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2009年2月

2009年2月28日 (土)

解散総選挙が日本経済を救出する唯一の道

2009年度予算が衆議院を通過して、予算の年度内成立が確定した。野党が予算成立に反対して麻生政権に揺さぶりをかけることは可能だった。しかし、民主党は予算成立を容認するスタンスを取った。

その背景には、日本経済の恐るべき悪化がある。米国発の世界経済危機が深刻化しているが、経済悪化がもっとも深刻化しているのは日本である。2月27日に発表された本年1月の鉱工業生産指数は前月比10.0%低下した。前年同月比では30.8%低下で、過去最大の落ち込みを示している。世界大恐慌時に匹敵する経済悪化が進行し始めている。

厚生労働省は昨年10月から本年3月にかけての非正規労働者の失職者数を15.7万人に上方修正した。厚労省の予測数値は時間を追うごとに上方修正されている。不況深刻化、企業倒産、失業の阿鼻叫喚(あびきょうかん)が日本経済を覆っている。

経済深刻化の責任を負うべき第一の存在は麻生政権である。麻生首相は「政局より政策」と言いながら、自身が首相の座に留まることを優先し続けている。そもそも、2008年度第2次補正予算の国会提出を2ヵ月も先送りした責任が重大である。

麻生首相が第2次補正予算の内容を記者会見で発表したのは昨年10月30日である。その内容を具体化した補正予算案を国会に提出したのは年明け後の1月4日だ。この間、日本経済は文字通り、つるべ落としの悪化を示した。

現状で経済悪化に歯止めをかけるには財政政策を活用するしかない。大胆な政策対応が不可欠である。しかし、麻生政権の対応はtoo little too smallである。

麻生政権は75兆円の景気対策だと主張するが、真水は12.5兆円しかない。塩崎恭久元官房長官は「需要創出効果は2.4兆円しかない」と発言している。75兆円の大半は融資枠拡大の規模が占めており、直接需要を拡大する部分が極めて小さいのだ。しかも、この数値は2008年度の1次、2次の補正予算、2009年度の本予算を合計した数値である。

「兵力の逐次投入」を絵に描くような対応である。「失敗の本質」を何一つ学んでいない。中川秀直氏-竹中平蔵氏-高橋洋一氏などのラインは、これまで財政政策の効果を全面否定してきた。世界の先端の経済学では財政政策の有効性を主張する考え方はないとまで言明していた。中立の財政政策が求められた2001年度から2003年度にかけて、近視眼的な緊縮財政を強行して、日本経済を破壊した実績を持つ。

経済主体の合理的期待、マンデル・フレミング効果を唱え、財政政策の効果を全面否定してきた。ところが、これらの人々が隷属する米国が財政政策を積極的に位置付け始めると、手の平を返したように財政政策の発動を主張し始めた。要するに理論の基盤が存在しないのだ。経済政策についての理論的基盤の脆弱さは致命的である。

米国のオバマ政権は2月17日、7870億ドルの景気対策法を成立させた。減税と政府支出を中心とする真水だけの景気対策である。70兆円規模の景気対策を迅速に決定している。

米国は大統領選挙を実施し、国民世論に支えられた本格政権を樹立した。同時に実施された議会選挙の結果、オバマ政権の民主党は上下両院で過半数を確保した。政権政党と議会多数党が一致して政策運営を迅速に実施できる体制が整った。また、大統領就任後の100日間は大統領提案が尊重される「ハネムーンの100日」の風習もある。

この環境下でも共和党議員の一部は、大統領提案に強く抵抗した。オバマ政権が提案した大型景気対策に反対したのだ。この状況に直面したオバマ政権の対応に注目しなければならない。オバマ政権は直ちに協議を進め、当初提案を修正して法律成立を優先した。その結果、2月17日に景気対策法が成立したのだ。

米国経済の回復を実現するには、今回の対策だけでは不十分だろう。2009年後半に追加景気対策が必要になると考えられる。しかし、オバマ政権が着実に、かつ迅速に対応を進めていることが重要である。

麻生政権は完全に国民の支持を失っている。政権末期の様相を強めている。しかも、参議院では野党が過半数を制覇している。麻生政権が提案した「定額給付金」には国民の6-8割が反対している。

衆参ねじれ状況の下では、首相が野党の意向を十分に尊重しなければ、政策の迅速な決定が実現するはずがない。国民世論が反対する政策を強行するのは愚の骨頂である。麻生首相は野党が法案成立を遅らせていると批判するが、野党を批判する前に、自らの行動を謙虚に反省するべきだ。

日本経済は最悪の状況に陥っている。最大の原因は与党の対応にある。麻生首相は月刊誌に解散総選挙を高らかに宣言したのだ。石井一民主党議員が国会で追及した「書いたらやれ、やらないなら書くな」は正論である。

予算成立が確定的になったことで自民党内の動きが流動化し始めている。自民党総裁交代を求める声が聞こえてくる。しかし、その前に考えるべきことがある。自民党がわずか5ヵ月前にお祭り騒ぎの総裁選を実施したことを忘れてもらっては困る。自民党の総意として麻生首相を選出したのではなかったのか。

麻生首相がだめなら、解散総選挙を選択する以外に道はない。麻生首相は、解散権は首相の専権事項と主張するが、日本国憲法にそのような規定はない。天皇の国事行為としての衆議院解散が規定されているだけだ。解散権を首相が私物化することが許されているわけではない。

予算成立後、直ちに解散総選挙を実施するべきだ。

①国民の審判を仰ぎ、国民世論に支えられた本格政権を樹立すること。
②未曾有の大不況に歯止めをかけるに十分な大型経済対策を迅速に決定すること
③「かんぽの宿」疑惑で噴出した「郵政利権化」の実態を明らかにし、問題の全容解明を実現すること
が求められる。

 米国のオバマ政権は巨大景気対策を決定する一方、2013年度の財政赤字半減を政策目標として提示した。財政赤字削減が公約通りに実現するとは考えられないが、金融市場の懸念に的確に対応している。

 急激な不況に対応するには財政政策を活用することが正しい。景気対策を実施すれば財政赤字が拡大するのは当然だ。大型景気対策を決定して財政赤字の急拡大を容認する。しかし、景気回復が実現した段階では財政赤字縮小策を大胆に実施する。これが正しい政策対応だ。米国の政策方針は正道を示している。

 日本の政策担当者の能力不足が鮮明である。景気対策を実施するときに消費税増税を合わせて提示するのも愚の骨頂。財政赤字の見かけに囚われて「政府紙幣」などの「目くらまし」政策に逃げ込むのも間違っている。

 解散総選挙を実施して本格政権を樹立することが、日本再建の第一歩である。国民の信認を失い、迷走する経済政策に固執する麻生政権を延命させることは日本崩壊を招く。自民党は麻生首相を選出した責任を痛感すべきである。

 自民党各派閥は自分たちの利害得失だけを考えた行動を繰り広げているが、そのような姿勢に国民は怒りを沸騰させている。麻生首相の能力に問題があることが明確になっている以上、解散総選挙実施以外に選択肢はない。早期の解散総選挙実現に向けて意思統一を図らなければならない。

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2009年2月26日 (木)

「かんぽの宿」落札SPCの実態と政府紙幣発行論議

『金利・為替・株価特報』085号の発行日が2月27日になります。やや変則的な発行日となりましてご不便をおかけいたしますが、なにとぞご了承賜りますようお願い申し上げます。なお、086号の発行日は3月9日を予定しておりますので、併せてご案内申し上げます。

『月刊日本』2009年3月号に拙稿が掲載されましたので、なにとぞご高覧賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

巻頭特集「小泉・竹中売国路線を断て!」に
「小泉路線にトドメを刺せ」 亀井静香
「郵政私物化を狙う宮内・西川を糾弾する」 稲村公望
「竹中売国政策を暴く」 植草一秀
の3本の論文が掲載された。

拙稿は見開き8ページの論文で、小見出しを列挙すると
噴出する小泉・竹中政治のツケ
財界の利益優先を図った竹中
「かんぽの宿」売却疑惑に竹中の影
郵政民営化の狙いは「郵政米営化」だった
官僚利権を温存した竹中
「竹中・西川・宮内」闇のトライアングル
マスコミに騙されるな
となっている。

文章タイトル、小見出しはいずれも編集部によるもの。論文前半では雇用情勢悪化のなかで浮かび上がった「市場原理主義経済政策」のひずみと、「かんぽの宿」疑惑によって浮かび上がった「郵政民営化」の実態を論じた。

後半では、小泉竹中経済政策の問題点を、マクロ経済政策の論点、金融危機対応策の視点から論じ、マスメディアの問題についても言及した。ぜひ、ご高覧賜りますようお願い申し上げたい。

「かんぽの宿」疑惑に関連して、衆議院の予算委員会や総務委員会で引き続き追及が続けられている。NHKのテレビ中継がなく、また大手メディアの報道が少ないが、重要事実が明らかにされている。

2006年2月の入札では、落札したコスモスイニシア以外に応札したのは1社だったが、その1社は「有限会社スルガホールディングス」という資本金300万円の企業であったことが明らかにされた。

日本郵政公社による国民資産払い下げでは、旧リクルートコスモスのコスモスイニシアを代表とする企業グループが、3回の入札で3回とも落札したことがすでに明らかにされているが、このグループでは、
コスモスイニシア
東急リバブル
穴吹不動産センター
リーテック
レッドスロープ
長谷工コーポレーション
などの企業が名前を連ねる。

また、
CAM7
CAM6
G7-1
という名の特別目的会社(SPC)が名前を連ねる。

このなかのCAM7はリサ・パートナーズ(ジャスダック8844)の連結子会社だと見られている。この会社の役員には旧日本長期信用銀行出身者が名前を連ねているとのことだ。

旧長銀の粉飾決算に関する刑事事件訴訟では最高裁で逆転無罪が言い渡された。この日本長期信用銀行内部調査委員会の委員長を務めたのが川端和治弁護士だが、この川端氏が、今回、日本郵政が設置した第三者検討委員会の3名の委員のうちの一人に選任されている。

「第三者検討委員会」と聞くと、つい中立公正の第三者機関と勘違いしてしまうが、人選によっては「中立公正」でない「出来レース」の委員会になってしまう。

郵政民営化に伴う国民資産不正売却疑惑は、問題発覚の端緒となった①「オリックス」ルート、以外に、②日本郵政公社時代の「コスモスイニシアルート」、さらに日本郵政が不動産開発事業を手掛ける日本郵政の③「CRE部門」ルートの三つのルートから追及してゆかなければならない。

②「コスモスイニシアルート」では、「ネットゲリラ」様「ふじふじのフィルター」様「わんわんらっぱー」様「東京サバイバル情報」様Tokyonotes 東京義塾」様「東京アウトローWEB速報版」様「誠天調書」様などが、丹念に事実関係を追跡されている。

②「コスモスイニシアルート」の問題を明らかにすることが、全容解明につなげる近道かもしれない。「オリックスルート」の実態解明と並行して真相究明が求められる。

麻生首相が訪米したが、オバマ大統領が議会演説を控えていたため、日米首脳会談がスケジュールの合間を縫っての消化行事になってしまった。麻生首相はホワイトハウスへの最初の訪問者になりたかったのかも知れないが、訪米するなら、十分な時間を確保してじっくりと交流を深める必要があったのではないか。

世界経済は戦後最悪の不況に突入している。米国では大手金融機関の破綻懸念がくすぶっている。ビッグスリーの経営安定化はまだまったく見えていない。

日本経済は年率換算二桁のマイナス成長に突入し、金融機関の経営不安が表面化し始めている。

結論から言えば、大型財政政策の発動が不可欠である。麻生政権は2008年度の二次にわたる補正予算、2009年度本予算で、「75兆円の景気対策を用意した」と言うが、GDPを増大させる「真水」は12.5兆円しか盛り込んでいない。

財政政策の発動が不可欠なのだ。このなかで急浮上しているのが「政府紙幣発行論議」だ。最近になって「政府紙幣発行」を主張し始めたのは、高橋洋一氏、渡辺喜美氏、などに連なる「偽装CHANGE」勢力である。

一方、従来から「政府紙幣発行」を主張してきた人々が存在する。両者が混在して、論議が混乱している。

政府紙幣発行を主張する人々の系譜には二つの流れがあり、ひとつは「積極財政を主張する人々」であり、いまひとつは、「量的金融緩和論から政府紙幣発行論に転じた人々」である。

後者の立場の代表が、竹中平蔵氏を理論面で指導してきたと見られる高橋洋一氏である。しかし、このグループの人々の主張には安定感がない。

そもそも高橋洋一氏は「財政政策の無効性」を訴えてきた人物である。「財政政策の無効性」の根拠は、「リカードの等価定理」と「マンデル・フレミング理論」である。

簡単に言えば、「リカードの等価定理は、国債を発行して財政支出を増やしても、人々が将来の増税を予想して支出を減らすから効果がない」というもの。「マンデル・フレミング理論は、財政支出を増やしても金利が上昇し、為替レートが上昇して、効果が相殺される」というもの。

これらを根拠に高橋氏のグループは財政政策を否定してきた。高橋氏のグループが主張したのは量的金融緩和政策だった。私は、「ゼロ金利の下で日銀が短期金融市場に大量のベースマネーを供給しても効果はない」と主張してきた。限界的な信用乗数がゼロの局面では、量的金融緩和政策はマネーサプライ増大効果を持たない。

高橋氏が「ヘリコプターマネー」として「政府紙幣」をマネーサプライ増大のために主張するなら、従来の量的金融緩和政策論からの「転向」を意味する。ただし、この場合も、銀行部門に還流する政府紙幣を日銀が保有し続けなければ効果は持続しない。日銀が保有し続けることは、国債の日銀引き受けと同じ意味になる。

政府紙幣による財政支出が景気対策の効果を挙げるとするなら、高橋氏はそのメカニズムを明らかにする必要がある。合理的期待を前提とする「リカードの等価定理」からはこの結論は導かれない。高橋氏は「イリュージョン」の成立を前提にするのだろうか。

短い行数の説明では分かりやすい説明は不可能で、機会を改めるが、重要なのは、高橋洋一氏のグループの唱える「政府紙幣発行論」の論理的基盤が極めて脆弱であることを知っておかなければならないことだ。総選挙向けの「人気取り政策」の疑いが濃厚である。

財政政策の発動が必要であると主張するエコノミストグループは、オーソドックスに国債発行による財政政策発動を主張するべきである。世の中に「うまい話」は存在しない。政府紙幣発行による財政政策が有効である場合は、国債発行による財政政策発行も有効である。

「政府紙幣発行論」には「円天による経済政策」とも呼ぶべきイリュージョンに依存する側面がある。経済政策発動においては、イリュージョンへの依存を避けることが正しい。「政府紙幣発行」によらない財政政策発動を検討するべきである。

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2009年2月25日 (水)

全国紙の名が泣く日経新聞かんぽの宿「検証」記事

日本経済新聞が2月25付朝刊に「検証「かんぽの宿」問題」と題する特集記事を掲載した。昨年12月26日に日本郵政株式会社が「かんぽの宿」など79施設をオリックス不動産に一括売却することを発表した。年明けの1月6日に鳩山総務相が「出来レースではないか」と「待った」をかけた。ここから問題が表面化した。

日本郵政の西川善文社長は「公明正大な手続きに従って取り運んできている。疑いをもたれるようなことはまったくないと確信している」と発言した。ところが、実態が明らかになるにつれて不透明なプロセスが次々に表面化し、結局、日本郵政は一括譲渡を白紙撤回した。

公明正大なプロセスを経ており、オリックス不動産への一括譲渡が最善の経営判断であるのなら、日本郵政はすべての情報を開示して、総務相を説得すべきだった。いとも簡単に日本郵政が白紙撤回したことが、プロセスの不透明性を如実に物語っている。

中立公正の見地に立って見ても、「かんぽの宿」一括売却には重大な疑惑が存在している。巨大な疑獄事件に発展する余地さえ感じられる。

日経、朝日、産経の全国紙三紙は問題が表面化した際に、鳩山総務相を批判するスタンスを取った。「民営化された日本郵政の経営判断に政治が介入することは正しくない」との主張を社説等に掲載した。

しかし、その後、一括売却先決定プロセスに不透明な部分が多く存在することが明らかにされ、朝日は主張を大きく転換した。産経新聞は基本スタンスを転換していないものの、野中広務元自民党幹事長と鳩山邦夫総務相のテレビ番組での「郵政民営化批判」を紹介するなど、日本郵政批判の主張も紹介する変化を示した。

このなかで、ひたすら日本郵政-オリックスラインを擁護しているのが日本経済新聞である。日本経済新聞は現在の杉田亮毅会長が社長に就任して以降、新聞の論調を大きく転換した。鶴田卓彦氏が2003年3月まで社長を務めていたが、不祥事が表面化して杉田亮毅氏が後継社長に就任した。鶴田氏は2004年3月には相談役も退き、退社した。

杉田氏は小泉元首相と長期間親密な関係を維持しており、2003年以降、日本経済新聞は新聞をあげて小泉竹中路線を支持してきたと評価できる。私は2004年3月まで日経系列のテレビ東京で11年半、コメンテーターを務めたが、2003年以降は本紙が小泉竹中路線を全面支援する下で、さまざまな圧力を受けた。

日本経済新聞は2004年6月にプロ野球オリックスと近鉄の合併をスクープ、同年7月には三菱東京フィナンシャルグループとUFJグループの合併をスクープしたが、その情報源がどのようなものであったのかについても関心が寄せられる。

私は小泉元首相が首相に就任する1年半ほど前に、小泉元首相に1時間半ほどのレクチャーをしたことがあった。会合をセットしたのが杉田氏だった。詳細は拙著『知られざる真実-勾留地にて-』を参照いただきたいが、杉田氏も小泉元首相が首相に就任するために尽力した貢献者の一人である。その杉田氏は一貫して小泉元首相を支援し続けていると見られる。

小泉元首相と近い中川秀直氏は日経新聞記者出身である。日経新聞は小泉竹中政治、中川秀直氏を支援し続けて現在に至っていると考えられる。テレビ東京番組「週刊ニュース新書」でも中川氏はたびたびゲストとして招かれている。

この日本経済新聞が「かんぽの宿」疑惑で、日本郵政サイドの説明を執拗に繰り返している。

2月25日付記事「検証「かんぽの宿」問題」を検証してみる。

 主な論点は以下の点にある。

①「かんぽの宿」の赤字
②日本郵政の「かんぽの宿」評価額の妥当性
③「企画提案コンペ」のような透明でない売却先決定プロセス
④宮内義彦氏と郵政民営化、規制改革との関係
⑤「雇用維持」の売却条件

①の「赤字」について。
記事は、
「もともと収益を目的としていないこともあり、今でも年五十億円規模の赤字を抱える」、
「売却施設の七十施設のうち、黒字はわずか十一施設だ」、
「「かんぽの宿」事業は年五十億円規模の赤字で、早期に売却しなければ赤字の垂れ流しが続く。」
と記述する。正体不明の「赤字」を「動かせない真実」として扱い、読者にイメージを刷り込む。

しかし、問題の根源に、
「「かんぽの宿」は旧郵政省時代に簡易保険加入者の福祉増進のために造られた施設」であるとの事情が存在する。この記述は日経の記事中の表現だ。赤字を生み出すように料金が設定されてきたのだ。

「民間の経営判断」を活用すれば、①料金体系の見直し、②人員の合理化、③外部委託業者の見直し、などを全面的に実施できるはずだ。これらの経営努力を注いだ上での赤字かどうかが最大の問題である。この点についての記述が皆無である。

また、減価償却費が収支にどのように影響しているのかも不明だ。減損会計を実施して、償却負担が軽減された上での赤字なのかどうかによっても状況は変わってくる。

②の評価額について、
記事は2007年2月に一括売却された「かんぽの宿」などについて、売却価格が日本郵政公社の鑑定評価額を上回った事例があると強調するが、問題の本質をまったく捉え違えている。

いま問題にされているのは、「かんぽの宿」を「ホテル事業」と事実に相違して位置付け、経営努力を施していない「かんぽの宿」の営業収支をベースに不当に低い鑑定評価額を設定したことである。

「赤字」の問題も、「不動産鑑定評価」の問題も、国会で論議されている核心にまったく触れず、日本郵政が発表している「赤字」や「鑑定評価額」を「正当なもの」との大前提を置いて、「検証」などと主張しているのだ。まったく「検証」になっていない。

③「企画提案コンペ」のような売却先決定プロセスに対する批判に何も答えていない。国会論戦での保坂展人議員が明らかにした事実すら踏まえていないのではないか。あるいは「頬かむり」しているのかも知れぬ。

記事は、
「産業界におけるM&A(合併・買収)の手法では、よりよい売却条件を探るために、ある程度絞り込まれた応札者を対象に条件を見直すことも珍しくない。」
「今回の譲渡が単なる不動産売買でなく、従業員も含めた事業譲渡であることを念頭に置くことが重要だ。」
などと、疑惑の核心にまったく触れないたわごとを並べている。

「転売規制」、「雇用維持条件」以外に、どこに複雑な事情が存在するのか。企業機密の範疇に分類されるM&A交渉とはまったく性格が異なる。条件を明示して一般競争入札を実施して、国民資産を出来るだけ高い価格で売却する努力を注ぐべきである。

④の宮内氏と郵政民営化との関わりについては、
①宮内氏の著書における「かんぽの宿」の記述
②規制改革会議等における郵政民営化についての論議の有無
③総合規制改革会議委員とオリックスとの関係および、日本郵政株式会社人事との関わり、
④日本郵政で「かんぽの宿」売却を担当した執行役とオリックスとの関わり、
⑤「かんぽの宿」の鑑定評価を行った承継財産評価委員会委員とオリックスとの関わり、
など、多くの疑問点が浮上している。「検証」記事には、これらの分析が皆無である。

⑤の「雇用維持」について、
オリックスの雇用維持が「1年」に過ぎず、他社に提示された条件よりも緩いとの証言、2年の転売規制に抜け穴条項が用意されていたこと、3200人の雇用維持と伝えられているが、3200人には非正社員も含まれている。非正社員および正社員の雇用維持条件の詳細はどのようなものだったのか。

日本郵政サイドの弁明としか受け取れない記事に「検証」のタイトルを付けるのは読者を誤導するものだ。

また、記事は「かんぽの宿」を郵政民営化法で2012年までの廃止または売却を決定したことについて、「本業と関連が乏しい」ことを正当性の根拠としているが、日本郵政が現在、主力事業に位置づけていると見られる「不動産事業」は「本業」なのか。

「かんぽの宿」を売却して、「不動産業」に注力することは、「郵政民営化法」および「日本郵政株式会社法」からは導かれない。「かんぽの宿」を不正払い下げし、他方で「不動産事業」の拡大を目論んだのではないか。

「全国紙」の名前が泣いている。「検証」記事を特集するなら、国会で論議されていることを踏まえ、「かんぽの宿」疑惑で指摘されている主要論点についての最低限の「検証」が求められる。

このような記事を掲載するなら、
「検証「かんぽの宿」問題 日本郵政サイドの主張」
とのタイトルを付けなければ、見出しと内容が齟齬(そご)をきたす。

日本経済新聞が小泉竹中政治を擁護したい気持ちは理解できるが、このような我田引水の分析だけを掲載し続けるなら、優良な読者はますます日経新聞離れを強めてしまうのではないか。過去日経新聞を信頼していた外野席にいる一読者からの忠告として耳を傾けてくれることを願う。

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2009年2月24日 (火)

「かんぽの宿」封印を狙う小泉竹中一家に国民がNO

  産経新聞が2月24日、「本社・FNN合同世論調査“小泉節”意外に不評と題する記事を掲載した。

2009223 小泉元首相は2月12日、「郵政民営化に反対だった」、「郵政4分社化を見直す」などの発言をした麻生首相に対して、「怒るというより笑っちゃうくらい、あきれている」と批判した。

産経・FNNは世論調査で麻生首相および小泉元首相発言に対する評価を聞いた。

 

 

 

 

麻生首相の郵政民営化に関する一連の発言について、
「評価する」12・4% 「評価しない」81.0%

小泉元首相の麻生首相批判発言について、
「評価する」36・4% 「評価しない」56・3%

の結果が得られた。

また、定額給付金を衆院再議決で実施することについて、
「賛成」34.3% 「反対」61.5%

だったが、

小泉元首相が定額給付金関連法案の衆院再議決に棄権する意向を示したことについては、
「理解できる」46・2% 「理解できない」46・6%

との結果が示された。

また、小泉元首相が推進した構造改革については、
「評価する」44・2% 「評価しない」53・6%

となった。

麻生内閣の支持率、不支持率は、
支持11.4% 不支持80.2%

となった。

本ブログでは、
2月6日「「かんぽの宿」疑惑拡大とコウモリ麻生首相の迷走」
2月12日「「かんぽの宿」疑惑解明に慌てふためく小泉元首相」
2月13日「KYキング小泉元首相と「報道ステーション」の誤算」
に、麻生首相の発言迷走は問題だが、小泉元首相が国民世論の空気をまったく読めていないことを指摘した。“小泉節”不評は順当なのだ。

上記産経新聞記事を紹介するYahooニュースに、
本ブログ記事「小泉竹中「郵政民営化」による「日本収奪」の構造」
のリンクが反対意見として紹介された。

上記記事がYahooポータルサイトのトップページに掲載されたため、本ブログへのアクセスが急増したが、3時間ほどでトップページからは消去された。(追補)2月25日時点では、上記産経新聞記事を紹介するYahooニュース記事から、本ブログへのリンクが消去され、竹中氏等の当局サイドの情報だけの掲載に切り替えられている。

マスメディアの「小泉竹中応援一色」の状況が微妙に変化し始めているのだろうか。ヤフーのニュース取り扱いにも強い偏向が観察されているが、一時的にせよ、本ブログ記事を掲載したことには微妙な変化が感じられる。

麻生内閣の支持率は政権の末期状況を示している。麻生内閣が支持されない原因として、
①解散総選挙から逃げ続けていること
②「政局より政策」と言いながら、補正予算提出を大幅に遅らせたこと
③頻繁に漢字を読み間違えたこと
④定額給付金、道路特定財源、郵政民営化、消費税などでの発言がぶれたこと
⑤中川財務大臣のG7での行動が問題化したこと
などをあげられる。

支持率低下の大半は麻生首相の資質による。ただし、小泉元首相からの激しい攻撃、中川前財務相の問題は「郵政民営化見直し」発言後に生じた。「郵政民営化見直し」を表明した後の「郵政利権派勢力」からの攻撃はすさまじいものだった。

小泉元首相は2005年9月の郵政民営化選挙で勝利したことから、今も国民から支持され、政治に多大な影響力を保持していると錯覚しているようだが、人心は完全に離れている。国民は「小泉竹中政治」に対する評価を根本的に修正している。

小泉竹中政治の基本政策は、
①「市場原理主義」に基づく「弱肉強食奨励」=「セーフティネット破壊」
②「対米隷属」=「売国政策」推進
③「官僚利権」温存
だった。

一般的には小泉政権の基本政策が、③「官僚利権温存」であったことが知られていない。しかし、小泉竹中政治は財務省の天下り利権を完全に温存した。象徴的な事例が「日本政策投資銀行」、「国際協力銀行」、「日本政策金融公庫」の天下り温存だった。この問題に対する対応がリトマス試験紙の役割を果たしたが、小泉竹中政治は天下りを完全に温存した。

労働市場の規制撤廃を推進したのは、財界の意向反映を優先したからだ。「解雇の自由」を拡大するなら、同時に、「解雇される労働者」の生活を守る「セーフティネット」を強化することが不可欠だった。しかし、小泉竹中政治は財界の要望を入れて「解雇の自由」を拡大したが、労働者の生活を守る政策を確立しなかった。

「年越し派遣村」に象徴的に示された事象は、「弱者切捨ての経済政策」がもたらしたものだ。高齢者、障害者、母子世帯、生活困窮者、一般労働者に対する政策を冷酷に切り捨てたのが「小泉竹中政治」だった。

「郵政民営化」が「小泉竹中政治」の大看板だった。「26万人の公務員を抱える郵政三事業を民営化する」、「民でできることは民に」などのキャッチフレーズだけが反復された結果、多くの国民が「よく内容は分からないが応援しよう」という気分になった。2005年9月の総選挙で国民は迂闊(うかつ)にも自民党に圧倒的多数の議席を付与してしまった。

①「市場原理主義」、②「天下り」、③「売国政策」、に対する国民の怒りが沸点に到達しようとしている。この三つの基本政策が小泉竹中政治の中心に置かれた。

麻生首相は、日本経済が100年に1度の危機に直面しているのに、自分の地位を守ることを優先して経済政策に取り組まず、国民の信任を完全に失った。不支持率80%は国民による「内閣不信任」を示している。麻生首相が「天下り」根絶に背を向けていることに対する国民の不信も広がっている。

しかし、麻生内閣が信任されていないことが、麻生首相を上から目線で批判する小泉元首相を国民が支持することには、結びついていない。日本経済の現状をもたらした最大の戦犯が小泉竹中政治であることに、国民は正確に気付いたのだ。

「改革の象徴と勘違いして、よく分からないが支持」した「郵政民営化」の化けの皮が、「かんぽの宿」疑惑で一気に剥(は)がれ始めた。

「かんぽの宿疑惑」が表面化したとき、小泉元首相、竹中平蔵氏が日本郵政批判の先鋒に立っていたなら、「偽装」を押し通すことも可能だったかも知れない。ところが、竹中氏は浅はかだったのか、逆の行動を示した。「日本郵政-オリックスライン」の全面擁護に回った。

不透明な一括売却に「待った」をかけた鳩山総務相を「根本的に誤っている」と断定してしまった。だが、「根本的に誤った」のは竹中氏である。

①「かんぽの宿」が郵政民営化法策定の最終段階で、2012年までの廃止または売却とされたこと、
②日本郵政公社承継財産評価委員会が「かんぽの宿」を驚くような低価格で査定したこと、
③財産評価委員会で資産査定に深く関わったと見られる奥田かつ枝氏がオリックスが出資する企業の役員を務めていたことが判明したこと、
郵政民営化委員会委員に著しい人事の偏りが見られること、
⑤日本郵政で「かんぽの宿」売却の責任者となった横山邦男専務執行役、伊藤和博執行役人事は、いずれも三井住友銀行関連の人事だった。横山氏は三井住友銀行出身、伊藤氏は日本債券信用銀行から株式会社ザイマックスを経て日本郵政に入社したが、ザイマックス社はオリックスが出資する企業である。

2月24日の衆議院予算委員会で、新たな事実がまた確認された。民主党の川内博史議員の追及で事実が明らかにされた。

日本郵政公社、日本郵政株式会社において、「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」と位置付けられてきたことが明らかにされた。このことは、日本郵政公社業務方法書第153条第2項に定められているとのことだ。

加入者福祉施設の利用料については、「公社が負担し、一部を利用者が負担する」と定められてきたのだ。つまり、利用者の支払う料金で、施設を運営する費用が賄われない構造が人為的に形成されてきたのである。

この点については、1月19日付記事「「かんぽの宿」疑惑-竹中平蔵氏の稚拙な反論」に次のように記述した。
「、「かんぽの宿」は旧簡易保険法101条の規定に基づいて、「加入者の福祉を増進するために」創設されたものである。最終的に巨大な損失を生むことになった宿泊施設事業を簡易保険が手がけたことは間違いであったと考えるが、こうした経緯で生まれた「かんぽの宿」は赤字を生み出す低料金で「宿泊サービス」を提供してきたわけだ。」

