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2008年12月26日 (金)

渡辺喜美氏をメディアがヒーロー扱いする深層

「大資本(業)」、「特権官僚(官)」、「米国(外)」の利権構造を維持することが「自公政権(政)」の至上命題である。利権互助会の一角に組み込まれた「マスメディア(電)」が利権互助会の利権維持に全面協力している。これが「政官業外電=悪徳ペンタゴン(五角形)だ。

民主党を中心とする野党が総選挙に勝利して政権交代が実現すると、これまでの利権構造が根底から破壊される。最大の脅威は小沢一郎民主党代表である。2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任して以来、「悪徳ペンタゴン」は小沢一郎氏の影響力を排除することに注力してきた。

2007年7月の参議院選挙に際して、マスメディアは小沢氏がかつて自民党を支配した田中派の中心に位置したことを強調するなどのネガティブ・キャンペーンを展開した。

2007年秋には、自民・民主大連立構想が浮上したが、これも小沢氏の影響力を排除するために仕組まれた工作であったと考えられる。

2008年前半の与野党対立の象徴になった日銀総裁人事では、密かに民主党小沢代表の権威失墜(けんいしっつい)が画策(かくさく)されたと見られる。小沢代表がNHK日曜討論に単独出演して渡辺博史元財務省財務官の副総裁就任に反対する見解を表明した局面で、民主党内で渡辺氏の副総裁就任を認める工作が展開されていた。渡辺氏の副総裁就任が実現していたなら、小沢氏の権威は失墜し、民主党は一気に弱体化したはずだ。

2008年9月の民主党代表選では、与党とマスメディアが複数候補による代表選実施を執拗に要請した。全国紙は社説で繰り返し複数候補による代表選を求める力の入れ方を示した。公明党も太田昭宏代表の無投票再選を決めたが、マスメディアはまったく批判しなかった。

小沢氏の対立候補が発する小沢氏批判を針小棒大に報道することが画策されていたと考えられる。結局、民主党は小沢氏の無投票三選を決めた。小沢氏が民主党代表に就任した2006年4月以降、民主党は重要な国政選挙で連戦連勝を収め、2007年の参議院選挙では第一党の地位確保と野党による過半数制覇に成功した。年内にも総選挙が実施される状況で、不要な党内対立をもたらしかねない代表戦を回避したのは当然のことだった。

自民党は民主党の複数候補による代表選実施工作に失敗すると、福田前首相の政権放り出しに伴う自民党総裁選を総選挙対策に全面活用した。「政権担当能力を備えた開かれた政党である自民党は堂々と総裁選を実施して、新総裁を選出し、挙党一致体制を作り上げる」と宣伝した。

たらい回し政権の後継首相に就任した麻生首相の唯一の自慢は、「首相にふさわしいのは誰」の世論調査で小沢代表よりも高順位に位置されることだった。麻生首相は党首討論でも小沢代表に勝てると思い込んでいたのだろう。11月28日に実施された初めての党首討論でも、「やっと国民の見ている前で堂々と討論できることを喜ばしく思う」と述べた。

国民は初めて麻生氏と小沢氏の言動を自分の目で見て比較することになった。小沢氏に対する印象は、マスメディアの情報操作によって歪(ゆが)められてきた。「剛腕」、「独裁」、「強権」などの印象操作が繰り返され、そのためにこれまで世論調査で高得点が付与されてこなかった。

しかし、現実にこの二人の政治家の言動を見て、国民の評価は急変した。麻生氏よりも小沢氏が首相にふさわしいと考える国民が急増したのである。

「悪徳ペンタゴン」がもっとも恐れる事態が現実化している。麻生内閣の支持率は暴落し、総選挙後の政権では民主党を中心とする勢力による政権樹立を求める声が圧倒的多数を占めつつある。本格的な政権交代が実現してしまう可能性が高まりつつある。

