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2008年9月

2008年9月30日 (火)

米国金融安定化法案否決と新自由主義の終焉

米国連邦議会下院は9月29日、最大7000億ドル(約75兆円)の不良資産を公的資金で買い取る金融安定化法案を否決した。法案否決を受けてNY株価は急落し、NYダウは前日比777ドル安の10,365ドルに下落した。

共同通信配信記事を転載する。

米下院、金融安定化法案を否決、NY株、最大の777ドル安

【ワシントン29日共同】米下院本会議は29日、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で不良資産を買い取る制度を柱とした、金融危機に対応するための緊急経済安定化法案を反対228、賛成205の反対多数で否決した。

 これを受けニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、ろうばい売りを誘って急反落し、前週末比777・68ドル安の1万0365・45ドルで取引を終えた。下げ幅は史上最大となった。

 政府による不良資産買い取りで、金融危機が和らぐとの市場の期待は遠のき、国際金融市場に深刻な影響を与える可能性がある。

 フラット大統領副報道官は同日、法案否決を受け、対応を協議するためブッシュ大統領は議会指導部と会談する意向があると述べた。ホワイトハウスや議会指導部が法案の修正など、どのような動きを見せるかは不透明だ。

 11月の議会選挙を控え、国民に人気がない公的資金投入に批判票が出た。ブッシュ大統領の与党である共和党から多くの反対票が出ており、大統領の指導力が失われていることも露呈した。

2008/09/30/ 05:59

 「金融システムの安定確保」と「自己責任原則の貫徹」のバランスを取ることは難しい。金融機関が経営危機に直面するとしても、自由主義経済の下では、その責任は当事者に帰せられ、したがって、結果についても当事者が負うことが基本である。これが、「自己責任原則」だ。

 しかし、大規模な金融機関が破綻すると、株式市場では連鎖的な破綻予想が生まれ、株価急落が引き金となって、第二、第三の破綻が連鎖することが生じ得る。金融機関の破綻の連鎖は、一般事業会社の破綻を生み出す原因になる。破綻リスクが拡大すると、すべての企業の信用リスクが増大するから、資金を貸し出している金融機関は融資を回収しようとするし、新たな信用創造は途絶えることになる。

 企業破綻の連鎖、信用の収縮は、当然のことながら、経済活動の著しい縮小を招く。これらの経済金融の下方スパイラルを「金融恐慌」と表現する。米国経済は「金融恐慌」の扉を開いてしまった可能性がある。

 日本でも2003年に類似した状況に直面した。2001年4月に発足した小泉政権は、意図的な経済悪化誘導政策を実行した。日本経済は急激に悪化し、戦後最悪の不況に陥れられた。このなかで、竹中平蔵金融相は「大銀行の破綻も辞さず」との方針を提示した。

 日本の株価は順当に暴落した。2003年4月28日に、日経平均株価はバブル崩壊後最安値の7607円を記録した。小泉首相が所信表明演説を行った2001年5月7日の日経平均株価が14,529円だったから、ちょうど2年間で株価は半値に暴落した。

 株価が暴落した最大の原因は、「大銀行破綻容認」の政策方針だった。超緊縮財政政策で経済の急激な悪化を誘導しつつ、「大銀行破綻容認」の政策方針を示すなら、株価が暴落しないわけがない。「金融恐慌」の発生を誘導する危険極まりない政策運営だった。

 小泉政権は「りそな銀行」を「標的」に定め、2003年5月、「りそな銀行」が俎上(そじょう)に載せられた。小泉政権がそれまで示してきた「大銀行破綻容認」の政策が実行されていたなら、日本は「金融恐慌」に突入していた可能性が高い。

 だが、小泉政権は、土壇場で手の平を返した。預金保険法102条の「抜け穴規定」を使い、「りそな銀行」を2兆円の公的資金で救済した。「自己責任」の筆頭にあげられる「株主責任」を一切問わぬ「救済」を実行した。

 その結果、金融市場では「大銀行は公的資金で救済される」との認識が一斉に広がり、株価は急反発した。「金融恐慌」は回避されたが、「自己責任原則」は崩壊した。議会が正当に機能していたなら、議会は「自己責任原則」を崩壊させる「救済」を安易に容認しなかったはずだ。「金融恐慌」回避を目的に「救済」を認めるなら、内閣には「総辞職」が求められたはずである。

 このときに、小泉政権が総辞職していれば、日本の歴史は異なるものになっていた。「政権交代」も、より早く実現していたはずだ。「政権交代」は2008年にまで先送りされた。

 2003年5月、小泉政権の経済政策は「破綻」したのだ。「破綻」した経済政策を、存命させたのは「偏向メディア」だった。驚くことに、日本経済新聞は「自己責任原則」を崩壊させた経済政策を、「大胆な金融問題処理」と絶賛したのだ。

 私は詳細を拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に記述した。小泉政権の「金融恐慌推進政策」の最大の「罪」は、一連の経過を小泉政権が意図的に誘導した可能性が濃厚であることだ。日本の資産価格を意図的に暴落させ、最終局面で「自己責任原則」を破壊して、急反発させる。この「シナリオ」を事前に知っていれば、「濡れ手に粟」の巨大利得を手にすることができる。

 小泉政権関係者、ならびに外国資本が、強大利得を得た疑いが濃厚なのだ。罪なき無数の日本国民が犠牲になった。戦後最悪の不況は、戦後最悪の倒産、失業、経済苦自殺を生み出した。政府が経済の安定的な成長を重視した政策運営を実行していれば、これらの人々は「地獄」に投げ込まれずに済んだのだ。

 国家的規模の「風説の流布」、「株価操縦」、「インサイダー取引」疑惑は濃厚に存在し、いまなお深い闇に覆われている。2002年9月から2004年3月までに、日本政府は「ドル買い為替介入」により、47兆円の国費を米国に提供した。「円安誘導」と「47兆円の資金提供」は、暴落させた日本の実物資産を「底値」で、しかも「円安」で外国資本に取得させるための行動であった疑いが強い。

 「売国政策」としか言いようのない政策が実行されたのである。私がいわれのない罪を問われているのは、この問題に対する追及の手を私が緩めなかったからであると感じている。

 話を本題に戻す。「金融システムの安定性」を守ることは重要だが、自由主義経済の下では、「自己責任原則」は最重要の規範として尊重される。日本で「自己責任原則」が踏みにじられても、大問題にならなかったのは、日本の民主主義と自由主義が極めて未熟な段階にあったからだ。客観的に論評すべき経済専門紙までが「経済政策の破綻」を「大胆な金融処理策」と絶賛したのだ。日本では「欺瞞」と「不正」の経済政策が大手を振って存続し続けた。

 米国では、責任処理を明確に伴わない「金融システム安定化策」を議会が簡単には容認しない。「サブプライムローン」の利用者が、端から住居を差し押さえられ、「サブプライム難民」と化して、流浪している。一般的な事業会社が倒産の危機に直面しても、救済の手は差し伸べられない。

 資産バブルの時代に栄華を極めた金融産業が、自己の責任で危機に直面した時に、責任追及を伴わずに救済されることは、「公正でない」との批判が登場するのは当然だ。1998年に米国政府がRTC(整理信託公社)を設立して、S&L金融危機を処理した際、1500億ドルの公的資金が問題解決に充当された。

 しかし、RTCの処理は、預金者保護と金融システム安定化を目的とし、S&Lは「破綻処理」され、S&L関係者の経営責任、刑事責任が厳格に追及された。今回、米国政府が提案した「金融安定化法案」は、「破綻前処理」である点で、S&L処理と決定的に異なっている。

 公的資金投入に際して、金融機関経営者の報酬制限などの措置が盛り込まれたが、責任処理としては、「手ぬるい」との批判が強まったと考えられる。米国は大統領選挙を控えており、劣勢にある共和党が、有権者の支持獲得を目的に、厳しい責任追及姿勢をアピールしたことも、法案が否決されたひとつの背景だ。

 「預金者を守る」政策には大義名分があるが、「株主を救済する」政策には大義名分が立ちにくい。「株式資金」は元々リスクマネーである。連鎖的な企業倒産の恐れが強くても、「株主」を救済する政策を是認する根拠を見出すことは難しい。この意味でも、2003年5月の「りそな銀行」の株主全面救済は「異常」な政策だった。

 政府による不良債権買い取りの条件を厳しくすれば、公的資金を投入する「金融安定化法案」が金融機関の経営危機を和らげる効果は縮小する。最終的には、修正された「金融安定化法案」は議会で可決されることになると考えられるが、修正された法案が金融市場の安定化にどこまで効力を発揮するかは不透明だ。米国を出発点として、金融不安の連鎖がグローバルに波及するリスクは一段と増大した可能性が高い。

 心より尊敬申し上げる副島隆彦先生が、三部作『ドル覇権の崩壊』『連鎖する大暴落』『恐慌前夜』で、予言されてきた通りの変動が現実のものになりつつある。米国金融市場の今後の波乱から目を離せない状況になった。

 「市場原理主義の失敗」が表面化していると考えるのが正しい。「市場原理主義」は三つの問題点を内包していた。

①「市場原理は正義」との錯覚

②「市場メカニズム」への過信

③「人間性疎外」の罠

である。

 ①「市場原理」に委ねることは、「弱肉強食の奨励」と言い換えることができる。小泉政権が推進した「市場原理主義=弱肉強食奨励=セーフティーネット破壊=格差拡大」の政策は、社会の「二極分化」を生み、「強者」と「弱者」の決定的な対立を生み出す。両者の対立が不幸な結論を生み出す原因にもなる。

 ②金融技術の発展を「市場メカニズム」への無条件での信頼に基づいて放置したことが、今日の金融市場大波乱の原因になっている。先物、オプションなどの「金融派生商品=デリバティブ」の取引拡大が、金融市場の混乱を拡大させている。「投機」の増大は「金融市場安定化」をもたらすとの学説が存在するが、現実には、移ろいやすい「投機」の増大が、市場変動を拡大させる側面が強くなっている。

 金融は実体経済を補完する「従者」に位置付けられるべきものだ。それが、金融取引だけが突出して拡大し、実体経済を逆に振り回す現状を生み出している。「市場メカニズム」への過度の信頼が、「経済のカジノ化」を生み出し、経済不安定化の原因になっている。

 ③「人間性疎外」の罠とは、本来、人間が責任をもって営んでいた業務が、細分化され、「人間性」が介在する余地が縮小し、「人間性の疎外」=「無機化」することによって問題を引き起こすことを指す。

 住宅ローンは、本来、資金の貸し手が、資金の借り手や取得予定不動産を点検し、貸し手と借り手の信頼関係により、実行されるべきものだ。金融機関が自己の責任で、信頼関係をベースに業務を実施してきたなら、米国のサブプライムローン問題は起こり得なかった。

 サブプライムローンが証券化商品に組み込まれて転売される。サブプライムローンの組成者は、ローンを組むことだけが仕事であり、ローンの行く末など微塵(みじん)も考えない。「ローンを組むビジネス」から、人間性が疎外されているのだ。

 二極分化した社会では、問題が表面化した時に、「金融システムを守るために公的資金投入を認める」合意は成立し難くなる。「強者」に搾取(さくしゅ)され続けた「弱者」は、「強者」を救済する問題解決策に、簡単には同意できないからだ。

 米国発の金融市場混乱がグローバルに波及する最終到達点について、楽観的見通しを安易に提示できない状況が生じている。日本も深刻な影響を免れないと思われる。

 金融市場の混乱は「新自由主義の終焉」を意味するものと考えられる。

①「市場原理主義」から「セーフティーネット・共生」重視へ

②米国追従・米国隷属(れいぞく)の見直し、

が強く求められている。米国の国民は政治の「CHANGE」を希望するだろう。日本でも、政治を「CHANGE」し、新しい「共生社会」を創り出すことが必要だ。そのための「政権交代」が求められる。

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2008年9月29日 (月)

敵前逃亡解散と偏向「NHKスペシャル」

麻生政権は敵前逃亡解散へ。NHKは偏向報道強化で政権交代阻止に全力投球。麻生政権は国会での論戦を恐れて、衆議院解散に逃げ込む構えを強めている。

日本経済の悪化が加速し、国民経済を守るための補正予算早期成立は焦眉の急を要する。8月29日に緊急経済対策を発表した自公政権が、臨時国会での補正予算成立に全力を尽くすべきことは当然だ。

民主党、社会民主党、国民新党の野党三党は、衆参両院での予算員会審議を、期間を限定して実施し、補正予算案の決議日程をあらかじめ確定する提案を示している。野党は補正予算案そのものに賛成できないかもしれないが、国民経済の疲弊に配慮し、政府提案の補正予算が国会で成立する道筋を確保することに協力する姿勢を示している。

野党はいわゆる「話し合い解散」を提案している。麻生政権が野党提案を拒否して、補正予算を成立させぬまま、衆議院を解散するなら、「国民生活を無視した党利党略に基づく解散」の批判が一気に強まることは間違いない。

自民党は過去1年間の国会審議について、「野党の反対で重要な事項を決定できない異常な状態が続いている」との、民主党を誹謗中傷するプロパガンダ、デマゴギーの流布に努めている。これまでも指摘してきたように、野党が与党と異なる主張を展開するのは当然だ。主張が同一なら、野党として存在する必要はない。

野党は参議院で過半数の議席を確保している。衆議院では自公が与党だが、参議院では民主、社民、国民新党が与党なのだ。参議院の野党多数議席は国民が選挙を通じて付与したもので、ゆるぎない正当性を備えている。

「衆参ねじれ」の下での国会では、与党が野党の主張を尊重して審議を進めなければ、意思決定できないのは当たり前だ。与党が野党の主張にまったく耳を貸さない、傍若無人の対応を示しながら、重要決定ができない責任を野党に押し付けるのは、誠に「かたはらいたし」である。

自公政権の支配下にあるメディアが、客観的に見て当たり前の与党批判を展開しないから、自公政権の詭弁がまかり通ってしまう。メディアの堕落は目を覆うばかりだ。

解散総選挙で国民の審判を仰ぐなら、限られた日程であっても、可能な限り国会審議を尽くして、与野党直接対決の論戦を国民の前に示したうえで、選挙を行うことを考えるべきだ。国会での論戦を避けるために、予算委員会審議を行わないまま、衆議院を解散するのは、麻生政権によほど「やましいいこと」があるのだと判断されて、反論できないだろう。

次期総選挙は日本の命運を分ける重大な選挙だ。重大な選挙であれば、なおさら、選挙前に国会論戦を国民の前に示すべきだ。判断するための十分な情報提供に政党が務めるのは当然の責務だ。個人がマイホームを購入する時、一生に一度の買い物だから、物件についての十分な説明を業社に求める。業者が詳細の説明を省こうと画策して、とにかく契約書を交わすことだけを誘導しようとする場合、この業者はまず間違いなく悪徳業者だ。

自民党はなぜ、正々堂々と選挙を戦わないのか。野党の建設的な「話し合い解散」の提案に難癖をつけて、国会論戦を回避しようとする姿は、姑息(こそく)以外の何者でもない。「勝っても負けても威風堂々」の姿勢を示さなければ、国民の不信感はますます強まるに違いない。

米国では11月4日に大統領選挙が実施される。民主党のオバマ候補が当選する可能性が高い。8年間2期続いた共和党政権からの「CHANGE」を米国の国民が求める傾向を強めている。オバマ氏が当選すれば、米国で史上初めての黒人大統領が誕生することになる。

悪政に苦しむ国民は当然、「CHANGE」を求める。自公政権は米国大統領選挙で、民主党が勝利する可能性が高まっていることから、11月4日以後の総選挙日程設定を嫌っているのだと考える。与党の焦燥ぶりが際立ってきている。

「決戦の総選挙」が目前に迫るなか、NHKは9月28日夜、NHKスペシャル「決戦前夜・麻生VS小沢」を放映した。NHKの偏向報道ぶりには目に余るものがあるが、当番組も例外ではなかった。NHKは正式名称を「日本偏向協会」に変更するべきだ。

9時から9時50分の番組中の構成はおよそ以下の通りだった。

冒頭5分 前振り・全体解説

9:06-9:15 自民党総裁選

民主党批判演説が織り込まれる

9:15-9:20 民主党に焦点

政策提案の財源が不明確だとの批判

9:20-9:23 その他政党

各党代表コメント

9:23-9:32 民主党財源問題

焦点の都市部の民主党批判

9:33-9:40 小泉改革

小泉改革と麻生政権路線の相違

9:40-9:50 総括

民主党工程表検討など紹介

「決戦の総選挙」の争点を「中立・公正の視点」から「公平」に示さなければならない番組が、全体を「民主党が提示する政策の財源の不確実性」だけに焦点を合わせて編成されていた。「偏向報道」そのものだ。

 民主党は、「天下り」の根絶を政権公約に明示している。民主党の小沢代表は財源問題について、「一般会計と特別会計の純支出合計212兆円」の約一割にあたる22兆円を段階的に主要政策の実行財源に組み替えてゆくことをすでに表明している。

「天下り」機関への政府資金投入だけでも年間12.6兆円に達しており、「政府の無駄」を抜本的に排除することによって、財源を捻出することは不可能でない。民主党は財源確保の具体的方法を順次示すとしている。与野党の政策を点検するひとつの論点ではあるが、総選挙の重要争点がここにだけあるわけではない。

総選挙の争点は、

①「市場原理主義」経済政策運営の是非

②「天下りなどの官僚利権」温存の是非

③「対米隷属外交」の是非

の三つである。

 ①「「市場原理主義」経済政策運営の是非」が、小泉政権発足から7年半経過した日本の、最大の政治問題である。「非正規雇用」、「働く貧困層」、「高齢者や障害者に対する社会保障の切り捨て」、「生活保護圧縮」、「大企業の繁栄と中小企業の疲弊」、「格差拡大」、「地方経済の停滞」などの諸問題は、「市場原理主義」に沿った経済政策運営がもたらした「ひずみ・歪み」である。

総選挙の第一の争点が、「「市場原理主義」経済政策運営の是非」にあることは疑いようがない。

政策財源問題を論じる際に、②「「天下りなどの官僚利権」温存の是非」を論じないのは、不自然極まりない。民主党提案の最大の重点は、「官僚利権の根絶」にあるのだから、自民党が「官僚利権」に対して、どのような姿勢を示しているのかを対比すれば、民主党が強調する財源確保策の信頼度が浮かび上がってくる。

外交における、対米隷属、対米追従の是非も重要な論点だ。米国のイラク攻撃に対する評価が問題を論じる原点になる。「力の強い米国だから、米国の不正義を問わない」のか、「たとえ米国の力が強くとも、米国の不正義を正そうとする」のかが問われる。

総選挙で苦戦を強いられる自民党は、民主党提案の政策が「十分に明確な財源に裏打ちされていないこと」に重点攻撃対象を絞っている。また、イメージ誘導戦術として、民主党が小沢一郎代表を無投票三選したことを捉え、「小沢氏の独裁イメージ」というデマゴギーを有権者に植え付けようとしている。

9月28日「NHKスペシャル」は、自民党の選挙戦術に沿って制作されたものであると考えられる。上述した総選挙の重要争点がほとんど取り上げられずに、民主党政策の財源問題だけが「クローズアップ」されていた。この問題は「クローズアップ現代」で、さらに「クローズアップ」されるかも知れない。

使われる映像、写真にも注意を払う必要がある。小沢氏のインタビューでは、カメラが小沢氏を下方から映し出していた。ライトアップの加減を含めて、「こわもて」のイメージを作り出す映像手法だ。下から撮影すると被写体の映像は、必ず「上から目線」になる。

パネル写真で使われた小泉元首相の写真は、人相の良くないものが選ばれている。麻生氏のイメージを相対的に浮上させるには、小泉氏のイメージを低下させる必要があるのだ。

私の視点が「偏っている」と感じられる人がいるかも知れないが、映像演出の専門家に尋ねれば、映像から判断される番組制作者の演出意図を正確に答えてくれることと思う。上述の評価は客観的に裏付けられると思う。

政権交代が実現する場合には、NHKの「解体的見直し」が必須である。「NHK政治部」が突出して「政治的」に変質している。「政治部」の意味は「NHKの政治部門」の意味なのかも知れない。

「決戦の総選挙」に際して、NHKが「日本偏向協会」であることは極めてゆゆしき事態だ。草の根から「メディアの偏向」の実態を訴えて、「真実の情報」を伝達してゆかなければならない。

麻生政権が敵前逃亡の解散総選挙に打って出ようとも、NHKが「偏向報道」を続けようとも、「総選挙」で「政権交代」を実現しなければならない。「政権交代」を実現しなければ、日本の「CHANGE」は始まらないのだから。

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2008年9月28日 (日)

中山成彬国交相が引責辞任

9月24日に発足した麻生太郎政権で国交相に任命された中山成彬氏が国交相を辞任することになった。一連の暴言が招いた混乱の責任をとる。しかし、中山氏は日教組に関する発言を撤回しておらず、日教組などは「辞任だけでは解決しない」とのコメントを発表している。麻生首相の任命責任が問われることは必至だ。

この問題については、すでに「カナダde日本語」の美爾依さんが、関連記事をまとめて掲載されており、ご高覧賜りたいが、麻生政権の体質を露骨に表わす問題の噴出であるだけに、波紋が広がることは避けられないと思う。

話が横にそれるが、本ブログで私は私が巻き込まれている刑事冤罪事件についての情報も発信してゆきたいと考えている。しかし、日本の政治が歴史的重要局面にさしかかっており、ブログでは、政治問題に焦点を絞って記事を掲載している。刑事事件裁判の重大な事実誤認については、今後、機会を見ながら記事を掲載して参りたい。

こうしたなかで、「植草一秀氏を応援するブログ」様が2004年から、一貫して貴重な情報を提供くださっていることに心から感謝申し上げたい。また、同ブログに、「植草一秀氏の事件」様mojoコメント備忘録」様をはじめとして、多くの心ある方が極めて重要な情報を提供し続けてくださっている。本ブログでは、検索サイトでの情報をもとに、本ブログ紹介記事に対して、謝辞を記述させていただいているが、検索サイトに情報が掲載されないために、日常は当ブログでの言及が少なくなってしまっている。記してお詫びを兼ねて心からの感謝を申し上げたい。

本題に戻るが、中山氏の発言は暴言と言わざるを得ない。小泉元首相の元秘書である飯島勲氏の著書『代議士秘書 永田町、笑っちゃうけどホントの話』に、「敵を欺くにはまず味方を欺く。これ、権謀術数の第一歩と心得よ」(82ページ)との記述が出てくる。

中山氏は麻生政権を打倒するために倒閣勢力が送り込んだ秘密兵器なのか、あるいは、自民党に迷惑な行動に見せかけて、実は総選挙に向けて野党を攻撃するために激しい行動を示しているのか、と思わず勘ぐってしまうような暴言だ。

中山氏の発言を、共同通信配信記事を転載して掲示する。

「国交相、成田反対闘争は「ごね得」 

日本は単一民族発言も」

中山成彬国土交通相は25日、共同通信社など報道各社とのインタビューで、成田空港建設への反対闘争について「ごね得というか、戦後教育が悪かったと思う」と批判。外国人観光客の誘致策に関連しては「日本は随分内向きな、単一民族といいますかね、あんまり世界と(交流が)ないので内向きになりがち」と発言した。

さらに大分県の教員汚職事件にも言及し、日本教職員組合(日教組)と絡め「大分県教委の体たらくなんて日教組(が原因)ですよ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になるのですよ。だから大分県の学力は低いんだよ」と話した。

しかし数時間後の同日夜になり、いずれの発言も「誤解を招く表現であったので撤回します」とのコメントを発表した。成田空港は2010年春に、2500メートルに延伸する2本目の滑走路が供用される予定。供用に向け、国が地元自治体や住民と騒音対策や公共施設整備など地域振興策の話し合いを進める中での新しい所管大臣の発言だけに波紋を広げそうだ。 

2008/9/25 21:53【共同通信】

「ごね得」、「単一民族」、「日教組」の「暴言三兄弟」発言は、当然のことながら、大問題になった。辞任を求める声が自民党内でも強まった9月27日、中山氏は地元の宮崎市で次期衆院選の公認候補を決める自民党宮崎県連の選考委員会に出席した。会合の冒頭で、自民党県連会長は中山国交相の問題発言に対して苦言を呈した。その直後にあいさつに立った中山氏は、改めて暴言を繰り返した。

成田空港などに関する発言を謝罪したが、日教組について「私も言いたいことがある」と切り出し、「日教組を解体したい」「小泉さん流に言えば日教組をぶっ壊せ」と発言をエスカレートさせた。会合を途中退室した後も、記者団に暴言を繰り返した。以下は、時事通信配信記事の転載である。

「大臣にしがみつかない」=日教組は「日本のガン」-中山国交相

中山成彬国土交通相は27日午後、一連の問題発言をめぐり、自らの辞任を求める声が与党内でも出ていることについて「国会審議に影響があれば、(ポストに)きゅうきゅうとしているわけではないが、教育改革、地方の高速道路(の整備)とかをやりたいなという思いがある。しがみつくつもりはないが、(今後の)推移を見守りたい」との考えを示した。宮崎市内で記者団に語った。
 発言に対する野党や世論の反応については「わたしの失言というか、舌足らずというか、言葉狩りに合わないように気を付けんといかん」と述べた。その上で、「日教組が強いところは学力が低い」との発言について「撤回はしない。わたしは日本の教育のガンは日教組だと思っている。ぶっ壊すために火の玉になる」と強調した。 
 自身が支部長を務める自民党宮崎県第一選挙区支部が公共工事の談合で摘発された企業から献金を受けていたことについては「談合にかかわった会社はたくさんあっていちいちチェックしていない。うっかりしていた。返還の手続きに入りたい」と述べた。(了)
2008/09/27 17:51
【時事通信】

「日教組は日本の教育のがん」、「だから大分県の学力は低い」が、文部科学相を経験したこともある現職閣僚が口にする言葉だろうか。大阪府の橋下徹知事が「学力テスト」の結果公表を求め、「くそ教育委員会」と発言した行動と軌を一にしている。中山氏の辞任に伴い、橋下発言がもう一度再検証される必要があるだろう。

各個人がそれぞれに独自の価値観、哲学、政治信条を持つのは自由だ。しかし、日本国憲法の規定に従って行政を司る内閣の閣僚である限り、憲法が定める「基本的人権」を尊重する言動を守ることは、閣僚として最低限の行動規範であるはずだ。

教職員の労働組合は憲法や法律で認められた合法の団体である。日教組の主張や哲学がどれほど中山氏の考え方と異なっていても、その存在や主張は尊重されなければならない。政治権力に迎合しない組織、団体は存在すら認めないのなら、日本は民主主義国家とは言えなくなる。独裁国家になる。

アイヌ民族が日本に古来から在住するなかで、日本を「単一民族国家」と表現することが正しくないことを、中山氏はかつての失言事件で経験済みである。そのなかでの中山発言は、問題を意識しての発言としか考えられない。中山氏の発言は、中山氏が社会のすべての個人がかけがえのない人権を持ち、政府はすべての個人の人権を尊重する責務を負っていることを全否定するものだ。

中山氏は問題が表面化して、辞任が不可避になるなかでも、日教組に関する発言を撤回するどころか、エスカレートさせた。首相が中山発言を問題視するなら、少なくとも問題発言を撤回させ、謝罪することが必要だ。中山氏が発言を正当化している以上、麻生首相の任命責任が厳しく問われることは必定だ。

麻生首相が問題に対してどのような対応を示すかを注目しなければならない。 

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2008年9月27日 (土)

「小泉改革」の評価

小泉元首相が政界を引退することを表明した。麻生政権の発足に合わせての政界引退表明は、小泉氏の影響力がもはや自民党内でも著しく低下したことの表れでもある。

夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡  

(松尾芭蕉『奥の細道』)

國破山河在

城春草木深

國破れて山河在り

城春にして草木深し

(杜甫『春望』)

小泉元首相は国民を煽動(せんどう)し、惹(ひ)きつける弁論術と、多くの国民を魅了する風貌(ふうぼう)を有していたのだと思う。

竹中平蔵氏が関与した郵政民営化推進キャンペーンでは、政府が国民を「IQ」で分類し、「IQの低い層」にターゲットを絞ってPR戦略を実行したことが国会で暴露された。「IQの低い層」は「B層」と命名されていた。

「B層」とは「主婦層&子供」や「シルバー層」を中心とする国民で、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣官僚を支持する層」と説明されていた。

国民に政策を丁寧に説明して、納得してもらい、応援してもらうのではなく、支持を仰ぐ有権者を「上からの目線」で「B層」と蔑視(べっし)したうえで、「ムード」や「イメージ」で誘導、洗脳して、高い「政権支持率」を創出し、提案した政策を実行した。これが「小泉改革」の基本手法だった。

「小泉改革」によって、日本には荒廃した寒々しい風景が広がった。「美しい田園風景」は破壊し尽くされたと言ってもよい。相互に信頼し、尊重し合って、「ともに生きる」温かな空気が消滅した。多くの国民が不幸な生活を強いられるようになった。

「高齢期=人生の秋」は、「黄金色(こがねいろ)」に輝く、人生の収穫期だ。永年の苦労を偲(しの)び、喜びに満ち溢れた時間を味わう、最も大切な時期である。日本の発展に尽力した高齢者が、人間としての尊厳を傷つけられ、肩身の狭い思いをして生きなければならない空気が醸成(じょうせい)された。

小泉元首相が、日本社会を荒涼とした風景に変えた主体であるが、小泉元首相の暴走を制止せず、逆に助長したのがメディアだった。「世論」が政治を動かす「テレポリティクス」の時代は、メディアが「第一の権力」とも呼ばれる。「小泉政治」は、政治が「メディア」を支配し、「メディア」が情報、世論を操作して、独裁的な政治運営を支えたことによって、初めて成り立った。

小泉元首相の政界引退の機会に、「小泉改革」を正確に再整理し、今後の政治の方向を考える題材として活用しなければならないと思う。

私は小泉政権が発足する1年ほど前に、日本経済新聞社の杉田亮毅専務(現会長)のセッティングで、小泉氏、中川秀直氏に対して、1時間半のレクチャーをしたことがあった。小泉氏は私の説明を十分に聞こうとしなかった。私は小泉氏の主張を認識したうえで、どこに問題があるのかを詳しく説明しようとした。しかし、目的は十分に達成されなかった。

  

「小泉改革」を私は次の三つで理解することができると考える。

第一は、財政収支改善を重視し、「緊縮財政」を政策運営の基本に据えたことだ。

第二は、財政再建をもたらす基本手法である「歳出削減」の中心に「セーフティーネット」の廃絶を置いたことだ。

第三は、「官から民へ」の掛け声の下に、いくつかの「民営化」を強硬に実施したことだ。

メディアは「改革」の言葉だけを連呼し、多くの国民は「内容はよく考えもしないが」、「何となく「改革」とは良いものだ」といった感想を持つようになった。「B層」にターゲットを絞った「イメージ戦略」が成功したのだと言える。

私は、上記の「改革」政策は正しくないと主張してきたが、小泉政権5年半の実績からみても、この判断は間違っていないと考える。

私は中長期の視点での「財政収支改善」は達成すべき課題であると考える。私は「財政収支改善政策」に反対したことはない。問題は「不況の局面での行き過ぎた緊縮財政」が「財政収支改善」をもたらさないことにある。私は1997年度の橋本政権の大増税政策が「不動産金融不況を招いて、財政収支改善をもたらさない」と強く警告した。

2001年度、2002年度には、小泉政権の行き過ぎた緊縮財政が、橋本政権の二の舞を招くことを警告した。現実に、小泉政権は2001年度と2002年度の政策運営に大失敗した。

最大の問題は、2001年から2003年にかけての戦後最悪の不況により、多数の国民が地獄の苦しみに直面したことだ。政策運営を誤らなければ、これらの人々が地獄の苦しみに直面することを回避できたはずだ。目先の財政収支改善を追求して国民を不幸にすることは本末転倒だ。しかも、目先の財政収支改善政策が景気のスパイラル的な悪化をもたらすために、減らすはずの財政赤字までが拡大したのだ。

第二の問題は、「歳出削減」の中心に「セーフティーネット破壊」が置かれたことだ。「格差拡大=弱肉強食奨励=市場万能主義」の問題は、この政策から発生した。「障害者自立支援法」、「後期高齢者医療制度」、「生活保護圧縮」、「社会保険料率引き上げ」、「所得税増税」、「医療機関窓口負担増大」など、一般国民に対する社会保障給付が切り込まれる一方で、社会保障負担は激増した。

また、「市場原理主義」に基づく「労働行政の規制緩和」が「非正規雇用者」と「働く貧困層」の激増をもたらした。

小泉政権は、一般国民に対する「セーフティーネット」の本格的破壊に全力をあげて取り組んだが、「官僚の天下り利権」には、まったく取り組まなかった。財政収支改善のための「歳出削減」が必要であることに、国民の多数は理解を示す。しかし、「官僚利権を温存したままでのセーフティーネット破壊」は、政策の順序として間違っている。