加入者福祉施設であり、低料金を設定してきたから「赤字」が計上されてきたのだ。人員の合理化を図り、料金体系を見直し、サービスの質を高めれば、黒字化は十分に可能である。

政府の財産評価委員会はこうした事情に反する資産査定を実行したのである。川内氏の追及により、日本郵政公社が資産査定を行う際に、ホテル事業を行う事業者の収支として財務データを提出し、収益還元法で資産査定を行ったことが明らかにされた。

これが、不当に低い資産査定のからくりである。この低い資産査定を基準に、貴重な国民資産が不正に安値売却されてきた可能性が濃厚になっている。

2007年3月の日本郵政公社にる資産売却が「コスモスイニシア」社が代表を務めるグループに売却されたことは、ネット上ではすでに周知の事実になっているが、2004年度から2006年度に3度実施した不動産一括売却のすべてで、同じグループに資産が売却されていたことが明らかになった。

2月24日の衆議院総務委員会で共産党の塩川鉄也議員が明らかにした。2007年3月の178物件の売却で落札したのは、落札したのはコスモスイニシア、東急リバブル、長谷工コーポレーション、穴吹工務店、穴吹不動産センター、リーテック、有限会社レッドスロープのグループである。

「コスモスイニシア」は「リクルートコスモス」が社名変更したものである。「リクルート」社長の河野栄子氏は宮内義彦オリックス会長が議長を務めた「総合規制改革会議」の委員を務めた。また、オリックスが出資する人材派遣会社ザ・アール社長の奥谷禮子氏も「総合規制改革会議」委員を務め、日本郵政株式会社社外取締役に就任した。この状況のなかでザ・アール社は日本郵政公社から人材派遣の業務を4年間で7億円も受注したことが明らかにされている。

ここでは、これ以上深入りしないが、「誠天調書」様「低気温のエクスタシー」様「東京サバイバル情報」様Tokyonotes東京義塾」様「東京アウトローズWEB速報版」様、などが多くの情報を提供くださっている。

麻生内閣攻撃を激化させている小泉竹中一家は、「かんぽの宿疑惑」解明を阻止しようと懸命であるように見える。麻生内閣が支持を失っているが、小泉竹中一家の復権はありえない。また、許してもならない。

早期の解散総選挙を実現し、①「セーフティネット」再構築、②「天下り利権」根絶、③「売国政策」阻止、を明確に基軸に据える本格新政権を樹立しなければならない。

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2009年2月23日 (月)

麻生おろしの「どす黒い動機」と確認すべき三事実

2月23日の衆議院予算委員会で鳩山邦夫総務相が極めて重要な答弁を示した。「郵政民営化」見直しに際して、「郵政民営化法」改正も視野に入れることを明言した。

小泉竹中一家は一段と麻生政権攻撃を強めると考えられる。テレビ朝日が激しい麻生政権攻撃を続けている。「郵政民営化」=「郵政利権化」=「郵政米営化」の巨大プロジェクトの巨大果実を目前にして、「郵政民営化」の根幹が変更されたのでは、これまでの苦労が水の泡だ。

具体的な鍵を握るのは、「西川善文日本郵政社長の解任」と「郵政民営化委員会委員の刷新」である。麻生首相が「郵政4分社化見直し」を明言して以降、小泉竹中一家の常軌を逸した反応が際立っている。

四代目世襲を公表した小泉元首相に「改革」の言葉は似つかわしくない。小泉元首相は衆議院の3分の2の議席を強調するが、2007年7月の参議院選挙では自民党が大敗している。自民党大敗の理由についてさまざまな論評は可能であるが、小泉竹中政治に対する根本的な見直しが自民党大敗の背景に存在することについては異論がないだろう。

日本経済が深刻な不況に突入して、小泉竹中政治の誤りが誰の目にも鮮明に映し出された。「格差拡大」を放置し、セーフティネットを破壊したことの問題が噴出している。

同時に表面化した「かんぽの宿疑惑」は、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であったとの批判が真実であったとの認識を国民全体に急速に広げる役割を果たしている。

小泉竹中一家は麻生政権つぶしに舵を切った。小泉竹中一家が直接支配していると見られる「テレビ朝日」=「朝日新聞」、「日本経済新聞」=「テレビ東京」が、麻生政権批判を加速させている。麻生政権が「西川社長解任」、「郵政民営化委員会委員刷新」の核心に進むことを阻止しようとしているように見える。

朝日系列、日経系列が麻生おろしを強引に誘導しているように見えるが、冷静に事態を見つめなおすことが求められる。

三つの重要事実を再確認する必要がある。

第一は、自民党がわずか半年前にお祭り騒ぎの総裁選を実施したことだ。安倍晋三首相、福田康夫首相が任期1年足らずで無責任に政権を放り出した。2007年7月の参議院選挙に際して、安倍元首相は「政権を選択する選挙」と明言した。国民は野党に参議院の過半数を付与した。この時点で、自公政権は政権維持の正統性を失っている。

2005年9月の総選挙から3年で4人目の首相である麻生首相が就任した。自民党は国民の意思を問う必要を認識して、麻生首相は政権発足と同時に解散総選挙を実施する方針を月刊誌に高らかに宣言した。

自民党は党を挙げてお祭り騒ぎの総裁選を実施したのだ。麻生首相を選出した以上、その責任を負っている。テレビの画面では中川秀直氏、山本一太氏、後藤田正純氏などが、首相交代を主張するが、自民党が党の規約に従って麻生氏を首相に選出した責任をどのように考えているのか。

自民党には年間166億円もの政党交付金が支払われている。この資金は国民の税金である。昨年9月の自民党総裁選で自民党はどれだけの費用をかけたのか。講演会場で候補者が登場するのに、得体の知れないテーマソングに乗って登場するなど、まさに国民の心からかけ離れた演出を施したのは、わずか半年前のことだ。

半年前に3週間の時間を費やして総裁選を実施した事実を忘れたかのような自民党議員の発言を許してはならない。麻生首相が首相としての職責を果たせないと判断するなら、内閣総辞職して野党に政権を渡す以外に選択肢はないはずだ。

野党は政権を引き継いだなら、直ちに総選挙を実施するだろう。国民に審判を仰ぎ、正統性のある本格政権を樹立することが、いま求められていることだ。一部マスメディアが強引に「麻生おろし」を正当化する世論誘導を進めている。その背後に小泉竹中一家の切羽詰った意向が存在することは明白であると感じられる。

第二は「郵政民営化見直し」があたかも「間違った政策」であるかのような報道が氾濫しているが、「郵政民営化見直し」は郵政民営化法に明記された、正統性を持つ事項であることだ。

郵政民営化法第19条第1項の条文を以下に転載する。
「三年ごとに、承継会社の経営状況及び国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、その結果に基づき、本部長に意見を述べること。」

「3年ごとの総合的な見直し」は法律に定められた事項である。このタイミングで「かんぽの宿疑惑」が噴出した。問題を提起したのが鳩山総務相であることから、政局や官僚機構による民営化への抵抗との関連を訝(いぶか)しがる向きがあるが、問題そのものが「郵政民営化」の本質的な問題と直結することを重視すべきである。誰が言い出したかよりも、問題が郵政民営化の本質に直結していることの方がはるかに重要である。

「かんぽの宿」の事例では、郵政民営化法政府案が確定する直前に、突然、かんぽの宿売却規定が法律「附則」に盛り込まれた経緯が明らかにされなければならない。この内容を附則に盛り込むことを指示したのは竹中平蔵氏であったことは国会答弁で確認されている。

「かんぽの宿」の事業収支の赤字を拡大させる経理処理が施された。そのうえで、2008年2月の財産評価委員会で、「かんぽの宿」の時価評価を極めて低く設定する決定が示された。問題は政府の「財産評価委員会」で財産評価の中心的役割を果たしたと見られる奥田かつ枝氏が、オリックス関連企業の役員をしており、竹中平蔵氏が理事長を努める「アカデミーヒルズ」で講師を務めていたことだ。

「かんぽの宿」79施設をオリックス不動産に一括売却することを決定したプロセスが不透明極まりないことはすでに明らかにされている。日本郵政が公明正大なプロセスであることに自信があるなら、早期の白紙撤回はありえない。早期の白紙撤回が不透明なプロセスを証明する間接証拠である。

第三は、「かんぽの宿」問題が「郵政民営化」の本質にかかわる広がりを持つ事案であることを再確認することだ。郵政民営化、日本郵政郵政民営化委員会財産評価委員会、などの人的構成が特定の人脈に著しく偏っている。

万が一、これらの人的つながりによって、「かんぽの宿」が不正に売却されたり、売却されようとしていたことが明らかになれば、問題は「ロッキード事件」や「リクルート事件」並みの巨大疑獄事件に発展する。

問題を徹底的に究明するには、「郵政民営化」を根本から見直すことのできる、本格的な正統性を有する政権を樹立することが不可欠である。

「郵政民営化」に対する総合的な見直しが行われないように、とりあえず「郵政利権化」を邪魔するように見える麻生政権をつぶしてしまえとの動きが拡大しているが、これは問題のすり替え、隠蔽(いんぺい)工作である。

これまで郵政が実施してきた事業の効率性を高め、民間に委ねることのできる業務を民間に委ねてゆく方向は正しいと考える。しかし、日本全国のどの地域に居住していても、あまねく必要不可欠なサービスを受けることを保証する「ユニバーサル・サービス」の重要性は重視されなければならない。

340兆円の巨大な国民貯蓄資金、巨大な不動産資産、巨大事業実施に伴うビジネス機会提供の利権、などが一部の特定の利害関係者に不正に付与されることは、絶対に阻止しなければならない。

浮上している最大の問題は、貴重な国民資産が特定勢力に収奪されるとの懸念を明確に立証する事実が表面化している点にある。中途半端に問題に蓋をしてはならない。まずは、株式売却の凍結、資産売却の凍結、日本郵政社長の解任、郵政民営化委員会委員の刷新を断行するべきだ。

麻生政権の支持率がゼロに近づいているが、麻生首相には総辞職して野党に政権を引き渡すか、直ちに解散総選挙を実施する以外に適正な道は存在しない。野党は「話し合い解散」へ誘導するべきで、「かんぽの宿疑惑」封印に加担してはならない。

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2009年2月22日 (日)

フジテレビ「サキヨミ」が「かんぽの宿」を適正に報道

フジテレビ「サキヨミ」が「かんぽの宿疑惑」を三たび取り上げた。

すでに売却された「かんぽの宿」のその後を検証した。

日本郵政公社時代に売却・閉鎖された「かんぽの宿」は27箇所。現状は、高齢者施設4、工場・墓地2、閉鎖14、宿泊施設7である。

「あわの抄」、「さひめ野」などの宿泊施設の事例が紹介された。利用料金を据え置いたままで、黒字化に成功している現状が伝えられた。

大きな経営改善が人件費圧縮によって達成されている。フルタイム雇用60人体制を15人体制に転換して、人件費を大幅に圧縮した事例が示された。別の施設では、54人体制が30人体制に修正された。

親方日の丸の「ぬるま湯体質」を筋肉質の体質に変えることが「民営化」の大きな目的ではないのか。日本郵政の経営形態が株式会社に転換しても、従来の親方「日の丸体質」を維持するのでは、制度改革の意味はない。

料理のメニューも抜本的に見直せば、同じ経費でより満足度の高いサービスを提供することが可能になる。

旅館ビジネスの専門家が今回売却対象になった55の施設の財務データを分析した結果では、32の施設が黒字化できるとの結論が得られたことを番組は紹介した。

役所からの「天下り」職員の退職金負担などが大きいことが問題であるとのコメントが示されたが、経営効率化に向けての努力を注ぐべきことは当然だ。

政府の財産評価では、経営努力をまったく施さないまま、直近1年間の収益性の変化から将来の収支を予測し、割引現在価値から資産価値を査定する手法が取られた。番組出演者は「資産査定を恣意的に引き下げるための措置」だったのではないかと指摘した。

すでに日本郵政公社元常務理事の稲村公望氏が、60年償却を25年償却に変更したことが、見かけ上の収支悪化をもたらし、このことが低価格査定につながったことを指摘されている。日本郵政が79施設を「できるだけ安く売るために」行動したとの疑いは益々濃厚になっている。

70%の稼働率が現存する「かんぽの宿」は、経営の効率化、サービス精神の向上、減価償却負担の低下を図れば、十分黒字化することが可能と考えられる。黒字化した施設であれば、売却に際して不動産の実勢価格が売却価格に強く影響することになる。

かんぽの宿79施設の日本郵政簿価は123億円だが、固定資産税評価額は857億円である。不透明極まりない方法で、オリックス不動産に109億円で売却する方針が決定されたことが「不正入札」の結果であったとの疑いは益々濃くなっている。

竹中平蔵元郵政民営化担当相-西川善文日本郵政社長-宮内義彦オリックス会長-メリルリンチ日本証券などのつながりを、徹底して再精査する必要がある。 

2月22日日本テレビ番組「バンキシャ」では、小泉元首相発言を正しい発言だとする竹中平蔵氏の主張を河上和雄氏が一蹴(いっしゅう)した。河上氏は小泉元首相が四代目の世襲を図りつつ、予算関連法案への反対意見を表明したことを、完膚なきまでに批判した。竹中氏は一言も反論できなかった。テレビ朝日と日本経済新聞系列の偏向は別格、不変だとして、これ以外のマスメディアの空気に微妙な変化が見られ始めるのだろうか。

自民党議員による麻生首相批判が激しさを増しているが、自民党議員に麻生首相を批判する資格はない。昨年9月に自民党所属の首相が二代続けて政権を放り出した。自民党は理屈を並べて、3週間もの時間と膨大な費用をかけて総裁選を実行した。そのお祭り騒ぎの末に選出した麻生首相がだめなら、内閣総辞職して野党に政権を引き渡すしか道はない。

マスメディアは自民党内の麻生首相批判の根本的な誤りを批判して、自民党に内閣総辞職を迫るべきではないのか。麻生首相が総辞職の道を選ばぬなら、解散を決断する意外に逃げ道はない。マスメディアが主導する歪んだ世論形成を厳しく糾弾(きゅうだん)しなければならない。

「かんぽの宿疑惑」が封印されることを防ぐため、西川社長解任と郵政民営化委員刷新だけは確実に実行したうえで、麻生首相は総辞職か解散の決断を早期に示すべきである。

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麻生首相は郵政民営化委員を刷新して解散を断行すべし

「神州の泉」主宰者の高橋博彦様には、いつも身に余るお言葉を賜りまして心よりお礼申し上げます。また、「植草事件の真相」掲示板に「またしても魂を売った裁判官」と題するご意見を寄稿くださった投稿者様には、温かなお言葉を賜りましてありがとうございます。心よりお礼申し上げます。

また、ひらのゆきこ様がJANJANニュース民事訴訟についての貴重な記事を執筆くださいました。いつも貴重な記事を掲載くださいましてありがとうございます。心よりお礼申し上げます。

NHKは予算を握る監督官庁が総務省であるため、定時ニュースで「かんぽの宿疑惑」を取り扱っているが、テレビ朝日、テレビ東京を中心に民間放送はほとんどこの重大な疑惑報道を行っていない。

事案の内容は「ロッキード事件」や「リクルート事件」に匹敵する重要性を帯びている。小泉竹中政治の本丸であった「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であるとの疑惑が鮮明に浮上しているのだ。マスメディアが報道機関であると自任するなら、真相究明への真摯な姿勢が見られないことは、不自然極まる。

NHKは国民の支払う受信料によって支えられ、公共放送であることから法律によってさまざまな恩典を与えられている。衆参両院の本会議、予算委員会、および重要問題を審議する委員会審議は100%テレビ中継をするべきである。

大相撲と高校野球を完全放送して、国会を中継しないことを正当化する論理は存在しない。竹中氏の総務相時代のころから国会中継の完全放送が見送られているのではないか。NHKの国会中継のあり方、日曜討論のあり方について、国会で論議することが求められる。

「かんぽの宿疑惑」が拡大するなかで、2009年前半、郵政民営化は重大な局面を迎える。郵政民営化法第19条は「3年ごとの総合的な見直し」を明記している。本年が見直しの年にあたる。また、「かんぽの宿」一括売却に重大な問題があることが明らかになれば、西川善文社長の解任は必至である。

「ポリシーウォッチ」での竹中平蔵氏の切羽詰った稚拙な反論を見ると、竹中氏は西川氏の解任をどうしても避けなければならない、何か特別な事情を抱えているように見受けられるが、西川社長が貴重な国民資産を守るための「善管注意義務」を果たしていなかったのなら、解任は当然である。

竹中氏は「そのようなことをすれば民間から仕事を引き受ける人がいなくなる」というが、株式を100%日本政府が保有している以上、日本郵政は紛れもない「国営会社」であり、その最高責任者には、最低限度の行動として、国民財産を守る行動が求められる。それをできない人物なら、民間人であれ官僚出身者であれ、仕事を引き受けてもらうべきでない。竹中氏の発言は「本末転倒」である

「仕事の引き受け手がなくなるから、重大な問題に目をつぶる」のは間違いであって、「重大な問題を発生させない適性を備える人物に限り、仕事を委ねる」ことが必要なのだ。

小泉竹中政治の副産物として、日本の雇用情勢は氷河期に突入した。日本郵政の経営を委ねる人材を民間公募すれば、「私」ではなく「公」のために精一杯汗を流す、能力のある人材がいくらでも名乗りを挙げるはずだ。小泉竹中政治は政府関連人事において近親者に地位を付与することを繰り返し、「人事」を「利権化」したと論評できる行動を随所に示した。新たな「猟官任用」の類型が形成されたと思われる。

日本郵政社長交代に加えて、もうひとつの重要事項が存在する。それは「郵政民営化委員会」委員の任期が本年3月で切れることだ。このメンバーを刷新しなければならない。

現在の委員5名は以下の通り。

田中直毅 国際公共政策研究センター理事長
飯泉嘉門 徳島県知事
辻山栄子 早稲田大学商学部教授
冨山和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役最高経営責任者
野村修也 中央大学法科大学院教授

次に、竹中氏と特に親しい人々がメンバーになっていると推察される「ポリシーウォッチ」のスピーカーメンバーを示す。

竹中平蔵
加藤 寛
岸 博幸
木村 剛
冨山和彦
野村修也
ロバート・フェルドマン

   
 次に、小泉元首相がロシアを訪問したが、訪問は「国際公共政策センター」の行事によるものだった。この組織の最高幹部は以下の通りである。

会 長 奥田 碩
理事長 田中直毅
顧 問 小泉純一郎

つまり、郵政民営化委員会が「同族会社」と化していると言っても良いのではないだろうか。この状況を放置したままでは、「郵政民営化」の「真相」が「郵政利権化」であり、「郵政米営化」であり、「郵政私物化」であるとの強い疑惑を払拭できない。

本年3月に委員の任期が満了する。任期満了に際して、すべての委員を刷新する必要がある。同時に、日本郵政の社長を交代するべきだ。

「郵政民営化見直し」を表明した麻生首相の解散権を封じ、総選挙前に四たび首相を交代しようとの蠢(うごめ)きが本格化しているが、国民を馬鹿にし切った自民党の横暴を許してはならない。

野党は予算成立と解散総選挙とを取引するべきだ。麻生首相は解散権を封じ込められる前に、日本郵政社長と郵政民営化委員を刷新し、野党との「話し合いによる衆議院解散」を決断するべきだ。判断を遅らせれば、三木武雄元首相、海部俊樹元首相と同様に解散権を封じられて、麻生氏は間違いなく首相の座から引きずり降ろされることになる。

国民の大半が早期の解散総選挙を求めている。予算成立と同時に解散総選挙を行うことが唯一の正しい選択である。小泉竹中一家の行動は時計の針を逆戻りさせる行動である。世界はいま、「市場原理主義」を否定し、「改革の美名の陰に隠された新型利権政治」を否定しようとしているのだ。

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「かんぽの宿疑惑」竹中平蔵氏の益々稚拙な反論

「かんぽの宿不正入札疑惑」では、重要事実が次々に明らかにされている。

  

①日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
であった。貴重な国民資産が実勢価格の約10分の1で払い下げられようとしていた。

②一括売却の第2次審査で提示された内容において、オリックス不動産の提示条件よりもHMI社の提示条件が日本郵政に有利であったと鳩山総務相が明言した。

③「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していた。

④日本郵政とメリルリンチ日本証券との間で、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報が浮上した。

⑤オリックスへの「かんぽの宿」一括譲渡契約書に、2年以内でも施設の廃止と売却を可能にする但し書きが盛り込まれていた。

 年間40億円の赤字の存在が安値売却の最大の理由とされてきたが、帳簿上の赤字の最大の要因が、高額の減価償却費であるとの見方が存在する。また、宿泊業務の多くが外部業者に委託されており、その費用が過大に計上されていた可能性が高いことも明らかにされつつある。

 郵政民営化法が成立した際の附帯決議に、「職員の雇用安定化に万全を期すこと」が盛り込まれており、安値売却の大きな理由とされてきた。しかし、オリックスに義務付けられた雇用維持期間はわずか1年であることが判明した。

 総務相が日本郵政に対して資料提出を求め、また、野党を中心に国会で真相究明が進められるなかで、今回の入札が適正でなかったことはすでに明らかになっている。

 しかし、マスメディアが「かんぽの宿疑惑」をほとんど伝えない。テレビ朝日番組「サンデープロジェクト」は、小泉竹中政治の「郵政民営化」政策を全面的にサポートしてきたと言って過言でない。「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の本質が「郵政利権化」であったとの疑惑を生み出す重大な問題だ。

 テレビ朝日が報道機関の一角に名を連ねると自任するなら、「かんぽの宿疑惑」に頬かむりをして、一切報道しないとの姿勢が許されるはずがない。「頬かむり」は番組の「偏向」を自ら宣言するものである。

 2月21日のテレビ朝日番組「サタデースクランブル」も、中川昭一前財務相のG7会見、小泉元首相発言、橋下知事国交省訪問などを扱ったが、「かんぽの宿」疑惑にまったく触れなかった。

 テレビ東京「週刊ニュース新書」も、再び小泉竹中一家の中川秀直氏を登場させ、麻生首相攻撃を展開しただけで、「かんぽの宿」問題にほとんど触れなかった。

 2月5日に麻生首相が「郵政民営化見直し」発言を示して以降、小泉竹中一家を中心に、「郵政民営化見直し」の気運を封殺しようとする常軌を逸する動きが表面化した。

 野中広務自民党元幹事長と鳩山邦夫総務相が時事放談で指摘されたように、
①小泉竹中一家は疑惑追及が自分たちに及ぶことを恐れている、
②「郵政民営化の真相」が「郵政利権化」=「郵政米英化」であることが判明した、

③マスメディアは「郵政民営化の真相」が国民に知られないように、徹底的な情報隠蔽を図っている、
のが「真相」であると思われる。

「サタデースクランブル」では、番組途中のCMに「オリックス生命」が登場した。これでは、「かんぽの宿疑惑」を追及できないのは当然だろう。

①中川財務相G7会見、②小泉元首相の、笑っちゃうくらいあきれてしまうような発言、が繰り返し報道され、麻生政権の窮地が報道されるが、③「かんぽの宿疑惑」続報は封印されている。

竹中平蔵氏は「ポリシーウォッチ」なる組織を舞台に、益々稚拙な反論を示しているが、竹中氏が指摘された問題には何も答えていない。「ポリシーウォッチ」の会合が森ビルのアカデミーヒルズで開かれていることから考えると、小泉元首相と非常に親密な森ビルがスポンサーであるのかも知れない。ポリシーウォッチは極めて偏ったメンバーで組織されている。

竹中氏は次のように訴える。

「鳩山総務相は当初、①なぜこの時期なのか、②なぜ一括売却なのか、③なぜオリックスなのか、との問題を提起した。

①については「赤字」が出ているから売却を急ぐ、②については、「雇用」維持のため、③宮内氏は郵政民営化にまったく関与していない、から、問題はない。

このように反論したところ、鳩山総務相は、今度は、①プロセスが不透明、②価格が安い、と言い始めた。

しかし、①プロセスとしてはM&Aの一般的な手法が用いられており、②2000億円のものを100億円で売るのではなく、100億円のものに2000億円もの資金を投じたことが問題である。プラス400億円の資産とマイナス300億円の資産があるから差し引きでプラス100億円になるので、おかしくない。

一連の動きは、西川日本郵政社長を追放するための陰謀だと思う。西川氏を追放して、総務省出身者が日本郵政社長に座り、郵政4分社化を見直せば、郵政民営化は崩壊してしまう。西川社長を追放するようなことをすれば、こうした仕事に就く民間人はいなくなる。」

こうした趣旨の主張を繰り返した。

竹中氏はなぜこのような次元の反論しか示すことができないのであろうか。そもそも売却価格が不自然に低く、入札プロセスが不透明であるから、問題が表面化したのだ。鳩山総務相はこの問題意識に基づいて、上記した三つの問題を提起したのだ。竹中氏の日本語理解力が問われる。

竹中氏は、「12月26日に日本郵政が売却決定を発表する前に、日本郵政は総務省から了解を得ていた」と主張するが、「役所や政治家から独立して判断するのが「民営化」された日本郵政がとるべき行動だ」とする竹中氏の持論と矛盾する主張である。

今回のケースでは、日本郵政が一括売却方針を発表したものの、会社形態を変更するために総務相の認可が必要だった。その認可に関連して、正当な理由が存在して総務相が認可しない可能性を表明したことに、まったく問題は見当たらない。

貴重な国民資産の売却に不透明な部分を残したまま不透明な売却を容認することが総務相の取るべき行動だと竹中氏が主張するなら、間違っているのは100%竹中氏である。

竹中氏が掲げる「雇用」と「赤字」を根拠とする安値売却の正当性主張は、すでに明らかになっている事実によって破綻している。1万円で売却した「かんぽの宿」が半年後に6000万円で売却された事例が、安値売却の不当性を象徴的に証明している。

経営改善、料金改定、減価償却費の見直しにより、「かんぽの宿」の赤字は恐らく解消可能だと考えられる。「雇用維持」条件も1年であったとのことであるし、「2年の転売規制」も「抜け穴条項」によって「ざる規定」になっていることが判明した。

詭弁を維持し続けている点では、竹中氏と日本経済新聞が双璧を成している。日本経済新聞は2月21日朝刊社説で、
「「かんぽ」撤回が映す民営化後退を憂う」
と題する論評を掲載した。日本経済新聞の堕落には目を覆うばかりだ。

正しいタイトルは
「「かんぽ」疑惑が映す郵政利権化を憂う」
ではないのか。

2007年3月に売却された178件の物件においても、半年以内に77%が転売されていることが明らかにされた。これらの取引も不透明極まりないものだ。

今回の一括売却は、初めからオリックスに安値払い下げを行うことがシナリオとして描かれていたとの、極めて重大な疑惑に発展しつつある。仮に、この疑惑が深まれば、不正入札として刑事問題に発展することは間違いない。それほどの重大性を帯びている。

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2009年2月21日 (土)

アルファブロガーアワードへのご投票に深く感謝申し上げます

2008アルファブロガーアワード・ブログ記事大賞の発表がありました。本ブログ読者の温かなご支援のお力により、ブログ記事大賞を受賞することができました。身に余るご支援に心から感謝申し上げます。

2月16日付記事を2月18日の締め切りまでに投票くださるよう、2月17日にお願い申し上げたにもかかわらず、非常に多くの皆様に投票賜りまして入賞に届くことができました。

投票をお願い申し上げたのは、ブログ記事をできるだけ多くの人に読んでいただき、「知られざる真実」の一端を知っていただきたかったからである。また、偏向マスメディアがブログ記事を偏向した意図をもって利用することが見られるため、一部の偏向したブログだけが、偏向報道の目的に沿って利用されることに対する何らかの抑止力になることを希望したことも理由のひとつだった。

 

アルファブロガーアワードの事前告知では、2月20日の発表イベントでブログ記事大賞に選出された記事を声優が読み上げると記載されていたが、告知通りに読み上げていただいたのだろうか。(追補:本記事掲載後に入手した2月10日付プレスリリース資料によると、声優による記事読み上げは上位3ブログであるとの記載があった)

昨年5月25日付記事「債券・株・為替中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐらについて」に、同ブログによる捏造記事掲載問題と産経新聞によるブログ記事を紹介する偏向記事に関する論評を掲載した。本ブログ記事をご高覧賜り、上記の問題意識をご理解賜れればありがたく思う。

「カナダde日本語」の美爾依さんが、今回のアルファブロガー・ブログ記事大賞に関連して早速祝辞を下さると同時に、ブログアワードの問題点を指摘された。温かなお心遣いに感謝申し上げたい。私はブログ執筆の初心者で、ブログのあり方について評論するだけの知識を持ち合わせていないが、ブログが政治的な意図を持つマスメディアに利用されることに警戒を払う必要があると思う。アルファブロガーアワードがどのようなものかについての十分な知識はないが、この種のアワードにおいては、選考方法の詳細が事前に明瞭に示され、中立公正に選考が行われる透明性を確実に確保する方式の導入が強く求められる。

小泉元首相は麻生首相の「郵政民営化見直し」発言に動揺して、小野次郎議員と世耕弘成議員のブログ記事を麻生首相にFAX送信したとテレビカメラを前に強調していたが、ネット上には「郵政民営化見直し」に賛成する意見や、小泉首相を批判する意見が噴出していた。ブログ記事を紹介するなら、賛否両論を紹介するのが適正であり、小泉元首相の行動はあまりに姑息であると感じられた。

マスメディアが特定の政治勢力と資本勢力に支配され、真実の情報が隠蔽され、露骨な情報操作が繰り広げられている。この状況のなかで、草の根のネット情報が極めて重要な役割を担うことになる。

全国放送のテレビ番組の場合、1%の視聴率で100万人に対する情報伝達が可能である。1000人の集会で演説をしても、1000回繰り返さなければ、100万人に情報を伝えることができない。

本ブログにアクセスしてくださる方が増加して、現在は1日3万5000以上のアクセスをいただいている。心より感謝しているが、このアクセス数を一桁増やす努力を注ぐ必要があると感じている。

しかし、人口3000万人の江戸時代末期、3000人の志士の力で維新が実現した。この意味では、人口1億人の日本における、強い志を持つ1万人の力はとてつもなく大きいと考える。ネットから真実の情報を発信し続けることが、必ず大きな力を生み出すことになると確信している。

ブログ記事大賞では非常に多くの皆様が誠にありがたい推薦のコメントを送ってくださった。身に余るお言葉に心より感謝申し上げたい。

また、mojoコメント備忘録」mojo様、ならびにjunglepocket」様からも、貴重なありがたいお言葉を賜った。記して心よりお礼申し上げたい。

微力ではあるが、「真実」の情報を地道に発信して参りたい。すべての人々が幸福に暮らすことのできる社会が構築されることが私の願いである。政治は人々の幸福を実現するために存在しなければならないと思う。「平成の世直し」の実現を心から願っている。

私がもっとも愛読する作家である村上春樹氏がエルサレム賞の受賞式に出席してスピーチをされた。それぞれの人々のそれぞれの立場に配慮しながら、ご自身の心にある考えを正確に伝えられた行動を目にして感動した。スピーチのなかでは、卵と壁のメタファはもちろんだが、村上氏が見つめていた父上の背中を語られたエピソードが強く印象に残った。

