化した「かんぽの宿疑惑」は、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であったとの批判が真実であったとの認識を国民全体に急速に広げる役割を果たしている。

小泉竹中一家は麻生政権つぶしに舵を切った。小泉竹中一家が直接支配していると見られる「テレビ朝日」=「朝日新聞」、「日本経済新聞」=「テレビ東京」が、麻生政権批判を加速させている。麻生政権が「西川社長解任」、「郵政民営化委員会委員刷新」の核心に進むことを阻止しようとしているように見える。

朝日系列、日経系列が麻生おろしを強引に誘導しているように見えるが、冷静に事態を見つめなおすことが求められる。

三つの重要事実を再確認する必要がある。

第一は、自民党がわずか半年前にお祭り騒ぎの総裁選を実施したことだ。安倍晋三首相、福田康夫首相が任期1年足らずで無責任に政権を放り出した。2007年7月の参議院選挙に際して、安倍元首相は「政権を選択する選挙」と明言した。国民は野党に参議院の過半数を付与した。この時点で、自公政権は政権維持の正統性を失っている。

2005年9月の総選挙から3年で4人目の首相である麻生首相が就任した。自民党は国民の意思を問う必要を認識して、麻生首相は政権発足と同時に解散総選挙を実施する方針を月刊誌に高らかに宣言した。

自民党は党を挙げてお祭り騒ぎの総裁選を実施したのだ。麻生首相を選出した以上、その責任を負っている。テレビの画面では中川秀直氏、山本一太氏、後藤田正純氏などが、首相交代を主張するが、自民党が党の規約に従って麻生氏を首相に選出した責任をどのように考えているのか。

自民党には年間166億円もの政党交付金が支払われている。この資金は国民の税金である。昨年9月の自民党総裁選で自民党はどれだけの費用をかけたのか。講演会場で候補者が登場するのに、得体の知れないテーマソングに乗って登場するなど、まさに国民の心からかけ離れた演出を施したのは、わずか半年前のことだ。

半年前に3週間の時間を費やして総裁選を実施した事実を忘れたかのような自民党議員の発言を許してはならない。麻生首相が首相としての職責を果たせないと判断するなら、内閣総辞職して野党に政権を渡す以外に選択肢はないはずだ。

野党は政権を引き継いだなら、直ちに総選挙を実施するだろう。国民に審判を仰ぎ、正統性のある本格政権を樹立することが、いま求められていることだ。一部マスメディアが強引に「麻生おろし」を正当化する世論誘導を進めている。その背後に小泉竹中一家の切羽詰った意向が存在することは明白であると感じられる。

第二は「郵政民営化見直し」があたかも「間違った政策」であるかのような報道が氾濫しているが、「郵政民営化見直し」は郵政民営化法に明記された、正統性を持つ事項であることだ。

郵政民営化法第19条第1項の条文を以下に転載する。
「三年ごとに、承継会社の経営状況及び国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、その結果に基づき、本部長に意見を述べること。」

「3年ごとの総合的な見直し」は法律に定められた事項である。このタイミングで「かんぽの宿疑惑」が噴出した。問題を提起したのが鳩山総務相であることから、政局や官僚機構による民営化への抵抗との関連を訝(いぶか)しがる向きがあるが、問題そのものが「郵政民営化」の本質的な問題と直結することを重視すべきである。誰が言い出したかよりも、問題が郵政民営化の本質に直結していることの方がはるかに重要である。

「かんぽの宿」の事例では、郵政民営化法政府案が確定する直前に、突然、かんぽの宿売却規定が法律「附則」に盛り込まれた経緯が明らかにされなければならない。この内容を附則に盛り込むことを指示したのは竹中平蔵氏であったことは国会答弁で確認されている。

「かんぽの宿」の事業収支の赤字を拡大させる経理処理が施された。そのうえで、2008年2月の財産評価委員会で、「かんぽの宿」の時価評価を極めて低く設定する決定が示された。問題は政府の「財産評価委員会」で財産評価の中心的役割を果たしたと見られる奥田かつ枝氏が、オリックス関連企業の役員をしており、竹中平蔵氏が理事長を努める「アカデミーヒルズ」で講師を務めていたことだ。

「かんぽの宿」79施設をオリックス不動産に一括売却することを決定したプロセスが不透明極まりないことはすでに明らかにされている。日本郵政が公明正大なプロセスであることに自信があるなら、早期の白紙撤回はありえない。早期の白紙撤回が不透明なプロセスを証明する間接証拠である。

第三は、「かんぽの宿」問題が「郵政民営化」の本質にかかわる広がりを持つ事案であることを再確認することだ。郵政民営化、日本郵政郵政民営化委員会財産評価委員会、などの人的構成が特定の人脈に著しく偏っている。

万が一、これらの人的つながりによって、「かんぽの宿」が不正に売却されたり、売却されようとしていたことが明らかになれば、問題は「ロッキード事件」や「リクルート事件」並みの巨大疑獄事件に発展する。

問題を徹底的に究明するには、「郵政民営化」を根本から見直すことのできる、本格的な正統性を有する政権を樹立することが不可欠である。

「郵政民営化」に対する総合的な見直しが行われないように、とりあえず「郵政利権化」を邪魔するように見える麻生政権をつぶしてしまえとの動きが拡大しているが、これは問題のすり替え、隠蔽(いんぺい)工作である。

これまで郵政が実施してきた事業の効率性を高め、民間に委ねることのできる業務を民間に委ねてゆく方向は正しいと考える。しかし、日本全国のどの地域に居住していても、あまねく必要不可欠なサービスを受けることを保証する「ユニバーサル・サービス」の重要性は重視されなければならない。

340兆円の巨大な国民貯蓄資金、巨大な不動産資産、巨大事業実施に伴うビジネス機会提供の利権、などが一部の特定の利害関係者に不正に付与されることは、絶対に阻止しなければならない。

浮上している最大の問題は、貴重な国民資産が特定勢力に収奪されるとの懸念を明確に立証する事実が表面化している点にある。中途半端に問題に蓋をしてはならない。まずは、株式売却の凍結、資産売却の凍結、日本郵政社長の解任、郵政民営化委員会委員の刷新を断行するべきだ。

麻生政権の支持率がゼロに近づいているが、麻生首相には総辞職して野党に政権を引き渡すか、直ちに解散総選挙を実施する以外に適正な道は存在しない。野党は「話し合い解散」へ誘導するべきで、「かんぽの宿疑惑」封印に加担してはならない。

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