第三の「民営化」について、小泉元首相は「民でできることは民に」のスローガンを掲げた。このスローガンは間違っていないと思う。問題は、具体的に何がターゲットとされたのかだ。「小泉改革」が対象にしたのは、「日本道路公団」、「住宅金融公庫」、「郵政三事業」だった。

この三つの「民営化」には、すべて裏があった。「裏」とは、特定の利害関係者に利益、利権をもたらす「民営化」だったということだ。かけがえのない「道路資産」が将来、特定の「資本」の所有物になる。「郵政三事業民営化」では、郵貯、簡保の350兆円の国民資金を収奪しようとする外国勢力、銀行界が存在した。さらに外国資本は郵政会社が保有する「莫大な一等地不動産」に狙いをつけている。「郵政会社」は「莫大な一等地不動産」の再開発事業を今後本格化させる。この動向から目を離せない。

「住宅金融公庫」廃止は「銀行界」の悲願だった。旨味のある「住宅ローンビジネス」は「民間銀行」が「公庫」から完全に収奪した。

「特別会計」、「特殊法人」、「独立行政法人」を廃止して、「天下り」を根絶するなら、「官から民へ」のスローガンにふさわしい「正しい政策」だ。しかし、小泉政権が実行した「三つの民営化」は、すべて「特定の勢力に対する利権提供」の政策だった。

麻生政権が「改革」路線からの決別を示していると言われるが、これまで述べた「三つの政策」のなかの、1番目の政策を転換しただけにすぎない。「セーフティーネット破壊」=「市場原理主義」=「弱肉強食奨励」=「格差拡大」の政策路線を抜本的に修正する方針は示されていない。

また、「特定の勢力に対する利権提供」を本質とする、「三つの民営化」についても、政策修正の方針は示されていない。

「小泉改革」の内容は上述の「三つの政策」で整理することができるが、小泉政権のもうひとつの重要な政策方針は「日本国民の利益ではなく、外国勢力の利益を優先した」ことだった。2001年から2003年にかけて、小泉政権は強力な「景気悪化推進政策」を実行した。このなかで、2002年9月に金融相を兼務した竹中平蔵氏は、「大銀行破たんも辞さず」の方針を明言した。

日本の資産価格が暴落したのは極めて順当だった。問題は、「大銀行破たんも辞さず」の方針が、最終局面で放棄されたことだ。小泉政権は「りそな銀行」を2兆円の公的資金投入により「救済」したのだ。小泉政権は金融行政における「自己責任原則」を完全に放棄した。

詳細を拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に記述したので、是非一読賜りたいが、国家規模での犯罪的行為が実行された疑いが濃厚なのだ。小泉政権は「対日直接投資倍増計画」を国際公約として、外国資本による日本資産取得を全面支援した。

2002年10月から2004年3月までの1年半に、47兆円もの国費が米国勢力に提供された。47兆円の国費投入は、その後の米ドル下落により、巨額の損失を国家に与えている。「売国政策」と言わざるを得ない行動が2002年から2004年にかけて展開された。

「小泉改革の内容」、「売国政策」について述べたが、見落とせない、もうひとつの「罪」は、「権力の濫用」である。議院内閣制の下での「内閣総理大臣」は、憲法に規定された権能を最大に行使すると、「三権を掌握する独裁者」になり得る職位である。行政の許認可権限を活用すれば「メディア」を支配できる。

「反対意見」を無視する国会運営も不可能ではない。警察、検察を支配することも不可能ではなく、裁判所人事を通じて裁判所にも影響力を行使し得る。小泉元首相は内閣総理大臣の権能を文字通り「濫用」した日本で最初の総理大臣であったと思う。また、自民党総裁は本来、民主主義政党の「代表」に過ぎない。党内民主主義を重視するなら、代表は党内の多様な意見を尊重する責任を負う。

郵政民営化選挙では郵政民営化に反対する自民党議員を党から追放し、刺客を差し向けた。メディアは複数候補による代表選を実施しなかったことで、民主党の小沢一郎代表を「独裁的」と悪意に満ちた的外れの批判を展開した。そのメディアは2005年9月の郵政民営化選挙の際、小泉元首相を批判しただろうか。

小泉元首相の政界引退は、ひとつの「特異な時代」の終りを意味する。しかし、「小泉改革」によって、日本社会の風景が、殺伐とした荒れ果てた風景に変わってしまった状況は不変だ。麻生政権の誕生により、財政政策運営の手法は変化するが、それ以外の「小泉改革」の遺物は現在も温存されている。

「セーフティーネットの破壊」、「官僚利権の温存」、「利権提供の国有財産民営化」、「米国隷属の外交」、「メディアの政治支配」、「警察・司法の政治支配」の構造は現在も存続している。「政権交代」を問う「総選挙」では、これらの「仕組み」を維持するのか、廃絶して「国民の幸福を追求する政府」を樹立するのかが問われるのだと思う。

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2008年9月26日 (金)

「話し合い解散」受諾が最低限の良識

民主、社民、国民新党の野党3党は、9月25日の与野党国会対策委員長会談で、2008年度補正予算案について衆参各2日間の審議で採決に応じる代わりに、速やかに衆院解散・総選挙を実施するよう与党側に正式に申し入れた

麻生首相は衆議院の解散総選挙に先立つ補正予算の早期成立を求めており、野党は与党の主張を受け入れた。野党は補正予算の決議を先延ばししないことを確約しており、自民党は野党が提示した「話し合い解散」を拒絶する大義名分を失った。

麻生首相は、福田政権下での国会論議の紛糾の原因が、与党提案に反対する野党の行動にあると主張しているが、与党と野党は選挙に際して、異なる主張、政策公約を掲げており、国会論戦のなかで、野党の主張が与党の主張と一致しないのは当然だ。

野党は与党が提案する補正予算案に反対すると予想されるが、予算案決議については日本国憲法が衆議院の優越を定めており、参議院が政府予算案を否決しても、衆議院の議決により、補正予算は成立する。野党は不況下での国民生活に配慮し、補正予算の成立を実質的に認める一方、衆参両院の予算委員会での必要最小限の審議を求める提案を示したのであり、与党がこの建設的な野党提案を拒絶するには、正当な説得力のある説明が必要になる。

そもそも国政が混乱している最大の理由は、福田首相が突然、無責任極まりなく政権を放り出したことにある。1年前の安倍首相と合わせ、1年間に2度も首相が職場放棄する失態が演じられ、その結果、政治に巨大な空白が生まれた。自民党は、「政権放り出し」の不祥事に伴う自民党総裁選を、衆議院選挙の事前運動に転用する言語道断の行動を示し、自民党総裁選早期実施の環境を作り出してきた。

安倍、福田、麻生の三代の政権は総選挙による国民の審判を仰いでいないから、早期に総選挙を実施し、国民の信を問うべきことは当然だ。これらの事情を踏まえれば、野党の建設的な提案を受け入れて、自公政権は「話し合い解散」の提案を受諾することを早急に明らかにすべきである。

総選挙の争点は、

①経済政策運営の基本理念

②官僚主権構造の是非

③対米隷属外交の是非

の三点になる。

 麻生政権は「景気回復を目的とする財政政策発動」を主張しているが、民主党が提示している施策は「景気回復政策」を兼ねている。「景気回復政策の是非」は総選挙での争点にはならない。

 問われるのは、どのような政策理念、国家観、哲学の下に経済政策を運営するのかだ。具体的な政策提案は、明確なビジョン、理念の下に示される必要がある。小泉政権以来の自公政権は「市場万能主義=弱肉強食奨励=格差拡大=セーフティーネット破壊」の「新自由主義」を基軸に据えて、経済政策を推進した。

 その結果、日本社会は中国、ロシア、米国に次ぐ世界第4位の「格差大国」になり、労働者の3人に1人が非正規雇用労働者に転落させられた。年間所得が200万円に達しない「働く貧困層」は、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2005年には、民間給与所得者4494万の37.6%にあたる1692万人に達している。

 大資本、外国資本を優遇し、一般国民を地獄に追い込んできた「政官業外電=利権互助会の利益を追求する政治」の是非が、次期総選挙で問われる。選挙を目前に控えて、麻生政権は「中小企業向け融資の拡充」、「中低所得者層を対象とする定額減税」を提案するが、政策運営の基本理念が転換されるわけではない。

 民主党の小沢一郎代表が政権公約のなかで明示した、

①年金制度一元化、

②基礎(最低保障)年金部分の全額税財源化

③後期高齢者医療制度の廃止、

④医療保険制度の一元化

⑤子供1人当たり月額2.6万円の「子供手当て」

⑥公立高校の授業料無料化、大学奨学金制度拡充

⑦農業者への「個別所得補償制度」

⑧高速道路無料化

⑨ガソリン、軽油の暫定税率廃止

の各施策はすべて、「制度変更を伴う支出」=「プログラム支出」の拡充であり、透明で、公正な「セーフティーネット強化」策である。

 財務省が推進してきた「歳出削減」では、①公共事業、②社会保障給付、③地方交付金、の三つが「歳出削減御三家」として、「歳出削減」のターゲットとされてきた。財務省や政治家の「権力の源泉」は「予算配分権」にある。「裁量的な支出」が「権力の源泉」になる。財務省は、「セーフティーネット支出」=「プログラム支出」を徹底的に削減し、「裁量的な支出」のウェイトを引き上げることに注力してきた。

 麻生政権が「景気回復ための財政政策出動」を検討する場合、その中心が「裁量支出」になることは明白だ。国民生活を安定させ、一般国民の生活の安心を生み出す「セーフティーネット強化」には、まったく関心が示されないと思われる。

 「プログラム支出」VS「裁量支出」が、財政政策の基本理念を判定する、もっとも分かりやすい基準になる。「国民生活の安定を目的とする財政支出」と「政治家や財務省の利権拡大を目的とする財政支出」とは「似て非なるもの」なのだ。

 総選挙のより重要な争点は、「官僚主権構造」を温存するのか、廃絶するのかの対立だ。「特権官僚」の利権を温存するのか、根絶するのかの相違は、「天下り制度」に対する取り組みによって、誰の目にも明らかになる。

 民主党は「天下りの全面禁止」を明確に政権公約に盛り込んだ。自公政権は「人材センタ-」創設などの「小手先の目くらまし政策」を掲げても、「天下り根絶」を絶対に示せない。自公政権そのものが「官僚機構が政策決定の支配権を握る政治体制」であり、自公政権に「天下り」を根絶する考えは存在しない。

 小泉政権の5年半に、官僚機構の中軸に位置する「財務省」の権益は格段に強まった。小泉元首相が代表的な「大蔵族・財務族議員」であり、小泉元首相が財務省利権を徹底的に擁護したからだ。

 麻生首相は小泉政権以来の「財務省利権擁護」のスタンスを完全に継承していると見られる。麻生政権では、中川昭一財務相が金融相を兼務することになったが、財務省と金融庁の再統合は、財務省の悲願である。日銀総裁人事に如実に示されたように、自公政権は財務省が実権を握る、「官僚主権構造」に手も足も出せないのだ。

 福田政権の政権末期の9月22日、10月1日に発足する「株式会社日本政策金融公庫」の創立総会が開かれ、初代副総裁に元財務省事務次官の細川興一氏と元財務省財務官の渡辺博史氏を選出した。22名の経営陣のうち11名が中央官庁出身者で占められた。

 日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫の3機関が財務省の「天下り御三家」である。「官僚利権排除」、「無駄ゼロ政策」などと言いながら、天下り利権の中核である、「財務省天下り利権」は完全擁護されている。麻生首相が「天下り根絶」について、前向きの考えをわずかでも保持しているなら、まず、「日本政策金融公庫」の経営者人事を差し替えるべきだ。

 一般国民には、「年金記録消失」、「年金記録改ざん」、「障害者自立支援法」、「後期高齢者医療制度」、「年金保険料率引き上げ」、「医療保険料率引き上げ」、「医療窓口本人負担増加」、「非正規雇用者激増」、「働く貧困層激増」、「生活保護削減」、「消費税増税方針」などの施策で、「地獄の苦しみ」を与えておきながら、「特権官僚の天下り利権」には、まったく手を入れようとしないのが、自公政権の現実なのだ。

 政治を「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の手から、国民の手に取り戻さなければ、いつまでたっても国民に幸福は訪れない。「国民を苦しめ、特定の利権集団だけが甘い汁を吸う現在の日本の政治状況」を打破するには、「政権交代」がどうしても必要だ。「政権交代」実現により、「官僚主権構造」を「国民主権構造」に転換することが、総選挙の最大の目標である。

 麻生新首相が日本国民ではなく、米国に忠誠を示していることは、これまでの発言、歴史的系譜から明らかだ。アジア諸国に対する挑発的な言動も、恒久平和を希求する日本国民の要請と相容れない。日本は米国の隷属国ではない。経済政策運営においても、日本国民の幸福を追求する視点から、米国に対して日本の主張を明示しなければならない。

 民主党と国民新党が「郵政民営化見直し」方針で合意した。「郵政民営化」の延長上に、外国資本による日本国民の優良資産収奪の謀略が隠されていることは明白だ。両党が合意を成立させたことは正当であり、政権交代を実現させて、悪事の進行を凍結しなければならない。

 総選挙で国民が誤りなく「政権選択」を示すことができるには、総選挙の争点が明らかにされることが不可欠である。次期総選挙では、上述した

①「弱肉強食奨励」VS「セーフティーネット重視」

②「官僚利権温存」VS「官僚利権根絶」

③「対米隷属外交」VS「独立自尊外交」

の3点が基本争点になることを明確にすることが求められる。

 また、臨時国会での論戦においては、「後期高齢者医療制度」、「猛毒米流通事件」、「年期記録改ざん問題」について、限られた時間ではあるが、徹底的な論議が求められる。自民党は自民党が輩出した総理大臣が2代続けて、無責任極まりない「政権放り出し」を演じ、大きな政治空白を生み出し、国民に多大の迷惑をかけたことを厳粛に受け止めなければならない。せめてもの償いとして、野党の建設的な「話し合い解散」提案を素直に受け入れるべきだ。この期に及んでの傍若無人の身勝手な振る舞いは許されないことを認識するべきだ。

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2008年9月24日 (水)

「選挙の時だけ国民目線」政策に要注意

9月24日に召集された臨時国会で参議院本会議は内閣総理大臣の指名選挙を行い、民主党の小沢一郎代表を内閣総理大臣に指名した。一方、衆議院は自民党の麻生太郎氏を内閣総理大臣に指名した。その後、両院協議会が開催されたが意見が一致せず、日本国憲法題67条第2項の規定に従い、麻生太郎氏を内閣総理大臣に指名することが国会の議決とされた。

麻生首相は直ちに内閣を組織し、麻生内閣は9月24日に発足した。麻生氏は自公政権が1年間に2度、政権を無責任に放り出したことに伴い自民党総裁に選出され、首相に就任したが、衆議院選挙によって国民の審判を受けるべきとの世論が高まっており、早期に衆議院の解散総選挙を実施すると見られる。選挙管理内閣の性格を持つ政権が発足した。

kobaちゃんの徒然なるままに」様「飄(つむじ風)」様「こわれたおもちゃをだきあげて」様Japonesian Trans-ApocalypseTrans-Modern New Platonic Trans-Creation, or philosopractical chaosmos」様「へびのように賢く、はとのように素直であれ」様「目からウロコの、ホンモノ探し」様「気がついたことを、感情の任せるままに」様「_~山のあなたの空遠く幸い住むと人のいう~」様「こづかい帳」様、いつもご支援のお言葉を賜り、ありがとうございます。有益なブログ記事をいつもありがたく拝読させていただいております。これからもよろしくお願いいたします。

かつての衆議院選挙で麻生太郎氏は支援者を前に「下々の皆さん」と呼び掛けたそうだが、記者会見で発言するときに、なぜ、もっと柔和に丁寧に話すことができないのだろうか。会見を聞いているだけで不快指数が上昇するのは私だけではないと思う。

「国民の幸福」よりも「自民党が民主党に負けないこと」を優先する本音が節々に表れてしまうのだろう。補正予算審議について、民主党が補正予算成立と解散総選挙を話し合いで決める「話し合い解散」の建設的な提案を示しているのに、「民主党に何度も裏切られてきた」ことだけをカメラの前で強調する「たたずまい」は、首相にふさわしくない。「民主党が裏切った」のではない。自民党が参議院で野党に多数を与えた有権者の意向を無視したために、国会運営が停滞したのだ。

政治は国民のために存在する。自民党のためでも民主党のためでもない。政治家は自らの信念と哲学に従い、正々堂々と自らの主張を述べ、反対意見に謙虚に耳を傾けるべきだ。「建設的な論争」が必要なのであって、敵対勢力を口汚くののしる姿勢で敵対勢力と対峙しても、論争による大きな果実を得ることはできない。麻生氏は「政治家としての品格」を欠いていると感じられる。

発足した麻生内閣では、麻生氏と親しい中川昭一氏が財務相、金融相を兼務した。中川氏も財政出動を主張しており、麻生政権は「財政バラマキ」で有権者の支持を取り付けようとしている。札束で頬をなでて、票を集めようとしているように感じられる。

米国の金融不安が拡大し、日本経済の悪化が進行しているから、多くの国民が「景気を良くして欲しい」と考えている。「景気回復を最優先する」政策方針を適正だと考える有権者は多いと思う。

しかし、早晩実施される総選挙において「景気対策」が「目くらまし」効果を発揮することに、十分な警戒が求められる。有権者は目先の「札束」だけに目を奪われてはならない。

小泉政権が発足してから7年半の時間が経過した。麻生氏は小泉政権の最高幹部の一人だった。小泉政権が実行した政策によって日本社会は、ぼろぼろに崩壊した。民主党の小沢代表が指摘するように、日本は中国、ロシア、米国に次いで、世界で第4位の「格差大国」になった。

国民は「悪政」に苦しんでいる。この「苦しみ」の原因をよく考えなければならない。「不況」によって景気が悪いのは「循環的」な原因による。景気は良くなったり、悪くなったりする。もちろん、不景気の時には景気を良くするための政策が必要だ。しかし、麻生氏が主張する景気対策を打って、国民の生活が本当に良くなるのかをよく考えなければならない。

少し前、昨年の年末まで日本経済は景気回復を続けてきたと言われている。景気回復の期間は戦後最長で、「いざなぎ景気」を超えたと言われた。しかし、国民に「景気回復」の実感はあるだろうか。ほとんどの国民に景気回復の実感は無い。実感の無い景気回復だから「感無景気」(住友生命創作四字熟語入選作)と命名するのが適切だ。「感無」は「桓武天皇」にかけている。これまでの景気回復にはない、一般国民に景気回復の実感がまるでない「景気回復」なのだ。

9月12日付記事「意味不明の「心の通った改革路線」」に記述したように、2002年から2007年までの「景気回復」で、一般国民の懐はまったく温かくなっていない。1998年度から2006年度にかけて、

法人企業統計における法人企業経常利益は21.2兆円から54.4兆円へ156.6%増加したが、

雇用者報酬は274.1兆円から263.0兆円へ4.0%減少した。

景気回復の時期においても、一般の国民の生活はまったく改善しなかった。史上空前の利益に沸き返ったのは、一握りの大企業だけだった。

一般国民の「苦しみ」の原因を考えなければならない。「苦しみ」の原因は小泉政権以来の自公政権が推進した経済政策にある。総選挙では、この点を踏まえて「政権を選択」しなければならない。

「苦しみ」の原因は、「市場万能主義=弱肉強食奨励=格差拡大=大企業優遇=セーフティーネット破壊」の経済政策にある。労働行政の大転換が、「非正規雇用労働者」や「働く貧困層」を激増させる原因になった。「障害者自立支援法」、「後期高齢者医療制度」など、障害者や高齢者をいじめる、冷酷な制度が強行採決で導入されてきた。国民の老後の生活の生命線である年金の記録が杜撰(ずさん)に取り扱われてきたのに、政府は問題を長く放置した。年金記録が改ざんされた問題にも適切に対応していない。「猛毒米」が学校給食や高齢者施設で食事として提供された根本の責任は政府にある。

国民の「苦しみ」は「循環的」な「不況」によって生じているのではなく、小泉政権以来の自公政権が実行した「市場万能主義=弱肉強食奨励=格差拡大=大企業優遇=セーフティーネット破壊」の経済政策によってもたらされているのだ。したがって、いま求められているのは「単なる景気対策」ではなく、「世の中の仕組み」、「政治の仕組み」、「経済運営の考え方」の「転換」=「刷新」である。

9月21日の民主党臨時党大会で、小沢一郎代表が無投票で代表に三選された。小沢代表は民主党の政権構想を明確に示す「所信表明演説」を行った。

「カナダde日本語」の美爾依さんが小沢代表の演説、民主党と麻生氏の政策の比較などを分かりやすく解説してくださっている。また、「生き抜く力」様「晴天とら日和」様も貴重な情報を提供してくださっている。

日本経済が不況に陥り、景気回復の政策が求められていることは確かだ。問題は、どのような政策対応を示すのかだ。小沢代表が示した民主党の政策と麻生太郎氏が提示した政権公約とを比較してみよう。

まず、民主党の小沢代表が示した9項目からなる「新しい政権の基本政策案」の骨子(一部抜粋)を示す。

1.国民が安定した生活を送れる仕組み

 
・「消えた年金記録」問題の解決

・年金制度一元化、基礎(最低保障)年金部分全額税財源化

・後期高齢者医療制度の廃止、医療保険制度の一元化

2.安心して子育てと教育ができる仕組み

 
・子供1人当たり月額2万6千円の「子供手当て」支給 

・公立高校の授業料無料化、大学などの奨学金制度拡充

3.まじめに働く人が報われる雇用の仕組み

4.農業社会を守り再生させる仕組み

・農業者への「個別所得補償制度」創設

5.国民の生活コストを安くする仕組み

 
・全国の高速道路無料化

・ガソリン、軽油の暫定税率廃止

6.税金を役人から国民の手に取り戻す仕組み

・特殊法人、独立行政法人、特別会計の原則廃止

・役人の天下り全面的禁止、税金無駄遣い根絶

7.地域のことは地域で決める仕組み

  
・国の行政は国家の根幹に係わる分野に限定

・国の補助金廃止、地方自主財源一括交付

8.国民自身が政治を行う仕組み

・与党議員100人以上、副大臣・政務官などで政府に配置

9.日本が地球のためにがんばる仕組み

 
・強固で対等な日米関係、アジア諸国と信頼関係の構築

  

一方、麻生氏が示した「日本の底力─強くて明るい日本を作る」と題する基本政策の骨子(一部抜粋)は以下の通りだ。

 
基本政策

1.経済政策

 
・政策減税・規制改革による日本の潜在力を活かす成長政策

・財政再建路線を守りつつ、弾力的に対応

・歳出の徹底削減と景気回復を経て、未来を準備する税制整備。

2.社会保障

 
・安定的な年金財源確保のための国民的議論

3.教育改革

・教員が一人ひとりの子供と向き合う環境整備

4.地域再生

 
・守るだけの農業から外で戦う農業に転換

・食料自給率引き上げ、日本の優れた農産品輸出

5.外交

・日米同盟を強化、アジアの安定

・拉致問題の解決

6.持続可能な環境

・成長と両立する低炭素社会

政治改革:

1.徹底的な行政改革、国の出先機関の地方自治体に移管

2.地方分権推進、道州制を目指す

3.与野党間協議を一層促進、国会審議を効率化

4.自民党が内閣を支える機能強化

麻生氏は、民主党の政策の財源が明確でないと批判するが、小沢代表は「一般会計と特別会計の純支出合計212兆円」の約一割にあたる22兆円を段階的に主要政策の実行財源に組み替えてゆくことを表明した。

「天下り」機関への政府資金投入だけでも年間12.6兆円に達しており、「政府の無駄」を抜本的に排除することによって、財源を捻出することは不可能でないと考えられる。「国民の生活が第一」と訴える民主党の主張が、具体的かつ明確に示されている。

民主党が示す施策は、「子育て支援」、「年金一元化」、「医療保険制度支援」、「高速道路無料化」、「教育費助成」、「雇用者支援」など、透明で、公正な「セーフティーネット強化」策である。

「景気回復」を目的とする財政支出政策を、「国民の生活を第一に考える」、「制度変更を伴う支出」=「プログラム支出」の拡充に充てることが求められる。民主党の政策は、この考え方を実行に移すものである。

これまでの財政政策発動の問題は、「財政政策」が「バラマキ政策」に堕してしまうことだった。麻生氏は「景気回復」、「財政出動」を訴えるが、具体的な方法を明確に示していない。経済政策の基本理念を変えずに、単なる「バラマキ財政」を実行しても、一般国民の生活は改善されない。「いざなぎ景気」を期間で超えた「感無景気」での、一般国民の生活の「苦しみ」持続が、このことを証明している。

これまでの自公政権は、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求してきた。メディアが総力をあげて自公政権を支援するのは、「メディア」も「政官業外電の利権互助会」=「悪徳のペンタゴン」に組み込まれているからだ。「利権互助会のための政治」を実行してきた与党が、「選挙の時だけ国民目線」の政策を「付け焼き刃」で陳礼しても、すぐに底が割れてしまう。

「景気対策」の言葉は、「景気対策」の恩恵が広く国民に行き渡るかのような錯覚を生み出しやすいが、「世の中の仕組み」、「政治の仕組み」、「経済運営の考え方」を根本から変えない限り、国民生活の「苦しみ」は消えない。

新たに発足した麻生政権は「官僚機構」が支配する政治の仕組みを強化する側面を併せ持っており、この問題については、改めて記述する。総選挙では、まったく異なる「政治の仕組み」、「経済政策の考え方」を提示する政治勢力が、与党と野党に分かれて激突する。国民はどちらの考え方が政権を担う政治勢力として望ましいかを熟慮して、「政権選択の総選挙」に臨まなければならない。

自民党は現在の政権与党として、低次元の誹謗(ひぼう)中傷中心の選挙戦術を卒業し、自らの政治理念、政権構想、政策構想を堂々と開陳して総選挙に臨むべきだ。主役である有権者が熟慮して「政権を選択」するための情報を提供することが、政権を目指す政党の責務である。

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2008年9月23日 (火)

首相の資質を問われる麻生太郎氏

福田首相が9月1日に突然、「政権を放り出した」ことに伴い実施された自民党総裁選で、総裁に選出された麻生太郎氏は9月24日に召集される臨時国会で第92代内閣総理大臣に指名される見通しだ。麻生氏は9月22日の自民党大会で挨拶に立ったが、9月22日が祖父吉田茂元首相の誕生日であることと、民主党との対決への意欲を表明しただけで、具体的な政策の方針に触れなかった。

1年間に2度も政権を無責任に放り出した自民党に対する国民の目は厳しい。有権者の信を問わずに政権がたらい回しされており、早期の解散総選挙が求められている。麻生政権の第一の課題は解散総選挙実施である。

2001年に発足した小泉政権は、「改革」の名の下に日本社会を根幹から破壊する政策を推進した。

①「市場万能主義=弱肉強食=格差拡大=セーフティーネット破壊」政策を推進する一方で、

②「特権官僚の天下り利権」を死守し、

③「対米隷属=日本売国」の外交政策、

を推進した。麻生政権が誕生しても、この基本路線は維持される。

麻生氏は2001年の小泉政権発足に際して、自民党政調会長に起用され、自民党における政策立案最高責任者として、小泉政権の政策運営を指揮した。その後も、総務相、外務相として小泉内閣、安倍内閣の主要閣僚の地位を維持し続けた。

2007年には安倍政権の下で自民党幹事長、2008年には福田政権の下で自民党幹事長を歴任した。2代続けて時の政権が「政権を放り出した」際の自民党幹事長であり、自民党最高幹部として、「政権放り出し」の連帯責任を負う立場にあった。

日本経済が不況に突入し、米国では金融不安が燎原の火のごとくに広がり、他方、国内では行政の管理不行き届きによって猛毒米が食品として流通する大事件が表面化している。自民党は、国政に一刻の遅滞も許されないこの時期に、「三文芝居」の「出来レース」総裁選を、丸々3週間の政治空白を生みながら、「祭り騒ぎ」に仕立てて実施した。麻生新総裁はまず、国民への「謝罪」を表明するべきだったのではないか。

麻生氏は「安倍氏は病気だった」、「福田氏の場合は民主党の「何でも反対」姿勢に問題があった」と発言し、安倍首相と福田首相の「政権放り出し」を正当化するかのような発言を繰り返しているが、政権与党としての無責任を認め、国民に謝罪する考えがないのか、スタンスを明確にする必要がある。農水省の白須事務次官は「農水省に責任があると考えていない」と発言し、更迭された。麻生氏が歴代政権の責任を否定するなら、麻生氏の進退問題に発展してもやむを得ない。

麻生氏の言動、政策スタンスについて、三つの問題点を提示する。一国の首相としての資質に関わる重要事案だ。国会でも十分な検討が求められる。

第一は政策主張の一貫性だ。麻生氏は小泉政権の発足から2003年9月まで、自民党政務調査会長の要職にあった。政調会長は政策立案についての自民党最高責任者だ。小泉政権の経済政策の最高責任者だった。小泉政権は「景気よりも目先の財政収支改善を優先」した。今回の総裁選での麻生氏の主張とは正反対の政策が実行された。

小泉政権の近視眼的「財政収支均衡優先」政策失敗した。2001年度も2002年度も、5兆円の追加財源確保を含む「大型補正予算編成」に追い込まれた。テレビ司会者がしばしば、「小泉政権は財政出動に頼らずに景気回復を実現した」と発言するが、完全な事実誤認だ。小泉政権は激しい経済悪化に直面して、2年連続の大型補正予算編成に追い込まれている。

麻生氏は後述する1997年度の橋本政権の政策失敗を引き合いに出すが、2001年から2003年にも、まったく同じ失敗を繰り返している。その時の政策最高責任者が麻生氏自身である。「目先の財政収支改善よりも景気回復を優先すべき」ことを、麻生氏が「政策信条」とするなら、なぜ、小泉政権下で、政策最高責任者としてその主張を示さなかったのか。

2003年にかけて、日本経済はまったく意味のない大不況に引きずり込まれた。戦後最悪の「失業」、「倒産」、「経済苦自殺」が日本列島を覆った。「国民目線」でものを考え、「目先の財政収支改善よりも景気回復を優先すべき」との持論を持つなら、この局面で主張を貫けなければ意味がない。

「政治信条」、「国民生活」よりも「ポスト維持」が優先されたのだろう。「国民生活」よりも「政治家としてのキャリア実現」を優先することが「政治信条」なのだろう。また、「目先の財政収支改善よりも景気回復実現を優先すべき」ことを主張するなら、2001年、2002年の自分自身の失敗事例を掲げるべきだ。

第二は、後期高齢者医療制度についての発言、および年金記録改ざん問題についての発言迷走だ。舛添厚労相は福田内閣の閣僚だ。福田首相に何の相談もなく、また、政権与党の公明党にも一切説明せずに、次期総裁に選出されることが確実な麻生氏と会談し、後期高齢者医療制度の抜本見直し方針をテレビで発言した。巨大な血税を投入して導入を強行した制度の最高責任者としてあるまじき対応だが、政策の内容以前に、舛添氏の行動様式の是非について、麻生氏は判断を示すべきだ。

舛添氏は麻生太郎氏が2007年7月19日に富山県高岡市での講演で、中国と日本のコメの価格について、「78,000円と16,000円はどっちが高いか。アルツハイマーの人でも分かる」などと発言したことに対して、激しく麻生氏を非難した。昨年の参議院選挙のさなかでの出来事だ。

舛添氏は7月22日の大阪での自民党候補者の演説会で麻生氏とすれ違いになり、「来るなと散々言っているのに、来やがって。ふざけるんじゃないよ。バカなことを言うようなバカ大臣とは一緒に(選挙戦は)やれないよ」などと発言した。「バカなことを言うようなバカ大臣」というのが、舛添氏の麻生氏に対する評価である。

その舛添厚労相が、福田政権が終焉を迎えると、福田政権の閣僚でありながら、すかさず麻生氏に媚(こび)を売る。媚(こび)を売られた麻生氏は、舛添氏が現職の首相をないがしろにするスタンドプレーを演じているにもかかわらず、新内閣で舛添氏を厚労相として続投させる可能性が高いと伝えられている。

他方、福田首相は「ぶらさがり記者会見」で、猛毒米流通事件について質問を受けると、質問した記者に「じゃあどうすればいいの。あなたはどうしたらいいと思うの。」と詰め寄り、記者から「行政府を監督するのは首相ではないか」と切り返されると、首相は「末端まで全部?大変だな、総理大臣も」と逆切れして、得意の「他人事」発言を繰り返した。

また、麻生氏は年金記録が厚労省の指導によって改ざんされた、いわゆる「消された年金」問題について、「これは個人の犯罪だ」と断言した。しかし、舛添厚労相は「組織的関与はあったであろうと思う。限りなく黒に近いと思う」と発言した。民主党が年金改ざん問題について当事者からヒアリングをしたのは、本年4月だ。野党の追及に対して社保庁は9月9日になって、「年金改ざんが確認されたのは1件」との調査結果を発表した。