すべての人々の幸福を願う、多くの人々と力を合わせて、この理不尽と不条理に包まれた世界を少しでも変えてゆけたらと思う。

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2009年2月20日 (金)

竹中平蔵氏と日経新聞「かんぽの宿」の外堀が埋まりましたが

日本経済新聞と竹中平蔵氏はいつまで詭弁を維持するのだろう。

「かんぽの宿疑惑」はすでに「疑惑」の段階を超えている。「かんぽの宿不正売却問題」と表現する方が適切である。

日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が明らかにされた。
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
である。

通常、不動産の取引実勢価格は固定資産税評価額の1.3~1.5倍程度とされている。オリックス不動産が取得することになっていた価格は固定資産税評価額の13%、実勢価格が固定資産評価額の1.3倍だとすると、実勢価格の10%である。

2月20日の衆議院予算委員会の質疑では、また新たに二つの重要事実が明らかにされた。

ひとつは、2008年10月31日の「第2次入札」に応札したオリックス不動産とHMI社の2社の提示した条件を比較すると、価格、雇用維持条件、などを勘案すると、HMI社が提示した条件の方が、明らかに日本郵政に有利であったことが明らかにされたことだ。鳩山総務相が日本郵政が提出した資料をもとに明言した。

第二は、オリックス不動産に対して2年間の転売規制が付けられているとのこれまでの日本郵政の説明が虚偽であることが判明した。オリックス不動産との契約内容に、2年間の期間内でも例外的に施設の廃止や転売をオリックス不動産が実行できる条項が盛り込まれていたことが明らかにされた。

日本郵政が当初、「一般競争入札」としてきたものが、実は「一般競争入札」ではなかったことがすでに明らかにされている。会計法により、日本郵政の資産売却は「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のいずれかによることとされているが、「かんぽの宿」売却は、このいずれの範疇にも入らないものだった。

ただし、最終的に今回の「かんぽの宿」の事例では、最終的な入札に1社しか参加していないから、保坂展人議員によれば、「不落随契」と呼ばれる「随意契約」に分類されるとのことだ。

一括譲渡先決定のプロセスが明らかにされるに連れて、決定プロセスの不透明さは解消されるどころか、濃くなるばかりである。すでに「真っ黒」の状況だ。

日本郵政とメリルリンチ日本証券との間では、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報も浮上している。

この期に及んでも、日本経済新聞と竹中平蔵氏は、日本郵政が正しく、一括譲渡に「待った」をかけた鳩山総務相の行動が間違いであるとの「詭弁」を維持し続けるのか。

今回の問題に対して、中立公平の視点からの、一般常識に適合する論評をまったく示さず、ひたすら日本郵政と西川社長を擁護しようとする奇怪な行動が、「郵政民営化」に対する疑念を急激に拡大させていることに気付かないのだろうか。

朝日新聞は当初、鳩山総務相批判のポジションを取ったが、事態の進展に応じて、論調を転換した。日経新聞と産経新聞が当初のスタンスに固執している。

「ポリシー・ウォッチ」と呼ばれる、誰がスポンサーになっているのかを知らないが、メンバーに明らかな偏りのあるグループのサイトで、懸命に詭弁を弄する竹中平蔵氏の顔色に焦燥感が濃いと感じるのは私だけだろうか。

竹中平蔵氏が提供する、まったく進歩の見られない稚拙な反論に対するコメントを次回コラムに要約して提示する。

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「かんぽの宿」不正払下げを証明する固定資産評価

2月19日の衆議院財務金融委員会で、「かんぽの宿疑惑」に関連して、また新しい重要事実が明らかにされた。

この点に関連する重要事実は、すでに2月16日の衆議院財務金融委員会で明らかにされていた。

本ブログ2月17日付記事「「かんぽの宿」不正売却の新事実判明」に、「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産評価基準額が明らかにされたことを記述した。

民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政がようやく「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額を明らかにしたのである。

日本郵政の寺崎執行役は「ラフレさいたま」の評価金額について、
日本郵政評価額    15億6700万円
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることを明らかにした。

松野頼久議員が日本郵政に対して資料提出を求め、日本郵政がオリックス不動産に一括売却することを内定した全国79施設および世田谷レクセンターの日本郵政評価額および固定資産税評価基準額に関するデータを提出した。

2月19日の委員会では、民主党の川内博史議員が質問に立った。質疑によって、世田谷レクセンタープラス79施設の数値が明らかにされた。

日本郵政評価額    185億円
固定資産税評価基準額 910億円

 不動産の場合、一般に不動産時価が固定資産税評価基準額の1.3倍から1.5倍程度であることが多いのではないかとの発言が鳩山総務相からあった。日本郵政がオリックス不動産に一括売却しようとしていた80施設の固定資産税評価基準額が910億円もあることが明らかにされたのだ。

 世田谷レクセンターを除いても、109億円での売却は間違いなく「不当廉売」である。

 日本郵政は物件の不動産鑑定を実施する際に、鑑定物件を「ホテル業を営む施設」として評価を委嘱したことを明らかにした。

 川内氏は、「かんぽの宿」は日本郵政株式会社法上、「加入者福祉施設」と位置付けられており、「ホテル業」としての不動産評価額鑑定は間違っていると指摘した。

 これまで繰り返し指摘してきたように、「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」であるために、料金体系が低水準に抑制されてきた。稼働率は70%に達しており、リゾート宿泊施設としては非常に高い稼働率を実現してきている。

 「赤字」の大きな原因が「減価償却費」にあるのではないかと指摘してきたが、山崎行太郎氏がブログで、日本郵政公社元常務理事の稲村公望氏の説明を紹介している。

 稲村氏はすでに週刊誌でも実名告発しているが、「日本郵政公社時代に、会計基準見直しで減価償却期間を60年から25年に短縮したため、帳簿上、年度ごとの赤字額が増大」したのだという。

資産価格が大幅に圧縮されてしまえば、新たに施設を購入した事業者の減価償却費は大幅に減少することになる。財務データの詳細を確認する必要があるが、「年間40億円の赤字」を鵜呑みにすることはできない。実体上の赤字は驚くほど小さい可能性がある。

日本郵政はこれまで、「事業の巨額赤字」と「雇用の維持」が低価格売却の理由であると主張し続けてきた。「3200人の雇用維持」と「事業の継続」が大きな重荷になり、入札辞退者が続出したと説明してきた。

日本経済新聞を筆頭に、日本郵政サイドの説明を強調する人々が依然として存在する。これらの人々は、皆が類似した説明を示しており、何らかの利害を共有する勢力であると判断される。

これらの人々の説明に説得力があれば別だが、いずれのケースも事実誤認がはなはだしく、日本郵政サイドの公式説明をなぞらえているだけに過ぎない。

国民新党の亀井亜紀子議員は、「ラフレさいたま」の正規職員数がたったの5人であることをブログに記述されている。

「雇用の維持」、「事業の継続」が強調されてきたが、オリックス不動産の場合、「雇用維持義務の期間」は1年、「転売規制」は2年しか付けられていなかった。この条件が入札への参加を希望した事業者によって異なっていたことも明るみに出始めており、すべてが「でたらめ」との印象が強い。

本当に3200人の雇用維持が義務付けられていたのか、また、雇用条件の見直しも認められていなかったのか、詳細な事実を明らかにする必要がある。

日本郵政公社は2007年3月に「かんぽの宿」などの売却を実施している。これまでに廃止や売却した施設の場合、雇用維持をどのようにクリアしたのかの検証も必要だ。

「かんぽの宿」は、老人福祉施設に改装して利用することも可能である。現に1万円で売却された鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は老人福祉施設として再利用されている。

固定資産税評価額が800-900億円の施設を100億円で売却することを正当化する理屈は存在しない。過去の政府保有資産が安値売却されたことを安値売却の正当性の根拠とする見解が存在するが、これは、過去の事例が正当なのではなく、過去の事例においても、「不当廉売」、「不正廉売」が横行していたことを意味するだけである。

「雇用維持条件」と「転売規制」を明確に定めて、「一般競争入札」を実施していれば、そもそも問題は発生していない。そのような透明性の高い一般競争入札を実施していれば、6億-7億円などの法外な手数料も発生しない。

また、米国投資銀行ベア・スターンズ社の経営危機が表面化して、米国の金融危機が本格的な危機に突入したのは昨年3月である。米国の金融危機が世界に波及するなかで、売却期限である2012年まで4年もの時間的猶予のある「かんぽの宿」売却が性急に強行されたことも理解しがたい。

「ラフレさいたま」だけで100億円程度の不動産時価が得られ、首都圏9箇所の社宅土地の時価評価が47億円である。これらを含む全国70の「かんぽの宿」と社宅9箇所の合計が109億円で売却されることを、無理やり正当化しようとする発言者は、そのことをもって、私は公正な発言者でないと判断する。

小泉竹中一家に括られる人々やマスメディアが懸命に、この、まったく説得力を持たない主張を訴えるが、この奇怪極まる主張を展開する人々は、何らかの形で小泉竹中一家=外資勢力とつながりを持つとしか判断できない。

2月18日の衆議院予算委員会で、公明党の大口善徳議員が質問に立ち、さらに新たな事実が発覚した。

「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していたことが明らかになった。

竹中平蔵氏は自著のなかで、「民営化」について次のように述べている。

「辞書によると、民営化とは、「民間の経営に任せること」とある。文字通り郵政民営化とは、郵政の経営を民間に任せることであり、政府はそれが可能なように、また効率的に行われるように枠組みを作ることである。これで、西川氏に、経営のすべて、民営化のすべてが委ねられることになった。
(『構造改革の真実』239ページ、太字は植草による)

2007年10月1日に正式発足した日本郵政株式会社社長に西川善文氏が就いた。竹中氏は、これ以後は、日本郵政のすべてを西川氏の采配で決定できると勘違いしたのだろう。竹中氏と西川氏が通じていれば、竹中氏の意向を日本郵政の経営に反映させることも出来る。

竹中氏は1月19日の産経新聞に投稿した稚拙な反論のなかで、
「そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」
と記述したが、この判断が根本的に誤っている。

日本郵政株式を100%政府が保有している間は、日本郵政は「民間会社」ではなく、「国営会社」なのだ。「国営会社」である以上、資産売却等に対する国民と国会、行政による監視が不可欠である。

日本郵政の巨大事業、資産売却に対する国会、行政、国民の監視を制度的に保証する制度改正が不可欠だ。「郵政民営化見直し」は「郵政民営化法」第19条が定めている「法定事項」である。「郵政民営化見直し」に強烈に反対する小泉元首相などは、「郵政民営化法」に対する基礎知識を欠いていると考えられる。法律を勉強し直す必要があると思われる。

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「サンデー毎日」名誉毀損訴訟東京高裁不当判決について

「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様をはじめ多くの皆様には、温かなメッセージを賜りましてありがとうございました。また、「植草一秀氏の事件」の熊八様には、いつも専門的な見地から貴重な分析を賜りまして誠にありがとうございます。

「サンデー毎日」名誉毀損訴訟では、東京高等裁判所が驚くべき不適切で不当な判断を示しました。「国策裁判」のひとつと理解していますが、「真実の勝利」に向けて進んで参る所存です。今後ともご支援賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

問題の記事は2004年4月20日発売の「サンデー毎日」2004年5月2日号に掲載されたもので、記事の中に「親交のあるエコノミストが言う。「セクハラ癖があることは業界では有名です。・・・」」との記述があり、この記述が事実無根で名誉を毀損するものとして訴訟を提起した。

原告は記事が「セクハラ癖があることは業界では有名です」と表記した部分を「摘示事実」とし、この「摘示事実」が事実無根であることを訴えた。

ところが、東京高裁は、記事における「セクハラ癖」の表現が「摘示する事実」を、「被控訴人は性的な面のモラルが低く、2004年事件のような事件を引き起こしても不思議ではない人物」というものである、と独自に置き換え、被控訴人が条例違反で刑罰を受けたことがあることをもって、この「摘示事実」を真実と認める、との判断を下した。

また、東京高裁は、記事表現の後半部分にあたる「業界では有名」の部分は、「摘示事実を強調するために記載された記述」だとして、真実性の立証を要する対象ではないとの判断を示した。

判決は、二重の意味で不当であり、原告としてはまったく受け入れがたいものである。

第一の問題は、記事における名誉毀損の対象となる「摘示事実」を裁判所が独自に解釈し、まったく別の表現に置き換えていることである。裁判所が置き換えたのちの「摘示事実」は、「事実」ではなく、「論評」である。

そもそも原告は「論評」を名誉毀損の対象として訴訟を提起する姿勢を示しておらず、裁判所が置き換えたような表現が用いられていたのなら、原告は訴訟を提起しなかった可能性が高い。このような「摘示事実」の置き換えは、過去の名誉毀損民事訴訟における判例に違反するものと考える。

第二の問題は、「摘示事実」を裁判所が突然示したような表現に置き換えることについて、まったく審理が行われていないことである。「審理不尽」の問題が存在する。

控訴審においては、10分程度の審理で1回結審しており、今回の東京高裁の判決は不当極まりないものと言わざるをえない。

原告はこれまでの一連の名誉毀損損害賠償訴訟で実質的勝訴を獲得してきたが、一連の訴訟は、不当に侵害された人格権を回復するために提起したものである。この目的に照らし、弁護団と協議のうえ、上告についての最終判断を下すことになる。

私は「真実は必ず最後に勝利する」の言葉を胸に刻み、正々堂々と、心に一点の曇りなく歩んでいるが、世の理不尽、不条理は消えることがない。不当な弾圧の力が加えられようとも、一歩ずつ、前進を続ける覚悟である。

多くの心ある人々が、「真実」を見つめて、支援の声を発してくださっていることが大いなる励ましになっている。この場を借りて、心より感謝の念を表したい。

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2009年2月19日 (木)

小泉竹中「郵政民営化」による「日本収奪」の構造

郵政民営化の流れを整理しておく。

2004年4月26日 郵政民営化準備室発足
2004年9月10日 「郵政民営化の基本方針」閣議決定
2004年7月11日 参議院選挙 竹中平蔵氏当選
2004年9月27日 竹中平蔵氏郵政民営化担当相就任
2005年2月  郵政民営化PRチラシ配布
国民をIQで区分した「B層」ターゲットの広報

2005年6月7日 城内実議員質疑
 郵政民営化準備室と米国の17回会合判明
2005年6月28日 郵政民営化関連法案修正案自民党            総務会多数決決定
2005年7月5日  郵政民営化法案衆議院可決
2005年8月2日 櫻井充議員質疑
 米国通商代表ゼーリック氏から竹中平蔵氏宛て信書暴露
2005年8月8日 郵政民営化法案参議院否決衆議院解散
2005年9月11日 総選挙
2005年10月21日 郵政民営化法・関連法案成立
2005年10月31日 竹中平蔵氏 総務相就任
2005年11月11日 西川善文氏準備企画会社 

(日本郵政株式会社)CEO就任内定記者会見
2005年12月26日 「郵政民営化委員会」人選発表
2006年1月23日  日本郵政株式会社設立
2006年1月25日 日本郵政公社承継基本計画
2006年7月31日 郵政公社承継実施計画骨格決定

2006年9月19日 郵政公社承継財産評価委員会
2006年9月26日 安倍内閣発足 菅義偉氏総務相就任
2006年9月28日 竹中平蔵氏議員辞職
2007年3月 日本郵政公社「かんぽの宿」等一括売却
2007年4月27日 郵政公社承継実施計画認可申請
2007年8月27日 福田内閣発足増田寛也氏総務相就任
2007年9月10日 日本郵政公社承継実施計画認可
2007年10月1日 日本郵政株式会社正式発足
2008年9月24日 麻生内閣発足鳩山邦夫氏総務相就任
2008年12月26日 日本郵政株式会社「かんぽの宿」            
一括譲渡を発表
2009年2月16日 日本郵政株式会社「かんぽの宿」           一括譲渡白紙撤回を発表

郵政民営化法および日本郵政株式会社法などの関連法が成立したのは2005年10月21日である。2005年9月11日の郵政民営化選挙で自民党が大勝し、法律が成立した。

郵政民営化法の策定は2004年4月26日の「郵政民営化準備室」設立から、2005年4月27日の「郵政民営化法案」閣議決定までの1年間に行われた。

この1年間に、郵政民営化準備室が米国関係者と17回も会合を重ねたことが暴露された。国会での質問者は城内実議員で、城内氏は当時の模様を次のように記述されている。

「今、当時のことを思い出すと、前日質問をとりに来た郵政民営化準備室の関係者が、「この質問だけは竹中大臣にしないで欲しい。準備室長に答弁させていただきたい。」と強く迫った。彼らは大変丁寧なものごしでありながら、執拗にくいさがってきた。なぜ与党の議員なのにこういう(一番核心に触れる質問)をするのか、とにかくとりさげてくれと言わんばかりの迫力で、私も役人ながら大臣を守ろうとする使命感たるやあっぱれだなと思ったくらいだった。」
城内実氏のブログからの引用)

竹中氏にすれば、米国関係者と17回も会合を重ねて法案策定が進められたとの事実は、「もっとも触れられたくない部分」であったのだと考えられる。米国は「対日年次規制改革要望書」で「郵政民営化」を最重要項目として、詳細に要求を突き付けてきた。郵政民営化は米国の要請、指示に従って細目が定められたと判断して差し支えないだろう。

大きな問題が三つある。

第一は以下の問題だ。日本郵政公社が担ってきた「郵便」、「貯金」、「簡保」の郵政三事業を「郵便」、「郵便局」、「ちょきん」、「かんぽ」の4分社化によって引き継ぐことは「郵政民営化法」によって定められた。しかし、具体的にどのように業務や資産を継承するのかについては、「基本計画」ならびに「実施計画」で定められると規定されたことである。

郵政民営化法第161条から164条にその定めが盛り込まれた。つまり、郵政民営化の細目の決定は法律事項ではなく、政省令事項とされたのだ。大枠は法律で定められたが、実体的に意味を持つ細目は総務省および日本郵政株式会社に委ねられたのである。

第二は、郵政三事業の資産承継の具体的内容が「基本計画」、ならびに「実施計画」で定められることになったにもかかわらず、「かんぽの宿」などの旧簡易生命保険法101条の1の施設、および「メルパルク」などの旧郵便貯金法第4条の1の施設の廃止または売却だけが、特別に取り扱われて、日本郵政株式会社法附則第2条に潜り込まされたことである。

民主党の原口一博議員によると、この規定は法案完成の2日前に盛り込まれたとのことだ。「かんぽの宿」の安値払い下げが2005年の法案策定時から画策されていた疑いが浮上している。

第三は、日本郵政公社からの資産承継に際して、評価委員が財産評価を行うことが法律に盛り込まれたことだ。これは、郵政民営化法第165条に規定された。

日本郵政株式会社が「基本計画」を定めたのは2006年1月である。しかし、「基本計画」には具体的な分割の規定がない。具体的な分割を決定したのが「実施計画」であるが、実施計画は2007年4月までに決定されるべきことが省令で定められた。

ところが、この実施計画の骨格は2006年7月31日に、前倒しで決定されたのである。竹中氏は2006年9月に突如、議員辞職の方針を示した。参議院議員の公職を任期半ばで放り出した。小泉政権の終焉と同時に議員辞職した。

竹中氏は、郵政民営化の細目の決定を、自身の任期中に前倒しで決めてしまったのである。また、財産評価委員会の第1回会合が2006年9月に開かれた。この財産評価委員会にオリックス関連企業の役員を務める奥田かつ枝氏が委員として指名され、日本郵政公社財産の評価額決定に重要な役割を果たしたと考えられる。

問題は日本郵政公社の資産と人員の分割にある。実施計画の概要に示された人員配分と日本郵政CRE部門斎藤隆司氏作成資料に記載されている各社保有不動産を列挙すると以下のようになる。

      人員(万人)   不動産(億円)
日本郵政   0.36     2250
郵便事業  10.01    14030
郵便局   12.07    10020
ゆうちょ   1.16     1200
かんぽ生命  0.54      900

 ここで、郵政民営化の形態を簡単に説明しておく。

 郵便、郵便局、ゆうちょ、かんぽ生命、の4社はすべて日本郵政の傘下に入る。日本郵政株式会社は持株会社で郵政4社を子会社として保有する。

 郵政民営化法第7条の規定により、日本郵政が保有する「ゆうちょ」と「かんぽ生命」の株式は全株が2007年10月から2017年9月までに売却されることとされている。

 つまり、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」については、株式売却が完全に終了した段階で「完全民営化」が実現することになる。

 「郵便事業」と「郵便局」は「日本郵政」の子会社であり、日本郵政が両社の株式を保有し続ける。しかし、「日本郵政」の株式については、郵政民営化法第7条および日本郵政株式会社法附則第3条の規定により、全体の3分の2を出来るだけ早期に売却することとされている。

 上記の人員と不動産の配分を見ると、大きな特徴を見て取ることが出来る。

それは、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」に配分される人員と不動産が極端に少ないことだ。もちろん、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」には340兆円の資金が付随する。この「ゆうちょ」と「かんぽ生命」の株式は全株が売却されることとされている。この点は、米国が執拗に要求した点でもある。

 この「ゆうちょ」と「かんぽ」の株式をそれぞれ全株の2分の1以上買い集めれば、340兆円の資金の支配権を確保することが出来る。日本国民の貴重な340兆円の資金が簡単に外国資本の手に渡る危険があるのだ。

 一方、「日本郵政」、「郵便事業」、「郵便局」の3社連合はどうだろうか。最大の特徴は、郵政が保有する巨大不動産の大半がこのなかに接収されたことである。

 「この3社連合体」から「郵便事業」と「郵便局」を差し引くと、「巨大不動産」が残る。「日本郵政」は「不動産事業」を今後の事業の中核に据える方針を示している。

 だが、この点は、日本郵政株式会社法とは整合的でない。日本郵政株式会社法第1条(会社の目的)は以下のように定めている。

第一条  日本郵政株式会社(以下「会社」という。)は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有し、これらの株式会社の経営管理を行うこと並びにこれらの株式会社の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とする。 

 不動産事業は日本郵政株式会社の本来業務ではない。この点に関連して問題になるのが、「かんぽの宿」の売却規定である。日本郵政株式会社法は附則第2条に「かんぽの宿」売却規定を設けた。

 このことについて、法案策定の決定権者である竹中平蔵氏は自著のなかで次のように述べている。

「メルパルクホールや簡保の宿など、本来の仕事つまりコア業務ではない(したがって競争力もない)ものは、資産を処分して撤退するべきだと判断した。」
(『構造改革の真実』177ページ)

 メルパルクや簡保の宿が「本来の仕事つまりコア業務」でないなら、日本郵政の不動産事業も「本来の仕事つまりコア業務」でないことになるはずだ。日本郵政が巨大商業ビル建設計画を発表し、マンション分譲事業に進出することを竹中氏は奨励する発言を示している。その一方で、「かんぽの宿」は「本来業務でないから売却することを決めた」と言うのは大きな矛盾だ。これも、「出来レース」を示唆する状況証拠である。

 「かんぽの宿」を不正廉売するための「トリック」を考察してみる必要がある。「事業を行い、赤字を計上すること」がDCF法による低い資産評価を生み出す「トリック」だった。鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は老人福祉施設に衣替えをして立派に活用されている。鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」は和風旅館「錦江楼」に生まれ変わり、壮大な資産価値を発揮している。いずれも1万円で売られることはあり得ない。

 日本郵政+郵便事業+郵便局は、不動産の評価額だけで2.6兆円を有する。しかし、22.5万人の人員を抱える。この状態で、株式を上場すれば、株価は極めて低い水準を付けることになるだろう。それが狙いなのだ。

 安い株価で日本郵政株式を買い集める。日本郵政の支配権を獲得した段階で、強烈な人員削減を実行する。郵便事業会社には、郵便事業に必要最小限の不動産しか配分されていない。3年ごとの見直しで「郵便事業」と「過疎地の郵便局」だけを「国営」に転換するとどうなるか。

 

 はじめは巨大な人件費負担を付随させて株式を売却する。その後、人員整理を進めて株式価値を高める。日本政府には当初の株式売却代金しか入らない。株価上昇による利益は外部投資家がすべて収奪してしまう。

 三菱地所にならぶ「日本(郵政)地所」が完成し、その株式を支配すれば、巨大利得を確保できる。

 国会は基本的に郵政民営化関連法の成立までしか監視していない。しかし、「郵政民営化」の「みそ」は「実施計画」の具体的内容に隠されていたのだ。竹中氏は自著のなかで次のように述べている。

「承継計画については、2007年4月までに政府に提出することが法令上義務付けられている。しかし私は、小泉総理の在任中に「承継計画の骨格」を固めておきたいと、早くから考えていた。改革のゆり戻しを、虎視眈々と狙っている勢力がいる。改革的な経営の方向性を明確にし、後戻りのないようにしておくことは重要なことだった。」(『構造改革の真実』240ページ)

 「郵政民営化」をいま見直さなければ、貴重な国民資産はハゲタカ一族に完全に収奪される。「郵政民営化見直し」に対する異常とも言える小泉竹中一家の反応の意味を洞察し、ハゲタカ一族による国民資産収奪を阻止しなければならない。

 なお、毎日新聞社に対する名誉毀損訴訟で、東京高等裁判所から不適切で不当極まりない判断が示された。この問題については、機会を改めて記述する。国家権力がいかなる弾圧を加えようとも、私は断固戦い抜く所存である。

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2009年2月18日 (水)

中川財務相辞任より重要な西川日本郵政社長解任

2月5日の衆議院予算委員会で麻生首相が「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」方針を表明して以降の、マスメディアの麻生内閣攻撃は異常と言わざるをえない。

2月12日に小泉元首相が「郵政民営化を堅持し推進する集い」で麻生首相に対して、「笑っちゃうくらい、ただあきれている」と発言したことを、テレビメディアの多くが、まるで「皇帝閣下の発言」であるかの如くに祭り上げて繰り返し放送した。不自然な報道には「笑っちゃうくらい、ただただあきれる」ほかなかった。

「郵政民営化を堅持し推進する集い」への参加者は、「喜八ログ」様が指摘されたように12月の63人から18人に激減した。この重要な事実をまったく伝えず、「永田町に依然として影響力を持つ小泉元首相」などの事実とは恐らく異なる「サブリミナル演出」を織り交ぜた報道が繰り返された。

中川昭一財務相は、小泉元首相が定額給付金関連法案の衆議院再可決に反対する意向を表明したことについて、「あの方も(定額給付金に)賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそういうことを言うのは理解に苦しむ」と発言し、小泉元首相を痛烈に批判した。

1月6日以降、「かんぽの宿疑惑」が表面化した。詳細が明らかになるに連れて、疑惑は拡大の一途をたどった。遂に日本郵政は「かんぽの宿」一括売却を白紙撤回した。「公明正大で疑われるようなことは絶対にない」ディールなら、日本郵政は詳細を開示して、粘り強く総務相の認可を求めればよい。ところが、日本郵政はいとも簡単に白紙撤回に応じた。このことが、ディールの不正を証明していると言える。

麻生首相の「郵政民営化見直し」発言は、「かんぽの宿疑惑」拡大のなかで示されたものだ。麻生首相の行動は典型的な「コウモリ」であり、昨年9月の総裁選では「郵政民営化は私の担当」と述べたのに、一転して、「私は担当ではなかった。このことだけは忘れないでほしい」などと述べたことなどから、麻生首相は首相の資質を欠いていることを自ら立証してしまった。

この意味で、私は麻生首相が直ちに総辞職ないしは衆議院解散を実行するべきだと考える。ただ、麻生首相に主張する資格はないが、「郵政民営化を見直すべき」との主張は正しい。

「3年ごとの総合的な見直し」は「郵政民営化法」第19条に明記されている事項である。麻生首相が「郵政民営化見直しを行わない」と主張したのなら、袋叩きに遭うのは当然だが、法律の規定通りに「郵政民営化見直しを行う」と発言して、集中砲火を浴びるのは理に適わない。

「総合的な見直し」の文言が郵政民営化法の条文に明記されているから、「4分社化の見直し」も除外されるものでない。「かんぽの宿疑惑」によって、「郵政民営化」が「郵政利権化」、「郵政米営化」であるとの真実が誰の目にも垣間見えてきた。この機会に「抜本的な見直し」を実行しなければ手遅れになる。

マスメディアが麻生首相叩きを異常な激しさで実行し、竹中平蔵氏や小泉元首相が驚くほどの狼狽(ろうばい)ぶりを示しているのは、「郵政利権化」の実態が白日の下に暴かれ、「郵政民営化」の抜本的な見直しが実行されることを真剣に恐れているからだと考えられる。

中川財務相の辞任は、ローマでの記者会見の失態を踏まえれば、避けがたいものだ。しかし、小泉元首相に対して痛烈な批判をした直後の「もうろう会見」であっただけに、「小泉元首相批判」と「もうろう会見」の二つの事象の因果関係についても関心を払わないわけにはいかない。

「酒と薬」の混合が、人の神経を麻痺させることの意味を、私は自分が巻き込まれた冤罪事件に照らし合わせて、改めて強い関心を持った。

「かんぽの宿疑惑」について、日経新聞、朝日新聞、産経新聞は、社説等で鳩山総務相に対して激しい批判の言葉を浴びせかけた。しかし、売却先決定のプロセスが明らかになるに連れて、売却先決定プロセスがあまりにも不透明であることが明白になった。

そもそも、売却方法としては「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のいずれかでしかありえなかった。しかし、実際に取られた方法は「企画提案コンペ」とでも呼ぶべきもので、いずれにも当てはまらなかった。あえて分類すれば「随意契約」である。この点については社民党の保坂展人議員が国会追及で明らかにされた。

日本郵政は「雇用」と「転売規制」が低価格売却の最大の原因だったと説明していたが、入札参加希望を表明した企業に対する「雇用」と「転売規制」に関する説明が、企業によって異なっていたとの証言が浮上している。

メリルリンチ日本証券に対する法外な手数料支払いも不透明極まる。

驚くべきことは、日本経済新聞が、この期に及んで、なお、日本郵政サイドに立った主張を展開していることだ。日経新聞が当初の主張の誤りを認めることは辛いことかも知れないが、「過ちて改むるに憚る勿れ」である。言論機関の一角を担う全国紙としての「矜持の問題」だが、あまりにも見苦しい。

テレビメディアが中川氏の辞任問題報道に集中して「かんぽの宿疑惑」が脇に押しやられている。また、一部の報道機関が日本郵政サイドのまったく説得力のない説明を紹介して、売却先決定が「不正入札ではなかった」かの印象を与えかねない報道を展開している。

一括売却の白紙撤回で問題に幕引きを図ろうとする姿勢が垣間見られているが、幕引きは断じて許されない。

三つの重大な問題が存在している。
①日本郵政保有の巨大不動産が国民から収奪されようとしていること。
②日本郵政保有不動産が不正に売却されてきたこと。
③日本郵政が展開する不動産関連ビッグビジネスが「私的利益」を満たすために実行されること。
である。

中川昭一財務相が辞任したが、その前に西川善文日本郵政社長を解任するべきだった。「かんぽの宿一括売却先決定プロセス」における日本郵政の不適切な対応を明らかにして、西川社長をまずは解任するべきだ。中川財務相辞任よりも西川社長解任が本来は優先されるべきだった。

そのうえで、上記の三つの重大な問題を解決する方法を確立しなければならない。

第一の問題は、「巨大な価値を有する資産を、事業の収支をベースに極めて低い価格に置き換える手法」が悪用されることから生まれる。詳細については改めて解説するが、巨大不動産を保有する「日本郵政株式会社」株式が低価格で売却される恐れが高いことが問題である。