自民党議員の一部が、総選挙での政権交代実現を視野に入れた行動を開始し始めた。また、「悪徳ペンタゴン」も総選挙での自民党敗北を視野に入れた政界工作を開始し始めた。自民党は9月の総裁選に際して、堂々と総裁選を実施し、新総裁を選出したあとは挙党一致で国政に臨むと明言していたが、総裁選から3ヵ月しかたたないのに、自民党内で麻生首相批判が噴出(ふんしゅつ)している。

「悪徳ペンタゴン」は総選挙での自民敗北を視野に入れ始めた。自民敗北を前提に次善の目標は、野党単独での衆議院過半数確保阻止である。そのための工作が、「共産党と他の野党との対立促進」と、「偽装CHANGE新党」創設である。

テレビ朝日は衆議院解散決議案に賛成し、麻生内閣に反旗を翻(ひるがえ)した渡辺喜美元行革相をヒーローに仕立て上げる演出を執拗に繰り返している。渡辺氏が改心、転向して自民党を離脱して民主党に入党するなら、独自の判断で行動すればよい。ただしこの場合、渡辺氏は自身の政治洞察力不足を率直に認め、支持者に謝罪する必要がある。

しかし、渡辺氏の行動は次期総選挙での自民党敗北予想を踏まえた、政治的打算に基づいた政治行動である可能性が極めて高い。渡辺氏の行動は自民党内「小泉一家」の先兵としての役割を担うものであると考えられる。「小泉一家」の先兵であることは、同時に外国資本の先兵であることを意味する。

次期総選挙で自民党と民主党がいずれも過半数を獲得しない場合、「偽装CHANGE」新党がキャスティングボートを握る可能性が生まれる。この可能性を念頭に置いていると考えられる。民主党を中心とする野党が過半数を確保する場合も、野党勢力と連立して政権の一端に食い込むことも計算されている。

「小泉一家」の特徴は、「機を見るに敏」、「変節」、「米国資本の代理人」であり、渡辺喜美氏の行動は、「小泉一家」=「偽装CHANGE勢力」の利害と打算を背景にしたものと考えられる。

テレビ朝日、テレビ東京を中心に、「偽装CHANGE勢力」を「反麻生」=「改革派」として賞賛する報道姿勢を強めている。狙いは次期総選挙で地すべり現象が予想される「反麻生票」を民主党を中心とする野党にではなく、「偽装CHANGE新党」に振り向けさせることにある。

もうひとつの工作は、共産党と民主党との対立を促進することである。共産党は反麻生票が民主党に集中する傾向に焦燥感を強めている。野党共闘よりも民主党との違いを際立たせようとする共産党の行動は、次期総選挙での党勢拡大を目指す目的から導かれていると思われる。

最近のテレビ番組が共産党の党勢拡大を大きく取り上げている背景に、「悪徳ペンタゴン」の計算が働いていると見られる。「共産党」をアピールして、反麻生票が民主党を中心とする共産党以外の野党に集中して流れることを阻止しようとしているのだと考えられる。

国民は「悪徳ペンタゴン」の意図を正確に読み取らなければならない。「悪徳ペンタゴン」は次期総選挙での野党による単独過半数確保を深刻に恐れているのである。「偽装CHANGE勢力」こそ、いまの日本の「格差問題」、「労働者の生存権危機」、「日本の植民地化」をもたらした元凶なのである。麻生政権は「小泉一家」=「偽装CHANGE勢力」の負の遺産を引き継いだために窮地に追い込まれている。

「偽装CHANGE勢力」の基本路線は、①市場原理主義、②官僚利権温存、③対米隷属、である。①人間尊重主義、②官僚利権根絶、③自主独立外交を基本路線とする「真正CHANGE勢力」とは、文字通り「水と油」の関係にある。

共産党がどれだけ党勢を拡大させても、政権交代が実現しなければ日本の現状、構造は変わらない。日本の現状を変革するには「本格的な政権交代」が、まずは何よりも求められる。共産党のアピールが自民党の政治的計算によって利用されることの弊害を熟慮(じゅくりょ)することが求められる。

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