ところが、9月17日には「改ざんが6万9000件に達する」ことが公表され、さらに、19日には「6万9000件は一部である」ことが明らかにされた。

麻生太郎氏は9月22日の総裁就任記者会見で、「年金改ざん」は「個人の犯罪」と断言したが、この発言に誤りはないのか。舛添厚労相がすでに「組織的関与」を認めているのだ。

麻生政権は政権発足前から、ほとんど末期的な様相を呈しているが、内閣は国民に責任を負う日本で最重要の組織だ。組織の長が内閣総理大臣で、最終的に全責任を負う。行政機構の末端の不祥事も最終的には組織の長である内閣総理大臣が責任を負うのだ。福田首相はこのことを認識していなかったようだが、「いろはのい」に属することだ。

内閣の閣僚が首相に対する「筋の通った行動」を示さないのでは、組織ががたがたになるのも時間の問題ではないか。内閣のなかで「信義」を貫けない閣僚が、国民に対して「信義」を貫けるとは到底考えられない。「機を見るに敏」、「損得勘定で主義主張を自由に変えられる者」同士で、麻生氏と舛添氏はウマが合うのかも知れないが、「信義」を重んじない「利害と打算」の関係は長続きしないと思う。

第三の問題は、麻生氏が総裁選のテレビ出演で毎回述べていた「目先の財政収支よりも景気回復が大切」の主張についてだ。私は麻生氏が所属していた旧河野派=大雄会の研究会で定例講師を務めていた。大雄会の夏季総会でも講演をさせていただいた。1997年の橋本政権の超緊縮財政政策を最も強く批判したのは私だった。

5兆円の消費税増税、2兆円の所得税増税、2兆円の社会保険料負担増、による「合計9兆円のデフレ政策」を、私が重大な問題として取り上げた。日本経済を深刻な金融不況に陥らせるリスクについて、全力をあげて警告した。懸念は現実のものになった。橋本政権は財政赤字を減らそうとして、結果的に財政赤字を急激に拡大させた。

この失敗の教訓を生かす必要があることを定例研究会でも解説した。麻生氏もこのことを踏まえているのだと思う。だいぶ前のことになるが、ある方の紹介で麻生氏と三人で会談もした。麻生氏は総裁選で、1997年度の事例を引いて性急な財政収支均衡優先政策を排除することを主張している。この主張は間違っていないと思う。

問題は、麻生氏の説明が正確でないことだ。麻生氏は97年度について、「橋本蔵相の時代」と言うが、「橋本首相の時代」の誤りだ。

「消費税で5兆円、社会保障負担増加で4兆円、合わせて9兆円の増収を図ったが、結果的に税収は4兆円減少した。プラスマイナス13兆円も税収の見積もりを誤った」との麻生氏の発言を、私は総裁選期間中に5、6度聞いた。しかし、正確でない。事実は以下の通りだ。

政府の増収策は「消費税で5兆円、所得税増税で2兆円、社会保障負担増加が2兆円で合計9兆円の負担増加策」だった。増税が7兆円、社会保障負担増加が2兆円だった。

税収は当初見積もりが59兆4812億円。実績は53兆9415億円だった。社会保障負担は2兆円程度増加したと見られる。96年度の税収は52兆0601億円で、97年度税収は96年度比で1.9兆円増加した。当初見積もりに対して実績は5.5兆円少なかったが、数値を見ると、「7兆円の増税を実施したが、税収は1.9兆円しか増えなかった」というのが実績である。見積もり違いは約5兆円だった。

どこから、「9兆円プラス4兆円で合計13兆円の見積もり誤り」の数値が得られたのだろうか。根拠を示す必要がある。また、大増税を実施した政権は「橋本政権」である。有名だ。「橋本蔵相」は事実に反する。

麻生氏は総裁選に4度出馬した。総裁就任、首相就任に向けて政権構想を温め続けてきたと推察する。その大切な総裁選での「核となる主張」には、数字の正確さを含めて「万全を期す」ことが求められる。

また、麻生氏は本年3月号の「中央公論」に消費税率を10%に引き上げ、基礎年金を全額税方式に移行する提案を発表している。首相就任を念頭に入れて発表したはずの政策提言を、あっさりと引き下げたことについての説明も十分でない。

私は「景気回復を重視する」政策運営が適正であると考えるが、「財政支出の内容」がより重要な問題であると考える。場当たり的な、いわゆる「バラマキ」型の財政支出、裁量支出は「利権」に結びつきやすい。「国民の生活を第一に考える」、「制度変更を伴う支出」=「プログラム支出」の拡充が求められるのだ。麻生氏の政策を支持しない理由のひとつはこの点にある。

麻生氏は衆議院の解散総選挙に先立ち、臨時国会での補正予算審議を求めていると伝えられている。上記の多くの疑問に対して、麻生氏は明確な回答を求められる。与野党の活発な論争が提示されたうえで「決戦の総選挙」が実施されることが望まれる。

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2008年9月22日 (月)

小沢一郎民主党代表VS麻生太郎自民党総裁

9月21日、民主党は臨時党大会を開き、小沢一郎代表の無投票3選を正式に承認した。小沢代表は所信表明演説で、9項目からなる政権構想打ち出すとともに、自公政権について「市場万能、弱肉強食の政治を進めた結果、日本社会は公正さが失われ、格差が拡大した」と厳しく批判した。「今こそ日本を変えるときだ。変えるラストチャンスと言っても過言でない」と述べ、次期衆院選での政権獲得に強い決意を表明した。

一方、福田首相が9月1日に突然、政権を放り出したことに伴って実施されることになった自民党総裁選は、9月22日に実施され、麻生太郎前幹事長が総裁に選出された。

内外の重要問題が山積するなかで、福田首相が突然、無責任極まりなく政権を放り出したことに伴う総裁選であることを踏まえれば、自民党総裁選は、本来、密やかに、しかも短期日のうちに実施すべきだった。しかし、政権喪失の危機に直面する自民党は、総裁選を支持率回復の広告宣伝活動に利用する戦術を採用した。

自公政権に支配されるマスメディアは自民党総裁選を過剰報道し、総裁選を祭り騒ぎに仕立てたが、有権者に好感されたのかどうかは疑わしい。自民党総裁選報道では、自民党総裁候補者の民主党に対する誹謗中傷の発言が垂れ流されたが、「政治的な中立」を規定する「放送法第3条」に抵触する疑いが濃厚である。

また、石原伸晃氏などは、立会演説会で「衆議院選挙に立候補した石原伸晃です」と挨拶したが、各候補者の行動は総選挙の事前運動の色彩が濃厚であり、「公職選挙法」に抵触するのではないかと指摘されている。

自民党総裁選後に衆議院が解散され、総選挙が実施される見通しが強まっている。しかし、麻生太郎氏は8月29日に決定された「緊急経済対策」を実施するための「補正予算」の早期成立を求めている。自民党総裁選後の9月24日に召集される臨時国会では、9月29日に新首相の所信表明演説が行われる見通しだ。

その後、衆参両院で代表質問を実施し、短期日の補正予算審議を行ったのち、補正予算を成立させたうえで、衆議院が解散される可能性が高まっている。すでに民主党は補正予算を早期成立させたうえで衆議院を解散する「話し合い解散」を自民党に提案しており、自民党は民主党の建設的な提案を受け入れるべきだ。

この場合、11月9日が投票日になる可能性が高い。一部に、麻生太郎新首相が解散総選挙を年明けまで先送りするのではないかとの憶測があるが、新政権発足時の内閣支持率が非常に低くなければ、早期に解散総選挙が実施される可能性が高い。

自公政権は国会で追及される多くの問題を抱えており、国会審議の時間が長くなれば、政権支持率が低下する可能性が高い。また、新政権閣僚の政治資金スキャンダルが表面化することも予想され、与党は早期の総選挙実施が得策であると考えていると思われる。

麻生太郎政権は「景気回復」を前面に掲げ、「財政バラマキ」を政策の基軸に据えて総選挙に臨む可能性が高い。2011年度の財政再建目標達成は棚上げされる見通しだ。

「緊縮財政」から「バラマキ財政」に路線を転換する意味では、「小泉改革」路線から決別することになるが、「小泉改革」路線の基本方針は継承される。具体的には、

①「弱肉強食」奨励=「市場原理主義」=「セーフティーネット破壊」

②「天下り」=「官僚利権」温存

③「対米隷属」外交方針

の基本三方針が堅持される。

財政運営が「緊縮」から「バラマキ」に転換される点が、最大の路線修正点になる。選挙を目前に控え、「バラマキ」により有権者の投票を誘導する発想は「買収」に通じるものがあるが、有権者は麻生氏がどのような「政治理念」を持ち、どのような「政治のあり方」を実現しようとしているのかを見極める必要がある。

麻生氏はかつて、「創氏改名は朝鮮人が望んだ」と発言したことがあった。外交路線において、安倍晋三元首相、中川昭一元自民党政調会長などに近く、中国や韓国に対する強硬路線を示している。

また、麻生氏が野中広務元自民党幹事長に対して差別的な発言を行ったことを野中氏が自民党総務会で指摘したことが知られているが、麻生氏はこの件について、野中氏に明確な反論を示していない。

また、2007年7月には、日本と中国の米の価格について、「どっちが高いかは、認知症患者でも分かる」と発言して物議を醸した。総裁選期間中も、集中豪雨による洪水被害が発生したことについて、「岡崎でよかった」と発言した。首相に就任する者には、当然のことながら、高い人権意識が求められるが、麻生氏の人権意識に対する疑念は強い。

「景気対策」も国民目線からの提案ではなく、総選挙対策として提唱されているとしか考えられない。麻生氏が「財政健全化は手段であって目的ではない。景気回復を実現することが優先される」との主張を政治信条、信念として位置付けるなら、なぜ小泉政権以来の政権の主要ポストに在職しているときに、その主張を示さなかったのか。

小泉政権は「財政再建」を文字通り「目的」に位置付け、「国民生活」を犠牲にしての「赤字削減」に突き進もうとした。麻生氏が小泉首相の政策路線に対して堂々と反論を展開した事実は存在しない。政権内部で重要なポストを維持することが「政治信条」より優先されたのではないか。「公益」よりも「私的な利益」を優先する行動様式が如実に示されている。

麻生氏の頭の中は、「政権を絶対に民主党に渡したくない」との考えで一杯なのだと思う。小泉政権以来の政策方針のどこにどのような問題があったのかをじっくりと考え、政策運営の基本理念を根本から見直す姿勢がまったく感じられない。

「自民党は開かれた政党であり、どっかの政党のように出たいやつを出させないことはしない」との発言に示されるように、対立政党を口汚くののしり、「後期高齢者医療制度」が国民に不人気であると知れば、これまでの政権与党としての行動に対する責任に言及することなく、「制度見直し論」に飛びついてしまう。また、小泉政権の主要閣僚として「弱肉強食政策」、「景気悪化促進政策」を推進してきたことを忘れたかのように、「景気重視・財政政策発動」の方針をふりかざす。

「後期高齢者医療制度」見直し論についても、これまで同制度を絶賛し、とてつもない国費を投入してきた政府が方針を転換するなら、根本的な責任明確化がまず求められる。責任論に言及しない制度見直し論は「勝手気ままな悪たれ二代目三代目」の言動と批判されても反論できないだろう。

麻生氏は安倍氏、福田氏の「政権放り出し」についても「謝罪」の言葉を明確に示さない。安倍氏は「病気」だったと正当化し、福田氏の場合は、政府提案に反対した民主党が悪いと言わんばかりの主張を繰り返した。

安倍氏が病気だったなら、参議院選挙後の適切な時期を見計らって辞任表明すべきだった。施政方針演説を行い、代表質問直前に突如辞任を表明したことを麻生氏は正当化するのか。民主党が民主党の理念と哲学にしたがって政府案に反対するのは当然のことだ。野党が反対するから政権を放り出すのが当然と麻生氏が考えるなら、麻生氏も首相に就任することを辞退するべきだ。

福田首相辞任、総裁選、総裁選出の一連の流れから、「清冽な流れ」がまったく感じられないことが非常に残念だ。自民党が政権喪失の危機に直面して、焦燥感にかられていることはよく分かる。しかし、自民党が窮地に追い込まれているのは、自民党が推進してきた政策に最大の原因がある。

「障害者自立支援法」、「年金記録」、「ガソリン税率」、「後期高齢者医療制度」、「猛毒米流通事件」、「非正規雇用労働者激増」、「ワーキングプア激増」、これらのすべての問題に対する自民党の対応が国民の怒りを招いているのだ。

現実を直視し、非を非として認め、過ちをどのように是正してゆくのかを、謙虚に思慮深く国民に訴えかけるなら、国民の多くが耳を傾けるだろう。しかし、自民党にその姿勢はまったく感じられない。与謝野馨氏の言動には辛うじて政治家としての品格が感じられたが、他の総裁選候補者からは謙虚な姿勢がまったく感じられなかった。

これまでの自民党政治を実行した政権の枢軸に位置し続けた麻生氏が、これまでの政策を「他人事」のように取り扱い、総選挙での得票を誘導するための軽薄な主張を大風呂敷に広げるなら、麻生氏は有権者の厳しい審判を受けることになるだろう。

反対勢力に対する敬意と尊重の姿勢を持ち、建設的な提言を闘わせるのが、政治家による政治論争の望ましい姿だ。自らの誤りを直視もせずに、口汚く敵対勢力をののしる政治手法の延長上に、明るい日本社会の未来は見えてこない。

すべてを刷新すべき時期が来た。自民党にはもはや政権担当能力がない。「格差がなく、公正で、ともに生きてゆける社会」を新たに構築しなければならない。「特定の人々の利権を死守しようとする政治」を排除して、「国民本位の政権」を作らなければならない。

「悪徳ペンタゴン」の一角を占めるマスメディアは「偏向報道」に明け暮れるが、「真実」を見抜く市民が連携して、「真実の情報」を伝達し、「悪政」を打倒しなければならない。本当の戦いはこれから本番を迎える。日本の未来のために、心ある者が全力を注いで戦いに挑まなければならない。

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2008年9月21日 (日)

米国金融市場混乱の背景と今後の展望

 米国金融市場の不安感がやや後退したように見える。9月15日の週は激動の週だった。内外の株式市場は波乱の連鎖に動揺した。米国第4位の証券会社リーマン・ブラザーズ社破綻は米国での史上最大の倒産である。負債総額は6130億ドル(約63.7兆円)に達する。

金融市場には疑心暗鬼が渦巻き、第2、第3のリーマン社を警戒する空気が広がった。金融市場の動揺に対して、米国政策当局が最大で7000億ドル(約75兆円)の公的資金を投入して、不良資産を買い取る総合的金融安定化対策をまとめたことが報道された。

私は、9月18日付記事「自民党は「話し合い解散提案」に同意すべし」に、米国政策当局が「建設的な曖昧さ(constructive ambiguity)」の概念を踏まえて、問題に対処しているとの論評を掲載した。

9月19日付日本経済新聞「経済教室」に、東大教授の植田和男氏が『事態急転、当局大きな賭け』と題する論考を寄稿した。植田氏も「一連の当局の判断が「建設的なあいまいさ」という評判を得るのか、結局苦し紛れの行き当たりばったりだったということになるのか、今後の展開次第である」と記述し、「建設的なあいまいさ」の概念を用いて米国政策当局の対応を論評した。植田氏はその上で今後の金融市場の推移を見守る必要性を強調した。

植田氏は金融危機に対する政策対応における、「金融不安沈静化」と「自己責任原則の貫徹」との間での「トレードオフ」を考慮して当局の対応が評価されるべきことを強調している。私は、金融問題処理における二つの目標を両立させることの重要性を一貫して主張してきた。

米国と比較される1990年代後半の日本の金融市場不安定化についても、1997年11月の三洋証券のコール・債券レポ市場でのデフォルト(債務不履行)発生が、その後の波乱の引き金を引いた事実を指摘した。私は大蔵省財政金融研究所研究官を務めていた時期に、同じ部署で主任研究官を務めた植田氏と日本の短期金融市場における金利決定メカニズムについての共同論文を執筆した。

植田氏は最近まで日銀審議委員を務めたが、現日銀総裁の白川方明氏などを含め、金融政策のエキスパートが日銀幹部として政策運営にあたる体制が徐々に確立されつつあることは望ましい傾向だ。植田氏は白川氏と同様に、金融システムの問題についても造詣が深い。

米国政策当局の対応を観察するとき、米国政策当局は「リーマン社破綻容認」というリスクの大きな選択をしたが、その後の矢継ぎ早の対応を含めて考えると、全体として巧妙な采配を振るっていると評価することができる。金融不安をもたらしている資産価格下落という背景が大きいため、米国金融市場の不安定性は今後も持続するだろうが、かつての日本と比較すれば、政策当局は、はるかに迅速な対応を示している。

私は『金利・為替・株価特報』2008年9月8日号に、「(NYダウの)7月から9月にかけての推移は、本年1月から3月にかけての推移に類似して(おり)」、「NYダウは本年3月から5月にかけての上昇と類似する形で(、9月中旬以降)上昇する可能性が高いと考えられる」と記述した。

金融市場の混乱は広がるが、政策当局の対応により、当面の混乱が収拾され、不安心理が後退し、株価が一時的に反発するとの見通しを示した。9月から11月にかけて、内外株式市場で株価が上昇することは十分に考えられると判断している。

米国では2000年から2006年にかけて、不動産価格バブルが発生した。2006年央を境に不動産価格は下落に転じた。不動産価格下落に連動して不良債権問題が発生し、2007年央以降、金融機関の巨額損失として表面化した。

米国の1戸建て住宅価格は、2000年から2006年央までに、全米主要都市の平均で約2倍に上昇した。米国では70年間不動産価格は下落したことがなかった。その延長上に2006年にかけて「不動産価格バブル」が生まれた。

2006年央から2008年央までの不動産価格下落率は約20%である。この不動産価格下落を背景に、サブプライムローンの不良債権化が進行し、巨額の金融機関損失が発生した。米国株価は2007年10月以降に下落し、本年1-3月に1度目の金融混乱が生じた。

本年3月のベア・スターンズ社危機に対して米国政策当局は、290億ドルのFRB融資を提供し、JPモルガンチェースによるベア・スターンズ社買収を主導した。金融市場の不安心理が後退して株価は5月にかけて上昇した。

しかし、5月から7月にかけて原油価格が急騰し、インフレ懸念が強まったため、株価は反落した。株価下落に連動して金融市場の動揺が再び表面化した。金融市場波乱第2波と表現することができる。

金融市場波乱第2波では、GSEと呼ばれる政府系住宅金融公社、リーマン・ブラザーズ社、全米第1位の保険会社AIGの危機が表面化した。米国政策当局はリーマン社の破綻を容認する一方で、GSEとAIGに対する公的資本投入の方針を示した。

しかし、リーマン社破綻を容認したために、金融市場の疑心暗鬼は広がり、株価はさらに下落する気配を強めた。金融市場の動揺拡大に対して、米国政策当局は最大で7000億ドルの公的資金投入する不良債権買取機構設立の方針を提示した。

今後の展望の詳細は『金利為替株価特報』2008年9月24日号に記述するが、米国政策当局は、「金融システムの安定性確保」と「自己責任原則の貫徹」の二つの課題のはざまで困難な政策対応を迫られている。

すべての問題に対して「救済」の方針を示すならば、金融機関の問題解決への真剣な姿勢は後退するだろう。「モラル・ハザード(倫理の崩壊)」の問題が発生する。しかし、政府が問題に関与しないとの姿勢を示せば、金融市場の混乱は間違いなく拡大する。

ベア・スターンズ社の救済に対して、米国の一般国民の批判が極めて強かったことも影響した。サブプライムローンの返済が困難になった債務者は、片端から住宅を差し押さえられている。末端のローン利用者は救済されず、証券会社が救済されたことに対する批判が米国社会で拡大した。

リーマン社の破綻容認は「金融機関の破綻容認が経済全体に重大な影響を及ぼすこと」を一般国民に認知させるために、意図的に実施された可能性が高い。公的資金投入による問題収束を実施するための、「地ならし」として、リーマン社破綻が容認された可能性が高い。

巨額の公的資金投入を含む金融問題処理策が提示されたことで、当面、金融不安は後退する可能性が高い。しかし、問題の根源にある不動産価格下落には、依然として歯止めがかかっていない。米国の住宅価格は2倍に上昇して2割下がったが、依然として割高である。なお、2-3割程度下落する可能性が高いと考えられる。

昨年10月以降に表面化した米国の金融市場波乱の第3波が11月以降に表面化するリスクは高い確率で残存することになるのではないか。事態が短期的に改善するように見えても、手放しの楽観はできないと考える。

それでも、米国では問題が表面化してまだ1年の時間しか経過していない。そのなかで、金融機関の巨額損失計上、100兆円単位の公的資金投入策検討が具体化している。日本の事例では、1990年にバブル崩壊が始動したが、株価や地価が底値を確認したのは2003年だった。13、4年の時間が費やされた。日本の政策対応はあまりにも稚拙だったが、米国政策当局がはるかに迅速に対応していることは間違いない。

経済政策運営上の大きな教訓として、「バブル発生を未然に回避することの重要性」を再認識する必要がある。結果論ではあるが、2004年から2006年の米国金融引締めが、早期にかつ、迅速に実施されていたなら、米国での「不動産価格バブル」発生を防止出来ていた可能性がある。

2002年から2004年にかけて、日本政府が50兆円近い資金を外為介入で米国に供給した。この大量資金供給が米国の金融引締めを遅らせる効果を発揮したことは間違いない。「上げ潮派」の主張に連なる日本の政策対応が、米国の「不動産価格バブル」を生み出す遠因になったのだ。話が複雑になるので、この問題についての考察は機会を改めるが、行き過ぎた金融緩和政策の弊害を常に念頭に置く必要がある。

「市場原理至上主義」は金融市場における投機的な金融取引拡大を無条件で容認する傾向を持つ。そして、金融市場での巨大な不労所得獲得者を「成功者」として賞賛する傾向を持つ。しかし、金融市場の変動が経済を振り回すのは本末転倒だ。

実体経済が主役であって、「金融」は経済が円滑に活動できるための「潤滑油」として機能するべきものだ。「自由主義」の大義名分の下に、すべての規制を取り払う「自由放任」の政策が推進されたことが、金融市場の激しい混乱発生の重要な原因のひとつだ。サブプライムローン問題も、金融機関が個別の融資案件を丁寧に審査して融資が行われていれば発生しなかったはずだ。

金融市場の歴史的な混乱拡大は、「自由放任の経済政策」がもたらした「失敗」の一事例である側面を見落とせない。

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2008年9月20日 (土)

舛添厚労相は即刻辞任すべし

舛添要一厚労相が後期高齢者医療制度の抜本見直しの私案について発言した問題につき、舛添氏は9月20日朝のTBS番組で、「麻生太郎自民党幹事長が首相になれば政策としてきちっとやる。(臨時国会冒頭の)所信表明演説で言うことになる」との見通しを明らかにした。

後期高齢者医療制度は「姥捨て山制度」の悪評を持つ制度だ。私は制度を廃止したうえで、新しい制度を創設すべきであると主張してきた。国会では野党が制度の白紙還元を主張してきた。舛添厚労相は制度を強引に導入して発足させた政府の責任者として、制度の意義を訴え、制度の存続を主張し続けてきた。

後期高齢者医療制度の問題点は6月9日付記事「沖縄県議選与党惨敗と後期高齢者医療制度」に概略を記述したが、簡単に整理しておく。

後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者だけを対象とする医療保険制度だが、そもそも疾病の罹患率の高い年齢層だけによる医療保険制度が、「保険」としての機能を果たさない点に根本的な問題がある。

この制度では、高齢者の医療機関窓口での負担以外の費用の、5割を公費、4割を現役世代、1割を高齢者に負担させる。高齢者は医療機関窓口で1割以上の負担を強いられるから、保険料負担と医療費負担の合計は極めて高水準になる。

問題は今後、高齢者の医療費全体が急増すると見込まれることだ。そうなると、高齢者の窓口負担と保険料負担は激増し、高齢者の生活を著しく圧迫することが予想される。その結果、高齢者に対する医療の水準を引き下げる論議が生じることになる。

現実に厚労省が発表している試算では、高齢者の保険料負担の増加率は2015年までで比較しても、現役世代の約2倍になる。この制度設計全体が「姥捨て山制度」と呼ばれる所以(ゆえん)である。

また、高齢者の子の世代の被扶養家族となっている高齢者は、これまで、子が加入している医療保険制度を利用することができたため、追加的な保険料を支払う必要がなかった。後期高齢者医療制度では、新たに保険料負担が発生するため、子世代との同居を子の世代が敬遠する傾向が生まれる懸念がある。家族関係に大きなひびを入れる可能性があるのだ。

制度の名称、制度設計、終末期医療についての意思確認に対する医師への報酬制度、など、高齢者の尊厳を無視した冷酷無情な制度設計者の精神構造も批判の対象になっている。戦後の混乱期に努力し、日本の発展のために尽力されてきた高齢者に対する敬意と愛情が皆無の政府の姿勢が、批判の対象になってきた。

後期高齢者医療制度を廃止して、今後の医療制度設計をじっくりと論議し、持続可能な新制度を構築するべきだ。この意味で舛添厚労相の現行制度廃止の方針は当然のものだ。

しかし、国民が舛添提案を喝采(かっさい)するのは大きな間違いだ。政府は国会で野党の強い反対を押し切り、「強行採決」で新制度を導入した。新制度の実施、運営にあたって、どれだけの「血税」が投入されてきたのかを考えなければならない。政府が野党ととことん協議して、野党も同意する持続可能な、合理性を備えた制度を設計し、導入したなら、無駄な費用はまったく生まれていない。

政府は膨大な広告費を投入して、「長寿医療制度について改めてご説明させてください」と題する全国紙全面広告、テレビ広報などを展開したのではないか。「君子豹変」して、「過ち」を「過ち」として改めることは正しい。しかし、そのことによって、これまでの「過ち」が免責されるわけではない。

「大量破壊兵器を保有している」ことを論拠に、国連の制止を振り切って軍事侵略を実行し、大量殺人を実行しておいて、「大量破壊兵器は見つからなかった。軍事侵略は間違っていた。撤退する」と言う場合、犯した罪に対する責任は厳正に問われるのだ。

猛毒米流通事件やイージス艦漁船衝突事件でも、責任ある当事者の責任に対する対応が極めていい加減に取り扱われている。厚生労働行政の最高責任者である厚労相が、「責任問題」に言及することなく、安易に制度廃止を口走ることは許されない。

10月15日に保険料の年金天引きが実施される。総選挙に「後期高齢者医療制度」に対する批判が悪影響を及ぼすことを警戒して、舛添厚労相は十分な根回しも、責任問題に対する適正な対応をも欠いて、制度廃止方針について言及したのだと思われる。また、麻生内閣発足を目前に控えて、厚労相ポストを維持するための猟官(りょうかん)活動の意味も濃厚だ。

総選挙が近づくと、さまざまな「偽装」が繰り出される。「政官業外電=悪徳ペンタゴン」は利権互助会の利権を維持するために必死になっている。自公政権は次の総選挙で敗北すれば「利権死守」の至上命題が潰(つい)える。有権者に対して、口八丁手八丁の攻勢がしかけられる。

しかし、「選挙の時だけ有権者に媚(こび)を売る政治屋」を信用してはいけない。年金記録問題が最大の争点になった2007年の参議院選挙のときに、自民党政権の責任者は有権者に何を約束したか。

6月28日付記事「政治不信を打破するための国民の責任」に記述したが、改めて提示しておきたい。

2007年7月の第21回参院選で安倍晋三首相は

「宙に浮いた年金5000万件は来年の3月までに名寄せして、最後のお一人までしっかりとお支払いします」

と演説した。

参院選で配布された「安倍晋三首相より、国民の皆さまへ」と題したビラは、安倍氏の署名をつけて、

「自民党は責任政党です。出来ることしかお約束いたしません」

「最後のお1人に至るまで、責任を持って年金をお支払いすることをお約束します」

と明記した。

安倍内閣メールマガジン(第31 2007/05/31)は、

「私の内閣においては、年金の「払い損」は絶対に発生させません。
1億人の年金加入者に対して、導入前に3億件あった番号を整理、統合する作業を始め、導入直後にも2億件が残りました。その後、一つひとつ、統合を進めた結果、今残っているのが5千万件です。これらについて、徹底的にチェックを進め、1年以内に全記録の名寄せを完了させます。」

と記述した。

これらの約束が守られなかったことは言うまでもない。

公約を守らなかったことについて町村信孝官房長官は、昨年12月の記者会見で、「来年3月までにやるのは、5000万件の(記録の)解明をすることだ。来年4月以降も精力的にやっていこうということで、最後の一人、一円まで(払うことを)全部、来年3月までやると言ったわけではない」と釈明した。

町村官房長官は、

「選挙中だから『年度内にすべて』と縮めて言ってしまった」

とも発言した。

また、舛添厚労相は紙台帳とコンピューターデータとの突合問題を「社保庁の後継組織ができる時(10年1月)には解決する決意」と表明していたが、公約実現が困難であることが判明すると、

「表明したのはその方向で取り組むとの「決意」であって「公約」ではない」

と言い逃れた。

自民党政治家が言葉に対する責任感を決定的に失ったのは、小泉元首相が次の発言を示してからだ。

2003年1月23日の衆議院予算委員会総括質疑で小泉首相は、国債発行額を絶対に30兆円以上発行しないとの公約を果たせなかったことを追及され、

「その(公約)通りにやっていないと言われればそうかもしれないが、総理大臣としてもっと大きなことを考えなければならない。大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守らなかったというのは大したことではない」

と答弁した。結果に対する責任、「責任倫理」が日本中で失われる契機になった。子に「約束は守れ」と教育しようとしても、子が「この程度の約束を守れなかったのは大したことではない」と堂々と反論するようになる。

「偽装消費税増税封印」、「偽装無駄ゼロ政策」、「偽装景気対策」、そして「偽装後期高齢者医療制度廃止」など、次から次に選挙用「政策偽装」が示される。後期高齢者医療制度にしても、選挙で政権が維持されれば、制度の部分修正でお茶を濁されるのが関の山だ。自民党政権は「信用されない十分な実績」を積み上げているのだ。

消費税も直ちに引き上げられることはないが、2-3年内に官僚利権を温存したままで消費税率大幅引き上げが実施されることは、火を見るよりも明らかだ。有権者は前回総選挙からの3年間、小泉政権発足からの7年半の、すべてを評価して審判を下さなければならない。

「選挙の時だけ国民目線」の「悪徳ペンタゴン政権」を延命させてはいけない。「悪徳ペンタゴン」から独立した、「一般国民の幸福実現を、全精力を注いで追求する政府」を樹立しなければならない。自民党があの手この手で「目くらまし」してくるのは、目に見えている。「偽装」を見抜く人々が正しい情報をしっかり伝達し、国民を「偽装政策詐欺」から守らなくてはならない。

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偏向報道下で「民主に投票」が自民を上回る

総選挙を目前に控えて、テレビメディアが自民党だけに民主党に対する誹謗中傷を発言させるのは、「放送法」第3条の2にある「政治的に公平であること」の規定に反している。テレビメディアはいまなお、「政権放り出し首相後継総裁選」報道の名目で、自民党の総選挙事前運動を全面的に支援している。

自民党の民主党に対する誹謗中傷はワンパターンだ。

「自民党は開かれた政党であり、どっかの政党のように出たいやつを出させないことはしない」(9月14日麻生太郎氏)と、民主党の代表選を批判する。

②「各国の若者がテロとの戦いに参加する中、何で日本だけ逃げるのか」(9月12日石破茂氏)と、インド洋給油活動継続を主張する。

③民主党は政策協議に応じず、日銀人事でも「何でも反対を繰り返した」

④小沢一郎民主党代表は党首討論の制度を作っておきながら、党首討論を実行しない。

⑤民主党の姿勢は「自民党政権を解散総選挙に追い込む」ことだけに主眼を置く政局優先、政策不在だ。

 このようなプロパガンダ・デマゴギーが放送のたびに繰り返される。

 一方で、薬害肝炎原告団の福田衣里子さんの衆院選出馬NHKは報道しない。政権交代が実現したら、マスメディアの「偏向報道」の実態を詳細に調査し、関係者の処分を全面的に実行する必要がある。国会に特別委員会を設置すべきだろう。

 上記の自民党の誹謗中傷には、すべて正当な反論が存在する。正当な反論を示す時間が民主党に与えられるなら、大半の有権者は民主党の主張に同意するだろう。選挙期間中のネット情報規制など、選挙期間に入ると一気に規制が強化されるが、選挙期間以外はテレビメディアを「無法地帯」にしてよいのか。

 国会審議が紛糾する最大の理由は、衆議院と参議院で与野党の構成が逆転しているからだ。自民党は衆議院では多数勢力だが、参議院では少数勢力だ。衆議院で可決される法案であっても、野党が賛成できない法案なら、参議院で否決されるのは当たり前だ。それを、参議院で自公政権の提案を受け入れない野党、民主党が悪いと言うのは、幼稚園児以下の発想だ。

 参議院の野党多数勢力は国民の選挙を通じる意思表示の結果生まれたものだ。自民党は思い上がるのもいいかげんにした方が良い。テレビメディアが自民党議員に発言の機会を与えるなら、最低限、このような「あたりまえ」のことがらを司会者が指摘するべきだろう。

 BLOG版「ヘンリーオーツの独り言」」のヘンリーオーツさんが、「あたりまえのこと」が見失われていると指摘されたが、まったくその通りだと思う。「政権放り出し首相後継総裁選」に出馬しているすべての候補者は、あまりにも「目的のために手段を選ばない」品性を露骨に示し過ぎている。

民主党には民主党の正当な主張がある。自民党には自民党なりの正当な主張があるのだろう。相手を不当にののしるのではなく、自己と相手の違いを明確にして、自己の主張を堂々と展開すれば良いのだ。

日銀総裁人事では、民主党は「財務省の天下り利権排除」の重要性を重視した。「中央銀行の財政当局からの独立性」をも重視した。だから、財務省出身者の総裁、副総裁への就任案に反対したのだ。極めて正当で納得性の高い主張だ。

「財務省の天下り利権死守」に執着したのは福田首相だ。民主党の主張が明確であるにもかかわらず、次から次へと財務省出身者の日銀総裁、副総裁への就任案を国会に提示したのだ。民主党が不同意して人事が決定できなくなったのは当たり前だ。

衆参両院による同意は「日本銀行法」が定めている。日本は法治国家だ。政権は当然、法律の規定に従わなければならない。日銀人事を空白にしないために、参議院が同意できる案を提示するのが、政権の当然の責務なのだ。それを、参議院の多数勢力である野党が反対する提案を示し、それが否決されると「野党が何でも反対して困る」とか、「苦労してるんですよ。かわいそうなくらい苦労しているんですよ。」と切れるのは、あまりのも道理から外れている。

自民党は民主党の代表選を批判するが、国民から任された政権運営を1年間に2度も無責任極まりなく放り出しておいて、他党を批判する資格がどこにあるのか。自らの非を非として認め、自らの信念と哲学に従い、主張すべきことを堂々と主張する、謙虚さを備えた賢明さを示さなければ、賢明な国民は愛想を尽かすと思う。

福田衣里子さんが、出馬を決意した思いをブログに記述された。以下に引用する。「頑張らせて下さい。」(2008年9月19日)

救済法成立後、全国各地で「薬害なのに証拠が無い。肝硬変、肝癌にまで至ってしまい、時間との闘いなのに、国は何もしてくれない。悔しい。」という声をたくさん聞いて参りました。

私は、ただ「一緒にこれから頑張りましょう。」としか言えず、歯がゆい思いでした。

薬害肝炎の闘いでも、最終的なツメの段階では官僚との闘いでした。

薬害に限らず、根源を同じとする問題は社会に溢れています。

そして、救えるはずの命が救えない社会に憤りを感じてきました。

根源を正さない限り、今の体制を変えない限り、例え薬害を根絶出来たとしても、このような悲劇は形を変えては現れ、繰り返されるのではないか。

一部の人間の利益の為に、真っ当に生きる大勢の人が犠牲になることが許せない。

行政による犠牲者を無くしたい。

その思いは、ひと時も私の頭から離れることはありません。

不肖の私に何ができるのか?