6000万円で転売された「かんぽの宿」が日本郵政公社から1万円で売却されていた事例が問題になっている。この事例も、事業の収支を基準にするDCF手法による資産評価方法の悪用が問題なのだ。「赤字の事業だから、資産評価金額が低水準になる」ことが、「安値売却を正当化する弁明」に使われているが、この手法を用いると、企業会計数値の人為的な操作によって、資産評価金額を人為的に操作することが可能になるのだ。

「かんぽの宿」の不当廉売と同じことが、日本郵政株式売却で実行されるリスクが極めて大きい。

日本郵政資産を不当廉売するとき、損をするのは国家、国民である。得をするのは不当に低い価格で資産を購入する事業者である。山崎行太郎氏が元日本郵政公社常務理事の稲村公望氏の言葉をブログで紹介されたように、「かんぽの宿疑惑」は明治の「北海道開拓使官有物払い下げ事件」と酷似している。

第二は、今回の「かんぽの宿」だけではなく、日本郵政公社時代に資産が不正廉売された可能性が濃厚に存在することだ。過去の資産売却についても、全容解明が求められる。

第三は、日本郵政はグループ全体で2.8兆円もの巨大不動産を保有している。日本郵政および傘下の「郵便局会社」と「郵便事業会社」だけで2.6兆円の不動産を保有する。日本郵政はこの巨大不動産を活用するビッグビジネスを展開する。

これらの事業が、特定の利害関係者の利益を生む形で実行されることは正統性を有しない。国民資産の開発にかかる事業であるだけに、透明性と公正性が強く求められる。

日本郵政人事で社外取締役などに民間人が採用されたが、これらの人材が私的な利益を得ることについてのチェックがまったく行われていない。「郵政民営化」が「郵政利権化」になっている側面が極めて大きい。

日本郵政人事を全面的に見直し、日本郵政の活動が特定の利害関係者の利益獲得に結びつかないための制度設計を再構築する必要があるのだ。この意味での「郵政民営化見直し」を実行しないわけにはいかない。

「郵政民営化見直し」を封じ込めようとする、小泉竹中一家と、連携するマスメディアの異常とも言える反応の意味を見抜き、「郵政民営化見直し」を断行しなければならない。

最後に、昨日付記事でお願い申し上げました、「アルファブロガー・ブログ記事大賞」への投票が本日2月18日に締め切られます。マスメディアに一石を投じる意味で重視しており、なにとぞお力添えを賜りますようよろしくお願い申し上げます。投票ページ最下段に当該記事URLを貼り付けていただくだけで投票が可能です。お忙しいところ誠に恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。

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2009年2月17日 (火)

「かんぽの宿」不正売却の新事実が判明

私自身はアワードに興味はなく、主催者に対する疑念も有しているのだが、「アルファブロガー・アワード2008」がブログ記事大賞の投票を受け付けている。

「カナダde日本語」様「きっこのブログ」様など、尊敬すべきブログがアルファブロガーに名前を連ねられている一方で、ブロガーとしての基本的要件を満たしていないと考えられる人物の手によるブログまでがアルファブロガーにリストアップされており、背景に対する疑念の気持ちを拭えない。

本年は個別記事への投票で、2月18日に投票を締め切るとのことだが、このような機会に、もし審査が公正に行われるなら、読者の皆様には大変ご面倒をおかけしてしまうことになり、また、自薦になってしまい大変恐縮だが、下記記事に投票してくださることを希望する。大変ご面倒をおかけするが、2月17日中の投票を謹んでお願い申し上げたい。(「カナダde日本語」の美爾依さんには、せっかく記事を推薦くださったのに大変申し訳なく感じておりますが、なにとぞ事情をご理解くださいますようお願い申し上げます。)

私の個人的な利益のためではない。記事内容を一人でも多くの人に伝達したいと思うからだ。時間的な制約が大きいが、趣旨に賛同してくださる皆様にはご協力をお願い申し上げたい。審査が「かんぽの宿」のような「出来レース」である場合は、リストアップされる可能性はゼロだと思うが、そうではない可能性に期待してお願い申し上げたい。

ブログ記事:「「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」」(2009年2月16日付記事)

すでに多くの方が紹介されているが、2月15日のTBS番組「時事放談」で、野中広務氏と鳩山邦夫氏が極めて重要な発言を示した。私は放送を見逃したが、天木直人氏が概要を紹介してくださった。2月14日の同局番組「ニュースキャスター」と好対照を示した。

以下は天木氏のブログからの引用である。

「今朝早朝に流されたTBS系時事放談は野中広務と鳩山邦夫がゲストだった。その中で両者は驚くべき率直さで次の三点を国民の前で明言した。

1.小泉発言は「かんぽの宿」疑惑の追及が自分に向かってくる事を恐れた目くらまし発言だ。

2.「かんぽの宿」疑惑を追及している内に、小泉・竹中構造改革は米国金融資本に日本を売り渡した事がわかった。

3.日本のメディアは小泉・竹中売国奴構造改革に加担し、疑惑を必死に隠そうとしている。政局報道に矮小化しようとしている。

この三点セットこそ、これまで様々な人々がネット上で指摘してきたことだ。素人が何を言っても国民はそれを信じない。しかし裏を知り尽くした元自民党政治家と、現職の政権政党閣僚の口からこのいかさまが発せられ、全国の国民に流されたのだ。

この番組はユーチューブで繰り返し、繰り返し流され、何も気づかない多くの国民が知るようになればいい。

国民の覚醒によって、日本は崩壊のがけっぷちから、まだ救われる可能性が残っている。」
(ここまで引用)

まったくの同感だ。私が主張してきたことを、二名の政治家が代弁してくれた。

「ネットゲリラ」様「株式日記と経済展望」様「チラシの裏」様が貴重なメッセージを発してきてくれたのも事実だ。政治権力に支配されたマスメディア情報の嘘を暴き、ネットから真実の情報を発信してゆかなければならないと思う。

 「ネット・IT」を絶賛してきた竹中平蔵氏秘書官だった天下り大学教授が、一転して「ネットはゴミの山」などと慌てているのが滑稽である。

これも、すでに「ネットゲリラ」様などが記述されているが、2月15日放送の「新報道2001」は、「かんぽの宿」売却プロセスがでたらめであったことを明確に示した。もっともスタジオ出演の政治家は、小泉一家およびチルドレンである山本一太氏、片山さつき氏、小泉一家と連携していると見られる渡辺新党の江田憲司氏、民主党の原口一博氏の4名で、偏向ぶりは明らかである。

番組では「かんぽの宿」の「競争入札」の実態の一部が暴露された。

「雇用維持」と「転売規制」の条件がどのように明確に示されていたのかが疑わしいことを、私は本ブログで何度も記述してきた。竹中氏、日経新聞、産経新聞、朝日新聞が、「公明正大な競争入札のプロセス」がとられたとの前提に立って、鳩山総務相の「横やり」を批判したが、そもそも「公明正大な競争入札のプロセス」が取られてきたのかが疑わしかった。

HPページ上の告知も、重要情報を広く公開するものであったのかが疑わしい。「公明正大な競争入札」を実施するには、「雇用維持についての条件の詳細」、「転売規制の詳細」を明確に定め、そのうえで「一般競争入札」を実施すれば良いだけだ。

このような条件を設定するのに、高額手数料を支払って外部アドバイザーを雇う必要などない。「雇用維持」、「転売規制」を隠れみのにして、不正な売却が進められた疑いが浮上したのである。

「新報道2001」によると、譲渡を希望した事業者に対する説明がばらばらだったとのことだ。

「2年の雇用維持、5年の転売規制」を告げられた業者も存在した。

まったく説明のなかった業者もいた。

「雇用維持の年限が示されず、転売規制が2年」だった業者もいた。

「でたらめ」と言う以外にない。

最終的にオリックス不動産に提示された条件は「1年の雇用維持と2年の転売規制」だった。

第2次募集締め切りで、オリックス不動産は105.2億円、HMI社は105.5億円の札を入れた。HMI社が落札する札である。

日本郵政はこの後に条件を変更して、HMI社が応募を辞退し、オリックス不動産への一括売却方針が定められた。

メリルリンチにはこれまでに1.2億円の手数料が支払われ、ディール成立段階で6億円が支払われる約束になっていたとのことだ。

オリックス不動産に法外に低い価格で売却する方針が、当初から定められていた疑いが濃い。2007年に日本郵政に入社し、「かんぽの宿」売却を担当した伊藤和博執行役が在籍していた不動産会社「株式会社ザイマックス」はオリックスが出資する企業である。

2005年10月21日に成立した「日本郵政株式会社法」附則第2条に「かんぽの宿」を2012年までに売却ないし廃止することが規定されている。原口議員によると、「この附則は法案決定の2日前に潜り込まされた」とのことだ。

「郵政民営化法」は2005年10月に成立したが、「ゆうちょ」、「かんぽ生命」、「郵便事業」、「郵便局」の4社に、資産や人員をどのように配分するかは、日本郵政が作成する「承継基本計画」に基づき、やはり日本郵政が作成する「承継実施計画」によって定められることとされた。

「承継基本計画」は2006年1月に決定され、「承継実施計画」は2007年4月に総務省に認可申請され、2007年9月に認可された。

細かい話になっているが、要するに、具体的な資産や人員の配分は、2007年4月に認可申請された「承継実施計画」に盛り込まれたのである。

ところが、旧簡易保険の「かんぽの宿」、旧郵便貯金の「メルパルク」だけが、2005年9月の郵政民営化関連法成立の際、「日本郵政株式会社法」に潜りこまされたのである。

「出来レース」の第一のポイントが、この2005年9月の「日本郵政株式会社法」にある。なぜ、「かんぽの宿」と「メルパルク」だけが突如、十分な論議もなく、期限付き売却の対象とされたのかが明らかにされなければならない。

低価格で払い下げを実行するためには、日本郵政内部の「かんぽの宿」簿価が低く設定されることが必要になる。これが第二のポイントだ。日本郵政は今回の「かんぽの宿」および「ラフレさいたま」、社宅79施設の売却について、109億円が日本郵政内部の簿価よりも高いことを、「適正売却」の根拠としている。

ところが、簿価が人為的に低位に抑制された疑いが存在するのだ。

この点について、2月16日の衆議院財務金融委員会で、重要事実が明らかにされた。

民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政が「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額が明らかにされた。日本郵政の説明によると、「ラフレさいたま」は
日本郵政評価額    15億6700万円
に対して、
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることが明らかにされたのだ。

一般に不動産を売買する際、一般的に売買される「時価」とかけ離れた価格での売買が実行される際、「時価」と「売買価格」との差が「贈与、寄付金」として認識され、課税対象になる。「不当廉売」と認定されるのである。「ラフレさいたま」以外のすべての施設の固定資産評価額が明らかにされなければならない。

  

85億円の資産を15億円で売却したら、これは「不当廉売」である。この「不当廉売」を「正当な売買」に「偽装」するための手法が、「事業譲渡」であり、「事業収支に基づく不動産評価」なのだ。

この「不動産評価」を担当したのが「郵政民営化承継財産評価委員会」である。

検察当局がどのように動いているのかが確かでないが、「かんぽの宿疑惑」を刑事問題として追及することが必要な段階に移行しつつある。

テレビ朝日「サンデープロジェクト」は「かんぽの宿疑惑」を無視し続けている。麻生首相批判が、小泉元首相を批判した中川昭一財務相批判にまで拡大し、「郵政民営化見直し」封殺の動きが拡大しているが、「かんぽの宿疑惑」を封殺することは絶対に許されない。引き続き、本ブログでも追及を続けてゆく。

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2009年2月16日 (月)

「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」

城内実氏「郵政利権=カイカク利権その3」と題する記事で、素朴な疑問を提示されている。

一、郵政民営化見直し、四分社化見直しがなぜいけないの?
二、「見直し断固反対」って今頃こんな態度とっているのは、もしかして国民の目からの「郵政利権(かんぽの宿)かくし」をするためではないよね?
三、数年前に私がある雑誌の鼎談で申し上げたが、郵政民営化をめぐる問題は、「改革派」対「抵抗勢力」の戦いではなくて、たった一握りの「売国派」対「国益擁護派」の戦いだった。
いや違うという反論を聞きたいのだけど。
四、新聞の社説を書く人も、経済学者も、多くの国会議員も郵政民営化の中身が本当に分かっているのかな。
五、あと郵政民営化をして良かったことがあったら教えて欲しい。
しかも具体的な数字をあげて。
六、全国に約2万局ある郵便局の事務機器や自動車、携帯電話などはこれまでできるだけ個々の郵便局が地元の業者から購入、リースしていたようだね。
(ここまで城内実氏のブログからの抜粋)

郵政民営化法第19条に「3年ごとに総合的な見直しを行い」との規定が明文化されている。「かんぽの宿疑惑」は郵政民営化の根本的な問題を表面化させている。問題がどこにあるのかを明らかにして、問題を解決することは当然のことだ。「見直し論議」に過剰反応を示して、「見直し」を封殺することが不合理である。

城内氏は、「8割近い国会議員は法案の内容が良く分かっていないかった」と指摘している。「かんぽの宿疑惑」が拡大しているが、郵政民営化法策定の段階から、「かんぽの宿」不正払い下げが画策されてきたとの疑いも浮上している。その経緯については改めて示す。

日本郵政は今回の「かんぽの宿」売却以外にも不動産売却を実施してきており、また、巨大不動産を開発する方針を示してもいる。日本郵政保有資産は紛れもない国民資産である。その貴重な国民資産が一部の特定勢力によって「私物化」=「利権化」されている現実が浮かび上がっている。

このような重大問題が浮上するなかであればなおさら、「郵政民営化の見直し」は不可欠である。小泉元首相や竹中元郵政民営化担当相の慌てふためいて見える、激しい反応が、「郵政民営化」に対する疑念を拡大させている。

2005年6月7日の衆議院郵政民営化特別委員会で、城内実議員が竹中平蔵担当相に質問した。
「郵政民営化準備室が発足したのが昨年の四月ですから、この昨年の四月から約一年間、現在に至るまで、郵政民営化準備室に対する、米国の官民関係者との間で郵政民営化問題についての会談、協議ないし申し入れ等、こういったものが何回程度行われたのか、教えていただきたいと思います。」

竹中氏は次のように答弁した。
「昨年の四月二十六日から現在まで、郵政民営化準備室がアメリカの政府、民間関係者と十七回面談を行っているということでございます。」

この経緯については城内氏自身がブログにも記されている。この延長上で、同年8月2日の参議院郵政民営化特別委員会で、民主党の櫻井充議員が、米国の通商代表ゼーリック氏が竹中氏に宛てた信書の内容を暴露した。

郵政民営化法案は米国の要請に従って詳細が定められたと推察される。竹中氏はその法案作成に、「前代未聞と言われるほど直接かつ詳細に係わった」(竹中氏の著書における竹中氏本人の表現)のである。

『文藝春秋』2009年1月号に読売新聞の渡邉恒雄氏へのインタビュー記事「麻生総理の器を問う」が掲載された。渡邉氏は竹中氏について以下のように述べている。

「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」と明言した。僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、「東京三菱と三井住友」だと言う。あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、「みずほとUFJはいらない」というわけだ。どうして三井住友を残すのかというと、当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」と聞くと、「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」

渡邉氏の証言に出てくる、
「当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いた」
というのが、2002年12月11日に、竹中平蔵金融相が三井住友銀行の西川善文頭取、ゴールドマン・サックス証券CEOのヘンリー・ポールソン氏、同証券COOのジョン・セイン氏と密会し、その直後に、三井住友銀行がゴールドマン・サックスから5000億円の資金調達を実行したことを示している。この点は2月13日付記事に記述した。

竹中氏は自著のなかで、日本郵政株式会社のCEOを人選することが重要な仕事であり、2005年10月29日に西川氏に就任を依頼したことを記述している。

西川氏が初代社長を務めることになった日本郵政株式化会社傘下での郵貯資金と簡保資金の委託運用先を見ると、三井住友系企業、ゴールドマン・サックス、メリル・リンチの比重が異常に高いことが分かる。この情報については、「ふじふじのフィルター」様がより正確な情報を提供してくださっている。また、「かんぽの宿疑惑」の時系列整理も示してくださっている。

オリックス不動産への「かんぽの宿」一括売却について、鳩山総務相が「待った」をかけたことに対して、竹中氏は1月19日付産経新聞に稚拙な反論を掲載した。すでに本ブログで指摘したとおりである。竹中氏は次のように記述した。

「(「かんぽの宿」売却の時期や価格の判断は)市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」

竹中氏は、日本郵政株式会社が発足した時点で、「民営化」は成立しており、これ以降、「郵政」は民間会社であって、政治家や官僚が口出しすることは「根本的に誤っている」と主張しているのだ。

また、竹中氏は、2008年4月20日他に放送された「朝日ニュースター」BS放送番組『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』第3回のなかで、次のような驚くべき発言を示している。以下の記述は、同放送を再構成した「ダイヤモンドオンライン」に掲載された「サブプライム危機の真実 民営化した郵政は米国に出資せよ」と題する記事からの引用である。

「そこで今回、ニッポンの作り方として、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」とぜひ申し上げたい。」

「翻って考えると、日本にはかつてとんでもなく巨大なSWFがありました。それが今の日本郵政なんです。資金量でいうと300兆円。他のSWFとは比べ物にならないほどのSWFがあったんです。民営化したので、今はSWFではない。だからアメリカから見ると安心して受け入れられる、民間の資金なんです。」(引用ここまで)

竹中氏は「民営化したので、今はSWFではない」と述べるが、当時はもちろんのこと、2009年2月段階でも、日本郵政株式は100%政府が保有している。「株式会社形態」に移行しただけで、「日本郵政」は純粋な国営企業、国有企業である。

日本郵政が保有する300兆円の資金は日本国民の貴重な、かけがえのない資金である。その資金を、まるで自分のポケットマネーのような感覚で勝手に使われたのではたまらない。

昨年春にもし郵政資金が米国サブプライム危機対策に流用されていたら、いまごろどのような事態に陥っていただろう。想像するだけでゾッとする。

郵政民営化プロセスにおける重大な構造的欠陥についての記述は機会を改める。

明確に認識しなければならない重要な事実は、「株式会社形態に移行した後は、日本郵政経営者の判断がすべてであり、所管官庁や政治家が監視することは「根本的に間違っている」との、現在の所管大臣に対する反論を全国紙に掲載して恥じないような人物が、「郵政民営化」を取り仕切ってきたという恐るべき現実である。

日本郵政も日本郵政保有資産も「かんぽの宿」も、紛れもなく貴重な国民資産なのである。特定勢力の利権を満たすために、勝手に流用することを許すことは出来ないのだ。

「郵政民営化」を取り仕切ってきた人物が、このような基本判断を有していることを踏まえれば、日本郵政公社ならびに日本郵政のこれまでの業務を全面的に再調査する必要が生まれる。資金運用委託先の決定がどのようなプロセスを経て決定されたのかも明らかにされなければならない。

「かんぽの宿」は巨大な闇にメスを入れるための突破口の役割を担っている。

郵政民営化法第二条(基本理念)には、
「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを基本として」
(郵政民営化が)行われると明記されているが、現実には、
「特定の利権勢力の利益に寄与することを基本として」
になってしまっているのではないか。

私は「郵政民営化」そのものに全面的に反対するわけではない。しかし、巨大組織であり、巨大資産を保有する機関であるだけに、国会と国民による完全な監視を満たすことが不可欠である。ずべての問題を明らかにするまで、株式売却等を凍結することが不可欠だ。

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2009年2月15日 (日)

TBS「ニュースキャスター」小泉万歳報道と情報操作二つの狙い

2月12日付記事「「かんぽの宿」疑惑解明に慌てふためく小泉元首相」に、『金利・為替・株価特報』2009年2月10日号に「政府紙幣論議の背景」を記述したことを記しました。同レポートには、内外の経済金融情勢見通し、株式市場見通し、ユーロレートの影響、政局展望、その他のトピックスについての分析を記述しております。FAXでのご購読申し込みが重なり、FAX通信が一時中断してしまいました。ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。現在は復旧しておりますので、ご報告申し上げます。

偏向テレビメディアは、連日、偏向番組放送に総力を挙げている。

2月14日放送のTBS「ニュースキャスター」はまさに「小泉万歳」番組だった。放送法第一条ならびに第三条が定める「不偏不党」、「政治的公平」が空文化している。

飯島勲元秘書、北野武氏、宮崎哲哉氏、山本一太氏がスタジオに勢ぞろいして、小泉応援合戦、民主党攻撃を繰り広げた。

飯島勲氏は麻生首相以上に支離滅裂な発言を繰り返した。

中川昭一財務相が「あの方も(定額給付金)に賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそういうことを言うのは理解に苦しむ」と発言、舛添要一厚労相が「トゥーレイト、遅すぎる」と発言したことを問われても、「国民の7割が反対している、国民の心が分からなくては総理は務まらない」などと訳の分からない言葉を延々と続けた。

「株価と支持率にはなぜか因果関係がある。小泉政権で企業収益は120%の増加、しかし、労働者の所得は2.4%減少。株価が支持率に影響するのか、支持率が株価に影響するのか」と、これまた意味不明な発言を繰り返した。

小泉政権の2001年から2006年にかけて、日経平均株価は1万4千円からスタートして、2年で7千円に暴落した。2006年には1万5千円を超えたが、暴落した株価が元の水準に戻っただけだ。

北野武氏は、「役者が違う。テレビドラマで考えれば、小泉元首相が「改革」と「一人20万円の給付金」を掲げて再登場するのが一番」と発言する。

宮崎哲哉氏は、「小泉発言を全国紙がどのように取り扱うかを注目したが、見事主要三紙が一面で取り上げた。小泉元首相の神通力は健在」といった趣旨の発言を示し、小泉元首相の影響力の大きさを強調した。

山本一太氏は、「小泉氏は本当に怒っていたのだと思う。同時に改革のゆくえに強い危機感を持たれたのだと思う」と発言。「かんぽの宿」疑惑解明が進むことに激しい危機感を持ったのは事実だと思われる。

コメンテーターの斎藤孝氏が、「一連の騒動は自民党の自浄能力を示すと受け止められるから、自民党に有利に働くのではないか」と応じ、毎日新聞編集委員の山田孝男氏は「民主党の対応が難しくなった。初めは麻生政権を追い込むと歓迎したが、次第に存在感の低下を懸念し始めている」とまとめた。

  

「喜八ログ」様は、小泉元首相が発言した「郵政民営化を堅持し推進する集い」の出席者が昨年12月の63人から18人に激減したことを指摘されている。メディアはこの決定的に重要な情報をまったく伝えない。飯島氏は2月22日以降に先送りされる可能性が高まった定額給付金関連法案の再可決不成立が実現しない可能性に言及して、予防線を張った。

マスメディアの懸命な情報操作行動の狙いは次の二点であると考えられる。

第一は、「郵政民営化」の見直しを阻止すること。「郵政民営化」は米国の要請に基づき、米国が日本国民の資産を収奪するために推進されてきた「ビッグプロジェクト」であると判断される。

郵政民営化法が成立し、日本郵政株式会社が発足した現在、政府保有株式の市場売却に進めば、「郵政民営化」はひとつのゴールにたどり着く。

ところが、「小泉竹中政治の真実」を日本国民が気付き始めてしまった。「かんぽの宿疑惑」は「パンドラの箱」が開いたことを意味する。この「パンドラの箱」からは、夥(おびただ)しい腐臭が立ち込めている。

麻生首相が「郵政民営化見直し」に言及し始めた。「郵政民営化」の真相が白日の下に晒(さら)され、「郵政民営化凍結」を求める国民世論が急速に広がる恐れが高まっている。「かんぽの宿疑惑」を封殺し、「郵政民営化見直し」を阻止することが、現下の至上課題になっているのだと考えられる。

麻生首相が「4分社化を理解している国民はほとんどいなかった」と発言したが、この言葉は真実である。4分社化は、国民にあまねくサービスを提供してきたこれまでの郵政サービスを廃止し、巨大な国民資産が「収奪」され、「私物化」されるための「工作」である可能性が高い。国民が制度変更の詳細を知らなかったのは当然である。この図式については改めて分かり易く示したい。

麻生首相が「郵政民営化見直し」方針を明言して以降の、小泉竹中一家とテレビメディアを含むマスメディアの異常とも言える過剰反応の意味を冷静に洞察しなければならない。

逆に言えば、冷静に「郵政民営化」を見直すことがどうしても必要である。まずは、郵政民営化法第七条、および日本郵政株式会社法附則第二条および第三条が定める、郵政株式の売却および、旧郵便貯金付随施設、旧簡易保険付随施設の売却を凍結することが求められる。

また、日本郵政および郵便局株式会社が保有する資産の売却のすべてを凍結しなければならない。

メディアは2005年9月に国民が総選挙で表示した意思を強調する。しかし、その後、2007年7月の参議院選挙で、国民は2005年とは正反対の意思を表示している。自民党もすでに、2005年9月の総選挙で郵政民営化に反対した議員を復党させている。

小泉竹中政治の誤りは日を追うごとに鮮明になっている。小泉竹中政治は、いまや全否定されていると言っても過言ではないだろう。

この評価は日本だけのものでない。「サブプライム金融危機」は米国が主導した「市場原理主義」の破綻を示しているとの評価が国際的に定着し、米国ではオバマ政権への政権交代により「CHANGE」が明瞭に示されたのである。

小泉竹中政治がいま、全否定されている最大の原因は、
①「市場原理主義」の経済政策、政治哲学、
と、
②「改革」に名を借りた新しい「利権政策」、「売国政策」

にあると判断される。

小泉竹中政治の「改革」の実態が、外国資本と密通する売国政治家による「謀略」であるとの見解を、私は一貫して示してきた。その象徴的事例が、2003年の「りそな銀行処理」であった。

竹中金融行政はその後、UFJ銀行にその標的を定め、UFJ銀行の実質的解体とミサワホームの実質産業再生機構送りを誘導したと見られているのである。

「かんぽの宿」疑惑の徹底解明が、巨大な闇の解明に連結する。しかし、背後には米国資本と通じる巨大な闇の勢力が控えている。これまで、多くの関係者が重大な危険に直面してきている問題であるだけに、問題の全容解明への道筋は決して平坦ではないと考えられる。

しかし、あらゆる障害と妨害を乗り越えなければならない。政治は国民の幸福実現のために存在する。日本の政治を国民の手に取り戻さなければならない。「郵政民営化見直し」はその試金石である。

メディアによる情報操作の第二の目的は、次期総選挙での完全な権力移行=本格的政権交代を阻止することである。麻生自民党と対立すると見える「第三極」を立ち上げて、「民主党」への投票を妨害することだ。民主、社民、国民の野党三党が衆議院の過半数を確保しなければ、自民党は与党の地位を維持する可能性を残す。「偽装CHANGE新党」が準備されていると考えられる。

「悪徳ペンタゴン」の利権への執念はすさまじい。本記事のディテイルについては今後の記事で明らかにしてゆく。

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2009年2月13日 (金)

KYキング小泉元首相と「報道ステーション」の誤算

民放各局は「かんぽの宿疑惑」を封印して「小泉元首相わらっちゃうくらいあきれてる」発言を懸命に報道した。

「小泉さんて人気ありますよね」と話す街の声をまぶす。ナレーション原稿に「依然として永田町に影響力を持つ小泉元首相」、「眠れるライオンの尾を踏んだ麻生首相」などの言葉を盛り込む。

何気なくニュースを聞き流す視聴者の耳に、「人気のある」、「影響力を持つ」、「ライオン」などの言葉の響きが残る。これを「サブリミナル効果」と呼ぶ。

こうしたなかで、NHKが「かんぽの宿」報道をやや丁寧に実行している。NHKは総務相の支配下に置かれている。総務相の意向を尊重せざるを得ない。メディアの報道には裏がある。

コウモリのように行動する麻生首相が支持を失うのはやむを得ないが、小泉元首相は労害なのか、大きな勘違いをしているとしか思えない。国民は麻生氏を支持していないのと同じくらい、小泉氏を支持していないと思う。

大騒ぎするのは外資系保険会社から巨額の資金が注がれている、偏向テレビメディアくらいではないか。もっとも、これまで指摘してきた「偽装CHANGE工作」がいよいよ本格的に始動する可能性を否定することはできない。詳しくは「「敵を欺くにはまず味方を欺く」手法に警戒すべし」をはじめとする「カテゴリー「偽装CHANGE新党」を参照されたい。

2月13日のテレビ朝日「報道ステーション」では、司会の古舘伊知郎氏が完全にはしごをはずされた。「かんぽの宿」疑惑が拡大するなかで、古舘氏は懸命に、「国民の多数が支持した郵政民営化」と「個別問題である「かんぽの宿疑惑」」とを完全に切り離して考えなければならないと絶叫し続けてきた。

ところが2月13日の「報道ステーション」では、古舘氏の意図と裏腹に、コメンテーターの寺島実郎氏が「「かんぽの宿」疑惑は郵政民営化が一体なんだったのかという根本的な問題を投げかけるテーマだ」とコメントして、古舘氏は言葉をつげなくなった。ゲストコメンテーターを突然差し替えることもできず、番組の意図に反するコメントが表出してしまったのだと思われる。

日本は小泉竹中政治で破壊し尽くされた。昨年後半以降の急激な景気悪化のなかで、「派遣切り」の問題が一気に表面化した。小泉竹中政治は「市場原理主義」を基軸に据えて、また財界の意向を反映して労働市場の規制緩和を推進した。企業が容易に人員を削減できるように非正規雇用拡大を後押しした。

労働市場の規制緩和を進めるなら、雇用調整の対象になる労働者の生活をしっかり守る「セーフティネット」を整備することが不可欠だった。「セーフティネット」を整備しないで規制緩和を進めたから、不況が深刻化しているいま、深刻な問題が広がっているのだ。

小泉竹中政治は高齢者、障害者、母子世帯、低所得者、一般労働者に冷酷だった。役人の天下りは死守したが、経済的弱者に対する施策を冷酷に切り込んだ。国民の老後の生活を支える年金に対する対応も無責任極まりないものだった。

2005年9月の郵政民営化選挙で自民党が勝利したのは、国民の多数が「リフォーム(改革)詐欺」に嵌(はま)ったからだ。2007年の参議院選挙で自民党が大敗したのは、小泉竹中政治に対して国民が再評価した結果である。小泉竹中政治に対する否定的評価は時間を追うごとに強まっている。

小泉元首相の影響力が地に落ちていることは、昨年9月の自民党総裁選で証明されているのではないか。小泉元首相はひょっとすると再び総理に帰り咲くことを目論んでいるのかも知れない。しかし、それは「錯乱」としか言いようがない。いまや、小泉元首相が「KYキング」に見える。定額給付金法案が衆議院で再可決される場合、小泉元首相は完全に影響力を失うことになる。

仮に再可決が成立せずに解散総選挙が行われるとしても、小泉元首相の主張が国民に支持される可能性はゼロである。小泉元首相は国民の痛みをまったく理解していない。

小泉元首相は「かんぽの宿疑惑」解明の動きに、慌てふためいていると感じられる。それほど「かんぽの宿」疑惑の根は深いのだ。

「国際評論家小野寺幸一の政治経済の真実」主宰者の小野寺光一氏が、日本郵政がオフィシャルサイトから削除した重要な情報を伝えてくれている。

削除されたとされる情報は以下のとおり。

1 郵便貯金資金の委託運用 
(1)
投資顧問会社
【国内株式】  
シュローダー投信投資顧問株式会社 
大和住銀投信投資顧問株式会社
日興アセットマネジメント株式会社 
三井住友アセットマネジメント株式会社  
メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社  
UFJアセットマネジメント株式会社  
【外国株式】  
興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社  
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社  
以上8社(50音順)