愛する人や家族の為に一日でも長く生きたい。

そう切望しながら、家族と別れなければならなかった方たちと、これまでたくさんお会いしてきました。

最早、一刻の猶予もありません。

これまで多くの方に支えて頂き、育てて頂きました。

つないで頂いた私の未来と命をどう使うべきか。

悩みぬいた末、出馬を決意致しました。

今なら救える命がある。そして今しか救えない命がある。

多くの命を奪うのも、多くの命を救うのも政治の力だと痛感いたしました。

そして、国民と政治家が一緒になって問題にむかうことが必要だとも感じました。

本来政治とは、命を救う尊い使命を持ったものだと思います。

これからの人生、命で命を繋いでいく生き方が出来たらと思います。

命を守るお手伝いがしたいです。

精一杯、頑張らさせて頂きたいです。

(引用ここまで)

福田衣里子さんの衆院選出馬決断については、Easy Resistance」様「ヒカス」様が記事を掲載されているので、ご高覧賜りたい。政治が放置する膨大な数の薬害被害者が存在する。メディアが焦点を当てた一部の問題に対応しただけで、大きな問題に対して、政府が封印することを福田さんは許せないと感じているのだと思う。力を尽くして闘おうとする福田さんを私たちは力の限り応援しなければならない。

自公政権の現状を観察し続けた一般市民が、政治の主役であることを自覚し、静かに、しかし着実に、「決起」を始めている。福田さんの出馬はひとつの証しだと思う。ぜひ頑張ってほしい。

「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求する「政治」。「御用放送」に徹する「マスゴミ」。「政官業外電=悪徳ペンタゴン」は結託して、総選挙での政権交代阻止に向けて全エネルギーを注いでいる。

「弱肉強食」を奨励し、「格差社会」を生み出し、政治が真っ先に手を差し伸べるべき人々に対する「セーフティーネット」を冷酷に切り捨てる。米国に隷属して、日本国民の貴重な資産を破格の安値で外国資本に献上する。「ひとにぎりの利権互助会の利権死守を目指す政治」を排除して、「国民の幸福実現を追求する政治」をなんとしても実現しなければならない。

時事通信社が9月12-15日に実施した世論調査では、次期総選挙での比例代表選投票政党で、民主党が自民党を上回った。国民の「政権交代」実現に向けての期待感は日増しに高まっている。「猛毒米流通事件」では、予想通り農水相と農水次官が辞任したが、問題はまったく解決していない。

農政事務所の「検査」の実態「昼食接待」であった疑惑も浮上している。「メタミドホス」よりもはるかに危険な「アフラトキシン」が混入した猛毒米が流通した可能性も指摘されている。「カビ米」が学校給食に使われていたことが発覚したが、「アフラトキシン」混入の疑いについて、徹底的な調査が求められる。「国民の生命を脅かす政権」の実態を明らかにしたうえで、一刻も早く「国民が主役の政権」を樹立しなければならない。

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2008年9月19日 (金)

NHK「クローズアップ現代」の偏向報道

 NHKは「日本偏向協会」に名称変更した方が良い。9月18日、薬害肝炎原告団の福田衣里子さん次期衆院選への立候補を表明した。民放各社はニュース報道したが、NHKは定時ニュースで報道しなかった。

「政権放り出し首相後継総裁選」をあたかも国民的行事であるかのように過剰報道するNHKは、福田さんが「民主党」からの出馬を決めたから、無視を決め込むのか。自民党からの出馬だったら、大きく報道したに違いない。

「放送法」第3条の2は、国内放送の編集にあたって、「政治的に公平であること」を規定している。NHKと視聴者との間の受信契約は、「NHKが放送法にもとづいた放送をおこない、受信者が受信料を支払う双務契約」である。

したがって、放送法に違反した番組があれば、受信者には、その部分に関して受信料を支払う義務はない(民法第533条)。

受信契約を規定した放送法第32条には、「ただし、放送の受信を目的としない受信設備を設置した者については、この限りでない」との規定がある。「放送の受信を目的としない受信設備」の定義には各種見解があるが、法律上の定義は存在しない。

NHKは受信料の支払い義務化を盛り込んだ法改正を求めている。法改正には政権与党の同意が必要であり、そのために意識的に「偏向報道」を実施している可能性が高い。

NHKの活動を支えている受信料支払者である国民はNHKの行動を是正するために結束して行動を起こす必要がある。多くの視聴者がNHKの「偏向報道」を望んでいない。また、「偏向報道」であるなら放送法に違反している。

NHKの受信料問題については、「NHK受信料を考える」様が、詳細な情報を提供してくれているので、是非参考にされたい。

9月18日夜のNHK定時ニュースは、イチローの8年連続200本安打を長時間放送した。イチロー選手の活躍には拍手を送るが、米大リーグ関連ニュースをNHKが過剰報道するのは、NHKのBS放送契約を促進する狙いがあるからだ。重要な国内ニュースを報道せず、大リーグ情報を偏重するのも、NHKによる自己利益目的の行動だ。

「雑談日記(徒然なるままに、。)」様が指摘されているように、9月18日の参議院農林水産委員会での閉会中審査をNHKは放送しなかった。国民の生命に関わる重大事案について、国会が緊急に集中審議を行ったのだ。NHKが「公共放送」だと言うのなら、このような重要審議を中継するべきだし、ニュースでは重点的に取り上げるべきだ。このような審議が実現したのは、参議院で野党が過半数を確保しているからだ。

 

「船場吉兆」の「使い回し」問題では、「用語の選択」が大きな問題になった。船場吉兆の「ささやき女将(おかみ)」は「食べ残しの料理」と「手付かずの料理」との違いを強調し、「手付かずの料理」と表現して欲しいと要求し、顰蹙(ひんしゅく)を買った。

今回の米の不正流通事件は、正確に表現すれば「猛毒米」が正しい。メタミドホスが混入した餃子が発見されたとき、各報道機関はどのように報道しただろうか。「猛毒」と報じたはずだ。「猛毒米」が「汚染米」、「事故米」などへイメージが緩和されて報道されている。

NHKに至っては、「非食用米」の表現が使用されている。「健康被害が報告されていない」ことが強調されるが、このような問題では、毒物の体内での蓄積が問題となり、症状が現れる、あるいは自覚症状が生まれるのに長い時間がかかる。「猛毒米」を継続して摂取した場合の健康被害の甚大さは、恐ろしいものになるはずだ。「非食用米」とはあまりにも現実離れした表現だ。

 

「猛毒米」の猛毒には「メタミドホス」だけでなく、より毒性の強い「アフラトキシン」も含まれている可能性が高い。一部には「カドミウム米」を懸念する指摘すらある。これらの問題については、「ふじふじのフィルター」様「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様「晴天とら日和」様「村野瀬玲奈の秘書課広報室」様「カナダde日本語」様が有益な情報を提供されているのでぜひ参照賜りたい。 

NHKは9月16日の「クローズアップ現代」でこの問題を取り扱った。タイトルは「“コメ”不正転売の闇 手口は」だ。番組は「三笠フーズ」がいかに巧妙に不正転売したのかを強調した。農水省事務所による検査が不正を見抜けなかったのは、「三笠フーズ」の不正行為が極めて悪質で巧妙だったことを強調した。

つまり、番組は農水省の情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)の余地が大きいことを提示するものに仕上がっていた。取ってつけたように農水省の責任に言及する場面はあったが、政府擁護の番組制作と言われて反論できないだろう。

最大の問題は、昨年1月に「三笠フーズ」の不正転売を指摘する告発が農水省に対して行われていることだ。農水省は事故米を「工業用のり」の使用に限定して販売していたと言うが、工業用のり生産業界では「米」を原料として使用していない。

「食用」とすることが許されない「猛毒」を含む事故米の販売にあたっては、厳重な調査が不可欠であり、「工業用のり」生産の現状を調べないはずがない。しかも、「三笠フーズ」は「食品流通業者」である。「食品会社」に「猛毒米」を販売することのリスクを、「食品」に関する主管省庁である農林水産省が考えないわけがない。

農水省は輸入米が事故米になってしまった大手商社に対しても、「三笠フーズ」を紹介していたとのことだ。不良な外国産米を大量に輸入し、莫大な在庫費用を支払いながら輸入米を保管する農水省が、「三笠フーズ」の不正転売を知りながら、「三笠フーズ」への「猛毒米」販売を続けてきた可能性が高いと思われる。

ゴールデンタイムに30分の時間をかけて番組を放送するなら、昨年1月に内部告発があり、検査を重ねながら問題が表面化しなかった「闇」に光を当てなければ意味がない。NHKが本当に「公共放送」ならば、「“猛毒米”不正流通隠ぺいの闇 農水省の手口」とのタイトルで番組を制作するのが当然なのだ。

しかし、NHKは「御用放送」だから、政府を擁護し、一民間業者に全責任を転嫁する番組を制作するのだ。1997年1月13日放送の「クローズアップ現代」は同年1月7日から10日にかけての株価急落を取り扱った。私はVTRでコメントを提供したが、発言の中核はカットされた。橋本政権の大増税予算編成が株価急落の主因であることを私は指摘したが、番組は「構造改革に逆行する新幹線予算調査費計上が株価下落の原因」と断じた。

私の指摘が正しかったことは、のちの事実が証明した。詳細は『知られざる真実-勾留地にて-』に記述したので、参照賜りたい。

「猛毒米流通事件」における政府の責任が追及されなければならないが、小池百合子氏から「トンデモ発言」が飛び出した。9月17日の出雲市、岡山市での街頭演説会で小池氏は「猛毒米」について、「やるべき調査もせず、責任をたらい回しにしている行政に税金を払う意味はない」と農水省を批判した。

小池氏は政党・国会・内閣・行政の関係を理解していないとしか考えられない。農水省は内閣の指揮下にあり、その最終責任は農水相、さらに首相にある。自民党は内閣をつくる政権与党であり、政権の責任は与党の責任でもある。小池氏の発言は「こんな政権に対して税金を払う意味がない」との意味になる。自民党の政権担当能力を自ら完全否定した発言だ。

自民党は農水相と農水次官の辞任によって幕引きを図る目論見だろうが、そんな「茶番」に騙されてはならない。NHKは「政権放り出し首相後継総裁選」の「祭り騒ぎ」にうつつを抜かしている候補者のうち、与謝野馨経財相が「遊説予定を途中でキャンセルして金融問題を検討する会議に出席した」と与謝野氏を賛美していたが、このような緊急事態下で地方遊説していることが異常だ。

NHKはニュース報道に際して、問題の概略を説明する「まくらことば」をニュース原稿の冒頭につける。「リーマンブラザーズ社の破綻に伴い内外の株式市場で株価が暴落している問題で、政府は今日の閣議で・・・」といった具合だ。

自民党総裁選については、本来、「福田首相が突然政権を放り出したことに伴い実施されることになった自民党の総裁選挙で、・・・」との「まくらことば」をつけるべきだ。NHKは自民党の丸川珠代議員の事務所費不正計上疑惑問題も報道していない。

報道を注意して見ると、さまざまな「操作」が行われていることがわかる。注意しないと気付かない。そして、気付かぬうちに「マインド・コントロール」される。テレビメディアによる「情報操作」は恐ろしい。NHKの「偏向」を正すことが急務だ。受信料を支払う視聴者が正当な示威行動をNHKに対して示すことが求められる。

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2008年9月18日 (木)

自民党は「話し合い解散提案」に同意すべし

自民党が「政権放り出し首相後継総裁選」を「祭り騒ぎ」に仕立ててうつつを抜かしている間に、世界の金融市場は混乱し、日本経済にも重大な危機が迫っている。日本の経済政策の責任を担う与謝野馨経財相は、「日本経済の不況は深刻でない」と総裁選共同記者会見で発言した。

経済の現状を直視もせず、危機感のかけらも持ち合わせぬ人々が、政治の責任も自覚せずに、政治権力だけは死んでも離さないとの姿勢で、パフォーマンスに興じている。極め付きは自民党青年局・女性局主催公開討論会での「テーマソングつき入場」だ。総裁選を「顔見世興行」と考えているのだろう。

「“一口食べたら幸せ”メッセージ」様「風の歌が聞こえる街」様「いまのニッポン我慢ならん!」様STAND ALONE COMPLEX」様「ひぐまブログ」様、貴重なコメントをありがとうございました。拙著『知られざる真実-勾留地にて-』には私が日本の政治問題を考える原点となる諸事情を記述しています。一人でも多くの方に目を通していただければありがたく思っています。

Japonesian Trans-ApocalypseTrans-Modern New Platonic Trans-Creation, or philosopractical chaosmos」様「_~山のあなたの空遠く幸い住むと人のいう~」様「飄(つむじ風)」様「ヒカス」様「クマのプーさん ブログ」様「akoのつぶやき」様「パタヤの風に吹かれて」様「カイザルのものは、カイザルへ」様「へびのように賢く、はとのように素直であれ」様「ヒカス」様「クマのプーさんブログ」様「玉川上水(武蔵野)の事務所から・・・」様「みやっちBlog」様「杉並からの情報発信です」様「オホーツクの詩季」様「オホーツクの野生のうた」様「こわれたおもちゃをだきあげて」様「平和」様「八国山だより」様「散策」様「ギャラリー酔いどれ」様「サラリーマン活力再生」様「「憲法と教育基本法を守り続けよう」様richardkoshimizu's blog」様「国際連合の地下に核爆弾情報」様「今日のトピックスBlog」様「目からウロコの、ホンモノ探し」様「青森六ヶ所村の使用済核燃料再処理工場の本格稼働を阻止しよう!」様、いつもブログ記事を紹介くださり、誠にありがとうございます。また、貴重なご高見をいつも拝読させていただいております。今後ともよろしくお願いいたします。

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米国政策当局はリーマン・ブラザーズ社の破綻を容認した。極めて危険な行動を取ったと言わざるを得ない。3月のベア・スターンズ社は290億ドルの公的資金を融通してJPモルガンチェースに買収させた。リーマンも公的資金による資金融通があれば買収する金融機関は存在した。しかし、米国政策当局は公的資金融通を拒否した。

ベア・スターンズを救済しリーマンを破綻させ、AIGには公的資金を投入する。ダブル・スタンダードとの批判が生まれているが、金融処理におけるこの姿勢が取られる根拠は、「建設的な曖昧さ(constructive ambiguity)」だ。すべてを救済すると宣言してしまえば、金融機関の経営努力が失われる。すべてを放置すると宣言してしまうと金融パニックが広がる。この両面を踏まえて、救済するかしないかを「はっきりさせない」のだ。

「システムの安定確保」と「自己責任原則の貫徹」の両立を求められることが、金融問題処理が極めて悩ましい理由だが、問題解決の基本姿勢を示す言葉として「建設的な曖昧さ」という言葉が使われる。

しかし、米国政府は極めてリスクの高い選択をした。巨大破綻は「連鎖」しやすい特性を持つからだ。1997年に日本の金融市場混乱が連鎖した出発点は、11月3日に政策当局が三洋証券が破綻した際、政策当局が三洋証券の短期金融市場債務でのデフォルト(債務不履行)を容認したことにあった。金融市場は疑心暗鬼に包まれて、破綻が連鎖していった。

日本経済は極めて深刻な事態に陥り始めている。経済政策最高責任者の与謝野氏が危機意識を持っていないことが「危機」を象徴している。三つの大きな問題が発生している。緊急の対応が求められる。

第一は、不動産会社、建設会社の危機が急激に広がっていることだ。不動産・建設会社の経営危機をもたらした最大の責任は日本政府にある。昨年6月に施行された「改正建築基準法」に対する当局の準備があまりにも杜撰(ずさん)だったのだ。建築確認が遅れ、新規の住宅着工が激減した。不動産・建設業界の危機の原点は「官製不況」である。

この状況に追い打ちをかけたのがサブプライム金融危機だ。外国資本が日本の資産市場の買占め、買い漁りに動いていたが、外国資本の動きが急停止し、逆流を始めたのだ。不動産価格が急落に転じた。

第二は、急激な円高の発生だ。2000年から2008年にかけて日本円は暴落した。円ドルレートだけを見ると円は暴落したように見えないが、その理由は米ドルが暴落したことにある。米国に強要された超金融緩和政策により、日本円は米ドル以外の主要通貨に対して暴落したのだ。

本年7月以来、為替市場の動向に急激な変化が生じている。日本円がユーロ、加ドル、豪ドルなどの通貨に対して急上昇している。暴落の反動の側面が強いのだが、日本の輸出産業に重大な影響を与える。日本の景気が緩やかな上り坂をたどったのは、円暴落で輸出が拡大していたからだが、その輸出が減少に転じる。

第三は、日本の金融機関が激しい「貸し渋り」、「貸し剥がし」に動き始めたことだ。サブプライム金融危機の激流に日本の金融機関も確実に巻き込まれつつある。金融機関の融資姿勢は急激に慎重化して、激しい「貸し渋り」と「貸し剥がし」が生まれている。建設・不動産会社の相次ぐ倒産は銀行の「貸し剥がし」が原因である。

さらに付け加えると、こうした情勢の下で、個人消費が急激に冷え込み始めている。個人消費はGDPの57%を占める。個人消費の冷え込みは景気全般に重大な影響を及ぼす。農水省の犯罪的行為により「食の安全」が崩壊しつつあることも、個人消費に大きな影を落とす。

「猛毒米」流通事件で最大の責任を負うのは農水省だが、NHKをはじめとするメディアは、国民の関心を「猛毒米」流通に関与した377社に向かうように情報操作している。「猛毒米」流通事件は「傷害未遂」、「殺人未遂」の刑事事件と捉えるべきで、政府の責任が徹底的に追及されなければならない。

金融危機、為替市場急変、不況深刻化、企業倒産急増など、政府が対応し、国会が取り組まなければならない緊急課題が山積している。「出来レース」の「政権放り出し首相後継総裁選」にうつつを抜かしている場合ではない。

臨時国会で首相の所信表明、代表質問を終えたのち、短期間の集中審議を行い、補正予算を可決したうえで衆議院を解散すべきだとする民主党の提案は正当だ。自公政権が国民経済を大切に考えるなら、民主党の建設的な提案を受け入れて、「話し合い解散」の方針を決定するべきである。

政治は自民党が自民党の「利権」を死守するために存在するのではない。「国民の幸福」を実現するために存在する。早期に総選挙を実施し、「悪徳ペンタゴンの利権を追求する政府」を排除し、「国民の幸福実現を追求する政府」を樹立しなければならない。

 

(追記)当初、本文中の1997年の「三洋証券の破綻」に関する記述部分を「北海道拓殖銀行の破綻」と記述しておりましたので、お詫びして訂正します。

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2008年9月17日 (水)

小沢民主党代表の「国替え」出馬検討について

公明党は9月16日、太田昭宏代表の任期満了に伴う代表選の立候補を受け付けたが、太田昭宏氏以外に立候補を届け出た者がなく、太田氏の無投票再選が決まった。公明党は9月23日に党大会を開催し、太田氏を正式に代表に再選する。

 「チラシの裏」様、貴重なご指摘をありがとうございました。トップページ右上の「ブログランキングへ」のリンクが「ランキングのカウント」にリンクされておりませんでした。昨日修正させていただきました。心より感謝申し上げます。

 また、「神州の泉」主宰者の高橋博彦様、大変ありがたい記事掲載くださり、心よりお礼申し上げます。「カナダ de 日本語」様「生き抜く力」様「BLOG版「ヘンリーオーツの独り言」」様kobaちゃんの徒然なるままに」様「こづかい帳」様「私好みのimagination」様Easy Resistance」様「村野瀬玲奈の秘書課広報室」様「パタリ」様「晴天とら日和」様「植草一秀氏の事件」様、「mojo_コメント備忘録」様いつも温かいお言葉をいただき、感謝申し上げます。

 また、多数のブログ様が記事をご紹介くださったり、貴重なご高見を掲示くださいまして、誠にありがとうございます。次回記事にてご紹介させていただきます。この場をお借りしてお礼申し上げます。

全国紙、全国放送のテレビ局は、民主党に対して、複数候補による代表選実施を執拗に要請した。客観的に見れば、2006年4月に民主党代表に就任した小沢一郎代表の実績は申し分がなく、また、総選挙を目前に控えたタイミングでの党内での権力闘争は、総選挙に向けてのエネルギーを分散させてしまうリスクが高いことから、民主党が小沢氏の無投票三選を決定したことは、正当であり、正しい選択だったと考えられる。

全国紙は社説まで動員して複数候補による民主党代表選実施を誘導したが、公明党の代表選挙が無投票再選になったことについて、批判的な論評を掲載しただろうか。

メディアが民主党の代表選を渇望したのは、代表選報道を通じて小沢一郎氏に対する徹底的な「ネガティブ・キャンペーン」を展開しようと考えていたからだと思われる。民主党が小沢氏の無投票三選を決めたことは賢明だった。小沢氏は代表選にエネルギーを費やすことを回避できた。小沢氏が国民新党との連携、候補者の擁立などに精力的に活動できていることにその意味が如実に表れている。

朝日読売毎日産経日経共同時事、の各報道はリンクを張った記事の通りだ。事実関係を簡単に伝えるだけで、論評がない。公明党は政権与党である。上記メディアは、「開かれた代表選」、「活発な政策論争」が政権担当能力を明らかにする上で、不可欠だとする論評を主張し続けていたのではないか。

自公政権と対立する民主党には厳しく、政権与党の公明党に対しては甘いということなのだろう。このような誰の目から見ても「いびつな」対応を示すから、「偏向」とか「マスゴミ」とかの表現が用いられるのだ。

自公政権は小沢一郎民主党代表を恐れているのだろう。自民党総裁選での異常とも言える、民主党攻撃、小沢一郎氏批判に、自民党の隠すことのできない警戒心が滲み出ている。「どっかの政党のように出たいやつを出させないことはしない」と演説する麻生太郎氏の言葉からは「総理の品格」がまったく感じられない。

岡崎市の市民が集中豪雨で死者まで出す災害に見舞われたことに、まったく思いをめぐらせずに、「洪水が起きたのが名古屋でなく岡崎でよかった」と発言してしまう無神経さがよく理解できる。「小泉改革」によって荒廃し尽くされた日本の諸問題に立ち向かう首相に求められる資質とは、正反対の資質の持ち主であるように感じられる。

自公政権とマスメディアは癒着し、電波を選挙活動に利用している。選挙期間中の放送については、強い規制が設けられているが、選挙期間以外は「無法地帯」と化している。

物事をじっくり考える人は、メディアを利用した世論操作、情報操作に対する警戒心をもってメディアの発する情報を受け取るが、多くの国民は、深い事情を考えてメディア情報に接することを意識しないだろう。メディアの影響は計り知れない。

「放送法」はメディアの不偏不党を謳っているが、現実の「偏向」は目を覆うばかりである。一般国民が「不偏不党」と錯覚しやすい「NHK」も、小泉政権の時代以降は、「偏向」の先頭を走るようになった。「テレビメディア」における政治報道の規則を詳細に定める必要がある。

民主党の小沢一郎代表が総選挙に際して「国替え」する可能性が指摘されている。太田昭宏公明党代表が出馬する東京12区が候補として取り沙汰されている。選挙に際しての「国替え」は、有力な選挙戦術のひとつとして、活用される可能性が高い。

その先例は悪名高い「刺客選挙」だが、自民党が「国替え」を戦術として活用する以上、野党も最大の議席を獲得するための戦術を採用しないわけにはいかない。

ただ、私は小沢代表が東京12区から出馬する可能性は高くないと考える。民主党は自民党と公明党との間にある種の「温度差」を意識的に置いていると考えられるからだ。

公明党の本来の立場は、「一般国民の視点に立った政治」だったはずだ。それが、小泉政権以来、「格差拡大推進、弱者切り捨て、対米隷属」の「小泉改革路線」にとっぷりつかってきてしまった。その公明党に党としての行動についての再考の機会を付与しているように思われるからだ。

大半の自民党候補者は、公明党と創価学会の支援無しに小選挙区で勝利することができない。公明党が総選挙でのキャスティングボートのひとつを握っていることは明らかである。こうした事情を踏まえて「国替え」論議が浮上しているのだと考えられる。

次期総選挙の最大の目標は「政権交代の実現」である。「政権交代」を実現し、「悪徳ペンタゴン=利権互助会の利権維持を追求する政治」を廃絶し、「国民の幸福を実現する政治」を樹立することが目指されるのだ。野党の結束を強固にすることが優先されるが、この大目標に向けて、個別の戦術については柔軟に対応することが望まれる。「政権交代」を実現するには、総選挙で「勝利」しなければならないからだ。

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2008年9月16日 (火)

薬害肝炎原告団の福田衣理子さんが総選挙出馬へ

次期衆院選の長崎2区で、民主党から出馬要請を受けていた薬害肝炎九州訴訟原告の福田衣里子さんが次期衆院選に長崎2区から立候補する意向を固めつつあることが報道された。福田さんは。「たくさんの人に支えてもらったおかげで生きていられる。これからは命をつなぐようなことをしたい」と話しているという。

長崎2区は長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言した久間章生元防衛相が立候補を予定している選挙区だ。久間氏は防衛省汚職事件にも深くかかわっていたとの憶測も持たれている。福田さんには是非当選していただき、国政の場でこれまでの経験を生かしてほしいと念願する。

私はNPJサイト福田さんのブログを掲載してくれていたので、福田さんのブログを知っていた。福田さんはブログに次のような感想を書いている。9月1日に福田康夫首相が突然の辞任意向を明らかにしたことについてのコメントだ。以下に引用したい。

「またですか・・・」(2008年9月2日)

「総理辞任の会見の直前から、「総理辞任」のメールがなぜかたくさん私のところに入り、会見途中から、新聞記者さんから「総理辞任をうけてのコメント」を求められました。
 今後の肝炎問題の進展について、懸念してくれていることのあらわれだと思います。
 思えば1年前、大雨の中、日比谷公園で座り込みをしている最中、安倍総理が辞任されました。びしょぬれの私たちを日比谷公園に放置したまま。
 そして、8月2日、厚労大臣協議の日に、内閣改造が突然あり、全国から原告が集まりましたが、時間短縮で終わってしまいました。新しい大臣の下、9月9日に大臣協議の日程が決まって、安く買えるパックツアーを買ったのにsweat01
(変更不可のチケット)無駄になるかもしれません。
 それより、内閣改造して1ヶ月でまた改造ですか・・・。
 総理が変わったからと言って、肝炎対策が振り出しに戻るとは思っていませんし、そうならないように頑張るしかありませんが、福田総理は、官邸で私たちに「一般肝炎対策や、手厚い医療費情勢を、これは国に責任があるんですから進めて行かないといけないと思う。お約束いたします。」とおっしゃいました。
 しかし、まだ、恒久対策、投与者への告知、医療費情勢も不備、まだまだこれからですよsign01 約束はsign03
 そして、「肝炎基本法案」の成立に向けても、救済法を成立させ、解決へと大きく舵をとった福田総理であれば、思い入れもあり重要視してくださったかもしれませんが、
 総理が変われば、どうかわかりません。
 国民を置き去りにし、自分たちの都合や思惑で動かないでほしいです・・・。
 政権にたらいまわしにされているように感じます。
 多くの国民は、普通でもいいから、健康で安定した暮らしを望んでいると思います。
 しかし、どんどん物価は高騰し、スーパーに買い物に行くのも、車に乗るのも、病院にいくのも、何をするにも苦しい世の中なのに。
 新党だ、離党だと自分たちのことばかり考えたり、総選挙の為に、総理を退陣に追いやったり。
 やっぱり、2世議員や、料亭で豪遊されてる方には、ガソリンの1円、2円や、食料品の1割2割の値上げの痛手の感覚なんてわからないのかな。
 今から、東京にむかいます。
 では、行って来ます。」

(ここまで引用)

 政治は国民を幸福にするために存在する。政治屋が自己の利権を確保するために存在するのではない。国が行うすべての行政サービスについて、責任を負うのが「内閣」だ。内閣=行政は選挙で多数を得た政党に委ねられるが、その責任は極めて重大だ。

 内閣=政権が党利党略のために政権を無責任に投げ出して、迷惑を蒙るのは国民なのだ。自公政権は福田首相で次期総選挙を戦うのは得策でないと考えたのだろう。邪魔な存在になった福田首相に、自ら辞任するように仕向けたのは自公政権そのものだったのだと思う。わずか11ヵ月前に麻生派を除く全派閥が支持して創設した政権を、利権維持のためにあっさりと放り出す。

 国民のことなど何一つ考えていない。小泉政権以降の「改革」政策は、①「格差」を拡大し、②政治が手を差し伸べるべき人々を無情に切り捨て、③外国資本に暴落価格で日本を収奪させた。弱肉強食が奨励され、「負け組は勝手に死ね」と言わんばかりの政治を推進してきた。

 総選挙を前に、日本の政治のあり方、政策の方向をじっくりと考えなければならない大切な時期なのに、マスメディアは自公政権の御用報道機関になり下がって、自民党総裁選を「お祭り騒ぎ」に仕立てて過熱報道する。

 こうしたなかで、良識ある市民の反乱が静かに、しかし着実に動き始めたのだと思う。自民党青年局・女性局の公開討論会では各候補者がそれぞれの「テーマソング」に合わせて登場した。小泉元首相の秘書を務めていた飯島勲氏が監修した政治ドラマ「CHANGE」の主題歌、マドンナの「Miles Away」をテーマソングとしたのは、もちろん小池百合子氏だ。テレビと政治の癒着は行き着くところまできた感がある。

 それでも「国際評論家小野寺光一の「政治経済の真実」」主宰者の小野寺光一氏などが、テレビドラマのプロパガンダについて早い時期から情報を提供してくれたお陰で、「小泉一家」の「偽装CHANGE」キャンペーンの全貌が事前に周知された。「偽装CHANGE」詐欺の被害者を最小限に食い止めることができるのではないかと思う。

 9月16日の東京株式市場は米国の金融激震の影響を受けて、大混乱に陥った。他方、農水省が販売した「猛毒汚染事故米」が食用として大量に流通した事件では、ようやく農水省が転売先企業370社リストを発表した。長期にわたって「猛毒汚染米」を食してきた国民が存在するとすれば、重大な行政責任が問われなければならない。