  

簡易生命保険資金の委託運用 
(1)
投資顧問会社  
【国内株式】  
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 
シュローダー投信投資顧問株式会社
大和住銀投信投資顧問株式会社 
富士投信投資顧問株式会社 
メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社 
【外国株式】 
興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社 
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 
大和住銀投信投資顧問株式会社  
東京海上アセットマネジメント投信株式会社 
メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社 
【外国債券】
興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社 
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
富士投信投資顧問株式会社 
三井住友アセットマネジメント株式会社
以上8社(50音順)

  

 2002年12月11日、竹中平蔵金融相は東京都内で三井住友銀行の西川善文頭取、ゴールドマン・サックス証券CEOのヘンリー・ポールソン氏、同証券COOのジョン・セイン氏と密会した。竹中氏が示した「金融再生プログラム」により、大手金融機関が資本不足への対応を検討していたさなかである。 

 その後、三井住友銀行は2003年1月にゴールドマン・サックスから1500億円を優先株発行で調達すること、2月にはゴールドマン・サックスを通じて3500億円を優先株で調達することを発表した。ゴールドマン・サックスはこの取引で100億円近い手数料を得たと見られている。

 竹中金融相を猛烈に批判していた西川氏の態度が豹変したのは密会のあとである。そして、竹中氏が西川氏の日本郵政株式会社初代社長就任を推進した。

 今回、メリルリンチ日本証券が「かんぽの宿」一括売却のアドバイザイーに指名され、法外な手数料を得ることになっていた。このメリルリンチのCEOに2007年11月に就任したのが、2002年に西川氏が竹中氏とともに密会した、ゴールドマン・サックスに所属していたジョン・セイン氏である。

 日本郵政が「かんぽの宿」一括売却を白紙撤回した。当然の着地である。しかし、これで幕引きを図ってはならない。「かんぽの宿」疑惑の全容を解明しなければならない。同時に「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であることを広く国民の前に明らかにしなければならない。

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2009年2月12日 (木)

「かんぽの宿」疑惑解明に慌てふためく小泉元首相

小泉元首相が麻生首相の「郵政民営化見直し」発言を批判した。麻生首相の発言については、2月6日付記事「「かんぽの宿疑惑」拡大と麻生コウモリ首相の迷走」に記述したように、一国の首相としての器量が不足している現実を如実に示す事例であると思う。

城内実氏、平沼赳夫氏、綿貫民輔氏、亀井静香氏など、郵政民営化についての思想、哲学をもとに、信念を貫いた人々がいる。麻生首相は小泉政権で自民党政調会長、総務相、外務相の要職を渡り歩いた。地位を確保するために節を屈したのである。

仮にこれまでの行動を、政権を獲得するための権謀術数と割り切り、首相に就任して、自らの思想と哲学に従って政権を運営しようとするなら、所信を鮮明に示して、直ちに解散総選挙に踏み切るべきである。

「かんぽの宿疑惑」は単なる突発的な不祥事ではない。「郵政民営化の真相を垣間見せる縮図」である。「かんぽの宿疑惑」が解明されることにより、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であることが広く一般国民の知るところになる。

「郵政民営化」を推進してきた「利権集団」は、巨大果実を収穫しようとする目前で「かんぽの宿」疑惑が表面化したことに、激しい焦燥の念を抱いている。「郵政利権化」を推進してきたマスメディアの狼狽(ろうばい)ぶりには驚かされる。

マスメディアは「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する一方で、麻生首相の「郵政民営化見直し」発言を激しい勢いで批判している。

郵政民営化選挙の際に「4分社化の内容まで知っていた人はほとんどいなかった」と麻生首相が発言し、槍玉にあげられているが、この発言は正しい。

郵政民営化法、日本郵政株式会社法、その他関連法を熟知している国民などほとんど存在しない。「郵政事業の4分社化」には、国民の貴重な資産が特定勢力によって収奪されてしまう巧妙なカラクリが盛り込まれている。

「かんぽの宿疑惑」はまさに「郵政民営化の深層」を暴く爆発力を秘めている。小泉元首相は「定額給付金」を実行するための衆議院3分の2条項での再可決を否定する見解を示した。法案が衆議院で再可決されなければ、麻生政権は解散か総辞職に追い込まれる。

小泉元首相の発言は衆議院解散を誘導しようとするものである。早期の衆議院解散は正しい選択であり、国民の審判を受けた本格政権を樹立して100年に1度の危機に対応することが望ましい。この意味で、解散総選挙に政局が前進することは是認される。

しかし、小泉元首相の発言が国民の主張を代弁するものでないことは明確にしておく必要がある。小泉政権以来、安倍政権、福田政権、麻生政権と、与党である自民、公明両党は、国民の審判を受けずに政権をたらい回しにしてきた。

2007年7月の参議院選挙が直近の国政選挙だが、参議院選挙で国民は自公政権に明確にNOを突き付けた。参議院選挙の結果、参議院では野党が過半数を確保して、意思決定の主導権を握った。2005年9月の総選挙での意思表示を国民がみずから否定する意思を明確に示したのである。

小泉政権は「郵政民営化」を強行実施した。同時に「市場原理主義」に基づく「弱肉強食奨励政策」を実行した。日本経済が深刻な不況に直面し、小泉竹中政治の誤りが誰の目にも明らかになった。小泉竹中政治に対する根本的な再評価が広がっているのである。

「郵政民営化」は、「正義」の衣装に粉飾された「売国」の政策であった、と私は判断してきた。「かんぽの宿疑惑」はこのことを証明しつつある。「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」との関連で真相を解明しなければならない事案だ。

このタイミングで「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」論議が拡大することは、「郵政民営化=郵政利権化」を進めてきた利権勢力にとっての脅威である。

小泉元首相は国民の思考が2005年9月で立ち止まっているとでも勘違いしているのではないか。マスメディアは小泉元首相の発言をトップニュースで伝えるが、多くの国民は冷め切った気持ちで小泉元首相の映像を眺めていると思う。

小泉元首相は昨年9月の自民党総裁選に際しても、終盤戦に登場して小池百合子議員支持を表明するパフォーマンスを演じた。自分が動けば総裁選の情勢が変化するとでも勘違いしていたのではないか。しかし、影響力はすでに消滅していた。

「かんぽの宿疑惑」解明が進めば、日本郵政の西川善文社長が解任される可能性が高まるだろう。日本郵政株式会社法附則第2条および第3条に規定された、「かんぽの宿」売却および日本郵政株式売却が凍結される可能性が高まる。

郵政4分社化は、
①「ゆうちょ」、「かんぽ」の340兆円の資金が特定勢力に「収奪」されること、
②「郵便局ネットワーク」が将来的に「破壊」されること、
③日本郵政グループ保有の巨大不動産資産が特定勢力によって「私物化」されること、
をもたらす「工作」である。

小泉元首相は「郵政民営化」が見直されることを阻止するのに懸命である。「郵政利権化」に連なると見られるテレビ朝日をはじめとするマスメディアも、麻生首相の「郵政見直し」発言を激しく攻撃し、もはや国民からまったく支持されていない小泉元首相を「水戸黄門」の如くの演出を凝らして報道する。マスメディアは、「日本竹中新聞」や「テレビ小泉」のような偏向メディアに占拠されている。

小泉元首相が慌てふためいて麻生首相批判を展開し、衆議院の解散総選挙を誘導しようとしていることは、「かんぽの宿疑惑」解明が進むことにより、よほど「不都合な真実」が浮上することを暗示している。選挙による疑惑解明阻止を狙っている側面も感じられる。

「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」の動きに過剰反応し、小泉元首相をかつぎ上げる政治勢力は、小泉竹中政治の「市場原理主義」を主導した勢力と完全に重なっている。この点は、「喜八ログ」様が注意深く監視してくださっている。

この政治勢力は同時に、「政府系ファンド」を推進し、「ゆうちょ」資金をサブプライム金融危機対策に流用すべきと主張する勢力とも重なっている。

さらに、この勢力が「政府紙幣発行」を提唱する勢力とも重なっている。「政府紙幣論議の背景」について、『金利為替株価特報2009年2月10日号』に記述した。本ブログでも記述する予定だが、結論から言えば、健全な政策ではない。より大規模な財政政策での対応が不可欠な局面であるが、財政政策を発動するのであれば「目くらまし」の奇策ではなく、「国債発行」の正道を選択するべきである。

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2009年2月11日 (水)

「かんぽの宿」詭弁を弄する竹中氏と「郵政利権化」の策謀

「目からウロコの、ホンモノ探し」様「こづかい帳」様「パタリ」様、ありがたいお言葉をありがとうございます。『あの金で何が買えたか』の竹中氏の記述は、機会があれば紹介いたしたく思います。「かんぽの宿疑惑」を徹底究明できれば、国民にとって「目からウロコが落ちる」成果を得ることができると思います。

「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」=「郵政米営化」であることを国民は正確に知らなければなりません。そして、巨大な国民資産の「私物化」を阻止しなければなりません。「利権勢力」は死に物狂いで実態解明を阻止しようとすると考えられます。「草の根」の力を結集しなければならないと思います。

麻生首相が昨年9月の総裁選で「郵政民営化は私の担当だった」と発言したことを最初に伝えられたのは、「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様であるとのことでした。はなゆーさんのブログからは、いつも貴重な情報をいただいております。「雑談日記(徒然なるままに、。)」様には、貴重なご指摘をいただきましてありがとうございました。

竹中平蔵氏が「かんぽの宿」一括売却の正統性を訴える詭弁を弄し続けているが、いよいよ鮮明になる疑惑に何も答えることができていない。

偏向報道を続けるテレビ局が竹中氏に詭弁演説会の機会を無尽蔵に提供しているが、竹中氏がそれほど説明したければ、衆参両院の予算委員会に参考人として出席することを志願すればよい。偏向テレビ局の「出来レース」演説会ではない、国会の質疑に堪えられると考えるなら、ぜひ参考人として国会で演説会を行ってほしい。すでに参議院予算委員会では石井一議員が参考人招致を要請したので、何回でも参考人として登院していただきたい。

竹中氏の反論のポイントは以下の5点である。
①「かんぽの宿」は1年に40億円も赤字を出している「不良債権」である。
②「2400億円投じた資産を100億円で売る」のが問題なのではなく、「100億円の価値しか評価されないものに2400億円もの資金を投じた」ことが問題なのだ。
③「かんぽの宿」売却価格が低いのは「雇用維持」を定めた国会決議があるからだ。
④「かんぽの宿」一括売却先は「競争入札」によって決められたことで、疑義をさしはさむ余地はない。
⑤「民営化」した企業の経営判断に政治が介入することは根本的な誤りだ。

④、⑤については、すでに決着がついている。

問題が拡大した最大の背景は、一括売却先決定が極めて不透明であることだった。公明正大なプロセスが取られていれば、そもそも問題は生じていない。日本郵政の西川社長が国会で虚偽答弁したことも明らかになった。

「一般競争入札ではなかったこと」「最終選考に応募したのが1社しかなく、日本郵政が存在しない架空の入札価格を創作して発表したこと」がすでに明らかになっている。

竹中氏は「民営化」した企業の経営判断に政治が加入するのは根本的な誤りだとするが、「民営化」をはき違えているのではないか。日本郵政は株式会社形態に移行したが、株式は100%政府が保有している。現段階では国有会社である。「民営化」はまだ実現していない。

株式が民間保有になった時点で「民営化」されたと言えるのだ。竹中氏が「株式会社形態に移行すれば、その瞬間から好き勝手に「私的利益」を追求して構わない」と考えて、実行に移していたとするなら大間違いだ。

郵政民営化法には以下の規定がある。

第十四条  会社は、総務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
 第十五条  総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

日本郵政は100%政府出資の国有会社である。したがって、日本郵政保有資産は完全なる「国民資産」であって、政府、国会、国民は、日本郵政の行動を監視する義務と責任を負っている。

日本郵政の資産売却に不透明な点があるとき、所管大臣の疑問を明らかにしようとする行動を「根本的に誤っている」と批評する人物が、「郵政民営化」を取り仕切ってきたことは驚きを超えて恐怖である。

「かんぽの宿疑惑」を解明する鍵は、
①毎年40-50億円の赤字が持続するとされる収支構造
②約100億円と評価した政府の「承継財産評価委員会」の財産評価
③「雇用維持」に関する規定
である。

今後、国会が「かんぽの宿」に関するすべての資料提出を求めることになるだろう。国会には国政調査権がある。日本郵政は100%政府出資の国有会社である。国会はすべての資料を請求する権利を持つ。日本郵政はすべての資料を国会に提出する義務を負っている。

「かんぽの宿」の評価額が低くなった根拠として「赤字」があげられているが、財務データの詳細を見なければ、赤字の実態が分からない。「料金設定」にも大きな原因があると考えられるし、「減価償却費」の取り扱いが極めて重要だ。「効率経営」の余地がどの程度あるのかもポイントである。

鳥取県岩美町や鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」の事例が如実に示すように、収支から算出する資産価値と、不動産そのものの財産価値はまったく異なる。収支からの評価が「ゼロ」であっても、6000万円で買い手がつくことがこのことを表している。

「かんぽの宿」を、売却以前の諸条件を完全に維持することを条件にして売却するときにだけ、収支をベースにした資産評価額が売却価格の基準になる。「減価償却費も不変」、「料金設定も不変」、「効率経営も禁止」などの条件が付けられて売却が進められていたのなら理解できなくもない。

政府の承継財産評価委員会委員にオリックス関係者である奥田かつ枝氏が名前を連ね、調査部会の委員を務めた。この奥田氏がどのような役割を果たしたのかを明らかにしなければならない。奥田氏にも参考人として国会での証言を求める必要があるだろう。

「雇用義務」がもうひとつのポイントだ。郵政民営化法可決に際して、国会は附帯決議を行っている。この「附帯決議」のなかに「雇用」に関する記述が含まれている。「附帯決議」十一に以下の記述がある。

十一、   職員が安心して働ける環境づくりについて、以下の点にきめ細やかな配慮をするなど適切に対応すること。

①現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく職員の勤労意欲が高まるよう十分配慮すること。
②民営化後の職員の雇用安定化に万全を期すること。
③民営化の円滑な実施のため、計画の段階から労使交渉が支障なく行われること。
④労使交渉の結果が誠実に実施されること。
⑤新会社間の人事交流が円滑に行われること。

「かんぽの宿」売却に際して、この国会決議がどのように影響したのかを明らかにしなければならない。また、公社時代に閉鎖した「かんぽの宿」における雇用問題への対応を確認することも必要だ。

日本郵政はメリルリンチ日本証券とアドバイザー契約を結び、これまでに1億2000万円の手数料を払うとともに、成功報酬として6億円の支払いが保証されていたことが明らかにされている。

「かんぽの宿」を売却するのに、これほどの資金を投じてアドバイザーを雇う必要はない。政府が日本長期信用銀行をリップルウッドに売却した際も、政府はゴールドマン・サックスに多額のアドバイザリー・フィーを支払った。しかし、この売却先は日本政府にとって、最善の売却先ではなかった疑いが濃厚である。「不正入札」の疑いが存在する。関係資料がすべて明らかにされていないため、確定は出来ないが、いずれ明らかにする必要がある。詳細は拙著『知られざる真実-勾留地にて-』を参照されたい。

「雇用維持義務」を含めて「かんぽの宿」の売却条件を明確に定めて、文字通り「公明正大な」一般競争入札を実施すればよかっただけだ。条件設定に際して、外部専門家のコンサルティングを活用する程度の行動は認められるだろうが、日本郵政は高い給与を支払っている従業員を多数雇用しているのではないか。米系証券会社に6億も7億も相談料を払うとの契約も疑惑の対象である。

「雇用維持」が不正売却を実現するための「かくれみの」として活用された可能性が高いと思われる。

私は9月27日付記事「「小泉改革」の評価」に次のように記述した。

「この三つの「民営化」には、すべて裏があった。「裏」とは、特定の利害関係者に利益、利権をもたらす「民営化」だったということだ。かけがえのない「道路資産」が将来、特定の「資本」の所有物になる。「郵政三事業民営化」では、郵貯、簡保の350兆円の国民資金を収奪しようとする外国勢力、銀行界が存在した。さらに外国資本は郵政会社が保有する「莫大な一等地不動産」に狙いをつけている。「郵政会社」は「莫大な一等地不動産」の再開発事業を今後本格化させる。この動向から目を離せない。」

 「郵政民営化」は
①小泉元首相の個人的な怨恨
②銀行業界の熱望
③米国の熱望
の三つの「私的利益」が「三位一体」に結合して実行されたと考えられる。

 米国の狙いは、350兆円の郵貯、簡保資金だとされてきたが、それだけではなかった。日本郵政は「莫大な一等地不動産」を保有しているのである。

 民営化会社がこの「莫大な一等地不動産」を手に入れる。この「莫大な一等地不動産」は「眠れる獅子」である。未開発のまま放置されてきた。この開発が巨大プロジェクトになる。日本郵政CRE部門が疑惑の中核のひとつである。「金融」、「建設」、「不動産運用」にビッグビジネスが展開される可能性が高いのである。

 現に、日本郵政は不動産事業に注力し始めている。

2月1日記事「外資の標的である日本郵政保有巨大不動産」

2月2日記事「「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する巨大な闇の力」

に記述したように、日本郵政は「不動産」に注力している。

 しかし、日本郵政グループが保有する資産は、すべて、貴重な国民資産である。その国民資産が、一部の特定の勢力にとっての「利益を生み出す宝の山」に改変されつつある。また、日本郵政株式会社法第一条(会社の目的)および第四条(業務の範囲)に反するのではないか。

 これだけの「宝の山」を国が保有するなら、その「宝の山」を国民のために活用しなければならないはずだ。ところが、現実には、「宝の山」を掠(かす)め取ろうとする「強い意志」が働いていると感じられる。

 問題は、以下の三点だ。
①日本郵政公社の資産を4つの会社に継承させたが、資産分割が極めて不自然である。

②日本郵政の株式については、「できる限り早期に処分する努めるものとする」とされているが、日本郵政の保有資産価値が売り出す株価に十分に反映されなければならないが、早期売却はその前に売却することを狙うものではないか。

  
③「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」が受け継ぐ資産が極めて限定的である。

 「日本郵政」は、「三菱地所」、「三井不動産」などの日本を代表する不動産会社を目指す方向にある。このことを、「郵政民営化」と国民は理解してきたか。

 「ゆうちょ」、「かんぽ」に資金を投入してきた国民に本来帰属するべき資産が、なぜ「ゆうちょ」や「かんぽ」から切り離され、不透明な方法で売却されなければならないのか。

 財産承継で、①郵便事業会社、②ゆうちょ銀行、③かんぽ生命、の3社には不動産が最小限度しか配分されていない。主要不動産は「日本郵政」と「郵便局会社」に帰属された。

 「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式は全株売却される。この株式を買い集めれば、350兆円の資金を手にすることが出来る。

 「郵便事業会社」と「郵便局会社」を傘下に持つ「日本郵政株式会社」株の3分の2が売却される。早期売却では、ユニバーサルサービス義務を負う「郵便事業会社」が含まれるから株価は相対的に低位になる。日本郵政支配を狙う資本は、株式市場が低迷しているタイミングを選べば安い株価で株式を入手できる。

 この間、外資が日本郵政株式の2分の1以上を買い集めれば、「日本郵政」は外国企業になる。その後、人員整理を進展させ、「郵便事業会社」を切り離してしまえば、「日本郵政」は「日本地所」になる。

 その頃までに東京駅、大阪駅前など、全国の巨大不動産開発を完了させる。高騰した株式を売り抜ければ巨大な利益を確保できる。

 このような「郵政利権化」の構造、「郵政米営化」のシナリオを十分に検討しなければならない。

 麻生首相の発言を攻撃して「郵政民営化見直し」を攻撃するマスメディアの論調は激しさを増している。「郵政民営化見直し」を必死の形相で批判する国会議員を分類すれば、外国勢力と連携する議員集団を明確にすることが出来る。本当は、「郵政民営化」を見直し、「売国」に歯止めをかけることが、いま求められている。「日本郵政株式」が売却されてからでは手遅れになる。「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」が「正論」である。

 「かんぽの宿」売却を義務付けているのは、「日本郵政株式会社法」附則第2条である。株式売却を定めているのは第3条である。「かんぽの宿疑惑」解明を進めつつ、まずは、「日本郵政株式会社法」第2条および第3条を凍結する法改正を実現させなければならない。

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2009年2月10日 (火)

「かんぽの宿疑惑」特ダネ報道を封殺する闇の力

「公明正大な手続きに従って取り運んできている。疑いをもたれることはない。」

日本郵政の西川善文社長は「かんぽの宿」一括売却について、1月29日の記者会見でこのように発言した。

17歳の新入門力士が暴行により死亡した痛ましい事件があったが、当時の時津風親方(当時)がインタビューで、
「大事な子どもを死なせるようなことは私はしませんよ、正直言って。
「何がいけないって言われてもですね、正直言って、今答えようがないですよ。」
と答えたことがあった。

うがった見方かも知れないが、「疑いをもたれることはない」と語ることでかえって「疑い」という言葉がクローズアップされてしまう場合がある。

西川社長は「公明正大な手続き」と述べたが、「かんぽの宿」一括売却が、「一般競争入札」によって売却先が決定されたのではないことが明らかになった。

1月7日の衆議院予算委員会での質疑で、社会民主党の保坂展人議員が重大な答弁を引き出した。以下は保坂議員のブログからの転載だ。

「日本郵政は会計検査院の検査対象である。国の出資が100%なら当然のことだが、そんなこともあまり知られていない。国の機関ではないから、総務省に日本郵政株式会社が届け出ている規定で契約手続きを行なわなければならない。
その「規定」をみると、「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」の3種類しかない。この「規定」にのっとって契約を締結しているのなら「指名競争」か「随意契約」のふたつしかない。
どれだと西川社長に質問した。」(ここまで転載)

保坂氏のブログによると、
「日本郵政は128日には「公開競争入札と同類のもの」と文書回答し、また24日には「単純な『競争入札』は馴染まないものと判断し」と同じく文書回答している。「何度もヒアリングで確かめ、文書で回答いただいているが、西川社長、間違いないでしょうね」と念をおした。答弁席に立った西川社長は、「一般競争入札ではありません」と小さな声で証言した。エエッーと議場に静かなどよめきが走り、後方に座る鳩山総務大臣が身体を揺らす。」(ここまで転載)

さらに、保坂議員は一括売却リストに掲載されていた「世田谷レクセンター」がリストから外されたことに注目し、この施設がいつリストから外されたのかを質問した。

西川社長は11月20日だったと答弁した。第二次選考の締め切りが10月31日であるのに、その締め切り後に「世田谷レクセンター」がリストから外されるのは、どう考えても不自然である。

さらに、保坂議員は最後に念を押すように確認した。
「最後に西川社長に確かめておきたいんですが、第2次の締め切り1031日の段階で、さきほどの報道によれば61億円ですか、ホテル運営会社。オリックスは109億円だと。オリックスが高かったというのは本当ですか。間違いないですか」と聞いた。

これに対して西川社長は次のように答弁した。
「ただいま、御指摘をいただきました点につきましては、事実そのとおりでございます」

ところが、2月9日の衆議院予算委員会で民主党の川内博史議員が「かんぽの宿疑惑」を追及した結果、驚くべき事実が明るみに出た。

10月末の第二次選考締め切りに応募したのがオリックスとホテル・マネジメント・インターナショナル社(以下HMI社とする)で、入札価格はオリックスが105.22億円、HMI社が105.5億円だった。ただし、オリックスは19.78億円の負債を引き継ぎ、グロスでは125億円を提示したとされるが、ネットの金額では、HMI社がオリックスを僅かに上回っており、高い金額を提示した業者に一括譲渡することになると、HMI社が落札することになる。

日本郵政は10月31日の第2次選考ののち、11月20日に世田谷レクセンターを除外することを2社に通知し、12月3日に最終提示するように連絡したとのことだ。

これに対して、オリックスは108億8600万円(119億4000万円から負債額10.54億円を差し引いた金額)を提示したが、HMI社から金額の提示がなかったとのことだ。

つまり、最終選考に応募したのはオリックス1社だったことが明らかにされた。オリックスが109億円、HMI社が61億円の札を入れて、高い札を入れたオリックスが落札したというのは「作り話」だったことが明らかになったのだ。

61億円はHMI社が提示した105.5億円から世田谷レクセンターの評価額を差し引いたものを日本郵政が勝手に数値化したものであることが判明した。105.5-61=44.5であり、44.5億円はHMI社が提示した世田谷レクセンターの評価額ということになる。

つまり、仮にHMI社が世田谷レクセンターを除外して再度札を入れるとの仮定を置いた計算をするには、HMI社の「世田谷レクセンター」評価額を差し引かなくてはならないからだ。

2月10日付日本経済新聞は、日本郵政はオリックスもHMI社も世田谷レクセンターの評価額が日本郵政の簿価を大幅に下回っていたために、世田谷レクセンターを除外したと説明しているが、HMI社の44.5億円の評価はそれほど低すぎるものなのか。

もうひとつの仮説は日本郵政の簿価をHMI社の105.5億円から差し引いたとの考え方である。しかし、これでは「HMI社が入れたと想定する札」ということにならない。そもそも、オリックス社もHMI社も日本郵政の簿価を大幅に下回る価格でしか「世田谷レクセンター」を評価しなかったと日本郵政が説明しているのだ。

オリックス社は10月31日の105.22億円を12月3日には108.86億円に引き上げている。50億円相当の世田谷の一等地を除外して落札価格がなぜ上昇するのか。

日経新聞は「世田谷レクセンターを除く事業評価を18億円上積みした」と説明するが、理解に苦しむ説明である。

通常の判断に委ねるなら、本来、10月31日の応募でHMI社が105.5億円で落札していたものではないか。提示金額があまりに接近しているのも、甚だ不可思議である。オリックスに売却するために、オリックスに巨大な開発資金が必要となり、外部環境の悪化からオリックスが入手しても開発が困難な「世田谷レクセンター」をはずしたのではないか。

いずれにせよ、最終選考にはオリックス1社しか参加していないのである。保坂議員は、
「企画提案コンペの入札もどきの一部始終が開示される日も近いのではないか。仮に、競争入札だったとしても最後に応札する企業が1社になれば、「不落随契」と呼ばれる随意契約になることを改めて確認しておきたい」
と記述されているが、契約の類型が「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のなかの「随意契約」に分類されるとの指摘は重要である。

また、世界的に100年に1度の不動産金融危機の暴風が吹き荒れる中で「一括譲渡」を強行する判断が常軌を逸している。最終的な入札参加者を最大限、減少させることを意図したのではないかとしか考えられない。このようなディールに1.2億円のアドバイザリー・フィーを支払うのは国民に対する背任的行為である。

また、日本郵政関係者の「偽証」の責任も問われなければならない。

マスメディアは「特ダネ」級の新事実が発覚したのに、まったく報道していない。NHK定時ニュースは、朝から「三笠フーズ」、「キャノン」、「豪山火事」、「オバマ大統領」、「漢字検定協会」、「工作機械」報道だけで、「かんぽの宿疑惑」報道を封殺した。

麻生首相の発言のブレと矛盾は大々的に報道され、「郵政民営化見直し糾弾」の激しい世論誘導が図られている。

麻生首相の国会答弁での、「私は郵政民営化担当ではありませんでしたから。濡れ衣をかぶせられるのは面白くない」との発言が、昨年9月の自民党総裁選での「私が郵政民営化担当大臣、私が担当」発言と矛盾しているとの「スクープ」を報じたのは、私が知る限りは「晴天とら日和」様である。その前にどなたかが指摘された可能性を確認していないが、テレビ朝日「報道ステーション」は、知的財産権を重視するなら、「スクープ」の出所くらい明らかにする礼儀を持つべきではないかとも感じた。

日本経済新聞は2月10日朝刊で、「競争入札の詳細」を詳しく報道し、「「かんぽの宿」最終選考2社」の大きな見出しを付している。詳細な事実関係を把握していない読者は、「公明正大」な「競争入札」が実施したのではないかと事実誤認してしまう。

「かんぽの宿疑惑」を封印し、「郵政民営化」、「郵政4分社化」の根本的な見直しを力づくで阻止しようとの巨大な闇の力が働いているとの確信が一段と強まった。「三笠フーズ」や「キャノン」に新たな動きを作り、報道番組の時間を占有しようとの意図が働いているとも感じられる。

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2009年2月 9日 (月)

「かんぽの宿疑惑」を生んだ「郵政米営化」の深層

2005年8月2日の参議院郵政民営化に関する特別委員会

「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式を100%売却することについての竹中平蔵郵政民営化担当相の答弁

「銀行と保険、この金融の仕事というのは、やっぱりほかの事業とは非常に違った性格を持っているということだと思います。この金融の仕事では、いわゆる信用、信用というのが何よりも一番大事であると。そこにこの、今までこれ、国営の公社で行われていたわけですが、その信用という観点からしますと、国というのはこれはもう絶対的な信用を持っている主体でございます。その国というのがこの銀行に関与すると、関与できると、そういう影響力を持つということになりますと、これはやはり民営化に当たって、通常の一般の他の民間金融機関との間でもどうしても不都合が生じるのではないか。その意味では関与、国の関与をやっぱりきちっと切り離していただくということがどうしても必要で、その点が今回の民営化の大変重要なポイントになっているというふうに考えております。
 だからこそ、この銀行と保険に関しては、これはやっぱり国が持っている、持ち株会社が持っている株をいったん完全に処分していただく、完全に処分していただくことによって、国の信用と関与を断ち切って、それでほかの民間金融機関と、正に民間の金融機関と対等になる、そういう仕組みをしっかりと確立することが民営化に当たってどうしても必要であるというふうに我々は考えたわけでございます。」(11)

「重要な点は、私どもは民営化をしようとしております。民営化をするに当たって、その金融に対してユニバーサルサービスの義務を課すということはいたしません。」(131)

「郵政民営化」で定められている、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」に関する方針は、
①「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式をすべて売却してしまう。
②「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」には「ユニバーサルサービス」を義務付けない。
の2点である。

これらの制度設計が米国の指示、要望に基づいているとの疑惑が濃厚に存在する。有名な「規制改革対日要望書」の存在が指摘されてきた。

この点について、民主党の櫻井充議員が質問した。

「ここに、日本とアメリカの対日要望書、対米要望書というのがございます。これはアメリカの大使館のホームページ、それから日本の外務省のホームページに掲載されていて、お互いにこういうことを基に話合いをされているようです、要望しているようですが、(略)」(188)

「本年の要望書において米国は日本における民営化の動きに特段の関心を寄せた、これは郵政公社の話ですが、日本郵政公社の民営化は意欲的かつ市場原理に基づくべきだという原則が米国の提言の柱となっていると。つまりは、市場原理に基づけとかそういうことをやれというのは実は米国の提言の柱になっていると。もしかすると、これはアメリカの意向を受けてやってきているのかもしれないと思うところがあるわけです。」(188)