 国民生活、国民経済が危機に直面するなかで、テーマソングに合わせて舞台に登場する「総裁選ごっこ」を自民党が演じていることに対する国民の視線は、日増しに厳しくなっている。

 薬害肝炎訴訟が和解の第一歩を歩み始めたなかで、原告団の一人である福田さんが民主党から立候補する決意を固めるまでには、大きな葛藤があったと考えられる。しかし、「国民目線」と言いながら、まるで「国民目線」を考えていると思われない自公政権の姿勢を見て、福田さんは出馬を決意されたのだと思う。まだ確報ではないから、今後の出馬妨害活動を十分警戒しなければならない。

 政府は決して「お上」ではない。薬害問題に対する政府の補償も、「施し」ではなく、国の犯した犯罪的行為に対する当然の、最低限の「責務」なのだ。この基本的な構造を、国、為政者、行政機関は正しく認識してきただろうか。

政治は「国民の」ものであり、「国民のために」存在する。そして、政治を動かす主体も「国民」なのだ。「国民を地獄の不幸に突き落とし」、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の利権維持だけを追求してきた自公政権を打倒して、「国民の幸福を追求する政府」を樹立することの必要性を、多くの国民が真剣に考え始めているのではないかと思う。

民主党は小沢一郎代表が先頭に立って、総選挙に向けて本格的に動き始めた。巨大な敵を倒すには、志を共有する人々が「小異を残して大同に付き」協働することが不可欠だ。民主党、社会民主党、共産党、国民新党は、「政権交代」の大目標実現に向けて、総力を結集するべきだ。「国民を不幸にする政治」を温存してはならない。

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自民党総裁選候補者の「品格」

 「収穫の秋」が来る。政治は国民のためにある。それなのに、これまでの日本では、特定の人々の利権を守るために政治が運営されてきた。日本を変えなければならない。「利権互助会」の手から国民の手に政治を取り戻さなければならない。機は熟した。心ある者が協働して「政権交代」の果実を取り入れなければならない。

「1600年体制」に記述したように、日本人は「お上」に従順過ぎた。水戸黄門のような「正義を重んじる者」が為政者なら、統治を任せても良いかも知れない。しかし、そんな為政者がいたとしても永続はしない。また、絶対権力者が社会を支配する時代を多くの国が卒業した。ドラマでは、たまたま水戸黄門が訪ねてきたから良かったという場面だけが演じられるが、現実に水戸黄門は存在せず、村を訪ねることはない。

村人の対応も悪い。印籠(いんろう)をふりかざすと「越後のちりめん問屋」に対する態度が一変して頭を地面にすりつけて土下座する。自分を卑(いや)しめてはいけない。民主主義は国民が主役で、上も下もない。民主主義が「衆愚(しゅうぐ)政治」に陥ることを懸念する人も多い。たしかに、良きリーダーがいなければ、国民は悪徳政治に誘導されてしまうだろう。

政治屋・特権官僚・大資本・外国資本・マスメディアが結託して、「利権互助会」=「悪徳ペンタゴン」を形成して、日本の政治を支配してきた。「改革」は「悪徳ペンタゴンのために存在する政治」を進化させるためのものだった。「改革」の言葉の響きに惑わされて、多くの国民が「改革」を「正義」と錯覚してしまった。

「改革」を理解するキーワードは①「格差」、②「弱者切り捨て」、③「売国」だ。①企業に有利な労働行政が労働者を「地獄」に突き落とした。「非正規雇用」と「ワーキングプア」の激増が「地獄」を端的に物語っている。②社会が守らねばならない障害者、高齢者、労働者が冷酷に切り捨てられた。「障害者自立支援法」と「後期高齢者医療制度」はその氷山の一角だ。③日本の資産価格を暴落させて、外国資本による日本収奪を全面支援した。これが「改革」の「真実」だ。

「マスゴミ」と呼ばれるようになったマスコミは、自公政権を延命させるための報道に全力を注いでいる。「改革の正体」を知り始めた国民が自公政権に反旗を翻(ひるがえ)し始め、政権崩壊の危機が迫っているからだ。自公政権は「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求する。一般国民は「地獄」に突き落とされ、救済策が次々に断ち切られている。

昨年の参議院選挙で大敗した自公政権は瀬戸際まで追い詰められた。「悪徳ペンタゴン」の断末魔の叫びが「政権放り出し首相後継総裁選」の祭り騒ぎである。「悪徳ペンタゴン」広報部隊のマスコミが全力投球で偏向報道を展開しているが、世間の「空気」は2005年総選挙、2007年総裁選とは明らかに違う。

「真実は最後に必ず勝利する」。「御用マスゴミ」が全力をあげて情報を操作しても、「真実」の力には及ばない。「電波」を占拠する「マスゴミ」の偏向を「ネット」が糾弾するようになった。「知られざる真実」を一人でも多くの国民に伝え、「マスゴミ」の偏向にブレーキをかけなければならない。^

2005年9月の郵政民営化総選挙では、「電波」が総選挙を「政治ショー」に演出した。多くの国民が幻惑されて、選択を誤ってしまった。しかし、選択の誤りは「不幸な現実」の代償を生み出した。「不幸な現実」を直視して、間違いを繰り返すことを防がなければならない。

そのために、正しい情報を伝達してゆかなければならない。「悪徳ペンタゴン」の利権維持のために存在する「自公政権」を「自End」させることに、心ある者が力を結集しなければならないと思う。

石原伸晃氏は「政権放り出し首相後継総裁選」大阪街頭演説会で、「このたび衆議院選挙に立候補いたしました石原伸晃でございます。どうぞよろしくお願いいたします。」と自己紹介した。総裁選が総選挙の選挙活動に充てられている。「公職選挙法」違反ではないか。

総選挙の選挙期間に入れば、報道に規制がかかる。自民党の街頭演説だけを放送することはできない。だが、現在の総裁選報道でテレビが放映しているのは、総裁選候補者の民主党批判の言葉ばかりだ。

麻生太郎氏は9月14日の名古屋市での街頭演説会で「自民党は開かれた政党であり、どっかの政党のように出たいやつを出させないことはしない」と発言した。石破茂氏は9月12日の共同記者会見で「各国の若者がテロとの戦いに参加する中、何で日本だけ逃げるのか」と発言した。

また、「私好みのimagination」様は、小池百合子氏が9月14日の街頭演説会で「民主党には、水面に出て空気を吸いたいと思っている生き物がいるのに、水面の上には出てこない」と発言したことを紹介された。

民主党が代表選で小沢一郎氏の無投票三選を決めたのは、総選挙を目前に控えて、党内の権力闘争にエネルギーを注ぐことよりも、総選挙への対応に全力をあげることが望ましいと民主党議員が考察したからだ。合理的で正しい判断だ。9月14日のテレビ朝日番組に民主党の藤井裕久元蔵相が出演して、明快な説明を示した。藤井氏の発言を聞いた人の多くが真意を理解しただろう。

インド洋での自衛隊による米軍への給油活動の是非判断にあたっては、米国によるイラクへの軍事進攻の評価が決定的に影響を与える。給油法案への反対には正当な理由が存在する。「公共性」を重んじ、「不偏不党」の原則を遵守しなければならないテレビメディアが、一方の主張のみを繰り返し放送することは、明らかに「放送法」に抵触すると思われる。

偏った間違いの主張であっても、繰り返し放送されれば「洗脳」効果を発揮してしまう。9月14日放送のフジテレビ番組「サキヨミ」では、橋下徹大阪府知事が出演し、学力テスト結果公表の是非を論じていたが、橋下氏の主張に賛成の出演者のみで番組が構成されていた。日本のメディアの現状は北朝鮮と変わらない。

「政権放り出し首相後継総裁選」に立候補した候補者が、そろって「品格のない」民主党批判を展開するので、かなり多数の国民が、「芝居」の胡散(うさん)臭さを感じ始めているように思う。

「政権交代」が存在するのが健全な民主主義の姿だ。自民党の主張が民主党と異なるのは当然だが、自己の主張だけが全面的に正しく、対立政党の主張は「ごみくず」だと言わんばかりの表現が繰り返されると、発言している本人の品位が疑われることを、これらの人々は考えないのだろうか。

野党が参議院で過半数を確保しているのは、主権者である有権者が野党に過半数の議席を付与したからだ。次の総選挙で野党が過半数を確保すれば、野党は正当に、そして堂々と政権を確保する。

野党を口汚くののしる総裁選候補者は、その行為が同時に、野党に多数の議席を付与した国民=有権者を口汚くののしっていることになることに、気付いていないのだろうか。

民主主義は、「十分な討論」と「反対意見の尊重」、そして「多数決による決着」によって運営される。総裁選候補者の主張が民主党と異なるのは当然だろうから、信念と哲学にしたがって自らの主張を正々堂々と主張するのは当然だ。しかし、敵対勢力が反対意見を表明できない場で、敵対勢力の主張を不正確に掲げて、誤解を誘導するために、誹謗中傷を繰り返す姿は、とても民主主義を大切に扱う行動には見えない。

メディアの偏向報道が、「目的のためには手段を選ばぬ」自民党の「利権死守」に向けての「いびつさ」を有権者にしっかりと印象付ける結果を生むなら、不幸中の幸いだ。

「自民党総裁選」は福田首相が無責任極まりなく政権を放り出したために実施されているのだ。「不況深刻化」、「猛毒混入米流通事件」、「北朝鮮情勢急変」、「米国金融市場混乱」などの諸問題が山積するなかで、国政の空白は許されない局面だ。そのなかで自民党は「私利私欲」のために「総裁選騒ぎ」にうつつを抜かしている。

「一点の私心もない」ことを訴える総裁選候補者がいるが、総裁選全体が「私心の塊(かたまり)」に見える。小沢一郎氏は、華やかな演説を行わないが、その発言は浮(うわ)つかず、ブレず、どれほど誹謗中傷を浴びても口汚く相手をののしることがない。

国民を地獄に突き落としてきた「改革」の「正体」を冷静に見つめ直し、「国民の幸福実現を目的とする政治」を主導する主役が誰であるのかをじっくりと考えなければならない。

政治の主役は「お上」ではない。国民が選挙を通じて政権を樹立し、「国民のための政治」を実現するのだ。「国民の国民による国民のための政治」を実現するために、「真実」の情報を、全力を尽くして、国民に伝えなければならない。国民が幸福になるために「政権交代」が必要なのだ。国民は「収穫の秋」の喜びを得なければならない。

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2008年9月15日 (月)

「茶番の自民党総裁選」解説

「三文芝居」の自民党総裁選では当初の予想通り、麻生太郎氏が総裁に選出される見通しだ。総選挙を目前に控えて自民党は「財政バラマキ」を採用する。財政資金によって投票を誘導する、大がかりな買収工作と言ってよい。

「政権放り出し首相後継総裁選」をお祭り騒ぎにして、御用マスメディアに報道させる。総裁選には「老若男女」を織り交ぜて立候補させる。そのなかで、「消費税増税」、「無駄ゼロ政策」をも同時にアピールする。また、メディアジャックの環境を活用して、民主党に対する誹謗中傷を一方的に垂れ流す。

1年間に2度も政権を放り出した無責任政党が「政権担当能力」の言葉を用いるのもおこがましい。日本経済が不況に突入し、株価が急落し、猛毒で汚染された米が食用として流通していた事実が判明し、早急の対応が求められている。北朝鮮は拉致問題の再調査延期を通告してきた。政治空白が国民にどれほどの損失を与えるか計り知れない。

政権を突然、無責任に放り出して、そのことに対する謝罪も十分にしていないなかで、総裁選三文芝居を祭り騒ぎに仕立てて、全国で展開している。麻生太郎氏は政権を放り出した安倍晋三政権、福田康夫政権において、政権を放り出した際に、「幹事長」の職にあった。「幹事長」は自民党においては「総裁」に次ぐ「ナンバーツー」の職位だ。

首相に次いで二番目に「政権放り出し」の責任を負わなければならない職位だ。その麻生氏が次期総裁候補の最右翼に擬せられている。麻生氏が安倍政権、福田政権の最高幹部として、「政権放り出し」の連帯責任を自覚するなら、せめて、総裁選は期間を短縮して迅速に、密やかに実施すべきだった。自民党総裁選では全国各地の街頭で、立会演説会を実施しているが、聴衆である一般国民は総裁選の投票権を持っていない。総裁選は総選挙に向けての広告宣伝活動として実施されている。

総裁選の内容は支離滅裂だ。昨年7月の参議院選挙で自民党は大敗した。民主党は参議院第一党の地位を獲得し、野党が参議院過半数を確保した。参議院選挙での自民党大敗の原因は「小泉改革」がもたらしたものにあると言ってよい。「小泉改革」がもたらした変化に、有権者は「NO」を突きつけた。

自民党は総選挙で敗北すれば野党に転落する。政権交代が実現する可能性が高まっている。自民党は、政官業外電の「悪徳ペンタゴン」による利権構造を死守するために断末魔の叫び声をあげている。「政権放り出し首相後継総裁選」を三文芝居に仕立て、「御用マスゴミ」を動員して懸命のアピール活動を展開するのは、危機意識の表れである。

「小泉改革」なるものを直視して、抜本的な路線転換を示さなければ、自民党に対する支持低下に歯止めはかからない。それにもかかわらず、自民党総裁選を見る限り、自民党が問題の本質を把握しているとは見えない。

小池百合子氏と石原伸晃氏が「改革継続」の基本スタンスで総裁選に登場した。石原氏は9月14日のNHK「日曜討論」で、小泉改革の内容を「官から民へ」と「中央から地方へ」だと説明し、「官から民へ」の民営化は成功したと発言した。石原氏にして「小泉改革」を正確に把握していない。

「小泉改革」は、①「弱肉強食」を奨励し、分配の格差を著しく拡大させ、②社会保障制度のセーフティーネットを破壊して、弱者切り捨てを推進し、③官業を外国資本や大資本に払い下げた。この三つを支柱として進められた政策体系である。

「非正規雇用」、「ワーキングプア」、「後期高齢者医療制度」、「年金記録問題」、「障害者自立支援法」など、「市場原理至上主義」が相互信頼、相互扶助をベースとする日本社会を破壊しつくしてきたことに対する国民の反発が急激に高まっている。

自民党が危機の本質を的確に捉えるなら、新たな政策の方針は「改革政策の否定」になるのだ。それにもかかわらず、小池氏と石原氏は「改革路線継承」を主張する。石原氏は「人に優しい心の通った改革」と発言するが、具体的な政策が示されておらず、まったく意味不明である。

小池百合子氏は本ブログで指摘してきた「偽装CHANGE」政策をそのまま主張している。「霞ヶ関をぶっ壊す」と述べるが、具体策は明らかでない。小池氏の主張のベースにある「上げ潮派」を主宰する中川秀直氏は官僚利権排除を提示しているが、実現可能性はゼロだと言ってよい。

中川氏も小池氏もこれまで政権中枢に位置し、官僚利権排除を重視するなら、いくらでも実績を残せたはずだ。しかし、小泉政権は「天下り利権」排除をまったく推進しなかった。逆に「天下り利権」の最大の擁護者として行動した。総選挙直前になって、にわかに「官僚利権打破」と叫んでも、誰も信用しない。

与謝野馨氏は5人のなかでは「改革」政策の問題点を相対的に理解している発言を示している。「市場原理主義」政策による所得格差拡大や非正規雇用の問題が深刻であるとの現状認識を示している。

皮肉なことは「小泉改革」を基本的に否定している与謝野馨氏を小泉元首相の秘書であった飯島勲氏が「小泉改革の最も正統な後継者は与謝野馨氏である」と発言していることだ。これほど、「改革」の意味、定義はバラバラなのだ。

与謝野氏の最大の問題は、「官僚利権の完全な擁護者」であることだ。与謝野氏の「政治は将来に責任を持たねばならず、不人気の増税策も必要があれば訴えなければならない」との主張には私も同意する。政治家は本当の意味における国民の幸福を考えなければならない存在だからだ。

しかし、与謝野氏は「官僚利権」を排除しないままでの「大増税」を主張している。本末転倒の政策手順である。「官僚主権構造」が日本最大の構造問題だ。「官僚主権構造」とは、①官僚機構が意思決定の実権を握っている、と同時に、②官僚機構が国民の幸福を追求せずに、自己の利益増大を追求していること、③政治がこの現状を「改革」しようとせずに「温存」していること、である。

消費税増税を含む増収策は、「天下り利権」根絶を軸とする「官僚利権」根絶を終えた段階で初めて俎上に載せられる議題である。「天下りを温存したままでの大増税実施」という与謝野氏の姿勢は自公政権の基本姿勢を代表しており、自公政権が官僚利権を根絶する考えを有していないことは明白だ。

石破茂氏は、「国防が幸福な国民生活の基礎であり、国際社会がテロとの戦いに尽力しているときに、インド洋での給油に反対する民主党にとても政権を委ねるわけにはいかない」との発言を繰り返す。石破氏の発言は民主党攻撃を意図したものが多すぎて聞きにくい。

インド洋での給油法案に反対する人々は、そもそも米国のイラクに対する戦争の正当性に疑問を持っている。イラクが大量破壊兵器を保有していることを根拠にイラクに対する軍事攻撃を開始した米国の行動の正当性は、その後の事実によって完全に否定された。米国が突出した軍事力を背景に国際社会において傍若無人に振る舞うことを、これらの人々は正しいことだと考えないのだ。

石破氏の姿勢は、「米国の力は突出しているのであり、米国に隷属しない限り日本の安全は保障されない」との低次元の発想から生まれているものだ。石破氏がどのような見解を持っても自由だが、民主党などの主張を正確に引用せずに、また論拠をも明確に示さず、総選挙をにらんで民主党に対して口汚く誹謗中傷する姿勢はいただけない。

麻生氏は「小泉改革」の問題点を指摘して、「バラマキ財政」を主張する。麻生氏の発言からは、麻生氏が「小泉改革」を否定的に捉えていることがはっきりと伝わってくる。その判断の上に立って「バラマキ財政」を実行するということだろう。

結局、麻生氏の基本方針は「オールド自民党」に回帰するということだ。官僚利権を根絶する意思がないことも明確に示されている。自公政権は総選挙での得票を増やすためには、「バラマキ財政」しかないと考えて、麻生太郎氏を後継総裁に就任させる意思を固めたのだと考えられる。

だが、麻生氏は「反小泉改革」の考えを持ちながら、小泉政権以来、一貫して政権中枢のポストを獲得してきた。つまり、政治信条・信念よりも現世利益を優先する人物なのだ。「公よりも私」を優先するということなのだと思う。結局、政策方針の方向とは矛盾するが、今回の総裁選でも麻生氏は、「小泉改革」の基本路線を継承するとの方針を明示した。

「政権放り出し首相後継総裁選」の三文芝居を演じつつ、自民党は想定通り麻生太郎氏を自民党総裁に選出するだろう。麻生氏は総選挙に向けて「バラマキ財政」の方針を示すと思われる。自民党は結局、元の「オールド自民党」に戻るのだ。

総選挙に向けて自民党は

①「偽装消費税増税封印」

②「偽装無駄ゼロ政策」

③「偽装景気対策」

「偽装三兄弟政策」を提示する。

与謝野氏は登場したが、結局、消費税増税の具体的公約は示さない。小池氏の主張を活用して「官僚利権排除」のジェスチャーだけを示す。しかし、実際の内容は「特権官僚の利権」を擁護し、「一般公務員」の人件費削減などに転化される。総選挙用に景気対策が示されるが、内容は「利権まみれ」であり、一時的な施策に終わる可能性が極めて高い。

また、小泉政権以来維持されてきた、以下の三点に示される自民党の政策基本方針は堅持されることになる。三点の基本方針とは、

①弱肉強食を奨励してセーフティーネット破壊を放置する

②官僚利権を温存する

③米国に隷属し、外国資本の利益増大に努める

の3点だ。

野党勢力は、自公政権の政策基本方針への対論として、

①セーフティーネットを再構築して、すべての国民の幸福を実現する

②官僚利権を根絶する

③外交における米国隷属を排し、日本の国益を重視して平和主義と正義・良心に基づく外交を行う

の3点を明確にして総選挙に臨むことになるだろう。

有権者は与野党の基本政策を正確に見抜いて、正しい選択を示さなければならない。いま求められている「CHANGE」は「政権交代」だ。自民党総裁選の茶番を見抜き、次期総選挙での「政権交代」を必ず成就させなければならない。

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2008年9月13日 (土)

太田農水相は「事故米の食用転換」を宣言すべし

 猛毒を含む事故米の不正流通事件の波紋が広がっている。事故米は政府が輸入したもので、政府は食品会社に販売していた。「三笠フーズ」については、昨年1月に告発があったにもかかわらず、問題は表面化しなかった。

「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様が詳細に問題を追跡されているので、是非参照いただきたいが、問題の責任を負っている政府が責任逃れに終始していることは許されない。

舛添厚労相は年金着服問題が表面化した際、「犯人は牢屋に入れる」と啖呵を切ったが、時間が経過すると「再発防止に努める」と発言を変えた。

海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突して乗員2名を死亡させた事件が発生した時、石破防衛相は「再発防止が何よりも大切だ」と述べた。

順序が違うと思う。問題が発生した場合、まず全容解明が求められる。次に適正な責任処理が求められる。問題を処理し終えた段階で再発防止策を検討するのが正しい順序だ。

「再発防止策の検討」は責任問題をうやむやにするための方便である。問題が重大であればなおさら、徹底的な全容解明と厳正な責任処理が、まず求められる。

事故米に含まれた毒性物質は中国の冷凍餃子事件で有名になった「有機リン系殺虫剤メタミホドス」や「カビ毒アフラトキシン」などである。アフラトキシンは強力な急性毒性と発がん性をもつ猛毒である。

猛毒を含む事故米が食用として転売され、給食会社に納入されて高齢者福祉施設や保育所などで使用されていたことが判明した。また、酒造会社がこれらの事故米を原料として酒や焼酎を製造し、製菓会社が事故米を原料にして米菓を製造し、販売していたことも明らかになった。

民間人が猛毒入りの食品を小売店に混入させ、一般消費者が購入して食した場合、重大な刑事事件としての捜査が直ちに開始される。傷害もしくは殺人事件として直ちに捜査が開始されなければならない。

政府や「御用マスゴミ」は「最大の問題は規定に反して事故米を食品として出荷した「三笠フーズ」などの事故米購入業者にある」と説明するが、最大の責任は「食品会社」に事故米を販売しておきながら、事故米を食品として流通させないための厳重な監視体制をとらなかった行政にある。

政府が農水省を批判するコメントを発表するが、そんな暴言を許してならない。年金事務不祥事についても自公政権は「社保庁が悪い」だの、「社保庁の労働組合が悪い」だのと発言するが、言語道断の発言だ。

社保庁も農水省も行政機関である。行政機関は内閣の指揮下にあり、その最高責任者が所管大臣であり、内閣総理大臣なのだ。重大な不祥事を起こした企業の最高責任者が登場して、「○×支店の責任」だの「従業員の責任」だのと発言すれば間違いなく袋叩きに遭う。

輸入米の保管は農水省の天下り機関が管理する。昨年1月に内部告発があって農水省が検査を実施した際も、農水省は「三笠フーズ」に事前通知して検査を行っている。不正を行っている企業が行政官庁から検査の通知を受ければ、不正が発覚しないように工作するのは当たり前だ。北海道の「ミートホープ」社の場合も、事前通告付きの検査で問題発覚が遅れた。

「業」と「官」が癒着しているために、問題が発生するのだ。事故米として低価格で購入した米を「食用」として転売すれば、「濡れ手に粟」の不労所得が生まれる。「官」と「業」がどのように癒着していたのかについて、徹底的な調査が求められる。

太田誠一農水相は、9月12日のテレビ番組のなかで、事故米の転売問題について、「(流通した事故米の残留農薬)濃度は(中毒事件が起きた)中国製ギョーザの60万分の1の低濃度。人体に影響は無いということは自信を持って申し上げられる。だからあまりじたばた騒いでいない」と強調した

まったく人体に影響がなく、食用に供しても安全であると農水省が保証するなら、もともと「事故米」として安価に販売せず、「食用」として高価格で販売すべきである。同時に政府は「品質証明書」と「安全保証書」を添付するべきだ。

「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様が紹介してくれた「高発ガン性アフラトキシンB1汚染米 転売問題 データまとめ」の情報によると、アフラトキシンB1というのは、ダイオキシンの10倍の毒性をもったカビ発癌性物質で、200℃以上の高温で加熱しない限り、その毒性は変わらないと証明されているとのことだ。

この猛毒混入米が、10年以上の長期にわたって、焼酎・酒造業者、米菓製造業者、味噌製造業者などに食用として転売され、さらに保育園、病院、高齢者福祉施設などの給食として提供されてきたのだ。

太田農水相は事故米の安全性に関連して、責任をもって「人体に悪影響は生じない」との発言を撤回しないなら、関連資料を添えて「安全宣言」を発表するべきである。同時に、「事故米」を正式に「食用米」に変更するべきだ。

たとえ濃度が低くても、猛毒を長期にわたり摂取し続ければ人体に重大な問題が発生するというのが、常識的な判断だ。

自民党は「政権放り出し首相後継総裁選」にうつつを抜かしており、福田首相が辞任会見してから1ヵ月弱の期間、内閣を放置している。事務所費問題で辞任が必至だった太田農水相がそのまま農水相の座に居座っているが、国民の生命にかかわる重大問題発生に対する無責任極まりない対応を踏まえれば、罷免されるのが適正である。

すでに民主党の鳩山由紀夫幹事長は、太田農水相の罷免を要求する発言を提示しているが、当然の要求だ。福田首相は消費者庁を新設する提案を示し、8月2日に発足させた改造内閣を「安心実現内閣」と名付けたが、「暗心実現内閣」の誤りだったようだ。

太田農水相は12日のテレビ番組で「消費者にも権利があるが、事業者にも権利がある」とも発言した。何を言いたかったのか不明だが、「政」「官」「業」の癒着を象徴する発言だ。

1年間に2度も政権を放り出した自民党に、政権に居座る資格はない。「不祥事」に対する謝罪もなおざりにして、「総裁選ごっこ」にうつつを抜かし、国民の生命にかかわる重大問題に対する適正な対応を示せぬなら、自民党は直ちに政権を野党に引き渡すべきだ。

「カナダde日本語」の美爾依さんが推測するように、「三笠フーズ」が事故米を食品として流通していることを、農水省は認識していたと私も考える。国民の生命と生活を守ることが政府の第一の役割であるのに、自公政権自身が国民の生命と健康を脅かしている。「殺人政権」に権力を握られ続けたのでは、国民は常に生命の危険に直面しなければならなくなる。「薬害HIV」、「薬害肝炎」と通じる問題が横たわっている。

「三笠フーズ」は氷山の一角である可能性が高い。臨時国会開会は、自民党「政権放り出し首相後継総裁選」がだらだらと長期日程で実施されているために9月24日まで先送りされているが、こうした重大問題が発生したのであれば、閉会期中審議を行い、福田首相は太田農水相を即時罷免すべきである。

 日本は本当の「CHANGE」を必要としている。すべての「刷新」は「CHANGE」から始まる。「CHANGE」=「政権交代」である。自民党「政権放り出し首相後継総裁選」での低調な論戦、重大な国民生活問題に生体反応を示すことができない自公政権の現状が際立つなか、「政権交代」を求める有権者の切実な声は日増しに高まっている。

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2008年9月12日 (金)

意味不明の「心の通った改革路線」

 対毎日新聞社訴訟での勝訴とマスゴミの不正報道について、ひらのゆきこさんがJANJANニュース記事を掲載してくださった。いつも裁判を傍聴くださり、真実を伝える記事を掲載くださり、心から感謝申し上げます。また、「カナダde日本語」の美爾依さん、「○天照∞月読●」様「じろーの色々散々」様、的確な論評ならびに記事のご紹介ありがとうございます。

北朝鮮情勢の変化、事故米不正流通問題拡大など、国民生活に影響を与える深刻な事態が進行するなかで、自民党は「政権投げ出し首相後継総裁選」をだらだらと9月22日まで続けるという。政策運営を放り出してでも自らの利権死守を優先する自民党の体質が如実に表れている。

自民党総裁選は見え見えの「出来レース」だ。総裁選全体が「演出」されている可能性が極めて高い。5名の候補者は「演出者」の計算によって決定されたと考えるべきだ。演説が好きな老若男女をちりばめたのだ。

世論の「麻生支持」が変化しなければ、当初のメインシナリオ通り麻生氏を選出する。世論が「改革」支持に傾く場合に備えて他の候補者を選出する余地を残す。自民党としては人気回復・起死回生の精一杯の工夫を凝らしたのだろう。

しかし、各候補者の発言内容はすでにすべてが言い古されたものだ。「環境」だの「テロとの戦い」だの「心の通う改革」だのとお題目を並べ立てて、空虚な上滑りの言葉を連ねても、まるで心に響かない。「御用マスゴミ」を占拠して、民主党攻撃、小沢一郎氏批判に候補者がボルテージを上げれば上げるほど、自民党の焦燥感、屈折した危機感が際立ってしまう。

「修正」のニュアンスに違いはあるが、5人の候補者はいずれも「改革」を継承すると言う。「改革」という言葉にはプラスの語感があるから、「改革は続けなければならない」と繰り返されると、洗脳されてしまう人が多いかも知れない。

昨日は小泉元首相が登場し、あたかも実権を握っているかのような「遠吠え」に聞こえる発言を示した。自民党が危機に直面している主因が小泉改革にあることを、まったく自覚していないらしい。おめでたい元首相だ。

有権者は「改革」が何であったのかを正確に理解して、そのうえで評価しなければならない。洗脳しようとする側は、有権者に「改革」の意味を考えさせないことを極めて重要視している。

竹中平蔵氏が関与した郵政民営化推進キャンペーン。政府が国民を「IQ」で分類し、「IQの低い層」にターゲットを絞ってPR戦略を実行したことが、国会で暴露された。「IQの低い層」は「B層」と命名されていた。

キャンペーンの企画書には、「「B層」にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」、「「B層」とは「主婦層&子供」を中心、「シルバー層」で、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣官僚を支持する層」」と説明されていた。

有権者を「B層」と蔑視(べっし)して、具体的内容ではなく、「イメージ」で洗脳する。これが「改革」を連呼する自民党の基本手法だ。しっかり考えないと洗脳されてしまう。「振り込め詐欺」防止策と同様に、厳重な監視が必要だ。

小泉政権以来の「改革」は三つの内容を持っている。

①第一は「分配」の格差を拡大したことだ。資本家が潤い、労働者が搾取(さくしゅ)された。

②第二は「再分配」が破壊された。「社会保障制度」がぼろぼろにされた。

③第三は「利権まみれの官業払い下げ」が行われたことだ。「売国政策」が実行されたと言ってよいだろう。

これが「改革」の具体的内容だ。

①の「分配」の問題を少し掘り下げる。1998年度と2006年度を比較してみる。

雇用者報酬は274.1兆円から263.0兆円へ4.0%減少した。

民間法人企業の企業所得は35.6兆円から48.5兆円へ36.2%増加した。

法人企業統計における法人企業経常利益は21.2兆円から54.4兆円へ156.6%増加した。

つまり、「いざなぎ景気」を超えたとされる2002年から2007年の景気回復で、潤ったのは企業だけだということが鮮明に示されている。とりわけ、大資本は史上空前の利益を計上した。

②の「再分配」が最近の政治問題の中心だ。年金保険料、健康保険料が大幅に引き上げられた。障害者自立支援法で障害者の生存権が深刻に脅かされるようになった。後期高齢者医療制度は文字通り「姥捨て山」制度だ。国民の年金記録は消えたり消されたりしているのに、政府は責任をもって対応しない。生活保護、母子世帯支援は無情に切り捨てられた。

大企業の人件費を削減するために、労働法制が大きく変更されて、非正規雇用者と若年貧困層が大量に生み出された。これが「改革」による「再分配政策破壊」の具体的施策だ。

③住宅金融公庫は国民が安心して利用できる住宅ローンを提供していた。郵便貯金は全国の津々浦々を網羅して、安価で安心な金融窓口を提供していた。この二つを破壊したがっていたのは銀行業界だ。国民の貴重なインフラを特定業界の利益のために破壊した。国民の貴重な道路資産が民間に払い下げられる。外国資本による暴落価格での優良資産取得を、小泉政権は全面的に支援してきた。「売国政策」の証拠は無尽蔵に存在するが、ここでは省略する。

「大資本」と「外国資本」の利益のために、一般国民を苦しみの地獄に突き落とす。「弱肉強食」を奨励する。渋谷の「忠犬ハチ公」の前で自民党総裁選候補者が絶叫していたが、日本は米国の「忠犬ハチ公」の役割を自ら進んで受け持った。これらの施策を策定する「特権官僚」には「天下り利権」が付与され、「御用マスゴミ」が「悪徳ペンタゴン」の利権を死守するために電波を独占する。