「郵政の民営化に対してですね、相当な提案があります。例えば、競争条件の均等化であるとか、保険と銀行の公正な競争をやれるようにしろとか、それから相互補助の防止というのは一体何かというと、日本郵政公社の保険及び銀行事業と公社の非金融事業間で相互補助が行われないよう十分な方策を取るというふうに言われていて、三位一体でやれるはずがないですよ、アメリカの言うとおりやってくると。」(190)
「これは委員の皆さんに資料で配らしていただいておりますが、「米国政府・団体からの対日要望と郵政民営化関連法案との対応等」というのがございます。そこの中で、例えば「民間企業と同一な競争条件の整備」というところ、米国政府からは民間企業と同様の法律、規制、それから規制監督を適用するというふうに言われております。そうすると、郵政民営化整備法の第二条のところに、「次に掲げる法律は、廃止する。」と、郵便貯金法、郵便為替法、郵便振替法、簡易生命保険法と、こうやって全部意向を受けていると。」(190)

「ここに資料がございますが、例えば郵便保険会社・郵貯銀行の政府保有の株式完全売却という項目がありますけれども、米国政府からは完全売却しろと、そういうふうに書いてあります。それに対して、段階的に処分しろとか、要するにアメリカ政府からいろんな要望を受けると、それに従ってこうやって法律が整備されてきております。
 このことを踏まえてくると、果たしてこの民営化というのは国民の皆さんのための改正なのか、米国の意向を受けた改正なのか分からなくなってくるということでございますが、竹中大臣、いかがでしょう。」(190)

 これに対して竹中大臣は次のように答弁した。

「これは、郵政民営化というのはもう十年二十年言っておられるわけですから、アメリカはどういう意図で言っておられるか私は知りませんが、かつ、これはもう私たち、これはもう国のためにやっております。
 かつ、このまあ一年二年ですね、わき目も振らず一生懸命国内の調整やっておりまして、ここで読み上げる、読み上げていただくまで私は、ちょっと外務省には申し訳ありませんが、アメリカのそういう報告書、見たこともありません。それはそういう、私たちはそういうこととは全く関係なく、国益のために、将来のために民営化を議論しているわけでございます。」(192)

 竹中氏の白々しい答弁に対して櫻井氏が次の質問をした。

「もう一点申し上げておきますが、じゃ大臣、大臣、ここのところは大事なことですが、アメリカと、アメリカの要望書の中で我々の意見を聞けということがあって、十七回ぐらいたしかアメリカの要望を、意見交換をしているはずなんですね、十八回でしょうか。これは十八回やっているはずなんです。
 そうすると、そこの中で、米国の意向を先ほど知らなかったというお話をされますが、そんなことないんじゃないですか。こうやってやり取りをしていること自体、準備室でやり取りしていることの中で、そこのトップである大臣がそんなことを知らないんですか、本当に。」(194)

 竹中氏は次のように答弁した。
「私は、その今読み上げていただいた報告の詳細を別に聞いていないというふうに言っているんです。
 十八回、これ準備室にはいろんな海外の方からいらっしゃいますから事務的に対応しております。私は忙しいですから、私自身が海外の方とお目に掛かってそういう話をしたことはございません。」(194)

櫻井氏がさらに質問した。
「じゃ、竹中大臣、大臣は、例えば外国の要人の方から、大臣がよく民営化一生懸命頑張っていると、それから金融改革ですか、銀行とのとか、そういうことに関して評価されているとか、もうそういうことも一切ないんですか。」
「大臣は、アメリカの方とこういう問題について話し合ったことすらないんですか。そして、そういうような例えば、竹中大臣、よく頑張っていらっしゃいますね、我々と一緒にやっていきましょうとか、そういうような、まあ例えばの話ですけど、そういうようなやり取りなんということはないんですか、本当に。」(195)

竹中氏は再び白々しく次のように答えた。

郵政の問題につきまして外国の方から直接要望を受けたことは一度もございません。これ、先方から会いたいとかということはこれは当然来ますけれども、私はそういう立場にありませんので、それはお断りをしております。」
「もちろん国際会議等々に出て、日本の経済全体のこと、マクロ経済のこと、そして金融改革のこと、これは小泉改革全体についてお話をします。そういう点に関して評価をいただいておりますし、しっかり頑張ってくれという、こういうことはございます。」
「しかし、これは個別のアイテムについて、保険はこうしてくれ、株はこうしてくれと、そのような要望に関して、外国の方から私が具体的な要望をいただいたこと、そのような場を設けたことは一度もございません。」(196)

 ここで、櫻井充議員は重要な事実を指摘した。

「それでは、ここにアメリカの通商代表、代表の、まあこの間まで、前ですね、ゼーリックさんから竹中大臣にあてた手紙がございます。現在は国務副長官でございます。その方から竹中大臣にあてた手紙の写しがございます。」
「これ、ちょっと確認していただきたいんですけど、委員長、ちょっと議事止めていただいていいですか。」(197)

「ここには、要するにこれはどういう手紙なのかといいますと、これは竹中大臣が郵政担当大臣、経済財政担当大臣に再任されたときのお祝いの手紙でございます。」

「そこの中に、そこの中に、貴殿の業務の成功に対する報償がより多くの仕事を得たということを見て喜ばしく思いますと。その後るる書いてありますが、そこのところから後半の方ですが、保険、銀行業務、速配業務で競争の条件を完全に平等することを生み出し実行することは私たちにとって根本的に重要です郵便保険それから郵便貯金を民間セクターとイコールフッティングにするためにも、私たちは経済財政諮問会議からの連絡を歓迎しております。そしてまた、現在民間企業に適用されている郵便保険と郵便貯金への税制、セーフティーネット上の義務の義務化、それから郵便保険商品に対する政府保証を廃止することを諮問したことに私たちは勇気付けられました。」

「私は、また、以下の点で丁重に貴殿を後押しいたしますと。二〇〇七年の民営化開始時から、郵便保険と郵便貯金業務に対する保険業法、銀行法の下での同様の規制、義務、監督、完全な競争、競争条件の平等が実現するまで新商品、商品見直しは郵便保険、郵便貯金に認めてはならず、平等が実現された場合にはバランスある形で商品が導入されること新しい郵便保険と郵便貯金は相互補助により利益を得てはならないこと。民営化過程においていかなる新たな特典も郵便局に対して与えてはならないこと。民営化の過程は常に透明で、関係団体に自分たちの意見を表明する意義ある機会を与え、決定要素となることとする。今日まで私たちの政府がこの問題について行った対話を高く評価するものですし、貴殿が郵政民営化での野心的で市場志向的な目標を実現しようとしていることに密接な協力を続けていくことを楽しみにしております。貴殿がこの新たな挑戦に取り掛かるときに私が助けになるのであれば、遠慮なくおっしゃってください。」

「しかもです、これはタイプで打たれたものですが、ここにです、ここに自筆の文章もございます。自筆の文章です。そこの中で、わざわざここに竹中さんとまで書いてあります、竹中さんと。貴殿は大変すばらしい仕事をされ、数少ない困難な挑戦の中で進歩を実現しました。あなたの新たな責務における達成と幸運をお祝いいたしますと。これは去年の十月四日の時点ですので、貴殿と仕事をすることに楽しみにしておりますという形で手紙も来ております。」

「ですから、今までそういうようなことに対しての要望がなかったということでは僕はないんだろうと、そういうふうに思っています。」

「ですから、ここは本当に大事なことなんですね。まあ今日はテレビが入っていますから委員会は止めませんけれどね。ですが、ですが大事な点は、総理が先ほどアメリカ、アメリカと言うなとおっしゃっていますが、こういう形で送られてきて、事実を私は申し上げているだけでございます。」

  

(数字は国会会議録における発言番号、太字は筆者による)

  

長くなるので解説については回を改めて記述するが、「郵政民営化」プロセスの詳細が米国の要望に沿って決定されたことは間違いないと考える。参議院特別委員会での質疑については、「晴天とら日和」様がこれまでに詳細を紹介してくださっている。

「郵政民営化」のプロセスの骨格が
「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命」は丸裸にして株式を全株売却する。
②「郵便会社」にはユニバーサルサービスを義務付ける。
③「郵便会社」には郵便事業に必要最低限の資産を付随させる。
④持株会社の「日本郵政」が「郵便会社」と「郵便局会社」両者の株式を保有させる。
残余資産は「郵便局会社」および「日本郵政」に帰属させる。
⑥「日本郵政」株式を全株式の3分の2を上限に市場に売却する。
というものである。

慎重に対応しなければ、巨大な国民資産が「売国ハゲタカ一族」に収奪されてしまう。「かんぽの宿疑惑」を徹底追及して「郵政利権化」、「郵政米営化」の実態を明らかにし、「ストップ!リフォーム(改革)詐欺」を実現しなければならない。

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2009年2月 8日 (日)

CMSA日本支部を巡る「かんぽの宿疑惑」人脈の蠢き

「誠天調書」様、ならびに「ネットゲリラ」様、ならびに「チラシの裏」様「カナダde日本語」様「喜八ログ」様、貴重なメッセージをありがとうございました。マスメディアは全力をあげて問題封殺を図ろうとしていますが、「かんぽの宿」疑惑の完全解明を求めて参りたく思います。「リフォーム(改革)詐欺」の悪の構造を白日の下に晒し、国民を救済しなければならないと思っております。志を共有する多くの皆様とともに一歩ずつ進んで参りたく思います。

2月8日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」は、自公VS民共での対論を実施した。共産党は選挙戦術上、民主党との対決姿勢をも示している。討論のなかで民主党を孤立させようとの意図が明白だ。民主、社民、国民新党は「かんぽの宿疑惑」でも共闘体制を強化している。結束力を強める野党を同席させない、驚くべき「偏向テレビ局」だ。

さらに驚くべきことは、「郵政4分社化方針見直し」、「かんぽの宿疑惑」をまったく取り上げなかった。「「郵政利権化」の実態が広く一般国民の知るところになることを絶対に阻止しなければならない。郵政利権の刈り取り時期が目前に迫っている。ここで「郵政民営化見直し」が拡大すれば、巨大な果実を獲得し損なう」との、売国ハゲタカ一族の焦燥の叫びが聞こえてくる。

「ギャラリー酔いどれ」様が「天網恢々疎にしてなんとやらですかね」と記述された。「天網恢々疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず」とは「悪事をした報いは逃れることができない」の意味だが、「売国ハゲタカ一族」の悪事が白日の下に晒(さら)される日が近づいている。

2月5日のテレビ朝日報道番組「スーパーJチャンネル」が「かんぽの宿疑惑」を取り上げた。VTRで登場したのが早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川口有一郎教授だった。

川口氏は、疑惑の「かんぽの宿一括売却」について、「開示資料を見る限り、入札の過程も価格の決定もそれぞれの過程には疑問を差し挟むようなことは見受けられない」と述べた。あまりに不自然なコメントが人々の注意を呼び起こす。「刑事コロンボ」の犯人は自ら聞かれてもいないコメントを示して墓穴を掘る。

川口氏がどのような背景を持つのかは現段階では不明だが、川口氏のこれまでの仕事に参考になる事例がある。

Photo

写真はオリックス不動産投信の第10期(2006年9月1日~2007年2月28日)の資産運用報告サイトに掲載されている写真である。オリックス・アセット・マネジメント株式会社社長の佐藤光男氏とにこやかに写真に納まっている。

川口氏と佐藤氏の対談が掲載されているが、最初の質問に、
「-お二人は、J-REIT誕生の前からのお知り合いなのだそうですね。」
とあり、川口氏が、
「平成124月に行われた「不動産金融工学の世界」というフォーラムで講演した際に、ご一緒させていただいたのが最初のご縁です。」
と答えている。

川口氏とオリックスの関係は決して浅くは無いと見られるのだ。

「かんぽの宿疑惑」に関連して登場する人々がつながって登場するのが、「CMSA日本支部」という名の組織である。「CMSA」とは「商業不動産証券協会」を意味する。商業用不動産ではあるが、「サブプライム金融危機」を引き起こした元凶のひとつである「デリバティブ不動産証券化商品関係者の総本山」とも言える。本部は米国にある。川口氏は「不動産金融工学」を専門としており、不動産関連デリバティブの専門家である。

2008年10月16日には第3回CMSA日本支部セミナーが早稲田大学大学院日本橋キャンパスホールで開催され、川口有一郎氏が基調講演を行っている。川口氏は2007年2月に開かれた第3回CMSA日本支部シンポジウムでも講演を行っており、CMSAのセミナーなども頻繁に早稲田大学大学院日本橋キャンパスで開催されている。川口氏はCMSAで活動する中心人物の一人であると見られる。

このCMSA日本支部組織体制を見ると、オリックス専務執行役の小島一雄氏が理事長を務めていることがわかる。

川口氏はオリックスと極めて強い関係を有していると見ることができるのではないか。川口氏は上記したオリックス不動産投信の営業報告(2007年4月)のなかの対談で、
「J-REITの隆盛はバブルではないかという意見もありますが」との質問に対して、

「現在、東京都心5区のオフィス空室率は3%(平成193月発表、三鬼商事による)を切っていますが、これは欧米など諸外国と比べても例をみない低水準。需要に供給が追いついていない状況といえます。バブル崩壊で、日本の不動産は、実力以下に低く評価されてきました。不動産価格が高騰しつつあるといっても、ようやくバブル前の水準に回復したという状態なのです。」
と述べて、REIT市場の堅調を展望している。

 東証REIT指数を見ると、このレポートが出された2007年5月に2636ポイントのピークを記録したのちに暴落に転じ、昨年11月には683ポイントの安値を記録した。指数は現在872ポイント(2009年2月6日現在)の水準にある。2007年5月に投資したとすると、投資元本は3分の1になってしまったことを意味する。

 結果的に見れば「バブルではないかという意見」は正しかったことになる。

 興味深いのは、このCMSA日本支部が主催するシンポジウムやセミナーに、「かんぽの宿疑惑」に登場する重要人物が数多く登場していることだ。

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2007年2月8日に開催された第3回CMSA日本支部シンポジウムは経団連会館国際会議場で開催され、川口有一郎氏とともに竹中平蔵氏が基調講演を行っている。写真はCMSA日本支部サイトに掲載されている、竹中氏の基調講演を撮影したものである。

 また、2007年10月9日に早稲田大学大学院日本橋キャンパスで開催された第2回CMSA日本支部セミナーでは、川口有一郎氏が基調講演を行うとともに、株式会社緒方不動産鑑定事務所取締役・不動産鑑定士の奥田かつ枝氏が講演を行っている。

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奥田氏は一橋大学を卒業して三菱信託銀行に勤務した経歴を有している。すでに「晴天とら日和」様が簡略図入りで説明してくださったように、2月4日付「しんぶん赤旗」が奥田かつ枝氏が所属する緒方不動産鑑定士事務所などが共同設立した「アースアプレイザル社」の社外取締役に就任していることを明らかにしている。問題はオリックスの100%子会社であるオリックス・キャピタルがこの「アースアプレイザル社」の主要株主になっていることである。

 CMSA日本支部理事長の小島一雄氏はオリックスの専務執行役であると同時に、オリックス・キャピタルの代表執行役会長を務めている。

 「しんぶん赤旗」が、日本郵政が一括売却の対象になった「かんぽの宿」70施設と9箇所の社宅施設の簿価を300億円から129億円に圧縮していたことはすでに2月2日付記事「「かんぽの宿」売却先決定の不透明なカラクリ」に記述した。その根拠とされたのが政府の「郵政民営化承継財産評価委員会」による評価額変更である。

 政府の「財産評価委員会」については、「雑談日記(徒然なるままに、。)」様が詳細を調べて下さっている。この委員会の調査部会と事務局が実際の資産評価額決定に関与したと考えられるが、調査部会のメンバーには、
株式会社緒方不動産鑑定事務所取締役 奥田かつ枝 氏
日本公認会計士協会理事 樫谷 隆夫 氏
株式会社産業再生機構代表取締役社長 斉藤 惇 氏
PwC
アドバイザリー株式会社取締役パートナー 田作 朋雄 氏

新日本監査法人代表社員 成澤 和己 氏
が指名された。

 詳細については回を改めて記述するが、新日本監査法人は本ブログおよび拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に詳述した「りそな銀疑惑」に直接関わる監査法人である。また、田作朋雄氏は2002年12月に竹中金融相(当時)が発足させた金融庁検査局内の「再建計画検証チーム」のメンバーに選出された人物である。人選は基本的に「竹中人脈」によったと見てよい。

 この調査部会で不動産評価の専門家と呼べるのは奥田氏一人しか入っていない。不動産評価額決定に関しては、奥田氏が重大な決定権を有したのではないかと考えられる。評価委員会の議事録を見ると、事務局提案がほとんど論議なしに了解されている。「かんぽの宿」が「オリックス」に安値で売却される準備が綿密に進められていたとの疑惑を頭ごなしに否定することはできないと思われる。

 テレビ番組では、川口氏とならんでもうひとり、「入札」の正当性を主張する人物が登場した。日本テレビ「NEWSZERO」の偏向報道についてはすでに記述したが、番組MCで元財務省官僚である村尾信尚氏が必死の形相で、「入札は適正なものだった」との日本郵政サイドの公式説明だけを繰り返した。

 この日本郵政サイドの説明を補強したのが、「キョウデン」(6881)会長の橋本浩会長である。橋本氏は「自分も入札に参加して、アドバイザーリースタッフと接触したが、完全にフェアーであるとの感触を持った」と述べた。視聴者はこの手の第三者発言に強く影響される。テレビ局側のねらいはこの点にある。

 しかし、橋本氏の発言を必ずしも額面通りに受け取ることはできない。「キョウデン」はさまざまな分野のM&Aを手がけてきたことがよく知られているが、すべてにおいて成功を収めてきたとは言えない。東洋経済新報社の四季報見通しによると、「キョウデン」の最終利益は2008年3月期から3期連続での赤字が見込まれている。株価を見ると、2004年に1679円の高値を記録したが、2009年2月6日終値は91円である。極めて厳しい状況に置かれていると言える。

 取引銀行としては筆頭に三井住友が記載されているので、三井住友がメインバンクではないかと推察される。有利子負債は2008年9月末時点で176億3100万円である。メインバンクである三井住友出身の西川善文氏が喜ぶコメントを提供した可能性も否定できない。

 テレビ朝日の川口有一郎氏のコメント、日本テレビの橋本浩氏のコメントなど、当事者であるオリックスや日本郵政社長出身銀行と強い利害関係を有する人物に、問題の是非についてのコメントを求めるテレビ局の姿勢には、強い疑念を抱かざるを得ない。

 また、日本郵政で「かんぽの宿」一括売却を担当したのが伊藤和博執行役であることが明らかにされている。伊藤氏は2007年7月に日本郵政に入社したというが、それまで在籍した「ザイマックス」はオリックスが出資する不動産企業である。しかも住所は「赤坂1-1-1」であり、鳥取県岩美町の「かんぽの宿」を日本郵政から1万円の評価額で譲り受けて、半年後に6000万円で転売した幽霊会社「レッドスロープ」の名を連想させる。

 日本郵政はメリルリンチ日本証券をアドバイザーに起用したが、メリルリンチには1億2000万円もの手数料が支払われている。

 拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に森ビルと小泉竹中政権の親密な関係を記述したが、森ビルの森稔社長は私に直接、「小泉政権批判をするな」と発言した人物である。

森ビルが経営するセミナービジネスに「アカデミーヒルズ」がある。竹中平蔵氏は2006年12月にアカデミーヒルズの理事長に就任した。

 このアカデミーヒルズによる「アーク都市塾「都市・不動産分野のマネジメントを学ぶ」講座」の2005年2月22日のカリキュラムが、
メリルリンチ日本証券ファースト・ヴァイスプレジデントの橋本嘉寛氏

株式会社ザイマックス常務取締役の伊藤和博氏
による講義だった(キャッシュのみ残存)。

この時点から、伊藤和博氏はメリルリンチ日本証券の不動産担当アナリストである橋本嘉寛氏と面識があったことになる。

 CMSA日本支部が2月12日に日本都市センタービルで「第5回CMSA日本支部シンポジウム」を開催する。「かんぽの宿疑惑」を追跡するジャーナリズムは、この会合を注視する必要があるだろう。奇しくも同日、アカデミーヒルズは特別シンポジウムを開催する。

「かんぽの宿疑惑」は拡大の一途を辿っている。「郵政民営化」のプロセスのなかで、シナリオが周到に練られて実行に移されてきたとの疑惑がさらに強まりつつある。次第に明らかになる不透明な「かんぽの宿」売却プロセスを見ると、日本郵政がわざわざ高額の手数料を支払ってアドバイザーを雇ったのは特別な理由によるのではないかと思われてくる。「黒い取引」を「グレー」に塗り替えて、その「グレー」を霧のなかに隠してしまう技術を有する業者がアドバイザーに選任された疑いがある。第三者を入れることで、「不正」を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないかとの推論も悪い冗談と笑い飛ばすことができない。

マスメディアが「メディアコントロール」の巨大権力を活用して問題封殺に動いているが、これを許してはならない。「かんぽの宿疑惑=郵政利権化」の巨大な闇を明らかにしなければ日本の未来に光は差し込まない。「天の網」の役割を「草の根」の情報発信と国会での徹底追及が担わなければならない。

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2009年2月 7日 (土)

「かんぽの宿」&「4分社化見直し」封殺を目論むマスゴミ報道規制

民主党の原口一博議員、社会民主党の保坂展人議員が2月6日の衆議院予算委員会で「かんぽの宿疑惑」を追及した結果、日本郵政の西川善文社長はオリックスへの「かんぽの宿」一括売却について、「白紙撤回することもありうる」と述べた。

貴重な国民資産が不透明なプロセスによって、特定業者に不当に低い価格で譲渡されることが回避される見通しがついた。この点で鳩山総務相の行動は高く評価される。しかし、問題究明は始まったばかりだ。疑惑の全面解明を実現しなければならない。

テレビ、新聞のマスメディアは、「かんぽの宿疑惑」が拡大して、「郵政民営化」に対する根本的な見直し論議が高まることを警戒する、異常な報道体制に移行している。

麻生首相「郵政民営化の4分社化について見直すべき時期に来ている」、「個人的に郵政民営化に賛成ではなかった」と国会答弁で述べた意味は極めて重い。「4分社化の見直し」は首相が明示した方針になった。また、「郵政民営化に賛成ではなかった」と明言したことから、郵政民営化選挙によって獲得された衆議院の多数議席を活用した3分の2条項による再可決手法は利用できなくなった。早期の衆議院解散の可能性が高まったと言える。

「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却が、西川善文日本郵政社長が当初述べたように、「公明正大な競争入札」が実施され、「疑わしい部分がまったくない」ものなら、関係資料、およびプロセスをすべて開示して、「公明正大さ」を国会で十分に説明すればよいだけだ。

総務相は当初から、プロセスに不透明な部分があることを問題にしたのであって、不透明な部分が全面的に解消されても職権を濫用して「白紙撤回」を強行するなどと発言していない。

国会での問題究明が始まった途端、西川社長が自ら「白紙撤回」の可能性を表明したこと自体が、「プロセスの不透明性」を告白したようなものである。

日本経済新聞産経新聞朝日新聞は、一括売却が「入札」によって公明正大に実施されたのであり、総務相が横やりを入れるのは不当であるとの論説記事を掲載した。

朝日新聞はその後、報道の路線を若干軌道修正したが、産経新聞、日本経済新聞は、依然として日本郵政擁護の報道姿勢を維持している。

産経新聞は2月6日付で「日本郵政“四面楚歌” かんぽの宿で膨らむ赤字」と題する記事を掲載して、一括譲渡を白紙撤回する方針について批判を続けている。

また、日本経済新聞は2月7日付で「「かんぽの宿」一括譲渡「白紙に」、郵政、赤字事業譲渡仕切り直し」と題する記事を掲載し、「政治圧力による経営への介入」を強く批判している。こうした腐敗したマスコミの体質が、日本を誤った方向に導く一因になってきたことを、改めて見つめ直す必要がある。

テレビ朝日「報道ステーション」は、2月6日放送で、MCの古舘伊知郎氏が必死の形相で、「かんぽの宿疑惑」と「郵政民営化」はまったく別のものだから、「かんぽの宿」問題を「郵政民営化見直し」論議につなげてはならないと、懸命に主張を展開した。

日本テレビ「NEWS ZERO」は、2月2日とほぼ同様に、年間30-40億円の赤字を発生させており、3200人の雇用を維持しなければならない事情があり、そのなかで「事業譲渡」の入札が今回のような形で実施されたことには、特に問題があったとは考えられないとの説明を繰り返した。赤字規模については以前の放送よりも小さな数字が紹介されたように思う。

「年間赤字の実態が不透明であること」、「雇用維持の条件が不明確であること」、「入札経過を調べ始めた途端に疑惑が一気に浮上していること」については一切触れずに、国会審議ですでに破綻してしまっている日本郵政サイドの説明だけを繰り返した。「偏向報道」もここまで来ると告発が必要になってくると思われる。赤字は「低料金」と「減価償却費」が大きな要因と考えられる。郵政公社時代の詳細な財務データを国会に提出させなければならない。

2月6日の衆議院予算委員会はNHKが中継しなかったが、質疑の中で西川社長が明確に「一般競争入札ではなかった」と明言している。このような重大な事実を報道もせずに、日本郵政サイドの説明だけを繰り返すことが許されるはずがない。また、NHKは予算委員会質疑を完全放送するべきだ。NHKが公共放送としての役割を果たさぬなら、NHKを民間放送に移行させるべきである。

2月7日の情報報道番組では、「かんぽの宿疑惑」がほぼ全面的に無視された。

①「かんぽの宿」の「入札」が「一般競争入札でなかった」こと、
②麻生首相が「4分社化がよいのかどうかを見直すべき時期に来ている」と国会答弁で明言したこと、
は、報道情報番組がトップニュースとして扱うべき重大さを帯びている。

 2月7日午後9時からTBS「ニュースキャスター」が「郵政見直し政局について緊急激論」と題して、橋下徹大阪府知事、東国原宮崎県知事を出演させて討論を行なう。「郵政民営化」の「時計の針を逆戻りさせることは間違いである」との方向が誘導される可能性が高い。「見直し派」の強力な論客を同数出演させなければ、公平な討論は行われない。

 マスメディアが常軌を逸した偏向報道を展開することが、「郵政民営化」の深い闇を如実に物語っている。「かんぽの宿疑惑」により、「郵政民営化が規制改革利権と結びついているとの疑い」が浮上したことは間違いない。国会で野党三党がプロジェクトチームを編成して、予算委員会での集中審議を求め、与党の閣僚が重大な問題であるとの認識を示している。

 国民は確かに2005年9月の総選挙で小泉自民党を大勝させたが、2007年7月の参議院選挙では与党を大敗させた。その後、「派遣切り問題」が表面化して、小泉竹中政治に対する抜本的な見直し気運が広がっているのが現状である。

 マスメディアが国民的な論議を妨げるように、「郵政民営化の見直しなど言語道断」と頭ごなしに論議を封印する姿勢はあまりにも不自然である。

 マスメディアの常軌を逸した報道姿勢は、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」もしくは「郵政米営化」であることに国民が気付いてしまうことを避けるために取られていると思われる。

 テレビ番組は「かんぽの宿」報道を封じ込められなくなると判断して、報道に踏み切った。その狙いは、日本郵政サイドの説明を浸透させることにあった。フジ「サキヨミ」日テレ「NEWS ZERO」TBS「久米宏のテレビってヤツは!?」などがその一例だ。

 ところが、日本郵政の西川社長があっという間に国会で陥落(かんらく)してしまった。そのタイミングで麻生首相が「4分社化見直し」まで発言し始めた。日本郵政サイドの説明は崩れ、「4分社化見直し」にまで問題が広がる可能性が生まれ始めた。メディアは問題の鎮静化をはかるために、再び報道規制を敷き始めたのではないか。

日本経済新聞の記述を以下に一部引用する。
1年間かけて進めてきた赤字事業の売却が仕切り直しになり、年間50億円規模の赤字の垂れ流しも続くことになる。政治圧力による経営への介入が強まれば、民間の発想で効率とサービスを向上させる郵政民営化の後退につながる恐れが大きい」

サイトには記述がないが本紙を見ると、
「ホテルや旅館など事業用物件の価値はそこで生み出される収益から割り出されるのが不動産取引の常識。お金をいくらつぎ込んだ施設でも、収益が上がらない物件の価値は高くならない」
とある。

とても、経済専門紙とは思えない幼稚な記述である。経済学の基礎的知識をも持ち合わせない人材が記事を執筆し、経済専門紙と謳っているとしか思えない。赤字の内容を詳細に分析しなければ、赤字が垂れ流されるのかどうかを判定することはできない。

株価理論でも、通常は企業が生み出す利益水準が理論株価算出の基礎になる。ただし、この場合、問題になる「利益」は「定常状態での利益」である。特殊な要因で企業が赤字を計上しても株価はゼロにならない。「赤字」を「定常状態」と捉えないからだ。

また、一株あたり解散価値が株価の下限になる。企業が赤字を計上していても、不動産などを保有しており、純資産を保有している場合には、資産価値が株価決定の下限を決定すると考えられる。

鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は利益水準からの判断で評価額が「ゼロ」と評価されたのだろうが、6000万円で市場で売却された。資産それ自体の価値が不動産価格の下限を決定する要素になる。

「ラフレさいたま」を含む「かんぽの宿」70施設+首都圏社宅9施設の譲渡価格109億円は、明らかに低すぎる。日本郵政はさまざまな付帯条件を付けたが、付帯条件に適合したのが「オリックス不動産」だったのではなく、「オリックス不動産」の希望に適合する付帯条件が設定されたのではないかと考えられる。

全容を解明するための最初のキーパソンになると見られるのが、日本郵政株式会社執行役の伊藤和博氏である。この点については、回を改めて記述する。

「郵政利権化」の基本構造を、2月2日付記事「「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する巨大な闇の力」に記述した。

この問題についても、改めて詳しく論じるが、要約すると以下のようになる。

郵政三事業を「ちょきん」、「かんぽ」、「郵便」、「郵便局」の4社に分社化する。「ちょきん」、「かんぽ」は「資金」だけの「丸裸」状態の会社とする。「郵便」には郵便業務に必要な最小限度の資産を帰属させる。これ以外の資産はすべて、「郵便局」または持株会社の「日本郵政」に帰属させる。

「ちょきん」と「かんぽ」を丸裸にするのは、350兆円の資金を低価格で掌握できるようにするためだ。また、「ちょきん」、「かんぽ」からの資金流出も促進される。

「郵便」と「郵便局」を「日本郵政」にぶら下げて株式を上場させた上で、いずれ時期を見定めて「郵便」を切り離す。「郵便」を切り離した「日本郵政」はもはや「日本地所」である。外国資本は安い価格の「日本郵政」を買い取り、高い価格の「日本地所」を売り抜けるのだ。また、株式会社運営の下での透明性のない事業活動によって、今回の「かんぽの宿」売却のようなディールを展開する。

これが「郵政利権化」のシナリオであると考えられる。

だから、「4分社化の見直し」が必要であり、まずは「日本郵政」株式の上場を凍結しなければならないのだ。

逆に言えば、「郵政利権一族」は、ここで「4分社化見直し」や「日本郵政株式上場凍結」などの事態が発生することを、死に物狂いで阻止しようとする。

マスメディアの異常行動の深層を洞察しなければならない。

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2009年2月 6日 (金)

「かんぽの宿」疑惑拡大と麻生コウモリ首相の迷走

昔、「小泉改革」の一族と「反小泉改革」の一族がお互いに争っていた。その様子を見ていたコウモリは、「小泉改革」の一族が有利になると「小泉改革」たちの前に姿を現し、「私は「小泉改革」の仲間です。あなたたちと同じように小泉改革に賛成します」と言った。「反小泉改革」の一族が有利になると「反小泉改革」たちの前に姿を現し、「私は「反小泉改革」の仲間です。小泉改革に反対します」と言った。その後二つの一族間の争いは終わり、「小泉改革」も「反小泉改革」も和解した。しかし、幾度もの寝返りをしたコウモリはどちらの種族からも嫌われ、仲間はずれにされてしまい、やがて暗い洞窟の中へ身をひそめるようになった。

これは、Wikipedia「卑怯なコウモリ」にある説明の「鳥」と「獣」を、「小泉改革」と「反小泉改革」に置き換えたものである。

麻生首相は小泉政権で、
2001年4月  自民党政務調査会長
2003年9月  総務大臣
2005年10月 外務大臣
を歴任した。

麻生首相は2008年9月の自民党総裁選で小泉政権が実行した財政収支改善優先の緊縮財政政策路線を批判したが、小泉政権が超緊縮財政政策を実行した2001年から2003年にかけて、自民党の政策決定最高責任者の地位にいた。

麻生首相は2月5日の衆議院予算委員会の答弁で、「小泉首相の郵政民営化に賛成ではなかった」、2005年8月8日に郵政民営化法案が否決され、小泉首相が衆議院解散の方針を打ち出した際、「閣議で解散詔書の署名に反対した」と述べたが、最終的には署名して、衆議院解散に同意した。

「小泉改革」が有利なときは、小泉元首相に同調して、自民党政調会長、総務相、外務相として要職を渡り歩いた。小泉政権の超緊縮財政政策の政策最高責任者の地位にも収まっていた。郵政民営化選挙に反対したと言うが、解散に反対の主張を貫いたのは、農林水産大臣職を罷免された島村宣伸議員だけである。

麻生政権は2005年9月の総選挙で自民党が獲得した衆議院の圧倒的多数の議席を利用して、参議院が否決する法律案などを強行成立させてきた。2005年9月の総選挙における自民党多数議席は、郵政民営化賛成の有権者の声を反映したものである。

麻生首相が郵政民営化方針に反対の意向を表明した以上、麻生首相が自民党の衆議院多数を活用して、法案成立を強行することは正当性を失う。

麻生首相は暗い洞窟の中に身をひそめる時期を迎えたのではないか。政治家はブレることのない信条、哲学、信念を持つべきである。ものごとに対する判断、主張が変化することはあり得るだろう。政治家としての「最善の判断」に基づく主張が変化することは容認される。しかし、「私的な利害」、「私」のために重要な政治の主張が転変することは許されない。

経済政策の方針、「郵政民営化」といった国家の根本政策などの重要な政策課題についての主張を、「私的な利害」によって変化させる政治家を信用することはできない。平沼赳夫議員、綿貫民輔議員、亀井静香議員、城内実前議員など、利害得失では損失を蒙りながら信念を貫いた政治家がいる。

「小泉改革」を否定する論調が強まるなかで、小泉政権で枢要な地位にあり続けた麻生首相が、「郵政民営化に反対だった。ぬれぎぬを着せられるのは面白くない」と述べるのは、麻生首相の品格の欠落、不正義を示すだけのものだ。

麻生首相が「郵政民営化反対」を表明した以上、衆議院の3分の2での再可決を行使する正当性は消失した。今後、政府提案の法案を参議院が否決し、衆議院で再可決しなければ法律が成立しない場合で、麻生政権が法律成立を図る場合には、衆議院の3分の2条項を使えなくなった。この場合、衆議院を解散して国民に信を問わなければならない。

3月に衆議院が解散される可能性が急激に高まった。

「かんぽの宿疑惑」がさらに拡大している。

日本郵政は「かんぽの宿」をオリックス不動産に一括譲渡する方針を白紙に撤回することを決定した。貴重な国民資産が不透明なプロセスによって、不当に低い価格で外資系企業に売却されることが、ぎりぎりのところで回避された。

この意味で、鳩山総務相の働きは評価されるべきだ。しかし、だからといって自公政権の責任が免除されることにはならない。

小泉竹中政権が推進し、法律を成立させた「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であったことが明らかになりつつある。多くの国民は「リフォーム(改革)詐欺」の被害者であることが判明し始めた。

問題は今回の一括譲渡だけではない。2007年3月に旧日本郵政公社が売却した178件の不動産資産は、115億円で売却された。日本郵政公社の内部評価額は114億円であったと説明されている。114億円の内部評価価格に対して落札価格が115億円であったとすれば、当然のことながら「談合」の疑いが浮上する。

オリックス不動産の事例では、日本郵政の内部評価額93億円に対して売却価格は109億円だった。個別に物件を調べた不動産専門家が400億円は下らないと評価するものが、内部的には100億円程度で評価されていた。それを外部にあるオリックス不動産が109億円の札を入れたことが極めて不自然である。

鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が東京の不動産開発業者に1万円で売却されて半年後に6000万円で売却された事例が紹介されているが、東京の不動産開発業者は「レッドスロープ社」だと伝えられている。直訳すれば「赤坂」で、赤坂に所在する企業かと思うと、届出の住所は銀座である。

2007年3月の落札業者には「リーテック」という名の企業も名前を連ねているが、「リーテック」の米国子会社の社長と「レッドスロープ社」の代表が同一氏名であることも明らかにされている。

「リーテック」の社長は「リクルートコスモス(=現コスモスイニシア)」に15年勤めた人物であり、コスモスイニシア自身が落札業者7社のひとつに名を連ねている。

これらの点を含めて、「飄(つむじ風)」様Tokyonotes東京義塾」様「誠天調書」様「ネットゲリラ」様「マッシーパパの遠吠え」様などが、詳細な情報を伝えてくださっている。

日本郵政の西川善文社長の人脈で日本郵政執行役として「かんぽの宿」一括売却を担当したのは伊藤和博執行役で、伊藤氏は不動産会社「ザイマックス」に在籍した経歴を有する(2月5日記事に記載した伊東敏朗常務執行役は旧郵政省出身者であり、正しくは伊藤和博執行役であったとの訂正記事が宮崎信行様のブログに掲載されましたので、本ブログでの記述も合わせて訂正させていただきました)。

「東京サバイバル情報」様によると、「ザイマックス」という会社は元はリクルートビルマネジメントという会社で、1990年3月にリクルートより独立したとのことだ。オリックスが株主として出資しており、本社所在地は港区赤坂1-1-1である。これこそ、「ザ・レッドスロープ」との感がある。

「東京サバイバル情報」様は、2007年12月4日の不動産金融ニュースウォッチに、「国家公務員共済組合連合会(KKR)の住宅・保養所跡地、計206物件一括売却の入札が3日行われ、コスモスイニシアを代表者とする企業コンソーシアム(ほかリーテック、長谷工コーポレーション、穴吹工務店、東急リバブル、穴吹不動産センター)が落札した」との情報があることも伝えている。

2月5日のテレビ朝日「報道ステーション」に、「かんぽの宿」入札で400億円規模での入札を希望した業者がVTR出演した。『週刊新潮』がすでに伝えていた不動産業者である。

日本郵政が貴重な国民資産を、もっとも高い価格で売却できる売却先を入札において排除していたことが明らかになった。「企業の財務内容や雇用維持の条件などを総合的に判断し」などの言い訳は通用しない。

この重大情報は、今回の一括売却を単に白紙撤回する次元を超えて、刑事事件として究明する必要が生じたことを意味する。

重大な点は、かりに刑事問題に発展するとして、それが単独の汚職問題ではなく、「郵政民営化」という巨大な国家プロジェクト全体に関わる「驚天動地の大スキャンダル」に発展する可能性が高いことにある。

まずは、2007年3月の日本郵政公社資産売却の闇を明らかにする必要がある。上記のフロントに位置する企業の裏側には外国資本の影が蠢(うごめ)いている。2007年3月売却の闇、「かんぽの宿疑惑」の闇を解明することにより、「郵政利権化」の全貌が姿を現してくると考えられる。

民主、社民、国民新党の野党三党は郵政民営化見直しで足並みをそろえつつある。この状況下で、麻生首相が国会答弁で「郵政民営化見直し」、ならびに「郵政4分社体制見直し」を明言した。この国会発言の意味は重い。「郵政民営化見直し」は国会における多数意見となりつつある。2005年9月の総選挙結果との矛盾が残るため、この点は次期総選挙で解消する必要があるが、「郵政民営化」を根本から見直すべきであるとの認識は広く国民一般に広がり始めている。

貴重な国民資産が特定の人々の利権にすり替えられるのが「郵政民営化」の実態であるなら、国民は「郵政民営化」に賛成するはずがない。「かんぽの宿疑惑」が、「郵政利権化」の実態を国民に知らせる、「パンドラの箱」開ける働きを演じつつある。

2007年10月に日本郵政株式会社が発足したが、「民営化」はまだ実施されていない。「株式会社形態」に移行しただけである。日本郵政株式は100%政府が保有している。郵政三事業を担う株式会社は、現段階では完全な国営企業である。国民、所管官庁、内閣、国会は日本郵政グループ企業の活動に全面的に介入し、監視する権限と責任を負っていることを忘れてはならない。

日本郵政の行動について、国民と国会が全面的に監視する権利と義務を負っている。国会は国政調査権に基づき、日本郵政の活動のすべてについて介入する権限を有している。

民主、社民、国民の野党三党は「かんぽの宿疑惑」を追及する合同プロジェクトチームを発足させ、PTは衆参予算委員会での集中審議を求める方針を決めた。国会が国政調査権を活用して、真相を全面解明することが求められる。

また、「かんぽの宿」が4分社化された際に、「かんぽの宿」が「かんぽ生命」ではなく「日本郵政」の帰属とされたことも正当性を欠いている。簡易保険加入者の資産が社外流出している可能性がある。簡易保険加入者による法的対抗措置が検討されるべきである。

また、日本郵政は株式上場基準を満たす利益を確保するために、社宅用地などの保有不動産売却を進めているが、これらの資産売却についても、詳細な情報の開示が不可欠である。国民資産を特定の勢力に不正な利益を供与する形で売却することは許されない。

疑惑の全容を解明して、「郵政利権化」にストップをかけなければならない。

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2009年2月 5日 (木)

「かんぽの宿」疑惑新事実とTBS竹中平蔵氏詭弁演説会

「かんぽの宿疑惑」に関連する重要な新事実が明らかになった。2月5日の衆議院予算委員会で民主党の川内博史議員が追及し、新事実が明らかにされた。

すでに、「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」様速報として伝えてくれている。

「かんぽの宿」70施設+社宅9施設の一括売却を担当したのが日本郵政執行役の伊藤和博氏であることが明らかにされた。伊東氏は日本債券信用銀行出身で不動産会社である株式会社ザイマックスなどを経て日本郵政に入社したとのことだ。長谷工コーポレーションにも在籍したことがあるとのことだ。

伊東氏が在籍していた株式会社ザイマックスの発行済み株式の1.5%をオリックスが保有していることが明らかになった。ザイマックスは非上場企業であるから、ザイマックスがオリックスと直接関わりを有している可能性が高い。

昨日付記事「「かんぽの宿」売却先決定の不透明なカラクリ」に記述したように、日本郵政が「競争入札した」と説明している「入札」は、透明な「一般価格競争入札」とは程遠い代物であったことが、すでに明らかになってきている。

当初の入札参加希望業者のなかには、400億円程度の価格を打診した業者がいたとの情報も浮上しており、一括譲渡先がオリックス不動産に決定された経緯は極めて不透明である。

国民新党は民主党、社民党に合同調査委員会設置を呼びかける方針を固めた。国民新党の亀井静香代表代行は2月4日の記者会見で「西川善文日本郵政社長の背任容疑での東京地検へ刑事告発も視野に入れたい」と述べている。

貴重な国民資産である「かんぽの宿」を含む資産売却が、不正な売却先決定方法によって、特定の業者に利益を供与したことが明らかになれば、問題は刑事事件に発展する。真相の完全解明が求められる。

「かんぽの宿疑惑」以外にも重要な問題がいくつも浮上している。麻生首相が表明した「天下りあっせんと渡りを禁止する政令を年内に定める」との方針を、マスメディアの大半が「大きな前進」であるかのように伝えているが、愚にもつかない茶番である。麻生首相は現存する「渡り」の大半を、「あっせんによるものでなく、役所を退職したOBの自発的な人材確保行動」として捉え、規制の対象外と認識しているのである。つまり、現存の「天下り」は今後も完全に容認されることは明白なのだ。

自民党「偽装CHANGE勢力」を中心に新たに「政府紙幣発行構想」が提示され始めた。この政策が実現するとは考えられないから、本ブログではこれまで記述を控えてきたが、一部マスメディアが大きく取り扱い始めた。

結論から言えば、「政府紙幣発行」は健全な政策ではない。財政赤字残高の増加をどの水準まで容認するかとの問題に置き換えて論議するべきである。財政赤字と切り離して「政府紙幣」には問題がないとするなら、「政府紙幣」を800兆円発行して財政赤字を一掃すればよいということにもなる。この問題については、改めて記述する。

2月4日のTBS「久米宏のテレビってやつは!」は、TBSの見識が疑われる番組だった。タイトルこそ、「私がそんなに悪いのか・・・竹中平蔵」、「経済崩壊&品格劣化の元凶?をスタジオ喚問」と付けられているが、実態は「名ばかり喚問」で、竹中平蔵氏に詭弁大演説会の場を提供しただけであった。

「ニコブログ」様が番組の内容を詳細に紹介してくださっている。スタジオに出演したのは、竹中平蔵、室井佑月、荻原博子、ビビる大木、久米宏、八木亜希子の6名だった。経済の専門家と言えるのは、荻原博子氏だけだったが、悲しいことに、まったくの知識不足、勉強不足だった。室井祐月さんからは、竹中氏に反論したいとの心情だけは伝わってきたが、言葉がまったく出て来なかった。

番組が相応の準備をして、MCの久米宏氏が竹中氏を追及することが最低限度の対応として求められたが、番組は最低限の責務を放棄していた。事件の被疑者をスタジオに招き、被疑者を追及する資料もそろえずに被疑者に独演会の場を提供したようなものだった。久米宏氏はジャーナリストとしての地位を完全に放棄して、単なる御用タレントに成り下がる宣言をしたように受け取れる。竹中氏を絶賛してきた経緯を踏まえて、追及を控えたのだろうか。

竹中氏はどこに出ても、数少ないまったく同内容のフレーズを繰り返すから分かりやすい。番組や出演者が想定問答を用意して竹中氏と論戦すれば、竹中氏はあっという間に追い詰められるはずだ。出演者がそのような基礎作業を怠っていることが詭弁を野放しにする要因になっている。

竹中氏の発言の主なポイントを列記すると以下のようになる。

 
①「派遣切り」が問題になっているが、派遣労働者の比率は2.6%にすぎない。

 
②経済財政諮問会議では労働行政の自由化を進める際に、「同一労働・同一賃金」を提言したが、皆が反対して実現できなかった。セーフティネットを整備すべきとの意見には自分も全面的に賛成である。

  
③宮内義彦氏は経済財政諮問会議のメンバーではなかった。郵政民営化を論じたのは経済財政諮問会議である。宮内氏は郵政民営化のプロセスに関与していない。

  
④日本の法人税負担は高すぎる。そのうえ、雇用費用が引き下げられなければ、企業は海外に逃げ出してしまう。

  
⑤1979年の高裁判決によって、企業は正社員を倒産まで解雇できない。司法がこのような判断を下したから、行政が企業の雇用負担を軽減しなければならない。

  
⑥「かんぽの宿」は赤字を計上している事業だから、出来るだけ早く売却しなければならない。

  
⑦「かんぽの宿」は公明正大な「入札」によって売却先が決定されたのであるから、その決定に疑義をさしはさむ余地はない。

これが、竹中氏がいつも繰り返す主張である。竹中氏とテレビで論戦する出演者は、最低限、これらの主張に対する想定問答を準備して番組に出演するべきだ。

テレビ局は竹中氏を論破できる論客を番組に起用しない。竹中氏は必ず番組に竹中氏を擁護する発言者の同席を求めるのだと思われる。サンデープロジェクトではレギュラーの御用言論人が見え見えの応援を展開する。

サンデープロジェクトも久米宏氏の番組もMC自身が竹中氏擁護役を演じている。NHKも、必ず竹中氏を擁護する発言者を同席させる。強力な論客と1対1で論戦する設定を私は見たことがない。そのような設定では、竹中氏は出演を拒否するのだと考えられる。以前、月刊誌『文藝春秋』から私に、竹中氏との1対1の対論のオファーがあった。私は快諾したが、竹中氏が日程を理由に拒否したと連絡を受けた。

TBS番組での竹中氏発言については、大石英司氏も「大石英司の代替空港」適切な論評を掲載されている。竹中氏の詭弁を検討してみる。

①竹中氏は派遣労働者の比率が2.6%であることを強調するが、「格差拡大」で問題とされているのは、3分の1を超えた「非正規雇用労働者」と「ワーキングプア」の激増だ。「非正規雇用労働者」の過酷な労働条件と不安定な雇用を象徴するのが「製造業の派遣労働」なのである。極めて悪い労働条件の下で、契約期間未了のまま、一方的な「雇い止め」に遭遇し、仕事と住まいを失う多数の労働者が発生していることが問題なのだ。

 比率は低いが絶対数は極めて大きい。竹中氏の発言は、本年3月までに40万人が失業する可能性が高まっていることを、軽視する発言にほかならない。

②小泉政権が労働者に対するセーフティネットを十分に整備しないまま、労働行政の規制緩和実施に踏み切ったことが問題とされているのだ。「同一労働・同一賃金」が重要だと認識していたと発言しても何の意味もない。

 竹中氏の発言をつなげれば、④の日本の法人税負担が高く、雇用費用削減を認めなければ企業が海外に脱出してしまうから、企業が簡単に首を切れる新しい制度を導入したということになる。⑤にあるように、正社員であれば首をきれないから、簡単に首を切れる非正規雇用労働の拡大を誘導したということになる。

 その際に、非正規雇用労働者のセーフティネットを十分に整備しなかったから、不況が進行している現在、問題が噴出しているのだ。労働市場の規制緩和を進展させる際に、セーフティネット整備を強行に実現しなかった罪が問われているのだ。「同一労働・同一賃金が望ましいと考えていた」ことは免罪符にはならない。

 結局「財界」の利益を優先して、「労働者」の不利益拡大に対応策をとらなかったのであり、このことが問題とされているのだ。

③宮内氏は経済財政諮問会議のメンバーではなかったが、規制改革会議の議長を務めていた。規制改革会議では郵政民営化についても意見交換が実行されている。宮内氏は郵政民営化推進論者で、著書で、「かんぽの宿」を民営化すべきだと主張もしている。

 宮内氏が「経済財政諮問会議」のメンバーだったとの荻原氏の言い間違いを取り上げて、鬼の首を取ったようにあげつらう竹中氏の発言はあまりに幼稚である。

 重要な点は宮内氏が小泉竹中政治の「民営化・改革路線」に全面的に賛同し、「規制緩和政策」の推進に深く関わってきたとの事実である。その宮内氏が経営する「オリックス」が、「かんぽの宿」の譲渡を受けるのであれば、利権をむさぼっているとの誤解を招かぬよう、細心の注意を払うことは当然だ。「李下に冠を正さず」、「瓜田に履を入れず」は妥当な判断だ。

④竹中氏は、「日本の法人税が圧倒的に高い」と主張するが、欧州と比較するとき、欧州企業がより大きな社会保障負担を負っていることを見落とすことは出来ない。

 内閣府ホームページに掲示されている平成19年11月に発表された政府税制調査会による「抜本的な税制改革に向けての基本的考え方」の17-18ページには、
「課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た」
と記述されている。「日本の法人税率が高い」との主張は、ひとつの見解に過ぎない。

⑥、⑦の「かんぽの宿」の赤字、「入札」経緯の問題は、「かんぽの宿疑惑」の核心である。「赤字」は料金設定と減価償却費による部分が大きいと考えられる。日本郵政によって、意図的に大きな赤字が表記された疑いも新たに浮上している。

「価格競争入札」が実施されていなかったことが明らかになりつつある。「総合評価による入札」の場合には、「より透明な選定過程の開示」が求められる。

番組が「かんぽの宿疑惑」について時間をかけて論じるなら、「赤字問題の詳細」と「不透明な選考経緯」の詳細を、少なくとも番組で解説する必要がある。

問題を追跡している週刊誌がそろって、社民党の保坂展人議員のコメントを掲載しているのだから、保坂氏をスタジオに招くべきだった。

竹中氏に「詭弁大演説会」の機会を提供したTBSと久米宏氏の見識がまずは問われなければならない。

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2009年2月 4日 (水)

「かんぽの宿」売却先決定の不透明なカラクリ

マスメディアは「かんぽの宿疑惑」を掘り下げることを忌避(きひ)し、報道する場合は日本郵政の弁明だけを説明する対応を繰り返している。「かんぽの宿疑惑」の解明が進行する場合、「「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」である」と広く国民が認識するようになる可能性が高い。

「かんぽの宿疑惑」解明が進む場合、2010年度ないし2011年度に郵政株式を上場し、「郵政民営化=郵政利権化」の収穫期を迎えるとの利権互助会のタイムスケジュールに大きな狂いが生じる可能性が高まる。論議の推移、ならびに総選挙結果によっては「郵政民営化=郵政利権化」の巨大プロジェクトそのものが瓦解(がかい)するリスクさえ浮上する。

「政官業外電の悪徳ペンタゴン」は、いま、「郵政民営化=郵政利権化」全体の根本的な見直しにまで事態が発展することを阻止することに全力を注いでいると考えられる。外国資本とも直結する「電波=テレビメディア」が「かんぽの宿疑惑」を徹底して忌避するのは、この推論と整合的である。

2月3日放映の読売テレビ「ミヤネ屋」は、「かんぽの宿疑惑」を取り上げたが、読売テレビ所属のコメンテーターである春川氏が、日本郵政サイドに立った弁明を繰り広げ、司会の宮根氏が「これまでのコメントで最高のコメントだ」と絶賛した。事前の打ち合わせどおりのやり取りが実行されたのだと考えられる。春川氏は通常は、中立の立場からコメントする傾向を持つが、この問題についての対応は極めて奇異なものだった。

小泉政権時代に「メディアコントロール」が激しい勢いで強化された。竹中氏が関与した「郵政民営化広報」では、IQの低い国民を「B層」と命名して、「B層」を「郵政民営化広報」のターゲットにするとの戦略に則って実際に広報活動が実行されたことが、国会で明らかにされている。

小泉政権のメディアコントロールに深く関わったと見られる飯島勲元秘書は、「スポーツ紙」、「ワイドショー」、「婦人週刊誌」が情報伝達媒体としてとりわけ重要であるとの考え方を示していたと伝えられている。小泉竹中政権は「B層にターゲットを絞った情報操作」を基本に据えていたと一般に指摘されている。

「ワイドショー」では、「かんぽの宿疑惑」がほとんど取り上げられていない。貴重な国民資産である「かんぽの宿」が1万円で売却され、わずか半年後に6000万円で転売された事実、2400億円投入された施設と時価47億円の首都圏社宅不動産が合計で109億円で売却された事実、価格競争入札と言いながら、極めて不透明な落札の経過、などが長時間、各地の売却物件の映像を交えて報道されれば、主婦層は「郵政民営化」に対する認識を根本から修正する可能性が高い。

「ラフレさいたま」は300億円程度の資金が投入された施設であり、現段階でも150億円程度の時価評価を受ける物件である。「ラフレさいたま」は「かんぽの宿」ではないが、一括売却リストに潜り込まされた。「ラフレさいたま」からの中継も分かりやすい映像を生み出すだろう。

年金関連の宿泊施設「グリーンピア」、雇用能力開発機構の宿泊施設「スパウザ小田原」の問題が表面化したときに、メディアはこれらの施設をどれほど報道したことか。国民は「情報操作」の驚くべき実態についての知識を持たねばならない。

この問題について、「晴天とら日和」様が引き続き、丁寧に情報をまとめて提供してくださっている。いつも参考にさせていただいている。

また、社会民主党議員の保坂展人氏「かんぽの宿疑惑」について、重要な情報を次々にブログに公開してくださっている。2月3日付記事に「第1回社民党・かんぽの宿・郵政民営化調査PT」での日本郵政担当者に対するヒアリング結果が示された。

極めて重要な事実が明らかになっている。

日本郵政が文書で回答した今回の入札形態についての説明は以下のとおりだ。
保坂展人氏のブログ記事から転載させていただく。

・本件は単なる不動産の売却ではなく、従業員も含む事業全体を譲渡するものであり、雇用の確保や事業の発展・継続性についての提案も評価する必要があるため、譲渡価格のみを入札して候補先を決定する、単純な「競争入札」は馴染まない判断し、今回の手続を選択したものです。

・具体的な手続としては、平成2041日から平成20415日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った後、各応募者から提出された、従事する社員の取扱い、取得後の事業戦略、ホテルの運営実績(投資実績)、応募先の信用力、取得価格等の企画提案内容を総合的に審査した上で、最終的に最も有利な条件を提示した応募先と契約を締結しており、手続の内容としては「競争入札」の範疇に入るものと認識しております。
(ここまで引用)

二つの問題点を指摘する。

第一は、
「平成2041日から平成20415日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った」
とする部分だ。ホームページ上のどのページにどのような掲載を行ったのかという点だ。HP表紙に重要事項として掲載したのかどうか。これだけの資産規模であるから、公告の期間はあまりにも短く、また応募締め切りの期限も非常に早い。広く情報を周知させれば、より多くの優良な入札参加者を募ることができたはずだ。

第二は、
「各応募者から提出された、従事する社員の取扱い、取得後の事業戦略、ホテルの運営実績(投資実績)、応募先の信用力、取得価格等の企画提案内容を総合的に審査した上で、最終的に最も有利な条件を提示した応募先と契約を締結」
との部分である。「総合的に審査」すれば、どのような結果を出すことも出来る。

2月2日の参議院本会議で自見庄三郎議員は次のような質問を示した。
「オリックスの109億円が最も高かったのか、総務大臣にお尋ねを致します。」

これに対して鳩山総務相は、
「最終競争入札は、なぜか二社のみでございまして、オリックス不動産の方が高かったという風に聞いております。」
と答弁した。

入札情報はできるだけ、広く国民に知られることのないように、形式的に告知されたのだと思われる。それでも当初、27社の応募があったとされる。

ところが、最終的には入札に参加したのは2社で、オリックス不動産の提示した価格は他の1社よりは高かったとのことだ。

自見議員の質問は、当初の27社の提示した価格のなかで、オリックスが最も高い価格を提示したのかどうかを質したものだが、日本郵政が詳細な情報を提示していないため、現段階では詳細な事実が不明である。

今回の一括譲渡を適正だと主張する立場の意見は、「入札が公明正大に行われた」ことをすべての大前提に置いている。ところが、この「価格競争入札」とされているものが、「価格競争入札」とは程遠い、不透明極まりない代物であったことが判明しつつある。

「雇用維持」などが、「低価格売却」を強行実施する「隠れ蓑(みの)」として利用されたとの推論は正しかったと考えられる。「出来レース」疑惑は拡大するばかりである。

2月1日付「しんぶん赤旗」は、109億円の譲渡価格が2007年10月の郵政民営化時に、日本郵政自身が明らかにした価格の3分の1であることを明らかにしている。

「狐と狸とカラスどもに怒りを」様「おいしすぎるおまけつき・かんぽの宿とオリックス」と題する記事で、オリックスの昨年12月26日付プレスリリースを紹介された。

プレスリリースには、
「オリックスグループは、本事業譲渡を受け国内最大規模の温泉旅館ネットワーク(総室数4,200超、年間宿泊者数250万人超 ※オリックス不動産調べ)リテール・運営事業の新たな柱と位置づけ、」
と記載されている。

一括譲渡を希望したのは「オリックス」サイドだったのではないかとの疑惑が浮上する。

また、同プレスリリースには、
団塊の世代を中心に現在110 万人を超える「かんぽの宿メンバーズ会員」の皆さまに、新たなリテール商品・サービスの提供も可能です」
と記述されている。「かんぽの宿メンバーズ会員」名簿は、オリックス傘下の生命保険会社が注力している医療保険商品、生命保険商品販売の格好のターゲットにかかる個人情報であり、「巨大な宝の山」である。

また、同プレスリリースに、
「オリックス不動産㈱は、・・・温泉旅館・・・の再生事業に取り組んでいるほか、研修施設、水族館、ビジネスホテル、高齢者向け介護施設、京セラドームなどの施設運営を手掛けており」
と記載されている。「かんぽの宿」は老人福祉施設に転用することも有効な利用法である。オリックスにとっては、まさに「のどから手が出る」物件であると考えられる。

こうしたニーズを持つ事業者は多数存在すると考えられる。入札情報が広く告知されるなら、間違いなく多数の入札参加者が登場し、109億円よりははるかに高い価格で売却が出来たものと考えられる。

日本では、老人福祉施設の不足が極めて深刻になっている。定額給付金の2兆円を100億円で除すと、「「かんぽの宿」70施設(「ラフレさいたま」を含む)プラス首都圏9箇所の社宅」の施設を200セット購入することが出来ることがわかる。

入札経緯が明らかになるにつれて、オリックスへの109億円での一括譲渡が、公明正大なディールでないことが白日の下に明らかにされる可能性が高い。

「かんぽの宿」は簡易保険加入者に帰属させるべき物件であり、これが「かんぽ生命」から分離されていることも極めて重大な問題である。疑惑は深まるばかりだ。問題の完全な解明が絶対に必要である。

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2009年2月 3日 (火)

日本テレビ「NEWS ZERO」の「かんぽの宿」偏向報道

2月2日の参議院本会議での代表質問では国民新党の自見庄三郎議員に続いて社民党の福島瑞穂議員も「かんぽの宿疑惑」について質問した。「日本郵政」は株式上場を2009年度以降のできるだけ早い時期に実現したいとしている。株式が民間に売却されてしまえば、制度変更は極めて難しくなる。

「郵政民営化」の装いをまとった「郵政利権化」を推進してきた勢力は、「利権の実現」まで、あと一息のところにたどり着いている。ここで、ストップをかけられては元も子もないのだ。

麻生首相に対するマスメディアの攻撃が急激に強まったのは11月中旬からである。11月12日に麻生首相の母校である学習院大学で日中交流行事の挨拶で「頻繁」を「はんざつ」、「未曾有」を「みぞうゆう」と読み間違えたことが大きく伝えられた。

11月28日には国会で民主党の小沢一郎代表との初めての党首討論が実施された。麻生首相は補正予算案の国会提出を2009年に先送りする方針を示した。小沢代表は総選挙を実施せず、景気対策が優先されると言うなら、補正予算を臨時国会に提出すべきだと迫った。

この党首討論後の世論調査から麻生内閣の支持率が暴落していった。このなかで、ひとつの重要な発言があった。11月19日に麻生首相が郵政株式の上場を凍結する考えを表明したのだ。麻生首相はその後、「必ずしも凍結ではない」と発言を修正したが、この発言を契機にマスメディアの麻生首相批判が一気に強まったと判断できる。