これが「改革」の実相だ。一般国民を虐(しいた)げ、苦しめるもの以外の何者でもない。「改革」は「拷問のムチ」のようなものだ。この本質を踏まえれば、「心の通った改革」の言葉がどれほど空虚であるかがよくわかる。「肌に優しい拷問のムチ」と言っているようなものなのだ。

小池百合子氏が「テレビドラマ」からか「米国大統領選挙」から借用して「CHANGE」と唱えていたが、

「CHANGEは政権交代」

が唯一の「真実」だ。有権者は「偽装CHANGE」ではなく、「真正CHANGE」=「政権交代」を選ばなくてはならない。

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2008年9月11日 (木)

「御用マスゴミ」NHKの偏向報道

 「御用マスゴミ」NO.1のNHKは、自民党総裁選が告示された9月10日、午後7時の定時ニュースの枠を拡大し、番組冒頭の50分間、総裁選立候補者5名による生放送を行った。民主党が複数候補による代表選を実施したとして、同様の対応を示したか。答えはNOである。

 「kobaちゃんの徒然なるままに」様「自民党総裁選にメディアジャックされたNHKに非難轟々」と題する記事を掲載された。まったく同感だ。

福田首相が政権を「放り出した」ために総裁選が実施されるのだ。任期満了に伴う総裁選ではない。「不祥事」の後始末を「広告宣伝」に利用することは許されないし、メディアは不正を許すべきでない。政権交代が実現した段階で、すべてが総括されることを忘れているのではないか。

総選挙を控えて自民党が「バラマキ」政策を実施することは確実だ。自民党は「改革」を叫びながら「バラマキ」を実施する説明をつけなければならない。

「総裁選」は内閣支持率を引き上げるための行事であると同時に、「偽装三兄弟」政策を実施する舞台回しの役割を担う。8月6日付記事「福田改造内閣の「偽装三兄弟」新政策」に記述した「偽装三兄弟」政策が、総選挙向け施策としてそのまま実施される。

5人の候補者による総裁選立候補者討論会に真剣味、斬新さ、情熱はまったく感じられない。民主党攻撃、小沢一郎民主党代表批判の大合唱は三文芝居以下だ。大がかりな三文芝居を打たなければならないほど、自民党が民主党小沢一郎代表を恐れていることがよくわかる。

自民党の「バラマキ派」、「増税派」、「上げ潮派」の主張は言い古されている。各候補者の発言を聞いて、新しい発見は皆無だ。しかも、各候補者のこれまでの主張と比較すると、すべての発言内容が後退している。現実が見えてきて、発言がトーンダウンしているのだ。

政権を放り出した政党の後継総裁選出をNHKが国家的行事に祭り上げる姿にNHKの体質が滲み出ている。NHKが権力迎合の「御用マスゴミ」を自認するなら、視聴者のなかで「御用マスゴミ」化に賛同する者だけが受信料を支払えばよいだろう。

政治から独立し、不偏不党の姿勢で放送事業に取り組まないのなら、視聴者が受信料支払いを拒絶しても、NHKは抗弁しようがない。NHK経営者に民間人を入れても、その民間人が「御用財界人」では、歪みは是正されない。

「政治からの独立性」という「放送の公共性」が確保されなくなった原因は、1952年の電波監理委員会廃止立法にある。この立法を実行したのが、麻生太郎氏の祖父にあたる吉田茂首相である。第2次大戦直後、GHQは日本の放送民主化のために「放送委員会」を設置した。「放送委員会」は1947年に「放送委員会法案要綱」を策定して、政府から独立した機関としての「放送委員会」を特殊法人として改めて設立する提案を行った。放送委員会がNHK会長を推挙し、周波数の割り当ての任務を行うこととされた。

ところが、東西冷戦が勃発し、GHQの統治方針が全面的に転換した。電波配分の権限は電波監理委員会に移され、さらに1952年の立法により、郵政省に回収され、「政治からの独立性」が維持されない構図が作られた。詳しくは拙著『知られざる真実-勾留地にて-』を参照されたい。

自公政権は「悪徳ペンタゴン」の利権を死守することを至上命題とし、総選挙での政権交代を阻止するために全精力を注ぎ始めている。NHKの超偏向報道はその一端を示すものだ。しかし、建前としての「放送の不偏不党」、「中立性」の原則は残存している。

野党はNHKの偏向を国会の場で追及するべきであるし、視聴者は受信料支払拒否などの方法により、偏向報道是正に努める必要があるのではないか。

「偽装三兄弟政策」とは、

「偽装消費税増税封印」

「偽装景気対策」

「偽装無駄ゼロ政策」

のことを指す。自民党総裁選討論に、この「偽装三兄弟政策」がはっきりと示されている。与謝野馨氏は「不人気の消費税増税を明確に主張する」と言いながら、具体的な規模、時期を明言しなくなった。9月11日の街頭演説では2、3年以内に消費税率を2~3%引き上げると述べたが、最終的に与党の政権公約には盛り込まれないだろう。

 自民党総裁選が終わり、総選挙に向けて、自民党は「定額減税」を含む「バラマキ」景気対策の具体策を提示する。自民党は一時的に「バラマキ」政党に姿を変える。

 他方、政府の無駄を排除するための「偽装政策」を提示する。ただし、「特権官僚の天下り利権」には手を入れない。一般公務員をスケープゴートにして、一般公務員の人件費削減を提示するのだ。

 小泉元首相の秘書を務めていた飯島勲氏が、テレビ番組で「「居酒屋タクシー」も「社保庁不祥事」もすべて問題は一般公務員=官公労所属職員の問題で、民主党の支持母体だ」と発言した。「偽装無駄ゼロ政策」が正体を現した瞬間だった。

 国民の怒りの対象は、「特権官僚の天下り利権」である。一般公務員の大半は善良であり、罪は少ない。12.6兆円もの国費を投入している「天下り機関」、「天下り」の根絶が求められるのだ。

 しかし、自民党から「天下り根絶」の明確な公約は絶対に出てこない。「特権官僚の利権」という「巨悪」を温存し、「一般公務員」の「小悪」を叩く「偽装」が透けて見えてくる。

 自民党の各派閥所属議員数は以下の通りだ。

町村派 88人

津島派 70人

古賀派 62人

山崎派 41人

伊吹派 28人

麻生派 20人

二階派 16人

高村派 15人

(2008年6月時点)

これらの派閥のうち、伊吹、麻生、二階、高村の4派閥が麻生氏支持の方針を示している。町村派から小池百合子氏が出馬したが、森喜朗氏は麻生氏支持を公表している。津島派は原則として石破氏支持だが、参院津島派は与謝野氏支持を決めている。

石破氏と小池氏が一回目投票で上位2名に残らなければ、町村派と津島派は麻生氏支持に回るだろう。決選投票で麻生氏が選出される「出来レース」が進められている。

総裁選立候補者の3名は東京都を選挙区としている。次期総選挙では首都決戦が全体の勝敗を左右する。3名の総裁選候補者が新政権で閣僚ないし党役員に配置される可能性が高い。3名の候補者はいずれも選挙区での苦戦が予想されている。

自民党総裁選は次期総選挙に向けて背水の陣にある「自民党の自民党による自民党のための茶番」にすぎない。明確な公約も斬新な提案も示されず、周知の事情しか提示されない。

「本選挙」ではない「予備選挙」が電波を占領する事態の不正義、偏向を糾弾しなければならない。この「茶番」よりも「事故米の不正流通」、「対北朝鮮拉致問題協議の遅延、北朝鮮事情の急変」などの問題の方がはるかに重要だ。

自民党は2年続きで首相が「政権放り出し」を実行した事実を厳粛に受け止めて行動するべきだ。マスメディアは政権政党の責任を糾弾することを優先しなければならない。有権者はすべての「偽装」を見抜かねばならない。

「CHANGE」が求められている。本当の「CHANGE」は「政権交代」があって初めて幕を開ける。「政権交代」なくして本当の「CHANGE」は始まらない。「官僚主権構造」を打破する唯一の方法が「政権交代」である。「政権交代」のない「官僚利権根絶」はあり得ない。

「悪徳ペンタゴン」=「利権互助会」のために存在する政治を、

「国民の生活が第一」の政治に「CHANGE」するには「政権交代」が不可欠なのだ。

「本当のCHANGEは政権交代」の「真実」をすべての有権者に浸透させなければならない。

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2008年9月10日 (水)

民主党VS自民党「基本政策の相違」

 「御用マスゴミ」「悪徳ペンタゴン」の広報部隊として、「悪徳ペンタゴン」の利権を死守するために、政権交代阻止に全力をあげ、「政権投げ出し首相後継総裁選」を祭り騒ぎにして報道している。

 「バラマキ派」、「増税派」、「上げ潮派」から合計5名の候補者が名乗りをあげたが、「出来レース」である。2000年以来、政権の実権を握っている自民党清和政策研究会(森派)実質会長の森喜朗氏は麻生太郎氏支持を表明している。その森氏が野田聖子議員に出馬要請したことが明らかにされた。

 当選者をあらかじめ決めておいて、総裁選を「偽装」している明白な証拠が明らかになった。総選挙に向けて自民党が「バラマキ」政策を実施することは間違いない。財政資金で有権者を買収しようとするもので、内実からすれば「公職選挙法違反」の買収行為だ。自民党は総選挙には「バラマキ」で対処することを決めている。

 しかし、「バラマキ」政策実施では辻褄(つじつま)が合わなくなる。小泉政権以来の政権は「財政政策はグローバルに否定されている政策対応」と断言してきたのだ。8月1日まで経財相の職にあった大田弘子氏は通常国会でこの見解を明確に答弁している。

 そこで、総裁選で「増税論」、「2011年の基礎的財政収支黒字化目標堅持」を発言させる。もちろん、すぐに「増税」を実施するわけがない。選挙があるから「目くらまし」が必要なのだ。選挙用に「バラマキ」をやり、選挙が終わればタイミングを見て「増税」を実施する。その布石を総裁選で打つ。

 「上げ潮派」は会計処理の「粉飾」を指南する。政府資産の流用・売却による財源調達と国債発行との間に政府純債務に与える違いはまったく存在しない。いわゆる「霞が関埋蔵金」を使うと、国債増発を伴わない財政出動が可能になる。「上げ潮派」の主張は「粉飾の奨励」である。実際に小泉政権は2001年度に「粉飾」を実行し、33兆円の国債発行を見かけ上30兆円に偽装した。

 「総裁選御用マスゴミ報道」「目くらましバラマキ財政」で支持率を引き上げて総選挙を乗り切ろうというのが自公政権のシナリオだ。国民が本当に「目くらまし」されてしまうと、「悪徳ペンタゴン」が高笑いすることになる。

 自民党がいかに「目くらまし」をしようとも、本質は変わらない。本質を突く政策論議が必要になる。

自民党の政策基本方針において、以下の三点にまったく「揺らぎ」は生じていない。

①弱肉強食を奨励してセーフティーネット破壊を放置すること

②官僚利権を温存すること

③米国に隷属し、外国資本の利益増大に努めること

この3点の基本方針は確固たる安定を示している。

自民党は「行政のムダ」を指摘するが、具体的な政策になると「公務員の削減=公務員の人件費削減」となる。「罪のない一般公務員」をいけにえ(スケープゴート)にして、「特権官僚の利権」を切り込まないのだ。自民党が党の最終方針として「天下りの全面禁止」を明示することは絶対にない。「天下り全面禁止」を「政権公約」に明確に盛り込めるのかどうかが、「真正CHANGE」と「偽装CHANGE」の最も分かりやすい判別方法になる。

また、自民党が減税を示すとしても、必ず「1回限りの定額減税」になる。ガソリン税の暫定税率廃止のように、制度的に税を国民に返すことをしない。

将来のいずれかの時点で増税は必要になるだろう。このことを民主党も否定していない。重要なことは増税を実施するまでのプロセスである。

①官僚利権を根絶して、いったん税金を国民に返す。

②セーフティーネットを再構築したうえで、財政支出をバランスさせるための増収策を検討する。

これが適正な順序だ。

自民党の主張するプロセスは

①官僚利権を温存したまま、

②財政健全化が重要だとして、制度的減税を実施せず、

③不人気の増税を率直に訴える責任ある政党だとアピールして、官僚利権を温存したまま増税を実行する、

というものだ。この政策が認められる場合、官僚利権は永久に根絶されない。

 「上げ潮派」の「超金融緩和政策」が「売国政策」を意味することも明確にしておかなければならない。2000年以降、日本は自民党清和会政権によって「弱肉強食社会」に変質させられたと同時に、外国資本に食い尽くされようとしている。外国資本による安価なコストでの日本買い占めを全面的に支援したのが自民党清和会政権であり、そのための政策が「上げ潮派」の政策の根幹をなしている。超金融緩和政策はその根幹をなしている。

 「弱肉強食社会」、「官僚主権国家」、「対米隷属国家」を望ましいと考えるか。

 「共生社会」、「国民主権国家、地域主権国家」、「独立自尊国家」を望ましいと考えるか。

 「政権選択」は両者のいずれかを選ぶことを意味する。

 自民党総裁選は米国大統領選挙に置き換えれば、「予備選」の意味しか持たない。民主党は早々に本選挙立候補者を定めた。マスメディアによる自民党予備選の過剰報道は、明白な偏向である。

 何よりも「本選挙」が重要だ。「弱肉強食奨励」、「官僚利権温存」、「対米隷属」を政策基本方針とする与党と野党の基本方針には180度の開きがある。民主党を中心とする野党は「政権公約」を有権者に十分に浸透させることによって、自公政権の「政権公約」との相違を有権者に完全に理解してもらう必要がある。次期総選挙における「政権選択」の誤りを必ず防止しなければならない。

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民主党政権公約報道の重要性

民主党の小沢一郎代表が民主党代表選挙立候補に際して、政権公約の概要を提示したので、改めて掲載する。「御用マスゴミ」は財源が明確でないと批判するが、特権官僚の利権排除などの巨大財源が明示されている。総選挙までに詳細を掘り下げる必要はあるが、基本的な考え方は明確に示されている。

「悪徳ペンタゴン」の利権を死守しようとする自民党の政策からは「偽装」と「利権」のにおいが立ち込めており、民主党の政権公約が有権者に正確に理解されると、有権者の支持が野党勢力に傾くことを免れない。民主党の政権公約に国民の目が向かわぬように、「御用マスゴミ」は煙幕を張るのに必死なのだと考えられる。

①セーフティーネットの再構築と強化、②特権官僚の天下り利権根絶、③小泉政権以来の自公政権による「売国政策」の排除、の最重要の三点が明確に政権公約に盛り込まれている。自民党総裁選の茶番から浮かび上がる自民党の政策基本方針と対比することが重要だ。

「晴天とら日和」様「カナダde日本語」様「生き抜く力」様、他多くのブログがすでに紹介されているが、改めて掲示する。

   

平成2098

衆議院議員 小沢一郎

新しい政権の基本政策案

―新しい国民生活をつくる―

民主党は、衆議院総選挙に勝利して、国民生活を顧みない自公政権を倒し、日本を再生させる新しい政権をつくる。

新政権は、「国民の生活が第一。」の大原則に基づいて、政治・行政の仕組みそのものをつくり替え、「格差がなく公正で、ともに生きていける社会」を築く。

その主な柱は、以下の9本である。

   

1、全ての国民が安定した生活を送れる仕組み

  

()確実・公正な「信じられる年金」の確立

①「消えた年金記録」は国が総力を挙げて正しい記録に直し、被害を救済する。

②「年金通帳」を全加入者に交付して、記録が消えないシステムに改める。

全ての年金制度を一元化し、年金の基礎(最低保障)部分は全額税で賄う

  

()誰もがいつでもサービスを受けられる医療・介護の確立

後期高齢者医療制度は廃止し、医療制度を一元化する。

②「医師派遣制度」を創設して、医療現場の崩壊を防ぐ。

  

2、安心して子育てと教育ができる仕組み

  

子ども1人当たり月額26000円の「子ども手当」を支給する。

公立高校の授業料を無料化し、大学などの奨学金制度を拡充する。

  

3、まじめに働く人が報われる雇用の仕組み

  

①国としてあらゆる手立てを講じて、「働く貧困層」の解消に取り組む。

②中小企業を財政的に支援したうえ、最低賃金の引き上げを進める。

パートや契約社員を正規社員と均等待遇にする。

④働く意欲のある限り、生涯働ける制度を確立する。

  

4、地域社会を守り再生させる仕組み

  

()農林漁業の再生

①農業者への「戸別所得補償制度」を創設して、農業経営を安定させる。

②漁業についても、同様の所得補償制度の創設を検討する。

③安全な食料を国内で安定供給し、食料自給率を高める。

④森林・林業への自立支援を進め、100万人を目標に雇用を拡大する。

  

()中小企業の再生

①「中小企業憲章」を定め、国がタテ割り行政を越えて総合的に支援する。

②地場の中小企業に対し、税制面で研究開発や地域資源の活用を支援する。

  

5、国民の生活コストを安くする仕組み

  

全国の高速道路を無料化し、物流コストを引き下げる。

ガソリン、軽油の暫定税率を廃止し、増税分を国民に還元する。

③国のプロジェクトとして石油・ガス、原材料などの確保に取り組む。

  

6、税金を役人から国民の手に取り戻す仕組み

   

特殊法人、独立行政法人、特別会計は原則として廃止する。

役人の天下りを全面的に禁止し、税金のムダづかいを根絶する。

   

7、地域のことは地域で決める仕組み

  

国の行政は、国家の根幹に関わる分野に限定する。

②地域の行政は全て地方に任せ、本当の地方分権を実現する。

国の補助金は全て廃止し、地方に自主財源として一括交付する。

   

8、国民自身が政治を行う仕組み

  

①国会審議は、国民の代表である国会議員だけで行う。

与党議員を100人以上、副大臣、政務官などとして政府の中に入れる

③政府を担う議員が政策・法案の立案、作成、決定を主導する。

   

9、日本が地球のために頑張る仕組み

  

()地球環境の保全

①温室効果ガス排出量の半減に向け、省エネルギーなどを徹底する。

②太陽光、風力など、再生可能エネルギーの利用を推進する。

  

()主体的な外交

①強固で対等な日米関係を築くとともに、アジア諸国と信頼関係を構築する。

②国連の平和活動に積極的に参加すると同時に、国連改革を推進する。

以上の9本柱をつくることではじめて、新しい国民生活、新しい日本を実現することができる。

私は、「日本再生」の大事業の先頭に立つことを誓う。

  

民主党ホームページより引用、太字は引用者によるもの)

 

 また、民主党は民主党の政策を非常に分かりやすく語りかける新聞広告を発表している。以下に三つの新聞広報を紹介する。

 

おじいちゃん、おばあちゃん。お体の具合はどうですか。

薬代、がまんしていませんか。ごはん、抜いてませんか。

年金、医療。長年、この国のために頑張ってきたあなたが、また、歯を食いしばって、耐えている。

これを黙ってみていたら、政治家じゃない。

あなたの生活、あなたの気持ち。

僕がすべて、引き受けます。

『国民の生活が第一』で、必ず、この国を変えます。

民主党代表

小沢一郎

 

道路をつくるかどうかを、そこに住んでいるあなたが決められる。

権限も財源も、いつも地域の人たちの近くにある、そんな新しい国を僕はつくりたい。

税金もムダ使づかいするくらいなら、国民にお返しするのがスジ。

ガソリンの値下げはその第一歩でした。

何としても政権を変えて、『国民の生活が第一』の政治を実現します 

民主党代表

小沢一郎

 

補助金と引きかえに、物事を決めるやり方は、もうやめませんか?

自分のことは、自分で決める、そんな誇らしい地方の時代を、つくりませんか?

カギはあなたが握っています。

あなたがどんな場所に住み、どんな暮らしを送りたいかで、この国の未来は変わってくるのです。

本日、あなたがいる場所から、変えようではありませんか。

民主党代表

小沢一郎

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2008年9月 9日 (火)

民主党小沢代表が「平成維新」基本政策を発表

毎日新聞社名誉毀損損害賠償請求訴訟での勝訴報道における共同通信、朝日新聞、産経新聞、およびスポーツ紙の悪質な記事に「マスゴミ」体質が鮮明に示されている。「マスゴミ」の体質を十分に認識しているので驚きはしないが、歪んだ日本の言論空間の是正に向けて、微力ではあるが努力を重ねて参りたいと思う。

「カナダde日本語」の美爾依さん、「生き抜く力」様、「道徳の時間ー放言仙人ー」様、問題点を指摘くださいましてありがとうございます。また、フリージャーナリストの高橋清隆氏Livedoor ニュースに貴重な記事を掲載くださいました。ありがとうございました。

「小さな政府」に関する9月8日付記事について、Kojitakenの日記」Kojitakenさんが丁重なコメントを掲載くださいました。感謝申し上げます。

Kojitakenさんは、所得再分配機能を重視する政策を取るのであれば「小さな政府」では無理ではないかとの趣旨の指摘をされましたが、ご指摘の通りだと思います。私は「特権官僚の利権」排除を中心に政府支出の無駄を省く意味での「小さな政府」に賛成しますが、セーフティーネット強化、所得再分配政策強化の意味では、政府の役割は大きくあるべきと考えます。

これまで、この意味で「大きな政府が望ましい」と記述したことはありませんが、この面での「小さな政府」を望ましいと考えていないことははっきりしております。すべての国民が安心して豊かに暮らすことのできる社会を構築するには、この側面において、ある程度「大きな政府」であることが必要になってくると考えます。ご指摘により啓蒙され、考え方を再整理することができました。感謝いたします。真意を正確に伝えることができるように言葉を選択して参りたいと思います。

9月8日、民主党の小沢一郎代表が民主党代表選に立候補し、同氏の無投票三選が決まった。次期総選挙で民主党を中心とする野党勢力が過半数を確保して政権交代を実現することをなんとしても成就しなければならない。しかし、政権交代は日本の政治を刷新する「スタート」であって「ゴール」ではない。このことを銘記しなければならない。

自公政権は「政官業外電の悪徳ペンタゴン」が癒着し、国民を犠牲にして、悪徳ペンタゴンの利権を死守することを至上目的として行動している。官僚機構が意思決定の実権を握り、一般国民の生活を守るセーフティーネットを破壊し、特権官僚の天下り利権を温存し、大資本と外国資本の利益増大を追求する構造を維持し、強固にしようとする。

「悪徳ペンタゴンの利権を死守する政治」を「国民の幸福を追求する政治」に刷新することが政権交代を実現する目的である。次期総選挙は文字通り「決戦の総選挙」になる。総選挙を通じる政権交代を実現するためには、野党勢力が明確な「政権公約」を有権者に提示することが必要だ。野党勢力の「政権公約」と自公政権が掲げる「政権公約」との相違を明確にして、有権者が「政権を選択する」総選挙を実施しなければならない。

自民党総裁選では候補者が乱立して、自民党には統一された政策方針が存在しないことが明らかになっているが、

①弱肉強食を奨励してセーフティーネット破壊を放置すること

②官僚利権を温存すること

③米国に隷属し、外国資本の利益増大に努めること

の3点において、自民党の政策方針に揺らぎは生じていない。

 野党勢力は、自公政権の政策方針への対論として、

①セーフティーネットを強化し、すべての国民の幸福を実現すること

②官僚利権を根絶すること

③外交における米国隷属を排し、日本の国益を重視して平和主義と正義・良心に基づく外交を行うこと

の3点を明確にする必要がある。

 小沢代表は民主党代表選出馬にあたり、『新しい政権の基本政策案』を公表した。すでに「生き抜く力」様などが紹介されているが、以下に転記する。

平成20 9 8
衆議院議員小沢一郎

新しい政権の基本政策案
―新しい国民生活をつくる―
 民主党は、衆議院総選挙に勝利して、国民生活を顧みない自公政権を倒し、日本を再生させる新しい政権をつくる。
 新政権は、「国民の生活が第一。」の大原則に基づいて、政治・行政の仕組みそのものをつくり替え、「格差がなく公正で、ともに生きていける社会」を築く。
その主な柱は、以下の9本である。
1、全ての国民が安定した生活を送れる仕組み
(
)確実・公正な「信じられる年金」の確立
①「消えた年金記録」は国が総力を挙げて正しい記録に直し、被害を救済する。
②「年金通帳」を全加入者に交付して、記録が消えないシステムに改める。
③全ての年金制度を一元化し、年金の基礎(最低保障)部分は全額税で賄う。
(
)誰もがいつでもサービスを受けられる医療・介護の確立
①後期高齢者医療制度は廃止し、医療制度を一元化する。
②「医師派遣制度」を創設して、医療現場の崩壊を防ぐ。
2、安心して子育てと教育ができる仕組み
①子ども1人当たり月額2 6000 円の「子ども手当」を支給する。
②公立高校の授業料を無料化し、大学などの奨学金制度を拡充する。
3、まじめに働く人が報われる雇用の仕組み
①国としてあらゆる手立てを講じて、「働く貧困層」の解消に取り組む。
②中小企業を財政的に支援したうえ、最低賃金の引き上げを進める。
③パートや契約社員を正規社員と均等待遇にする。
④働く意欲のある限り、生涯働ける制度を確立する。
4、地域社会を守り再生させる仕組み
(
)農林漁業の再生
①農業者への「戸別所得補償制度」を創設して、農業経営を安定させる。
②漁業についても、同様の所得補償制度の創設を検討する。
③安全な食料を国内で安定供給し、食料自給率を高める。
④森林・林業への自立支援を進め、100 万人を目標に雇用を拡大する。
(
)中小企業の再生
①「中小企業憲章」を定め、国がタテ割り行政を越えて総合的に支援する。
②地場の中小企業に対し、税制面で研究開発や地域資源の活用を支援する。
5、国民の生活コストを安くする仕組み
①全国の高速道路を無料化し、物流コストを引き下げる。
②ガソリン、軽油の暫定税率を廃止し、増税分を国民に還元する。
③国のプロジェクトとして石油・ガス、原材料などの確保に取り組む。
6、税金を役人から国民の手に取り戻す仕組み
①特殊法人、独立行政法人、特別会計は原則として廃止する。
②役人の天下りを全面的に禁止し、税金のムダづかいを根絶する。
7、地域のことは地域で決める仕組み
①国の行政は、国家の根幹に関わる分野に限定する。
②地域の行政は全て地方に任せ、本当の地方分権を実現する。
③国の補助金は全て廃止し、地方に自主財源として一括交付する。
8、国民自身が政治を行う仕組み
①国会審議は、国民の代表である国会議員だけで行う。
②与党議員を100 人以上、副大臣、政務官などとして政府の中に入れる。
③政府を担う議員が政策・法案の立案、作成、決定を主導する。
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、日本が地球のために頑張る仕組み
(
)地球環境の保全
①温室効果ガス排出量の半減に向け、省エネルギーなどを徹底する。
②太陽光、風力など、再生可能エネルギーの利用を推進する。
(
)主体的な外交
①強固で対等な日米関係を築くとともに、アジア諸国と信頼関係を構築する。
②国連の平和活動に積極的に参加すると同時に、国連改革を推進する。
 以上の9本柱をつくることではじめて、新しい国民生活、新しい日本を実現することができる。
 私は、「日本再生」の大事業の先頭に立つことを誓う。
出所:民主党ホームページ

 この政権公約には、①セーフティーネット強化、②官僚利権根絶、③独立自尊外交の方針、がすべて明確に示されている。

 ①セーフティーネット強化の具体的政策として、年金、医療保険制度、教育、雇用に関する重要基本施策が盛り込まれている。すべての国民に対する「教育を受ける機会」の提供や、「正規雇用者と非正規雇用者の処遇の均等化」も重要だ。

 ②官僚利権の根絶では、特殊法人、独立行政法人、特別会計の廃止とともに、「天下りの全面禁止」が明記された。自公政権が絶対に明記することのできない決定的な違いが確認できる。

 ③さらに、日本の統治機構の改革として、官庁に100名の国会議員を配置することと、中央が地方を支配する拠り所となっている補助金を全面的に廃止して、地方への財政資金配分を100%一括交付金とすることも明記された。

 後期高齢者医療制度の白紙還元、ガソリン・軽油の暫定税率廃止も適正な政策である。

 「平成維新」の基本政策が明確に示されていると表現することができる。

 「悪徳ペンタゴン」広報部隊の「マスゴミ」は民主党政権公約の革命的な内容を報道せずに、「財源の不透明性」だけを強調する。相変わらずの「偏向報道」を続けるが、民主党政権公約の内容を正しく有権者に伝えることが極めて重要だ。

 天下り機関には年間12.6兆円の財政資金が投入されている。財源不足をあげつらう前に、天下り機関に対する補助金投入を全面的に廃止して、どれだけの実績が得られるかを確かめることが優先されるべきであり、建設的だ。

 「上げ潮派」が主導した2002年から2004年にかけての47兆円のドル買い外為介入により、26兆円、ないし73兆円もの機会損失が生まれた。財源論を追及するなら、まず、2002年から2004年にかけての不透明極まりないドル買い介入の全貌を明らかにすることが先決である。「マスゴミ」は「調査」報道するべきだ。

 「天下り」を全面的に禁止して、「官僚が支配する政治構造」を根絶するだけで、日本はまったく新しい国に生まれ変わる。「官僚主権構造」の下で、これまでの政治は「政治屋・特権官僚・大資本・外国資本・マスゴミ(=悪徳ペンタゴン)」が一般国民を食いものにして、利権を吸い尽くしてきた。総選挙を通じて「政官業外電」が癒着する「悪徳ペンタゴン政権」を打倒して、国民の手に政治を取り戻さなければならない。政権交代によって日本が生まれ変わる可能性にかけてみることが大切だと思う。

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2008年9月 8日 (月)

名誉毀損損害賠償訴訟で毎日新聞社に勝訴

本日9月8日、東京地方裁判所民事第42部において、株式会社毎日新聞社に対する名誉毀損損害賠償請求訴訟の判決が示され、勝訴した。

本件は毎日新聞社発行の「サンデー毎日」誌2004年5月2日号が、事実に相違する記事を公表し、私の名誉を傷つけたことに対して損害賠償を求める訴訟を提起したものである。その訴訟に対する判決が本日示された。

判決は、上記週刊誌記事中の「親交のあるエコノミストは言う『セクハラ癖があることは業界では有名です。・・・』」との表現における、「業界では有名」との部分について真実性が認められないと判断し、損害賠償を命じた。

判決は過去に条例違反で罰金を科された事実が存在することをもって、「セクハラ癖がある」との表現は名誉毀損にはあたらないと認定したが、「セクハラ癖」の言葉の解釈に疑問が残る。

私は刑事事件について一貫して無実の真実を訴え続けているが、多くのメディアが事実無根の虚偽の情報を流布し、悪質な印象操作が繰り広げられたことによるダメージは計り知れないものがある。

公表されている事件以外に、私が警察と係わった事案は1件も存在しないし、法的に問題とされる行動も一切存在しない。公表された事件については、拙著『知られざる真実-勾留地にて-』にその概要を記述し、無実潔白の真実を訴え続けている。

判決は罰金を科された事件が存在することのみをもって上記判断を示したが、判決はこれ以外の事実をまったく認定していない。マスメディアが今回の判決を報道するニュースの見出しに「セクハラ癖は認める」と表現すれば、一般読者は一般的な用語としての「セクハラ癖」があったと誤解する。メディアによる悪質なイメージ操作活動は現在も持続していると考えられる。

言葉の解釈の相違については今後の法廷で争う考えでいるが、今回の判決では私が提起した名誉毀損の中核部分について、妥当な判断が示されたと判断している。

また、刑事事件については現在、上告審で係争中であるが、法廷の場にとどまらずに無実の真実を明らかにするために闘い抜いて参る覚悟でいる。

毎日新聞社は重大な意味を有するねつ造記事をブログに掲載している山口正洋氏を「アルファブロガー」として紙面で紹介し、福島中央テレビのアナウンサーによる山口氏のブログ記事盗用問題を大きく取り上げたにもかかわらず、山口氏のねつ造記事掲載問題に対する適正な対応を現在も示していない

以下に、記者会見で配布した弁護団コメントならびに原告コメントを掲載する。

  

判決のご報告

2008年9月8日

植草一秀氏名誉毀損訴訟弁護団

本日、東京地方裁判所民事42部において、植草一秀氏と、週刊誌「サンデー毎日」を発行する株式会社毎日新聞社との間の訴訟(平成19年()第9904号 損害賠償等請求事件)において、被告らに対し、原告に33万円の支払を命じる判決が下されました。

本件は、毎日新聞社発行の「サンデー毎日」誌平成16年5月2日号において、植草一秀氏に関する虚偽の事実を掲載し、同氏の名誉を毀損したことについて損害賠償請等を求めたものです。

本日の東京地裁判決では、毎日新聞社の、「親交のあるエコノミストは言う『セクハラ癖があることは業界では有名です。・・・』」との記事中、「業界では有名」との部分について真実性が認められないと判断し、上記金額の損害賠償を命じました。

被告は、「業界で有名」かどうかは社会的評価に影響しないと主張しましたが、判決は、「業界で有名」との記述は、読者にとって「所属する業界において有名になるほど、セクハラ癖の程度が著しく、周囲からそのような評価を受けている人物であるとの印象を与える」から、単に「セクハラ癖があった」との摘示を受けた場合に比してより社会的評価を低下させる程度の高い重要な記述であると明確に判断しました。

原告弁護団としては、慰謝料額についてはさらに増額されても良かったのではないか、また、「セクハラ癖」との言葉の理解については疑問がある、と考えますが、何らの裏付けもなく掲載されたメディアの無責任な記事に対して、明確に損害賠償責任を認めた点ついては、高く評価できるものと考えます。

(これまでの経緯)

植草一秀氏の虚偽の前科に関わる報道について提訴した下記の各訴訟は、仮に刑事事件の対象とされた人に対してであっても、個人の尊厳は何ものに優るという価値(憲法13条、憲法前文における基本的人権尊重主義)に立脚すれば、水に落ちた犬は叩けと言わんばかりの「弱いものいじめ」の報道は決して許されるものではないとの立場から提訴に及んだものです。

刑事事件に関わる相当な範囲での報道は、原則として、報道の自由により保護されると考えます。しかし、提訴した5件の訴訟で問題とした記事は、植草氏の前歴等についての虚偽の事実を伝えるものであり、しかも、十分な取材が尽くされたものとは言えず、記事としての真実性・相当性を欠くものでありました。

以下は、関連訴訟に関する現在までの経過です。

①対小学館(女性セブン) 東京地裁民事第41部
 2008年4月4日、同誌への謝罪文の掲載及び植草氏への100万円の支払を内容とする和解が成立しました。なお、謝罪文は同誌6月12日号に掲載されました。

②対徳間書店(アサヒ芸能) 東京地裁民事第34部
 2008年5月21日、植草氏に対する名誉毀損を全面的に認め、同氏への190万円の支払を命じる判決が下され、既に確定しています。

③対講談社(フライデー) 東京地裁民事第33部

2008年7月28日、植草氏に対する名誉毀損を全面的に認め、同氏への110万円の支払を命じる判決が下され、既に確定しています。

④対朝日放送(ムーブ!) 東京地裁民事第39部
 2008年10月2日、午前11時30分から弁論準備期日が予定されています。   

以上

  

対毎日新聞社(「サンデー毎日」)判決についての原告コメント

平成20年9月8日

植 草 一 秀

今回の判決は、賠償の金額と、犯罪とされた事実のみをもって「セクハラ癖」が存在したと認定した点に不満が残りますが、これ以外に「セクハラ癖」の内容を示す事実を認定しておりません。不満が残る部分は言葉の解釈の相違に過ぎず、基本的な主要部分で私の主張が認められており、妥当な判断が示されたと考えています。

社会に多大な影響力を持つメディアは報道にあたり、十分な事実確認、適正な裏付けの確保を求められています。虚偽の情報の流布により人間の尊厳は大きく損なわれます。報道に関わるすべての言論機関、言論人にはこのことを改めて強く認識していただきたいと思います。

法廷での闘いを含めて、違法な人権侵害の行為に対しては、今後も毅然とした姿勢で対応して参りたいと考えております。

以上

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「良い小さな政府」と「悪い小さな政府」

9月5日付記事「国難と総裁選にうつつを抜かす自民党」に「良い小さな政府」と「悪い小さな政府」と記述したことについて、私の真意が伝わっていないと判断できる意見の提示があったので補足したい。

私は政府の無駄を排除する意味での「小さな政府」に賛成する。しかし、所得再分配を中心とする財政の機能を軽視する、生存権を脅かす意味での「小さな政府」に反対する。

私は前者を「良い小さな政府」、後者を「悪い小さな政府」と表現した。Kojitakenの日記」Kojitakenさんが私の主張を「新自由主義」の主張と理解されているようなので、補足説明を示す。

この問題について、私は『表現者』 2006年8月号の連載記事「日本経済の深層」に「格差の元凶-小泉的小さな政府-」と題する論考を掲載した。また、講談社サイト『直言』UEKUSレポートPlus2006年4月26日付記事「民主党が提示すべき三つの主張」を発表した。これらに先立つ記述として、『金利・為替・株価特報』2005年2月1日号に「構造改革の本丸は郵政ではなく財務省にあり」と題する論考を掲載した。

以下にこれらの三つの拙稿の一部を転記する。

  

①「日本経済の深層 格差の元凶-小泉的小さな政府-」

『表現者』2006年8月号所収)

(前略)

急速な高齢化が進展するなかで社会保障制度に対する不安が広がっている。年金、医療、介護の各制度は維持可能なのか。日本政府の債務が増大し、財政破綻が生じるのではないかとの不安も広がっている。こうしたなかで、官僚部門は国民の税金負担のうえにあぐらをかいているのではないかとの不信の念が蔓延している。(中略)

税金を負担している国民の立場からすれば、「政府を効率的に運営し、無駄を排除し、財政を立て直し、社会保障制度の将来不安を取り除くべきだ」と考えるのは当然である。

こうした背景があるなかで、「小さな政府」に賛成か反対かを問う質問をすれば、賛成多数となるのは当然である。そもそも、現代の経済社会環境の下では「大きな政府」は「小さな政府」よりも語感が悪い。(中略)

ドイツの経済学者マスグレイブは財政の機能を三つに分類して示した。三つの機能とは、「資源配分機能」、「所得再分配機能」、「経済安定化機能」である。「小さな政府」を論じるときには、どの機能について論じているかを考察することが必要だ。

「資源配分上の小さな政府」は「無駄なことをしない」を意味する。民間でできることは民間に委ね、政府は必要最小限を担う。政府部門の無駄は可能な限り排除する。この視点で「小さな政府」に反対する国民は少ない。多くの国民が総選挙で自民党に投票した心情はここに根ざしていると考えられる。(中略)

「所得再分配上の小さな政府」とは、経済活動の結果生じる格差を容認する姿勢を示す。経済活動は必ず結果における「優勝劣敗」を生み出す。「格差」が発生する。その格差を容認すること、これが「所得分配上の小さな政府」の意味だ。小泉政権はこの意味での「小さな政府」を推進した。竹中氏の言う「がんばった人が報われる社会」が目指されてきた。そして、小泉政権が目指す新しい社会の成功者の象徴として堀江氏などが位置付けられてきた。

彼らの成功は本当に「がんばった」ことを源泉としているのだろうか。現代社会の結果における成功、失敗の理由には、「がんばった」、「怠けた」が当然含まれるだろうが、それ以上に初期条件における格差が強く影響しているのではないか。「汗水流し、血のにじむ努力をしながら一向に報われない人々」は無数にいる。結果における成功者のかなりの部分は、「がんばった」ことによってではなく、「恵まれていた」ことや「制度をうまくくぐり抜けてきた」こと、あるいは「政府と癒着することで利権を獲得した」ことによって成果を得てきたのではないだろうか。(中略)

経済活動に対する意欲、インセンティブを刺激する意味で、結果における格差をある程度は容認すべきだ。しかし、小泉政権が示してきたような「手段を問わずに結果における成功者を賞賛する」基本姿勢には賛同しない。(中略)

筆者は先述した「政府の無駄排除の意味での小さな政府」を実現する施策は「天下り制度廃止」だと訴え続けてきた。「天下り制度」こそ日本の巨大なグレーゾーンと言われる特殊法人、公益法人を中心とする巨大準公共部門を生み出している元凶である。新しい時代に適合するように「天下り制度」を廃止することが「改革」の真髄ではないか。

だが、小泉政権は結局、最後まで「天下り制度」を死守した。官僚利権は死守し、政治的、経済的弱者は情け容赦なく切り捨てる。これが小泉自民党政権の推進してきた「小さな政府」政策の真髄である。

「経済安定化機能における小さな政府」についての論考は省略するが、民主党は小泉自民党の「小さな政府」論について、財政の三つの機能に照らして効果的な反論を展開すべきだった。「小さな政府」の意味を明確にしたうえで、その是非を問う論議が決定的に不足している。

  

「民主党が提示すべき三つの主張」

(講談社サイト『直言』UEKUSレポートPlus 2006年4月26日付記事)

(前略)

筆者はかねてより、民主党に対して三つの提案を提示し続けている。第一は「郵政民営化」のまやかしを明示し、「真の改革」案を提示すること。第二は、「小泉改革」が意図して切り捨てている弱者に対し、弱者を確実に守る政策を明示すること。第三は「対米隷属」に堕している日本の外交スタンスを、「独立自尊」に転換することである。

行政改革の真の標的は「天下り制度」である。2万6000におよぶ公益法人のうち6000ほどの団体に補助金が流し込まれている。こうした公益法人が「天下り」の温床である。補助金総額は5兆円にも達する。政府系金融機関に代表される「特殊法人」は役所にとって最重要の「天下り機関」である。こうした機関への「天下り」に加え、役所が影響力を保持している産業、企業への「天下り」も膨大である。こうした「天下り」が談合事件などに垣間見られるように、不正、非効率の大きな原因になっている。(中略)

公務員には終身雇用を保証すべきである。公務員は市場経済の主役ではない。スポーツで言えば、フィールドの整備士であり、審判団である。第一種国家公務員といった少数の特権エリートを採用する必要は存在しない。第一種国家公務員制度を廃止し、公務員には公務員として定年まで仕事を完遂できる状況を整備して「天下り」を全面廃止すべきである。(中略)

第二の論点も重要である。小泉政権は「改革」の美名の下に「弱者切捨て」の政策を積極推進している。「障害者自立支援法」などという詐欺に近い名称を冠した法律を成立させたが、「弱いものいじめ」以外のなにものでもない。高齢者の医療費負担増大政策が今国会で論議されているが、政治的弱者には容赦の無い冷酷無比な政策である。(中略)

民主党は「真の弱者に対する国家の責任」を政策の柱としてしっかりと掲げるべきである。「格差」が広がる現代経済のなかで、国民生活の安定、国民の幸福を達成するには、弱者に対する国家の責任ある対応が不可欠である。
 小泉政権の対米隷属、国益無視の政策スタンスには目に余るものがある。東京裁判にはさまざまな問題が存在するが、日本はサンフランシスコ講和条約第11条において東京裁判を受諾し国際社会に復帰した。このことを根拠とするアジア諸国からの意見には耳を傾けることが必要である。「対米隷属」から「独立自尊」へと政策の舵を大きく切りなおす必要がある。

  

③「構造改革の本丸は郵政ではなく財務省にあり」

『金利・為替・株価特報』200521日号所収)

UEKUSA REPORTP.109-P.115からの抜粋)

(前略)

政府関係者は「がんばった人が報われる社会を」というが、日本は、がんばって成功した人は十分に報われている社会である。新規株式公開企業も急増し、株式公開長者は多数生まれている。他方で、企業がリストラを急速に進めている結果、常用雇用での就業者が減少し、代わりにパートや派遣形態での労働が急増している。多くの労働者の所得が減少する見返りとして、企業収益が増大し、資本家である株主が利得を増大させている。この傾向をさらに進行させてゆけば、日本における貧富の格差は米国並みに拡大してゆくこととなる。まさに弱肉強食社会への移行である。

現代日本での問題点は、むしろ、恵まれている人が報われていて、恵まれていない人が報われていない点にある。「がんばっているのに報われない、恵まれていない人々」が多数存在していることにこそ問題が存在する。「恵まれていて現状で十分報われている人を、より報われるようにすること」よりも、「がんばっているのに報われない、恵まれていない人々が少しでも報われるようにすること」に、本来政治は力を注ぐべきではないだろうか。

「改革、改革」のスローガンがこだまするなかで、20世紀後半に政治が最も光を当ててきた経済的弱者が、切り捨てられる風潮が非常に強くなってきているのではないか。政治が人間性を喪失しつつあるように感じられるのである。改革すべき点は改革すべきではあるが、より大切な、すべての国民に対して最低限の生存の条件を付与することの重要性を再認識するべきである。今後の政権においては「改革」の熱病を克服し、政治における「人間性回復」をテーマとして掲げてほしいと思う。

以上が引用である。「経済的弱者を救済する政策」の表現を「人間の尊厳を重視し、生存権を確実に保障する政策」に改めることにした。

来る総選挙においては「悪徳ペンタゴンの利権死守を至上目的とする政治」を「すべての国民の幸福を追求する政治」に刷新するために、政権交代を実現しなければならない。

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2008年9月 7日 (日)

御用マスゴミNHKの増税推進番組

御用マスゴミNO.1のNHKが9月6日夜、増税キャンペーン番組「税金 日本のこれから」を放送した。番組の内情については、「神州の泉」ブログに日本経済復活の会会長の小野盛司氏が記述されている。

NHKの番組制作に政府の意向が強く反映されていることは明白だ。NHKの政治番組である「日曜討論」も典型的な偏向番組である。私は同番組に15回近く出演していると思うが、NHKは出演者構成によって番組内容をコントロールする。また、政府側出席者の意向に沿って出演者が選定されることが多いと考えられる。「政治から独立した番組」ではなく、「政治に支配された番組」であることを視聴者は認識して視聴することが必要だ。

ただし、「政治に支配されていることを隠ぺい」するため、必ず反対論を主張する論者を出演させる。政府側が攻撃される状況下では、「弱い」論者しか登場させない。番組偏向の基本手段は人数構成の操作だ。人数構成を2対1、あるいは3対1にすれば、論議は必ず一方向に傾く。政府側が厳しい状況にあるときは、そのうえで、反対論者に「弱い」論客を起用するのだ。

テーブルに囲まれた中央にランプがあり、発言開始から1分経過するとランプが点滅し、1分15秒で点灯されたままになる。1回の発言は1分以内とされるが、司会者は政府側出席者には時間超過を認めることが多い。

本来は討論形式の番組だが、政府側の要請により、討論形式が中止されるケースも出ている。与野党を別々の時間帯でそれぞれから意見を聞く形式がとられることもある。

NHK解説委員が司会を務めるが、最近は政権与党に迎合する人物が台頭し、司会進行を務めるケースが際立って増えている。以前司会を務めていた山本孝氏はバランスのとれた適切な運営を実行していたが、影山日出夫氏にバトンを引き継いだころから偏向が目立ち始め、島田敏男氏に至っては、傍若無人の偏向ぶりを示している。

9月7日の放送でも、自民、公明、民主の三党だけしか登場させなかった。野党勢力は福田首相の「政権投げ出し」=「職場放棄」の責任を厳しく糾弾するはずだ。だからこそ、NHKは共産党、社民党、国民新党の発言機会を封殺したのだろう。

NHKは視聴者から受信料を徴収している。したがって、番組制作に対する発言権は視聴者が有するはずだが、NHK予算が政府に支配されているため、NHKは視聴者の意向ではなく、政府の顔色をうかがって番組制作を行っている。

マスメディアの「御用マスゴミ」の現状を是正する第一歩は、NHK改革である。NHKを政治から完全に独立した組織に転換することが求められる。そのための第一歩として、視聴者がNHKに対して「政治的偏向」を理由とする受信料支払拒否を実行するべきと思う。

9月6日の増税キャンペーン番組にも、偏向報道の基本スキームが用いられていた。出演した識者4名は伊吹文明財務相、竹中平蔵氏、森永卓郎氏、土居丈朗氏だった。伊吹氏は財務省を代表し、竹中氏と土居氏は御用識者代表だ。反対意見を表明する人物は森永氏しか出演していない。

土居氏は私が1985年から1987年にかけて勤務した大蔵省財政金融研究所を前身とする財務省財務総合研究所の主任研究官を2年勤めている。財務省御用の学者である。竹中氏はテレビ番組に出演する際に援軍の同席を求めることが多いと思われる。

私が大蔵省に勤務していた1985年に、大蔵省による組織的な「情報操作=世論操作活動」が始まった。詳細を拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に記述したので参照いただきたいが、「TPR」の名称が付けられた活動が始動した。「TPR」はTAXのPRを意味する。「TPR」はその後、主税局大臣官房企画官の職務になって、現在に引き継がれているはずである。

1985年に私は大蔵省での仕事としてマクロ計量経済モデルを用いた「税制改革の経済効果政府試算」を請け負った。中曽根政権が「売上税」を導入する計画を立て、大蔵省がそのためのプロジェクトに着手した。「TPR」はその一環として創設された。

詳細の記述は省略するが、政府試算では「税制改革が経済成長、個人消費、設備投資、住宅投資にプラスの影響を及ぼす試算結果」の導出が厳命された。マクロモデルを使用した推計結果があらかじめ決められた結論に合うように、人為的操作をモデルに加味して試算結果を導くことが任務だった。

一方で大蔵省は組織をあげて活動を展開し、あらゆるメディアに対する「言論統制」、「言論検閲」を実行した。テレビなどのマス・メディアに対しては密室での接待を含めて、最高幹部が直接、折衝した。財政金融研究所研究部が「TPR」の事務局にされたために、事務局にはすべてのデータが持ち込まれ、デイリーで情報が更新された。週間動向は「TPRウィークリー」にまとめられて関係者に配布された。

大蔵省は捏造した「政府試算」が経済企画庁から発表されるように画策した。当時の経済企画庁長官は近藤鉄雄議員だったが、大蔵省から経済企画庁に派遣されている官房長や調整局財政金融課長などが軸になり、経済企画庁内部の工作が展開された。

こうした大蔵省の極秘行動の詳細を収録したファイルが、その後共産党の手に渡り、共産党が国会で追及した。しかし、国会会期末を迎えて、問題は迷宮入りした。

9月6日夜の番組では、高齢者の社会保障を支えるための現役世代負担が重くのしかかることが、若年層へのインタビューなどで強調された。その直後に「社会保障制度を維持するための高齢者一部負担に賛成か反対か」の質問が示された。典型的な「誘導尋問」だ。

後期高齢者医療制度の最大の問題は、制度導入時の高齢者負担増加にあるのではない。高齢者の負担比率が1割と設定され、今後の高齢者負担増加スピードが現役世代の負担増加スピードを大きく上回ると予想されることが最大の問題なのだ。

高齢者が負担の激増に耐えられるはずがなく、新制度は必ず高齢者に対する医療の切り捨てをもたらすと考えられる。高齢者に対する医療を切り捨てようとする「制度設計の精神」が問題なのだ。新制度が今後、高齢者負担増加率の突出を招くことが問題とされるのだ。

NHKは設問によって問題を完全にすり替え、後期高齢者医療制度を肯定する結論を誘導している。番組末尾の米国とスウェーデンの比較では、どちらの制度も日本では簡単には選択できないと思わせ、両者の中間であると位置付ける日本の制度を充実させていくしかないとの結論を無理に導こうとするものだった。

司会者がどちらかを選びかねる番組参加者に注目したのも、伊吹財務相が「どちらでもない日本」と回答したのも、「やらせ」である可能性が極めて高い。番組参加者の一人は伊吹氏に「日本と答えるように」と教唆されたことを暴露した。

タウンミーティングでの「やらせ」が2006年に問題になったが、大蔵省は「やらせ」の発祥地でもある。大蔵省が開催していたシンポジウムでは必ず、事前にフロアからの質問と出演者の回答が用意されていた。日本経済復活の会の小野盛司会長が出席されようとしていた公開討論会でも同じようなことが計画されていたのではないかと思う。

NHK番組は「高齢者の1人当たり資産残高」が大きいことを強調して、高齢者の社会保障負担を肯定しようとしていたが、資産残高の調査では回答の「分布」が極めて重要な意味を持つ。

少数の「超資産家」が平均値をかさ上げしている可能性が高いからだ。保有資産残高別の人口分布を示さなければきめの細かい論議は不可能だ。

資産を保有せず、生存権を脅かされる高齢者が多数存在することが最重要の視点である。このような初歩的な視点を意図的に隠ぺいするところに「御用番組」の特性がいかんなく発揮されている。

竹中平蔵氏は日本が分権化した時に、「地方間の財政調整ができない」と絶叫していたが、このような初歩的な間違いを公共放送で発言したことを直ちに陳謝すべきである。地方分権を進めても、財政調整制度を残すことは十分に可能である。私は一貫して地方分権を進めつつ財政調整制度を残すべきだと主張してきた。

拙著『現代日本経済政策論』第11章「国と地方」(3)「地方の財政自主権」に、税源の地方間格差について、「税源のばらつきを均等化する財政調整制度は維持すべきである」と記述した。分権化を進めつつ、財政調整制度を維持することは技術的にも十分可能である。寝ぼけた話によって出演者の正論が封じられたのでは、とても建設的な論議は実現しない。NHKは初歩的な誤りが番組中に正されるような出演者選定を考えなければならない。

また、森永氏が「競争条件を同一にしたうえでの競争を主張する竹中氏が相続税に反対するのはおかしい」と指摘したことに対して、竹中氏は論理的な反論を示すことができなかった。日本の所得税体系は結果における格差をある程度容認するものになっている。これを前提に考えれば、高額資産保有者に対する相続税を強化すべきとの森永氏の主張は合理性を有している。

土居氏は他の出演者の発言を封じて、相続税算出の根拠となる資産把握が困難であることを長時間力説したが、瑣末な技術的問題を本質的論議に無理に絡ませる姿勢は、視聴者の不信を招くだけだ。NHKは税の問題を重要だと考えるなら、政治的偏向を回避すべく、視点の異なる独立した有能な有識者をバランスよく出演させるべきだ。

「御用マスゴミ」番組に正論を求めても無意味な気もするが、NHKの活動を財務上支えている視聴者が結束して偏向報道是正を求めて行動を起こせば、影響力を発揮できるかも知れない。「メディア民主化」の第一歩としての「NHK抜本改革」が重要であると思う。

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2008年9月 6日 (土)

自民党の分裂と「上げ潮派」の詭弁

「政党」についてWikipediaは以下のように説明している。

「政治において政策や主張に共通点のある者同志が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の運営の基本単位になるなどを行う組織または団体のことを指す」

自民党は福田首相の「政権投げ出し」=「職場放棄」に伴い、不況深刻化の危機に直面して待ったなしの政策対応を求める日本経済を横目に、「不祥事」を「広告宣伝活動」に転化する言語道断の「総裁選騒ぎ」にうつつを抜かしている。

老若男女の候補者が乱立し、正反対の主義主張を表明して戦うのが、「開かれた総裁選」なのだそうだ。しかし、政策や主張が全面的に対立する者の間で総裁選が戦われるなら、本来、そのような候補者が同じ政党に所属して、集約された意見と統一された政策を有権者の前に提示することは困難である。

「上げ潮派」のブレーンを自任する元財務省職員の高橋洋一氏が、2008年9月5日付日経新聞「経済教室」に「福田首相退陣と自民党総裁選 経済政策論争の舞台に」と題する文章を発表した。麻生太郎氏を「オールド・ケインジアン」、与謝野馨氏を「財政重視主義者」に分類し、高橋氏が提唱する経済政策を掲げる人物を「上げ潮派」と分類している。

「財政重視主義者」と「上げ潮派」が財政再建を重視するのに対して、「オールド・ケインジアン」は財政再建にこだわらないとする。また、「オールド・ケインジアン」と「財政重視主義者」が「大きな政府」を指向するのに対して「上げ潮派」は「小さな政府」を目指し、公務員制度改革や地方分権に積極的であるとする。

「経済成長と景気回復」について、「財政重視主義者」がこだわらないのに対して「オールド・ケインジアン」と「上げ潮派」は「重視」するのだという。

「上げ潮派」の政策を提案する中川秀直氏が日経新聞出身であるからとはいえ、露骨に紙面を提供して「上げ潮派」を支援する日経新聞の偏向報道ぶりに改めて驚かされるが、財政政策を重視する主張を「オールド・ケインジアン」とひと括りに取り扱うところは、高橋氏が依然として財務省の近視眼的思考方式に支配されていることを象徴する。

これまで、本ブログでも記述してきたように、1997年や2001年の「近視眼的緊縮財政」結果として財政赤字の激増をもたらした。2003年から2007年にかけての財政収支改善は景気回復が税収増加をもたらしたことによって実現した。財政政策活用は成長重視、成長優先の発想に由来するものであり、「財政再建にこだわらない」とする高橋氏の指摘は当を得ていない。財政再建にとって不可欠の要素は健全な成長実現なのだ。

経済状況を無視してひたすら財政収支均衡化を追求した小泉政権が、逆に財政赤字を急増させた歴史的事実を踏まえずに、財政政策を論じる姿勢が、誤りを繰り返す原因になる。そもそも、「上げ潮派」に属する人々は2001年から2003年にかけて「近視眼的財政収支均衡至上主義」を唱えて、実際に実行した人々だ。その政策失敗の教訓を経て「成長重視政策」重視主義者に「転向」したのだ。「上げ潮派」の人々は、過去の政策失敗を隠ぺいしている。

私は財政政策の活用を否定しないが、麻生氏が主張するような「バラマキ」には反対する。財政政策活用に際して最重要の視点は、「どのような方法で財政政策を活用するのか」だ。「財政の資源配分機能」を重視しなければならないのだ。

利権に直結する公共事業、個別補助金政策を排し、社会保障給付、失業補償、障害者支援、高齢者支援、教育などの分野における制度変更に伴う財政支出拡大を検討するべきである。経済状況に応じて財政政策を積極的に検討することは必要だが、財政政策の内容を十分に検討することが求められるのだ。

「オールド・ケインジアン」の呼称は「財政政策重視主義者」に訂正されるべきで、この「財政政策重視主義者」と「財政重視主義者=増税派」の違いは明確だが、「上げ潮派」の主張は不明確だ。

そもそも「上げ潮」なる用語がいかなる意味で用いられているのか判然としない。海の満ち干で考えると、「上げ潮」があれば必ず「下げ潮」、「引き潮」があるから、「経済に循環がある」ことを訴えているとも考えられる。

あるいは、「上げ潮」にはどこか「元気が増大する」響きがあるから、「声の大きい元気な人々の集まり」の意味で使用しているとの仮説にも説得力がある。

高橋氏によると「上げ潮派」は、①歳出削減による「小さな政府」を目指し、②財政再建を重視し、③他方、経済成長を重視して、④財政政策には埋蔵金を活用することを、特徴とする。さらにひとつ付け加えると、⑤日銀の超金融緩和政策を主張する。

「上げ潮派」の主宰者である中川秀直氏は著書のなかで、官僚利権排除を述べているが、まったく信用することができない。中川氏や竹中平蔵氏は小泉政権の中枢に位置し、官僚利権を排除し得る立場にあったが、官僚利権排除の行動を一切取らなかった。政策金融機関に対する財務省からの天下り排除が最も分かりやすい試金石になったが、小泉政権は天下り利権を完全擁護した。「上げ潮派」の掲げる「天下り廃止」は間違いなく「偽装」であると思う。

「上げ潮派」は「市場原理主義」によって成長率を高められると主張するが、幻想にすぎない。この問題は改めて論じたいが、「市場原理主義」の行き過ぎが日本経済の根幹を崩壊しつつあることに対する認識が、近年急速に強まっている。

「上げ潮派」は埋蔵金を活用しての財政政策を主張するが、経済学的に見ればまったくナンセンスだ。政府資産売却・流用による財源調達と、国債発行による財源調達との間に、政府純債務に与える影響の差は生じない。2001年度に小泉政権が見かけの国債発行金額を実態の33兆円から30兆円に粉飾したが、「上げ潮派」の主張は「粉飾」の勧めにすぎない。

財政赤字拡大=財政バランス悪化を伴わなければ、短期的な成長率浮揚効果は得られない。「財政赤字を拡大させずに景気拡大策を発動する」などの「詐欺的」手法を経済政策に用いることは極めて不健全である。

さらに重大な問題は、「上げ潮派」が提唱する「超金融緩和政策」が、「下落するドルに対する過剰な買い支え介入」の形で実践され、「日本売国」の主要政策として実行された歴史的事実が存在することだ。日銀による「超金融緩和政策」と「ドル買い過剰外為介入」は表裏一体をなし、小泉政権は外国資本がより低いコストで日本資産を買い占めることを支援し、また、日本資産取得の原資を50兆円の単位で海外に提供したのである。

詳しくは9月1日記事「「日本売国=疑惑の外為介入」政策の深層」、ならびに9月5日付記事「国難と総裁選にうつつを抜かす自民党」を参照いただきたい。「上げ潮派」の真相・深層を有権者は正しく知らねばならない。

自民党総裁選は自民党内の政策や主張において、集約された意見も統一された政策も存在しないことを白日の下に晒す結果をもたらすだろう。自民党は政権与党であり、自民党総裁はそのまま、政治の最高責任者である内閣総理大臣に就任するのだが、有権者からすると、どのような政策や意見を持つ人物が首相に就任するか、まったく見当もつかないとの状況がもたらされていることになる。

衆議院の解散総選挙を経ることなく、首相は三たび取り替えられる。自民党内にまったく方向の異なる主義主張を唱える人々が多数存在し、有権者が直接に関与できないところで、最高責任者が次々に職場放棄しては、まったく属性の異なる人と入れ替わるのだ。

あえて、共通点を見出すとすれば、

①一般国民の生活、幸福に直結する「セーフティーネット」破壊が一貫して推進されていること、

②官僚の天下り利権が完全に擁護されていること、

③日本の国民ではなく、外国資本の利益が追求され、日本国民には不幸が押し付けられていること、

の三点は「ブレる」ことなく一貫して実行され続けている。

 幸い、次期総選挙の争点が上記三点の是非になる。

①国民の生活、生存権を守る「セーフティーネット」を再構築して強化する、

②特権官僚の天下り利権を根絶する、

③「外国資本の利益のために存在する政治」を「日本国民の幸福を実現するための政治」に転換する、

ことを主張する野党勢力が政権交代を実現し、新しい政府を樹立することが次期総選挙の目的になる。

 「御用マスゴミ」が「焼け太り総裁選」を過剰報道し、政権交代阻止に全力を挙げているが、有権者は自民党総裁選の実情から「自民党分裂の実態」を正確に知り、次期総選挙での政権交代実現の必要性を再確認しなければならない。

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2008年9月 5日 (金)

国難と総裁選にうつつを抜かす自民党

福田首相が「職場放棄」の「政権投げ出し」を実行し、自民党は「不祥事」を「広告宣伝活動」に転化する言語道断の行動を示しているが、自民党が操舵を任されている「日本丸」は荒波に呑まれて難破しそうな気配だ。

国民不在、国民経済投げ出しの自民党の政治意識が鮮明に表れている。自民党総裁が任期満了を迎え、予定されていた総裁選を実施するなら、予定通りに粛々と進めればよい。それでも、一国経済が危機に直面する国難の時には、総裁選を棚ざらしにしてでも、国難に対処するのが責任政党の取るべき行動だ。

日本の株価急落は日本経済の先行き不安を端的に示している。国土交通省は改正建築基準法施行に際して、当然取られるべき行政当局の準備を怠り、住宅建設に甚大な打撃を与えた。相次ぐ上場不動産デベロッパーの破綻の原因の一端は政府の怠慢にある。日本経済の状況悪化に対して取られるべき政策対応を自民党はいたずらに遅延させている。

小泉政権以降の自民党清和会政権は国民生活の安定を犠牲にして、ひたすら「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」への利益供与に努めてきた。「大資本」の利益だけを考慮する労働行政が非正規雇用の激増を生み出してきた。いまや働く人々の3人に1人が非正規雇用労働者だ。また、汗水たらして働いても年収が200万円に届かないワーキングプアが若年層を中心に1000万人を超えている。

戦後の日本経済の発展を懸命に支えてこられた高齢者に対する政府の仕打ちは、人の道を外れるものだ。苦労知らずの政治家二世、三世には、一般国民の生活に目を向ける発想が存在しない。

「小さな政府」には「良い小さな政府」と「悪い小さな政府」がある。「特権官僚の天下り利権」を根絶する、本当の政府の無駄を取り除く「小さな政府」は「良い小さな政府」だ。しかし、「特権官僚の天下り利権」を温存し、国民生活に直結する「セーフティーネット」を破壊する「小さな政府」は「悪い小さな政府」だ。

小泉政権以降の自民党清和会政権が推進してきたのは、言うまでもなく「悪い小さな政府」だ。財務省、警察庁を軸にする巨大な「天下り利権」は完全に温存されている。一方で、一般労働者、高齢者、障害者、母子世帯、生活困窮者に対する政府の施策は冷酷無比に切り込まれてきた。

日本経済が不況に突入したいま、経済悪化のひずみが真っ先に直撃するのが、経済弱者である。非正規雇用の労働者が突然解雇通告される。一切の保障を持たない彼らは、不況のさなかの街に放り出されるのだ。

自民党「上げ潮派」は「小さな政府」を唱えるが、「上げ潮派」が提唱する「小さな政府」が小泉政権以来の自民党清和会政権が主張してきた「悪い小さな政府」であることは言うまでもない。

「上げ潮派」は同時に、日銀による「超金融緩和政策」を提唱するが、この「超金融緩和政策」こそ「売国政策」の中心をなしてきた政策である。詳しくは9月1日記事「「日本売国=疑惑の外為介入」政策の深層」を参照いただきたいが、日本の超金融緩和政策と円暴落誘導政策は表裏一体をなし、円暴落誘導政策は外国資本による「破格の暴落価格での日本買い占め」を支援したのだ。