昨日付記事「「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する巨大な闇の力」に記述したが、「郵政民営化」を具体的に法制化する過程で、米国は細かに制度設計に介入してきた。その背景には、米国資本が「郵政民営化」によって巨大な利権を獲得しようとする、「綿密に計算されたシナリオ」が存在すると考えられる。

このシナリオにおいて、「日本郵政」の上場、子会社の「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命」の上場実現は、最重要イベントとして位置付けられていると考えられる。

「かんぽの宿疑惑」は今後の論議の行方によっては、「郵政株式上場」に重大な影響を与えかねず、ひいては「郵政民営化」そのものの見直しにつながりかねない起爆力を有する事項である。「かんぽの宿疑惑」を鎮圧することが、当面の最重要事項と捉えられている可能性が高い。

日本国憲法第41条が定めるように「国会は国権の最高機関」である。報道においては、各種ニュースを伝えることも大事だが、国会論戦を伝えることは最重要事項である。

昨日の代表質問で国民新党の自見庄三郎議員は「かんぽの宿」疑惑に絞って質問した。社民党の福島瑞穂議員も「かんぽの宿」疑惑を報道した。国民固有の貴重な資産が「郵政民営化」のプロセスのなかで、極めて不透明に売却され、国民に巨大な損失を与えている可能性が浮上しているのである。最重要のニュースのひとつと言って間違いない。

ところが、昨日のテレビ朝日「報道ステーション」は「かんぽの宿疑惑」を完全に封殺した。国会報道そのものが完全に消えていた。2月3日の各種報道番組は「大相撲大麻事件」、「浅間山噴火」、「L&G円天」報道一色である。これに「警官発砲」、「主婦による株式投資詐欺疑惑」が一部加わっていた。

しかし、「かんぽの宿」疑惑は報道されていない。

唯一報道があったのが日本テレビ『News ZERO』だった。しかし、その内容は日本郵政サイドの説明を繰り返すだけのものだった。

鳩山総務相が問題にしたのが、「なぜこの時期なのか」、「なぜこの値段なのか」、「なぜオリックスなのか」であるとして、この三つの問題について、
①「かんぽの宿」が毎年40億円も赤字を計上しており、早期売却が必要であること、
②3200人の雇用確保義務を伴っており、また、政府の財産評価委員会の評価額93億円を上回っており、妥当な価格と判断したこと、
③公正な入札を実施した結果、オリックスが最も高い値段を提示したのでオリックスが選定されたのであり、プロセスに問題は無いこと、
の三点が司会者から説明された。

司会者は、日本郵政は外部の人間を含む検討委員会で問題を検討して対応するとしており、適切な対応を望みたいと話して締めくくった。

これでは、日本郵政の弁明の記者会見である。番組のスタンスは日本郵政サイドの説明だけを紹介して、問題を封印しようとするものである。2月1日のフジテレビ「サキヨミ」においても田崎史郎氏と藤井清孝氏が、日本郵政サイドの弁明コメントを代読するかのようなコメントを述べただけで問題を締めくくろうとした。

本ブログでこの問題を論じてきているので、読者はすでに問題の本質を理解されていると思うが、
①「かんぽの宿」の赤字は固定的なものではなく、人為的な低料金設定、高い減価償却費、非効率な運営によってもたらされているもので、経営の見直しにより黒字化も十分に可能なものであり、
②「雇用確保の条件」が「グレーの象徴」であり、「低価格設定を生み出す奇策」として用いられている可能性が高い。「雇用確保」といっても「正社員の当初の雇用継続」だけを義務付けただけのものなのではないか、
③入札のプロセスそのものが極めて不透明であり、この点が問題の出発点である。入札情報が広く日本全体に周知徹底され、透明な価格競争入札が実施されたのであれば問題はない。そのプロセスに不透明な部分があるからこそ、問題が表面化しているのだ。

 

保坂展人氏によると、日本郵政の入札は純粋な価格競争入札ではなかったことが新たに判明し始めている。

それを日本郵政サイドの説明だけを示して話を締めくくったのでは、報道の体をなしていない。犯罪の報道をする際に、容疑をかけられている側の言い分だけを報道したことが過去にあったのか。容疑をかけられている側の言い分をまったく伝えることなしに、容疑をかけている警察サイドの情報を、真偽を確かめることもせずに右から左へに垂れ流してきたのがテレビメディアではないのか。この問題に限って、疑いをかけられている側の弁明だけを説明して話題を締めくくるのでは筋が通らない。

鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が1万円で売却され6000万円で転売されたことが問題になっているが、この事態を引き起こした関係者には「背任」の嫌疑がかかる。国民に不利益を与えたことは明白である。

鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」も1万円で売却されたことが伝えられているが、この施設は現在『錦江楼』という名の旅館に衣替えされて運営されている。『錦江楼』のHPから料金表を見ると、一般の旅館と同等の料金設定になっている。週末料金、年末年始、ゴールデンウィークには別の料金体系が設定されている。

これが通常の料金設定である。公共の宿泊施設は、夏休み、ゴールデンウィークなども低料金で利用できるように、市場メカニズムから離れて低料金を設定し、ひろく国民に利益を提供しているのである。

「かんぽの宿」が料金体系を改め、各種経営努力を注げば赤字が大幅に圧縮されることは当然だ。そのような効率経営を追求することが「民営化」の大義名分のひとつだったのではないか。これらの経営努力をまったく施さないままの収支を前提に資産価値を評価すれば評価価格が低くなるのは火を見るより明らかだ、それで問題なしとするのでは、「民営化」の意味は無いに等しい。意図的に売却基準価格を低く設定していると疑われて仕方が無い。

米国のゼーリック通商代表が竹中平蔵氏に送った信書は2005年8月2日の参議院郵政民営化に関する特別委員会において民主党の櫻井充議員が明らかにしたものである。同日の討議では、竹中平蔵氏から驚くべき発言も示された。2月2日付記事でのリンクが有効でないので、このやり取りについては、回を改めて記述する。

「郵政民営化」を現在の方針通りに進行させることは、「郵政利権化」を実現させることを意味する。「かんぽの宿疑惑」を突破口にして、「郵政利権化」の全貌を明らかにし、国民に不利益を与え、外国資本に不当に利益供与する結果を生み出す「郵政民営化」を根本から見直す必要がある。非効率を温存するのではない。真に国民の利益を尊重する制度「改革」を追求しなければならない。

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2009年2月 2日 (月)

「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する巨大な闇の力

本日の参議院本会議での代表質問で国民新党の自見庄三郎議員が「かんぽの宿」問題について麻生首相を追及した。昨日の本ブログで指摘した「日本トラスティー・サービス信託銀行」に関する問題を取り上げた。

ファンドが株式を取得する場合、取得する窓口は信託銀行になる。オリックスの筆頭株主に日本トラスティー・サービス信託銀行が躍り出たのは、特定のファンドがオリックス株式を買い集めていることを意味すると考えられる。この点について、自見議員が疑義を質した。

麻生首相はスイスのダボスにおけるフォーラムに出席したが、現地で竹中平蔵氏、宮内義彦氏と同じ会食の席についている。現地で直接会話を交わした可能性についての疑いが浮上している。麻生首相は代表質問の答弁で、「個別に会談した事実はない」と述べたが、直接言葉を交わすことがまったくなかったのかを検証する必要がある。直接言葉を交わした事実が判明すれば、麻生首相は虚偽の答弁をしたことになる。

「株式日記と経済展望」様「「かんぽの宿」の疑惑が民営化見直しの大問題なのに、全く報道しないのは小泉疑惑に発展するからだ」と題する記事を掲載されている。鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が1万円で売却され、6ヵ月後に6000万円で転売されたことが明らかになった。

ワイドショーが飛びつく格好の材料が噴出した。現地の取材、東京の不動産開発会社の追跡取材など、各番組が時間を割いて報道する格好のテーマである。

ところが、2月1日の放送では『報道2001』、『サンデーモーニング』、『サンデープロジェクト』、『サンデージャポン』が、この問題についてそろって報道しなかった。

2月2日放送では、ワイドショーは大相撲大麻疑惑一色で、「かんぽの宿」疑惑が忌避(きひ)されている。「猿の騒動」など、どう見ても時間つぶしとしか思えない素材が長々と放送された。

若麒麟関が六本木において大麻所持で逮捕されたが、なぜ神奈川県警が登場するのか。素朴な疑問が浮上する。

「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であったことを明らかにする突破口としての意味を有していると考えられる。日本国民の優良資産、簡易保険加入者の貴重な有償資金が「かんぽの宿」取得に投入されている。

日本郵政公社が4分社化され、日本郵政株式会社が持株会社として4社株式を保有する形態に移行した。今後、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の全株式、日本郵政株式の3分の2が売却されることになっている。「民営化」の方針が定められたが、この「民営化」の目的が何であるのか。「かんぽの宿疑惑」はさらに「大いなる疑惑」を浮上させている。

2月1日付記事「外資の標的である日本郵政保有巨大不動産」に記述した、日本郵政株式会社CRE部門担当部長斎藤隆司氏が作成したと見られる「JP日本郵政グループにおけるCRE戦略」と題する資料を改めて検証してみる。

同資料の5ページ、6ページに日本郵政グループ各社の主な不動産が示されている。5ページには施設別不動産、6ページには金額別数値が記述されている。以下に一部を転載する。

日本郵政グループ各社の主な不動産(施設別)

日本郵政   本社ビル、病院、郵政資料館、
       メルパルク、かんぽの宿等

郵便事業会社 物流センター、郵便物の集配事務
を取り扱う郵便局、拠点となる郵便局等

郵便局会社  支社、東京中央郵便局、大阪中央郵便局、
名古屋中央郵便局駅前分室、
郵便物の集配事務を取り扱わない郵便局、
社宅、職員訓練所等

ゆうちょ銀行 貯金事務センター等

かんぽ生命  簡易保険事務センター等

日本郵政グループ各社の主な不動産(金額別:単位億円)

日本郵政     2250

郵便事業会社 1兆4030

郵便局会社  1兆0020

ゆうちょ銀行   1200

かんぽ生命     900

合計     2兆8400

 この資料を見ての素朴な疑問は、「ゆうちょ銀行」および「かんぽ生命」の不動産資産が極端に少ないことだ。「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の2社の保有不動産は「ゆうちょ事務センター」および「簡易保険事務センター」などだけとなっている。

 「かんぽの宿」の所有権がなぜ「日本郵政」に帰属しているのか疑問に感じられる。

 拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第一章第26節「露見した郵政米営化」に詳述したが、「郵政民営化」は
①小泉元首相の私的怨念
②銀行業界の熱望
③米国の対日収奪戦略
の「三位一体」の意志によって推進されたものだ。

 銀行業界は経団連を通じて郵貯排除活動を展開し続けてきた。銀行協会会長を務めた西川善文氏が日本郵政社長に起用されたことは、「郵政民営化」が銀行業界の意向を反映していることの証左でもある。

 日本が金融危機に誘導された2002年から2003年の危機のさなかの2002年12月11日に、竹中平蔵金融相(当時)は三井住友銀行の西川善文頭取、ゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソンCEOと密会している。三井住友銀行はゴールドマン・サックスと関係を深め、三井住友ファイナンシャルグループの発行済株式の39.8%を外国人投資家が保有している。

 小泉元首相は落選した最初の総選挙立候補の際に郵便局が支援しなかったことに個人的な怨恨を抱いていると伝えられている。

 米国が対日規制改革要望書で「郵政民営化」を強く要請し、郵政民営化を法制化する過程で「郵政民営化準備室」が米国関係者と18回にわたって会合を重ねたことも明らかにされている。米国通商代表のゼーリック氏から竹中平蔵氏への信書(櫻井充氏の発言[200])も国会で内容が暴露された。

 「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」への不動産配分が著しく少ないこと、

郵便事業会社への配分も郵便事業固有の業務にかかる不動産に限定されていること、

その他の主要不動産が郵便局各社および日本郵政株式会社に集中的に配分されていること、

の裏側には、郵政利権に直結する銀行業界と外国資本の思惑が隠されていると判断する。

 米国および銀行業界は「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命」の弱体化を期待していると考えられる。これらの機関が弱体化すれば350兆円の資金が流出してくる。銀行業界も外国資本も350兆円の資金に狙いを定めており、ゆうちょ銀行、かんぽ生命そのものについては、強くならないことを期待していると考えられる。

 米国が制度設計において「ゆうちょ銀行」および「かんぽ生命」にいかなる特権も与えぬよう執拗に要求したことも、米国資本が「ゆうちょ」および「かんぽ」からの資金流出を期待していることを示唆している。

オリックス傘下の保険会社が販売しているいわゆる「第三分野の保険商品」は米国保険会社が得意分野とする保険商品であり、「かんぽ」からの資金流出によって販売残高を増加することが狙われていると考えられる。

これらの事業のなかで、もっとも採算性が低いと考えられるのが「郵便事業会社」である。全国津々浦々まで郵便を配達しなければならない「ユニバーサル・サービス」も義務付けられている。

日本郵政株式会社の株価は市場に放出される際、郵便事業を傘下に持つために低い価格で売り出されることになるだろう。政府が3分の2の株式を売却すれば、株式の2分の1以上を買い集めることも可能になる。

日本郵政の株式を買い集めた上で、郵政事業会社を切り離せばどのようなことになるか。「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」を売却し、郵政事業を切り離した日本郵政株式会社は不動産会社になる。

「三菱地所」、「三井不動産」に次ぐ、日本第三位の不動産会社「日本地所」に変身する。「ゆうちょ」、「かんぽ」の350兆円の資金に加えて、「日本地所」を獲得することが外国資本の大きな狙いであるのではないか。

日本郵政は「不動産開発事業」を重点事業分野に定めているように見える。日本郵政が保有する巨大な不動産資産を再開発すれば、巨大な不動産事業を展開しうる。

5-7年で利益を獲得するビジネスモデルを考慮すると、
①「日本郵政」の上場を急ぐため、
②株式上場に必要な利益を「不動産売却」によって確保し、
③大型不動産開発事業を今後5-7年を目安に加速して実現し、
④採算性の悪い郵便事業会社を日本郵政から切り離し、
⑤不動産開発事業が評価され、日本の資産市場の環境が好転した時点で株式を売り抜ける、
「出口戦略」が描かれているのではないか。

こうした「売国政策」を阻止しなければならない。まず重要なことは、株価が暴落している現在の状況下で、日本郵政の上場を絶対に認めてはならないことだ。株式市場の環境が好転し、日本郵政の持つ不動産事業の潜在力が明確になるまでは株式を売却するべきでない。

郵便事業会社を切り離す可能性が、万が一にでもあるなら、日本郵政株式の売却は郵政事業会社を切り離した後に延期すべきである。

だが、そもそも巨大な不動産資産を保有し、国がその不動産を保有する必要が無いのなら、日本郵政の株式ではなく、不動産そのものの売却を検討するべきだ。雇用確保の条件の付いた不動産だから価格が低くなるというのなら、不動産は不動産として売却し、雇用対策は別途検討するほうが透明な処理が可能になる。

「かんぽの宿」の雇用確保条件も売却価格を低くするための「隠れ蓑(みの)」であって、長期の正社員雇用を保証するものではなかったのではないか。

「かんぽの宿疑惑」の徹底解明が必要だが、「かんぽの宿」がなぜ「かんぽ生命」ではなく「日本郵政」の帰属とされて、日本郵政から真っ先に売却されるのかも極めて不透明である。「簡易保険」加入者の利益が外部流出している可能性がある。

「郵政民営化」に実態が「郵政利権化」であったことが白日の下に明らかにされる日が近づいている。利権に群がり利権をむさぼった者は断罪されなければならない。

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2009年2月 1日 (日)

フジ「サキヨミ」-「かんぽの宿」疑惑のコメンテーター

フジテレビ番組『サキヨミ』が「かんぽの宿疑惑」を報道した。「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏が指摘されたように「サキヨミ」は先般、米国による対日内政干渉文書である「年次規制改革要望書」を特集で取り上げた。マスメディアの行動に微妙な変化の兆しが見えている。

今晩の「サキヨミ」では、300億円近い費用が投入された「ラフレさいたま」の事例、鳥取県の1万円で譲渡され6000万円で転売された「かんぽの宿」の事例が紹介され、さらに1000円で譲渡された社宅が映像を織り交ぜて報道された。

スタジオに戻り、コメンテーターがコメントをしたが、エッセイストの岸本裕紀子氏と長嶋一茂氏が正論を述べたのに対して、元ルイ・ヴィトン・ジャパン社長の藤井清孝氏と時事通信社の田崎史郎氏のコメントは聞くに堪えなかった。

岸本裕紀子氏は、「細かなことはいろいろとあるのだろうけれども、多くの人が大変な思いをしているときに、ごく一部の人だけが不正な利益を手にしているのではないかとの思いを抱かせる「渡り」の問題などと重なって感じられる」といった趣旨の発言を示した。

また、長嶋一茂氏は、「そもそも郵政民営化や規制改革について、小泉元首相-竹中平蔵氏-宮内氏が関わり、その延長上で三井住友銀行から西川氏がこれらの人々によって日本郵政社長に起用された経緯を踏まえると、このような事態は問題が多いと思う。入札の情報が広く一般に知らされていなかったことがそもそも大きな問題なのではないか。雪のなかを一生懸命、郵便物を配る職員がいることを考えても、経営トップにある者は、株式会社形態に転じて間もない時期の行動であることを踏まえて、もっと透明な方法を取らなければならなかったのではないか」といった趣旨の発言を示した。

岸本氏と長嶋氏の発言は見識ある考えを示すものだった。問題の本質をお突いており、一般的に国民が感じる率直な感想も踏まえて的確に語られたと感じる。

これに対して、藤井氏と田崎氏の発言は奇怪極まるものだった。

番組司会者が、「そもそも今回の問題は、オリックスへの一括売却決定の経緯に不透明な部分が存在するところから発生した問題で、入札の方法にまったく問題が無ければ、鳩山総務相が問題提起することも無かった問題だと思います」と説明した上でコメントを求めたのにも関わらず、藤井氏は「入札が公明正大に実施されたことを前提として考えると」と前置きして意見を述べた。

その内容は、「「かんぽの宿」は年間50億円の赤字を計上している。これを100億円で売却する話が流れるのだから、1年後に150億円以上の価格で売却されなければならないし、その価格以上で売却できなければ、背任容疑も生じる」というものだった。

そもそも「入札の経緯に不透明な部分がある」ことが問題にされているのに、「入札が正当に行われたことを前提に」話をするのでは、話にならない。

本ブログで何度も記述し、番組の中で鳩山総務相もコメントしていたが、「かんぽの宿」の赤字を放置することが問題なのだ。「かんぽの宿」は利用者の福祉向上を目的に低料金が設定されていた。また、減価償却費が高いことも収支赤字の一因であると考えられる。黒字化する方策はいくらでも存在する。50億の赤字継続を前提にする計算が「トリックの核心」であるのに、それをそのまま援用するのは、日本郵政の弁解を代弁しているに過ぎない。

「背任」というが、「誰の誰に対する背任」なのか。鳩山総務相が貴重な国民資産の売却に不透明な部分が存在することを問題視し、不透明な部分を明らかにしようとすることは「背任」ではない。「正義」の行動だ。藤井氏の見識が疑われる。というより、藤井氏の背景が透けて見えた。

田崎氏は、「100億円にしか評価されない「かんぽの宿」に2400億円もの資金が投入されたことが問題である。また、発注先に郵政ファミリー企業が多数含まれている。今回の問題は自民党にとってマイナスに作用する」といった趣旨の発言を示した。まったく支離滅裂である。

今回の問題は「100億円が実態に比べて低すぎると判断できること」が出発点に位置する。それを「100億円にしか評価されないことが問題」というのは、100億円の評価が正しいということを前提にした発言だ。

「簡易保険が「かんぽの宿」事業を行う必要があったのかどうか」はまったく別の問題だ。これまでに議論され尽くされてきた問題でもある。年金資金も簡保資金も宿泊施設事業を行ってきたが、その問題点はこれまで指摘され尽くされてきた。問題の存在を否定しないが、今回の問題とはまったく別のテーマである。

田崎氏の発言は、今回の問題の追及を受ける側が、判で押したように示す「論理のすり替え」である。不効率な官僚機構の業務、「天下り」、利権の拡大行動は、別途いくらでも論じればよい。だが、いま問題になっているのは、「郵政民営化」の美名の下に、不透明な利権行動が展開されているとの疑惑が新たに浮上しているという問題なのだ。「他にも問題があること」を指摘するなら理解できるが、109億円での売却にはまったく問題が無く、2400億円を投入したことだけが問題だとする田崎氏の発言には、無理がありすぎる。

実際に、番組では「ラフレさいたま」の時価評価、社宅9施設の実態、1万円で売却された「かんぽの宿」、1000円で売却された社宅の事例について検証が実施されている。「ラフレさいたま」だけで100億円以上の価値があると見なされている。1000円の社宅は420万円の実勢価格があるとされた。 

田崎氏は3000人の雇用確保の条件が付されていると発言したが、「かんぽの宿」の転売制限は2年間に限られていると伝えられている。3000人の終身雇用が条件に付されているのか。詳細が判明していないので断定は出来ないが、終身雇用の保証までは求められていないのではないか。

田崎氏の「自民党にとってマイナスではないか」の発言に、田崎氏の立ち位置が明確に示されていた。

視聴者は「かんぽの宿疑惑」報道を、「自民党にとって有利か不利か」の視点で視聴していない。コメンテーターには、中立公正、正義・正当性の視点からのコメントを求めているのではないか。番組コメンテーターが国民の視点から問題を捉えるのではなく、自民党にとっての得失の視点で思考していることが露(あら)わになり、視聴者は唖然(あぜん)としたと思う。

田崎氏は、鳩山氏が問題究明を進めることについて、「自民党の改革が後退するとの印象を与える可能性が高い」と、鳩山氏の行動を批判すると受け取れる発言を示した。馬鹿なことを言ってもらっては困る。

貴重な国民資産が不透明に、不正に売却されることを防ぐために、所管大臣が問題の徹底解明を求めることが「改革に逆行する」と述べるのなら、そのような「改革」などドブに捨てたほうがましだ。田崎氏はこの発言ひとつで、完全に馬脚を現してしまった。

三宅久之氏と田崎史郎氏のテレビ登場頻度が過去5年間に激増したが、その背後で政治が蠢(うごめ)いた。三宅氏も田崎氏も「小泉一家」に連なる人脈、「小泉一家」によるメディア・コントロールの一環として、テレビメディアに登場したと考えられる。この日のキャスティングでは、藤井氏と田崎氏が「特命」を帯びた出演者だったと考えられる。

田崎氏は硬直した表情で発言していたが、無理筋の発言は見ているだけで痛々しかった。政権交代が実現する場合には、テレビ・新聞のマス・メディア言論空間偏向の深層を徹底的に検証し、総括しなければならない。

「サキヨミ」で「かんぽの宿」問題が大きく取り上げられたことは有益だった。「特命」を帯びたコメンテーターが「火消し」することが番組の狙いだったのかも知れないが、この目的は完全に失敗した。

「Tokyonotes 東京義塾」様がすでに記述されているが、オリックスの筆頭株主に名前を連ねる日本トラスティー信託銀行が日本郵政公社が外部委託する郵貯・簡保機構が保有する債券管理業務をマイナス9.8億円で落札した問題にも、新たに関心が注がれ始めた。

いずれにせよ、「かんぽの宿疑惑」の全容解明が不可欠である。重大な問題が明らかになった以上、日本郵政株式売却については、まずは凍結することが求められる情勢になった。

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外資の標的である日本郵政保有巨大不動産

『月刊テーミス』2009年2月号(2月1日発売)が「宮内義彦「かんぽの宿」で集中砲火の真相」と題する記事を掲載した。私も購読している情報誌だが、「小泉・竹中路線の総合規制改革会議の議長だった宮内氏に利権説や入札の不明朗が暴露されて」の副題をつけて問題を指摘している。

記事は、本ブログの1月10日付記事「「オリックス-かんぽの宿」疑惑の徹底検証が不可欠」の記述を引用し、米国が対日年次規制改革要望書で郵政民営化を要求してきた事実を指摘している。

上記記事が指摘している重要な事実を紹介する。『テーミス』誌は日本郵政の内部資料を独自に入手したことを記述している。表題は「JP日本郵政グループにおける不動産事業の現状と展望」で、日本郵政企画部門が作成したドキュメントであるとのことだ。

私は昨年9月27日付記事「「小泉改革」の評価」に次のように記述した。

「三つの「民営化」には、すべて裏があった。「裏」とは、特定の利害関係者に利益、利権をもたらす「民営化」だったということだ。かけがえのない「道路資産」が将来、特定の「資本」の所有物になる。「郵政三事業民営化」では、郵貯、簡保の350兆円の国民資金を収奪しようとする外国勢力、銀行界が存在した。さらに外国資本は郵政会社が保有する「莫大な一等地不動産」に狙いをつけている。「郵政会社」は「莫大な一等地不動産」の再開発事業を今後本格化させる。この動向から目を離せない。」

 三つの民営化とは「日本道路公団」、「住宅金融公庫」、「郵政三事業」である。

『月刊テーミス』誌は内部資料から日本郵政が保有する不動産簿価を紹介している。インターネット上には、日本郵政株式会社CRE部門担当部長斎藤隆司氏が作成したと見られる「JP日本郵政グループにおけるCRE戦略」と題する資料がアップされている。

CREとはCorporate Real Estateの略で企業保有不動産を意味する。

この資料の6ページには日本郵政が保有する不動産資産金額が記載されている。日本郵政グループは土地だけで1兆3010億円の資産を保有している。

郵政三事業は郵政4会社に分社された。「郵便事業」、「郵便局」、「ゆうちょ」、「かんぽ」の4社である。これら4社の株式が「ゆうちょ」、「かんぽ」については全株式が売却される予定になっている。「郵便事業」と「郵便局」の株式は持株会社の「日本郵政」が全株を保有するが、「日本郵政」株式は3分の2が売却される予定になっている。「日本郵政」が上場され、3分の2の株式が売却されてしまうと、さまざまな見直しが困難になる。まずは、「日本郵政」の上場を凍結することが絶対に必要だ。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第一章「偽装」26「郵政米営化の実態」に以下のように記述した。

「郵政民営化法案が米国の意向を反映して策定されたのは間違いない。特定郵便局ネットワークは存続が義務化されなかった。民営化後に不要な部分が削(そ)ぎ落とされ、うまみのある部分だけを接収すれば巨大な利益を得ることができる。350兆円の巨大な資金も標的だ。」

「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であったことはすでに述べた。「郵政利権」でクローズアップされてきたのは350兆円の「ゆうちょ」、「かんぽ」資金だが、実は隠された巨大資産が存在した。それが日本郵政保有の巨大不動産である。

『月刊テーミス』誌は日本郵政全体が保有する土地の資産規模を他の業種と比較している。陸運会社では2位の佐川急便が日本郵政の7分の1だという。不動産会社ではトップの三菱地所とほぼ同水準であり、東証第1部上場企業では、JR東海、JR東日本、三菱地所に次いで4番目とのことだ。

竹中平蔵氏は1月19日付産経新聞に掲載した「かんぽの宿は“不良債権”」と題する稚拙な反論で、次のように述べている。

「完全民営化されたかんぽ生命保険には、他の民間企業と同様、保険業法が適用される。当たり前の話だが、民間の保険会社がホテル業を営むことはあり得ないことだ。ホテル業のリスクが、金融の本業に影響を及ぼすことがあってはならない(いわゆるリスク遮断)からである。だからこそ法律は、10年以内の完全民営化を目指すかんぽ生命には、5年以内(2012年9月まで)の廃止または売却を義務付けた。」

ところが、現実には「かんぽの宿」は「かんぽ会社」保有資産ではなく、「日本郵政」保有資産である。そして、当の日本郵政は「不動産事業」を今後の中核事業のひとつに位置付けようとしているのだ。

竹中氏の反論がいかに的外れであるかがよく分かる。日本郵政は不動産事業を中核事業に位置付けるのであり、「かんぽの宿」の一部を不動産として再利用することも検討項目にはなりうるのである。

私は米国が「郵政民営化」を要求してきた背景のひとつに、日本郵政が保有する巨大不動産が存在すると考えてきた。こうした巨大資産に狙いをつけて、巨大な利益を獲得するためには、当該資産を安い価格で入手することが必要になる。

雇用確保などの付帯条件は労働者の生活を守る上で重要だが、こうした付帯条件が、資産売却の売却価格を引き下げるために設定されることには十分な警戒が必要だ。

例えば、雇用維持や特定郵便局ネットワークを維持することを条件に設定すると、郵政株式を市場に売却する際の、当初の価格が低くなることが考えられる。日本郵政の巨大な資産を狙う資本は、低い価格の株式を買い集め、その上で日本郵政の事業を時間をかけて改変し、各種負担を軽減する。雇用負担や郵便局ネットワーク負担が取り除かれれば、株価は当然に上昇するだろう。

株価が上昇したら株式を売却する。これによって利益を獲得することができる。鳥取県の「かんぽの宿」では1万円で払い下げを受けて、半年後に6000万円で転売した。まさに「濡れ手に粟」のあぶく銭だ。

「かんぽの宿」70箇所の一括譲渡では、雇用確保などの付帯条件が付けられている。この付帯条件があるために価格が低くなっていると日本郵政は説明する。しかし、よく聞いてみると転売制限の期間は2年にすぎないとのことだ。2年経過すれば転売できるのではないのか。

「雇用維持」などの付帯条件が不当廉売の「隠れ蓑」にされている可能性が高い。今回問題になっている70箇所の「かんぽの宿」プラス9箇所の首都圏社宅が合計で109億円で売却されるのは、明らかに不当廉売と考えられる。

問題は、
①売却に付帯する諸条件の詳細が分かりにくいこと。保坂展人氏がブログで明らかにされたが、メリルリンチ日本証券が入札情報を提示する際に添付した書面を見ると、譲渡条件が入札情報開示の際に明確に定められていなかった疑いもある。

  
②入札情報が広く日本全体に行き渡っていなかったこと。一部の関係者だけで話を進めようとした、いわゆる「出来レース」の疑いが晴れていない。

  
③売却物件のなかには300億円近くの費用を投入して、現在も十分利用に堪えうる物件が含まれている。社宅だけでも時価が47億円に達すると見られている。個別物件の情報を広く開示すれば、はるかに高い価格で売却することは可能であると考えられる。

鳥取県の「かんぽの宿」は特別養護老人ホームに改修されて施設が生かされている。社会福祉関係の施設に改修して利用することも十分に考えうる。

「晴天とら日和」様が関連情報をまとめて提供してくださっている。

朝日新聞産経新聞日経新聞は社説等で総務相批判の論説を掲載したが、その後、中日新聞北海道新聞が一括譲渡見直しの論説を掲載し、読売新聞も入札経緯の詳細公表を求める論説を掲載した。

 日経新聞、朝日新聞、産経新聞は総務相批判の論説を維持するのか、紙面において明確に考え方を示す責務がある。

 貴重な国民資産を国民の不利益を生まないように取り扱うべきことがすべての基本である。「かんぽの宿疑惑」を徹底的に追及することによって、「郵政民営化」の実態が必ず明らかになると考えられる。今回の一括譲渡決定にかかるすべてのプロセスを明らかにすることが求められている。

 幸い、郵政株式の売却はまだ始まっていない。「かんぽの宿疑惑」を解明することにより、「郵政民営化」を根本から見直すことが不可欠であることが、必ず広く国民に理解されることになると考えられる。

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