同時に、竹中経財相が金融相を兼務した2002年9月から2004年3月にかけての1年半に、日本は46.8兆円の「円売り=ドル買い」外為介入を実施した。この期間は小泉・竹中政権が日本の実物資産価格を暴落させた時期でもある。日本政府は46.8兆円もの資金を米国国債保有者に提供したが、この資金が暴落した日本の実物資産買占めに用いられた可能性が高いのだ。

「ドル買い」の累積である日本の外貨準備は1兆ドルを超えているが、日本が外貨準備を「米ドル」ではなく、「ユーロ」で保持したなら、2002年9月以降だけで考えても、実に73兆円もの差が生じるのだ。ユーロでの運用と比較すると、73兆円もの損失を生み出したのである。

日本を破格の暴落価格で売却する円暴落誘導政策が同時に日本国民に73兆円もの損失を与えたのだ。「上げ潮派」が提唱する政策は「売国政策」としか言いようがない。

日本国民の血税を巨額に注いだ公共施設が次々に売却されてきたが、売却資産の購入者の筆頭は外国資本だ。日本郵政、日本道路公団などが保有する優良実物資産も外国資本の手に譲渡される道筋が確実につけられている。「私のしごと館」も売却の方向にあるが、外国資本が虎視眈々と狙っていることがよくわかる。

自民党「増税派」は「官僚利権」を温存したままでの「巨大増税」を計画している。国民生活を守るセーフティーネットは破壊され、「特権官僚の天下り利権」は温存され、一般庶民に重くのしかかる「巨大消費税増税」が実施される。「悪夢の経済政策」としか言いようがない。

こうしてみると、「積極財政」を唱える麻生太郎氏が最終的に次期総裁に選出される可能性が高いのだが、「積極財政」の内容が問題になる。「セーフティーネットを再構築する財政支出」が求められるが、総選挙対策の財政支出はまったく性格を異にする。「利益誘導」=「利権まみれ」の財政支出が満載になる。

しかも、財政支出の賞味期限は総選挙までだ。総選挙が終わってしまえば、「積極財政派」と「増税派」が結託することになる。「セーフティーネット再構築」を目的とする財政支出は求められるが、「利権まみれ」の「バラマキ」財政は有害である。

自民党総裁選挙の立候補者が麻生氏を除いて東京都選出議員であるのは、次期総選挙の最大の戦場が首都東京になるからだ。いずれの議員も民主党候補者との一騎打ちが予想されており、落選の危機に直面している。麻生氏は秋葉原を地盤に持つ。自民党は「不祥事」を次期総選挙の広告宣伝活動に「悪用」し尽くす。

しかし、日本経済の現状は、自民党が「職場放棄」を自民党総裁選の「お祭り騒ぎ」に転化させることを容認する状況にない。「日本経済丸」が世界経済の荒波にもまれ、難破しかかっているときに、福田船長が突然、職場放棄した。

自民党が「政権担当能力」を口にするなら、「職場放棄」の責任を厳粛に受け止めて、直ちに後任の総裁を送り出し、任務に支障を来さぬよう、全力を注ぐべきだ。「日本経済丸」は荒波に呑み込まれる国難に直面しているのだ。

韓国では有権者が行動力を有している。政府の政策失態を国民横断の示威行動で糾弾する。「職場放棄」の不祥事に対する責任を明確にすることもなく、国民経済を無視した「総裁選」のお祭り騒ぎにうつつを抜かす自民党に対して、国民は全国で糾弾ののろしを上げるべきだ。

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2008年9月 4日 (木)

「改革」政策の本質

「改革」政策の本質が「弱肉強食奨励」、「利権構造死守」にあることを見抜かなければならない。

自民党は「政権投げ出し」の不祥事を広告宣伝活用の機会に悪用し始めた。そして「御用偏向マスゴミ」が自民党の筋違いの行動を全面支援している。有権者は有権者を愚弄する「悪徳ペンタゴン」の詐術(さじゅつ)に動揺してはならない。問題の本質を見極めて次期総選挙への基本姿勢を定めなければならない。

小泉政権以来の自民党清和会(町村派)政権によって日本は崩壊の危機に直面している。2005年9月の郵政民営化選挙で有権者は「改革」の言葉の響きに幻惑されて、自民党に圧倒的多数を与えてしまった。その結果が現在の日本の惨状だ。

自公政権は政治の主役であるはずの一般国民に不幸と不安だけを与えて、「政治屋」、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益のみを追求してきた。「御用マスゴミ」は「利権互助会」=「悪徳ペンタゴン」の利権死守に貢献すべく、「御用報道」に徹している。

国民はようやく小泉政権以降の自民党清和会政権の本質に気付き始めた。その結果が、昨年の参議院選挙での与党大敗、本年4月の山口衆院補選、6月の沖縄県議選、内閣支持率の凋落(ちょうらく)に表れている。このまま総選挙に突入すれば、政権交代が実現し、自公は野党に転落する。

自公政権の非常事態に際して、一発大逆転の「詐術」が試みられている。福田首相の「政権投げ出し」=「職場放棄」の不祥事を「自民党総裁選」=「自民広報宣伝イベント」に転化し、新政権の支持率を上昇させて総選挙を実施しようとの陽動作戦が仕掛けられている。

「御用マスゴミ」は「悪徳ペンタゴン」の一角として、自民党支援の総裁選過剰報道に舵を切った。総裁選は一種のゲームで、興味本位の報道を繰り広げれば視聴率を確保できる。福田首相の「職場放棄」を糾弾しなければならない有権者も、興味本位の報道が持続するなかで、不祥事への怒りを忘れてしまう。新総裁が選出されるころには、新政権に対する期待感を抱いてしまう。

これが「詐術」の基本シナリオだ。しかし、その後に控えるイベントは「総選挙」という日本の命運を分ける戦いである。「詐術」は最重要の「総選挙」に向けての内閣支持率浮上を誘導するための「偽装」工作にすぎない。自公政権の本質が変わらなければ、主役である一般国民を踏み台にして「政官業外電の利権互助会」の利益だけを追求する政治の実態は継続する。有権者は詐術に幻惑されずに、その本質を見抜かなければならない。

8月29日に示された総合経済対策。景気対策を謳いながら、補正予算規模は1.8兆円。景気浮揚効果は極めて限定的だ。麻生太郎幹事長は財政再建目標を先送りしても景気浮揚を優先すべきと主張する。これに対し、財政健全化目標を堅持すべきとの二つのグループが待ったをかける。二つのグループは増税を念頭に置く「財政再建派」と歳出削減での財政再建を主張する「上げ潮派」だ。

「足して2で割る」手法の福田首相は各陣営の主張を折衷して、「煮ても焼いても食えない」曖昧さだけを特徴とする景気対策を決定した。

もはや、自民党は政党の体をなしていない。まったく異なる方向の政策を主張するグループが唯一「利権互助会」の共通項で同居しているにすぎないのだ。

今回の自民党総裁選は自民党の思考分裂を鮮明に示すことになる。まったく方向の異なる経済政策手法が並べられて総裁が選出されることになるからだ。

「改革継続の是非」の言葉が報道されるが、「改革」の意味する内容が定かでない。麻生氏が主張する「財政再建を先送りしての景気回復優先」を「反改革」と説明するメディアがある。こうなると、財政再建を優先するのが「改革」路線ということになる。

しかし、テレビに登場する政治評論家は、財政再建を重視して増税を念頭に置く与謝野馨経財相を「小泉改革路線」に反対する人物と説明する。「上げ潮派」は財政再建目標重視だが増税によらない財政再建を主張し、政治評論家は「上げ潮派」を「小泉改革」支持と説明するが、こうなると「改革」=「上げ潮派」ということになる。

しかし、「上げ潮派」の主張をよく見てみると、「上げ潮派」は政府資産を景気対策に流用することを主張する。いわゆる「埋蔵金」論議だ。しかし、8月25日付記事「迷走する福田政権の景気対策」に記述したように、新たに借金することと資産を処分することの間に財務上の純債務増減の差は生じない。「上げ潮派」の論議は「見かけの赤字」を変化させるだけの単なる「粉飾」の技法でしかない。

麻生氏が主張する景気対策を私が「バラマキ」と表現するのは、財政支出の方法に着目するからだ。不況進行への経済政策対応として、財政政策はひとつの有力な手法になる。金融政策と財政政策は経済政策の両輪であり、状況によって使い分けが必要だ。米国も本年のサブプライム不況では財政政策を活用している。

経済安定化政策のひとつの手法としての財政政策の重要性を否定すべきでない。財務省および財務省路線に乗る「近視眼的均衡財政至上主義者」は「緊縮財政」を金科玉条として、景気情勢を無視してひたすら「緊縮財政」を主張する。この「近視眼的均衡財政至上主義」が1997年、2001年の経済政策大失敗原因になったことは記憶に新しい。この意味で「近視眼的均衡財政至上主義」は否定されなければならない。

小泉元首相が主張した「改革」政策は元来、「近視眼的均衡財政至上主義」とほぼ同義だった。小泉元首相は「改革」と叫びながら超緊縮財政を強行実施して日本経済を破綻の危機に陥れた。結局、危機に直面して「超緊縮財政」を放棄した。小泉政権は2001年度も2002年度も財源を5兆円新規調達する大型補正予算編成に追い込まれた。

「バラマキ」というのは、財政支出の方法を指す言葉だ。「制度減税」、「社会保障」、「失業補償」、「障害者支援」、「高齢者支援」などを目的に「制度」を変更して実施される財政支出を「プログラム支出」と呼ぶことができる。

これにたいして、「個別補助金」、「個別支出」などの財政支出は「裁量支出」と呼ばれる。「裁量支出」が「利権」の温床になる。麻生氏が総選挙を念頭に入れて主張する「財政政策」の主眼は、この「裁量支出」にあるのだ。この財政政策発動の手法を「バラマキ」と表現している。

BLOG版ヘンリー・オーツの独り言」のヘンリー・オーツさんが示されているように、自民党内の「財政再建派」、「上げ潮派」、「バラマキ派」の相違は「目くそハナクソ」の違いでしかない。

共通するのは、

①「天下り」を軸とする「特権官僚の利権」根絶を提唱しない。

②「弱肉強食」を奨励し、年金、医療、雇用、障害者支援、生活困窮者支援、などの「セーフティーネット」崩壊を放置する。

③「政治屋」、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」、「電波」の「悪徳ペンタゴン」=「利権互助会」の利権死守を大目標とする。

の三点である。

 つまり、「改革」路線とは、「弱肉強食」奨励による格差拡大を放置し、社会のセーフティーネット崩壊を推進し、一般国民の犠牲の上に立つ「利権互助会」の利権死守を目指す政策路線なのだ。

 「財政の健全性回復」、「将来的な財源確保の方法」を検討することは重要だが、その前に、「官僚利権の根絶」と「セーフティーネット再構築」の是非が論じられなければならない。

 自民党のコップの中の論争は、「官僚利権温存」と「セーフティーネット崩壊放置」を大前提とした論争であり、この意味で「目くそハナクソ」にすぎないのだ。麻生氏が主張する財政政策も、「利権」に直結する「バラマキ」政策である可能性が極めて高い。この種の「バラマキ」政策は「利権互助会」の利権を死守する性格を有しており、「コップの中の論議」にとどまる。

 次期総選挙での最大の争点は、「利権互助会のための政治」VS「一般国民のための政治」である。「官僚利権」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求してきたこれまでの政治を、「一般国民」の利益を追求する政治に「CHANGE」するのかが問われる。

 「特権官僚の天下り利権を根絶」し、「セーフティーネットを再構築」し、「対米隷属の外交から脱却して独立自尊外交を敷く」ことが、新しい政府の方向になる。

 「御用マスゴミ」を総動員し、焼け太りの「過剰総裁選報道」をどれだけ展開しても本質は変わらない。国民は問題の本質を見極めて次期総選挙に向けての姿勢を定めなければならない。

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2008年9月 3日 (水)

「不祥事」を「宣伝」に転化するマスゴミ報道

「政権投げ出し」を与党の利得に転化するのは筋違いだ。「政権投げ出し」は「職場放棄」である。日本で最も大事な仕事を任されている人物が「職場放棄」した。首相を輩出している与党は国民に謝罪して直ちに後継者を選出する責務を負っている。「不祥事-謝罪-迅速な対応」が「危機マニュアル」の基本で、不祥事への対応過程を広告宣伝活動に利用することなど許されることではない。

船の航海を委託されている企業があるとしよう。企業が派遣した船長が航海中に仕事を投げ出した。企業は顧客である乗客に深く謝罪するとともに、代わりの船長を迅速に派遣して、航海中断を最小限に留める責任を負う。

航海を放り出したまま、次の船長選びにうつつを抜かす猶予など与えられるはずがない。まして、船長選びを企業の広報活動に利用することなど、言語道断の対応だ。

「政権投げ出し」の不祥事の責任を問わず、「政権投げ出し」を広報活動の「利得」に転化させる言語道断の行動を最も助長しているのはNHKである。NHKが「福田首相政権投げ出し」のニュースを、気付かれぬように「自民党後継総裁選」のニュースに切り替えて、「巨大政治イベント」の装いを凝らして報道するから、「不祥事」が「利得」に転化するのだ。

NHK以外の電波も「御用マスゴミ」として大政翼賛報道に加担する。「御用マスゴミ電波」は「政権投げ出し」の責任をまったく追及せぬまま、国民の関心を引くように「後継総裁選出ゲーム」として「自民党総裁選」の報道を開始した。

「日本丸」はいま原油高と不況の荒波に呑み込まれようとしている。臨時国会の召集が9月12日に内定し、迫りくる荒波に対して高度の航海術が求められる局面に差しかかっていた。そのさなかでの船長の職場放棄だ。

しかも、船長の突然の職場放棄は今回が初めてではない。1年前にも安倍船長が突然、職場を放棄した。船長を派遣する「自公」株式会社は、せめてもの責任として、航海の受託を返上し、社内の綱紀粛正に専念するべき局面だ。

航海を委託している乗客は、3年前に気の緩みから「自公」株式会社に船の航海を全面委託してしまった。催眠商法のような詐術(さじゅつ)に嵌(は)まり、「自公」株式会社に巨大な決定権を付与してしまったのだ。

その後の現実を見て、多くの乗客が後悔している。「自公」株式会社は「大企業」、「特権官僚」、「外国」の利益だけを尊重して、主賓(しゅひん)であるはずの一般乗客に対して「客を客とも思わぬ」蛮行を振るい始めたからだ。

「年金」、「医療」、「雇用」、「教育」、「障害者支援」、「生活保護」、「中小企業支援」などは、一般乗客の生活の基本だ。一般乗客が委託会社に求めるのは、こうした生活の基本を確実に守り、安全な航海を保障してもらうことだった。

一般乗客は3、4年に一度、委託会社を選択する機会を持つが、3年前の2005年に「自公」株式会社を選択してからは、その機会を与えられぬまま現在に至っている。一般乗客は委託会社と船長をセットで選択するのだが、2006年、2007年の2度にわたり、一般乗客の選択を経ずに船長だけが切り替えられてきた。そして、この2人が2人とも突然、職場を放棄してしまった。

航海の操舵を「自公」株式会社に委ねたが、燃料補給、客室管理などの業務については、昨年7月に「民社共国」株式会社に委託先を変更した。一般乗客は次の総選挙で、航海の操舵も「民社共国」株式会社に委託先を変更することを真剣に検討し始めた。

その矢先の船長による職場放棄だが、今回の職場放棄を「自公」株式会社が「自公」株式会社を乗客にアピールする広告宣伝活動に悪用しようとしているように見える。より正確に言えば、その目的のために職場放棄をあえて船長に実行させた可能性が高い。

昨年の安倍船長による職場放棄も見る目に耐えない大失態だったが、その際に「自公」株式会社は「総裁選」を「御用マスゴミ」に大々的に報道してもらうことにより、巨大な利得を得る経験をした。全面協力したのが「国営御用マスゴミ」=NHKだった。巨大広報報道により、福田新船長の船出を高支持率で飾ることができた。

この経験に味をしめて、「自公」株式会社は2匹目のどじょうをねらっている。NHKはすでに「巨大政治イベント」としての自民党総裁選報道を開始している。

自民党総裁選は麻生太郎氏と小池百合子氏が軸になると見られるが、自民党の派閥力学からすると結果は微妙だ。古賀誠氏、谷垣禎一氏、山崎拓氏、二階俊博氏は麻生太郎氏と本来は距離を置く。清和政策研究会の森喜朗元首相は麻生後継に言及するが、清和研の中川秀直氏と極めて近い。

伊吹文明氏は緊縮財政派であり麻生太郎氏との距離がある。平成研究会の津島雄二氏は財務省出身で根は緊縮財政派だが、最終的には勝ち馬に乗る対応を示すだろう。

「財政バラマキ」と「偽装CHANGE」との間で総裁選が展開されるが、最終決定は世論の動向を睨んで決定されると考えられる。ただし、次期総選挙でほとんどの自民党候補者は公明党、創価学会の支援がなければ当選できない。この意味で自民党は公明党の意向を受け入れざるを得ない。そうなると、麻生太郎氏の「バラマキ」路線が選択される可能性がやや高い。

この場合、「小泉一家」を軸にして、総選挙用に「偽装CHANGE集団」が創設される可能性が浮上する。総選挙での「非自民票」を吸収しようとの戦術だ。総選挙後には「自公」と「偽装CHANGE」は連携して合流する。「偽装CHANGE」は自公政権が「悪徳ペンタゴン」の利権を死守するために創設されるものだから、総選挙が終われば役割を終える。

福田首相辞任、自民党総裁選、解散総選挙への流れは、自公政権が「政官業外電=悪徳のペンタゴン」=「利権互助会」の利権を死守するために練ったシナリオ上に位置付けられる。「悪徳のペンタゴン」の一翼を担う「御用マスゴミ」は「御用マスゴミ」自身の利権を死守するためにも、「御用報道」に徹する。

福田船長の職場放棄を糾弾し、「自公」に速やかな後継総裁選出を迫るのが本来のメディアの役割だ。航海途上での職場放棄に伴う船長交代を「巨大政治イベント」として演出するのは、「御用報道」以外の何者でもなく、メディアの本来の立場を逸脱している。

航海途上での寄港地で、もとより予定されている船長交代の記念行事を大きく報道するなら順当だ。任期満了に伴う自民党総裁選を適切に報道するのであれば筋が通る。あるいは、船長が航海日程を適切に管理して一般乗客にまったく迷惑がかからない日程を設定して、船長交代の行事を行うのなら理解できる。

船長の無責任な職場放棄を航海受託会社の広告宣伝活動に悪用することが定着すると、「自公」株式会社は企業業績が傾くと、意図的に船長の職場放棄を画策するようになってしまう。これを「モラル・ハザード(倫理の喪失)」という。

自民党は、「船長の職場放棄」という「不祥事」の現実を厳粛に受け止めて、後継総裁を短期間に迅速に、しかも「ひっそりと」選出すべきなのだ。報道機関は事態を適正に客観的に評価して、「焼け太り」を認めぬよう、自民党総裁選報道を「最小限度」にとどめるべきだ。

とはいえ、前近代国家に堕してしまっている現状の日本で、報道機関に本来のメディアの役割を求めることは残念ながらできない。NHKを筆頭とする「御用マスゴミ」は権力迎合の「偏向御用報道」を大々的に展開することになるだろう。

一般乗客も2005年に「催眠商法」の罠に嵌(はま)った苦い経験を持つ。「日本丸」の航海を受託される可能性を持つ「民社共国」株式会社は、一般乗客が詐術の罠(わな)に嵌(はま)らぬよう、警戒を呼び掛ける最大の啓蒙(けいもう)活動を展開する必要がある。あらゆる妨害活動、権謀術数(けんぼうじゅっすう)を乗り越えて、政権交代を実現し、「一般国民の幸福を追求する政府」を樹立しなければならない。

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2008年9月 2日 (火)

CHANGE偽「装裁選」と10月19日総選挙

8月31日付記事に「11月に自民党総裁選が実施される可能性」と記述したが2ヵ月早まった。福田首相が政権を投げ出した。1年前の安倍首相の政権投げ出しの再現映像を見るかのような辞任会見だった。異なるのは「胃腸障害」と「視覚障害」の差程度だった。

「説得力のある理由」、「責任の明確化」、「謝罪」が欠落し、「愚痴」、「責任転嫁」、「逆ギレ」に彩られた会見だった。3日前の29日に総合経済対策を決めて、国民経済安定化に向けての国会論戦待ったなしの状況での政権投げ出しは、所信表明演説を終えて代表質問直前に政権を投げ出した安倍前首相とほぼ同じ類型だ。

国民は怒り、メディアは政権の無責任を糾弾しなければならない。このような状況下で自民党総裁選をお祭り騒ぎで持ち上げるのは筋違いだ。内閣総辞職して新政権を樹立するなら、サミット終了から8月末までの2ヵ月近くの間に実施すべきだった。

政権を担う自覚と責任を欠く政党の党首選びに公共電波を無駄に割り当てるべきでない。2-3日、「せいぜい」1週間のうちに後継者を決定して空白を最小限に食い止めるべきだ。

内閣改造に国民のエネルギーはどれだけ費やされたのか。昨年に引き続く失態である。国会召集日を9月12日に決めて、国民のためにようやく働くことが決定されているタイミングでの首相辞任であり、メディアは政権政党だからと甘やかすべきでない。

福田首相は会見で、「野党が反対ばかりする」と愚痴をこぼし、「野党が反対するから決定に時間がかかりすぎる」との責任転嫁を繰り返したが、衆参両院のねじれは主権者である国民による選挙の結果生まれたものだ。

参議院が衆議院の決定に従わなければならない規定は存在しない。衆議院でしか多数を確保していない与党代表の首相であるなら、参議院の意思を尊重して意思決定を図るのが正道なのだ。参議院の決定を衆議院の多数の力で無視することは邪道である。

福田首相の会見は小沢一郎民主党代表との党首討論での発言の繰り返しでしかなかった。日本の政治状況を客観的に把握し、その状況下での首相のリーダーシップの発揮方法を賢明に思慮する能力を福田首相がまったく持ち合わせていないことを白日の下に晒す会見だった。

直近の民意は参議院の議席構成に表れている。福田首相が自ら主張する政策を実現しようとするなら、衆議院の解散総選挙を実施して、直近の民意によって衆議院の多数を確保するしか道はなかった。その解散総選挙を選択せずに愚痴と責任転嫁を繰り返しても、同情する者はいない。

自民党総裁選はひっそりと迅速に実施すべきで、メディアは自民党総裁選をお祭り騒ぎにするべきでない。無責任極まる政権投げ出しを繰り返す政権政党は最低限の責任として、政治空白を作らぬよう、迅速にひっそりと後継者を選出するべきなのだ。

しかし、「政官業外電=悪徳のペンタゴン」は「御用マスゴミ」を総動員して自民党総裁選を次期総選挙の選挙活動に悪用する。小沢一郎代表の無投票三選を決定した民主党を徹底的に攻撃することになる。

8月31日付記事「「目くらまし経済対策」と今後の政局」に記述したが、麻生太郎氏に加えて小池百合子氏、野田聖子氏などが総裁選に立候補して、福田政権の政権投げ出しの「負のイメージ」を払拭し、新政権への期待感をふくらませる演出を「御用マスゴミ」が施すに違いない。

「小泉一家」が「上げ潮派」、「TPL」、「小泉チルドレン」、「脱藩官僚の会」、「自民党別働隊知事グループ」を糾合して「偽装CHANGE集団」を創設する可能性がある。「偽装CHANGE集団」は「官僚利権打破」を標榜するが、しょせんは自民党別働隊にすぎない。総選挙の際の反自民票の受け皿になることを狙うだけだ。

安倍政権が無責任極まりなく政権を投げ出したにもかかわらず、「御用マスゴミ」が「御用総裁選報道」を繰り返した結果、福田政権発足直後の内閣支持率は高かった。したがって、今後の「御用マスゴミ」による「御用総裁選報道」により、新政権発足当初の支持率が跳ね上がる可能性を否定することはできない。

国民には賢明さが求められるが、テレビメディアの情報独占・操作の影響は深刻なほどに大きい。こうして考えると新政権の支持率が高く記録される可能性があり、その場合には政権発足直後の衆議院解散総選挙が決定される可能性が高い。

新政権は完全に「選挙管理内閣」になるだろう。「選挙管理内閣」の第一の役割は「選挙の顔」だ。サプライズを与える意味で小池百合子氏を新総裁に起用することも考えられる。古賀、谷垣、伊吹、山崎、二階の各派閥領袖は麻生氏の総裁就任を積極支援しない可能性がある。

清和政策研究会の森元首相は「麻生氏」後継に言及しているが、観測気球を上げているとの見方が有力だ。公明党は麻生政権による「バラマキ」政策を求めると考えられるが、総選挙での敗北の可能性を睨んで、自民党との距離を拡大させる気配を示している。

いずれにせよ、合従連衡の可能性をはらみつつ、自民党総裁選が実施され、解散総選挙が早期に実施される可能性が高まった。召集される国会冒頭での解散になると、総選挙は10月19日の日曜日になる可能性が高い。

1996年には消費税増税が争点になり、10月20日に総選挙が実施された。比例区の得票率は自民党32%に対して、新進党28%、民主党14%で、新進・民主が合計で42%を獲得したが、小選挙区制度の特性により、自民党が勝利した。

「小泉一家」が「官僚利権打破」を標榜する「偽装CHANGE集団」を政治新勢力として立ち上げる場合、1996年総選挙での新進・民主の二の舞を演じる可能性がある。選挙区調整が実施されるかどうかが結果を大きく左右する。

自民党は総裁選で「無駄の排除」=「CHANGE」を偽装することになるだろう。「御用マスゴミ」は「御用報道」を全面的に展開し、激しく民主党を攻撃することになると思われる。

民主党を中心とする野党は、与党の「偽装CHANGE」政策の実態を暴かなければならない。与党は「政官業外電=悪徳ペンタゴン」=「利権互助会」の利権を死守することを至上目的として行動する。選挙が終われば「自公」と「偽装CHANGE集団」は連携して合流するのだ。

総選挙に向けての「CHANGE偽装」総裁選が実施される。「CHANGE」の「偽装」と「バラマキ」の「目くらまし」が総裁選で氾濫する。総選挙が終わると「CHANGE」が消滅して「消費税大増税」のモンスターが現れる。

有権者がその後におよんで「騙された」と思っても遅い。1年前に国民的行事に祭り上げられた自民党総裁選の末路がこの9月1日夜の哀れな福田首相辞任会見である。9月に実施されるCHANGE偽「装裁選」に再び騙されてはならない。そして、10月19日に実施される可能性がある総選挙で確実に政権交代を実現しなければならない。

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2008年9月 1日 (月)

「日本売国=疑惑の外為介入」政策の深層

日本を「売国者」から守らなければならない。「売国者」は日本の中枢にまで入り込んでいる。日本国民の貴重な資産の所有権がいま法外な暴落価格で外国資本の手に引き渡されている。

日本の資産価格を暴落させる。日本円を暴落させる。この局面で日本資産を買い集める。暴落価格は理論価格を大幅に下回る価格だから、いずれ理論価格に回帰する。日本円も暴落したのちには反発する。

巨大な「売国政策」が実行された。いや、いまも実行途上である。

日本政府は日本国民の幸福を追求する存在でなければならない。しかし、現実は外国資本の幸福を追求する存在になっている。自公政権(政)、特権官僚(官)、大資本(業)、電波=「マスゴミ」(電)が外国資本(外)と結託して日本国民を地獄に突き落として利権をむさぼっている。

政府を国民の手に取り戻さなくてはならない。その最後のチャンスが次の総選挙だ。「政官業外電=悪徳のペンタゴン」は小沢一郎民主党代表を最も警戒すべき人物と認識してきた。2006年4月に小沢氏が民主党代表に就任した瞬間から、小沢氏の影響力を排除するための工作活動が展開されてきた。

小沢氏の政治資金管理団体が所有する不動産問題、大連立、日銀総裁人事、民主党代表選などの問題は、すべて小沢氏の影響力低下を目的に画策されてきたと考えられる。

日本政府による「売国政策」を一貫して警告し続けてきた点で、私も警戒人物に位置付けられてきたと思う。外国資本中枢と接触のある人物が、そのことを10年近く前に伝えてくれたことがあった。

日銀人事での小沢氏の影響力排除を画策した方法は手が込んでいた。武藤敏郎元大蔵省事務次官の日銀総裁就任案を民主党が不同意した。田波耕治元大蔵省事務次官の総裁就任案も民主党は不同意した。最後に渡辺博史財務省元財務官の副総裁就任案が浮上した。

工作勢力は民主党内で渡辺氏人事容認論の根回しを進める一方で、小沢氏が渡辺氏不同意の考えを持っていることを確認したうえで小沢氏をテレビ番組に出演させ、小沢氏に不同意の意見を表明させた。こののちに渡辺氏同意人事が成立すれば小沢氏の権威を失墜させることができた。

小沢氏が代表の職を辞した可能性さえある。工作勢力はあと一歩のところで工作に失敗した。問題は工作勢力が民主党内部にまで手を伸ばしていることだ。複数候補による民主党代表選挙実施誘導工作もぎりぎりのところで失敗した。小沢氏が求心力を高めて次期総選挙が実施される可能性が高まった。

しかし、政権交代による巨大利権喪失阻止を至上命題とする「悪徳ペンタゴン勢力」は今後も攻撃の手を緩めないと考えられる。電波・活字を活用した「マスゴミ」による情報操作活動は今後、一段と本格化すると考えられる。

日銀への天下り利権死守を目指す財務省は、まだ望みを捨てていない。武藤敏郎氏が民間シンクタンク代表に就任したのは、その布石である。政権交代を阻止し、小沢氏の影響力を排除すれば日銀への天下り利権を死守できると考えている。

財務省は日銀を「天下り利権」の側面から最重要視しているが、日銀重視の理由はそれだけでない。財務省には中央銀行を支配下に置きたい強い事情が存在する。政治屋も中央銀行を支配しようとする強烈なインセンティブを有している。

「政策業外電=悪徳のペンタゴン」にとって中央銀行支配は極めて重要な意味を持つ。中央銀行の政策が「日本収奪」を側面支配する最重要の施策になるのことも重要な事情のひとつだ。

日本の外貨準備は

2008年7月末で1兆0047億ドル

に達する。1ドル=108円で換算して、108.5兆円だ。外貨準備は中央銀行の外国為替市場での介入によって蓄積される。過去のドル買い介入の累計が外貨準備になる。外貨準備の大半は米国国債で、その金利収入も外貨準備に蓄積されてゆく。

日本の外貨準備は小泉政権が発足した

2001年4月末時点で3626億ドル

だった。

2002年9月末時点で4009億ドル

だった。政権発足時点から2002年9月末までの期間にはあまり増加していない。

2002年9月末の内閣改造で竹中平蔵氏がそれまでの経財相に加えて金融相を兼務することになった。ここから株価暴落誘導とその後の「りそな銀行」救済が実行される。日本の資産価格を暴落させて日本人資産所有者による優良資産投げ売りを誘導したことになるが、投げ売りされた優良資産を買い占めたのは外国資本だ。

「大銀行が大きすぎるから破たんさせない政策をとらない」と明言していた政策が全面転換された。小泉政権は「りそな銀行」を2兆円の公的資金投入により救済した。これを契機に株価は急転上昇に転じた。外国資本は労せずに莫大な利得を得た。外国資本は2003年から2005年にかけて日本の優良実物資産を強烈な勢いで買い漁った。

日本の外貨準備は

2004年3月末に8266億ドル

に急増した。

2002年9月末の4009億ドル

から1年半で4257億ドルも激増した。1ドル=110円で換算して46.8兆円の資金が米国国債取得に投入された。

為替レートは小泉政権が発足した

2001年4月末が1ドル=123円

2002年9月末も1ドル=123円

2003年3月末は1ドル=105円

だった。

米国国債を大量保有する外国投資家=外国資本が米国国債を大量売却して獲得した資金で日本資産を買い占めたとの図式が成り立つ。

このことは「生き抜く力」様「第23回 時の政権と経済の関係はどうなっているのか④」に鮮明に示してくださっている。2003年度には外国人投資家が日本の株式市場で、なんと11.6兆円も買い越しているのだ。

BLOG版ヘンリーオーツの独り言」のヘンリーオーツさんが指摘されるように、「生き抜く力」様が非常に分かりやすく図解して整理してくださっている。私は拙著『知られざる真実-勾留地にて』および『現代日本経済政策論』に詳細を記述したが、小泉政権の経済政策が何をもたらしたのかを知るために「生き抜く力」様ブログをぜひご高覧賜りたい。

日本政府はわずか1年半の期間に米ドル資産を46.8兆円も購入した。すでに世界最大級の規模だった外貨準備がこの期間に倍増しているのだ。「狂気のドル買い介入」としか言いようがない。

2002年9月末の為替レートを見ると、

1ドル=123円

1ユーロ=120円

だった。

本年7月中旬の為替レートは

1ドル=107円

1ユーロ=170円

だ。

 46.8兆円の国費を米ドルに投入したが、本年7月の時価評価額(元本部分のみ)は40.7兆円である。仮にこの資金でユーロを購入していたら、時価評価額は66.2兆円になる。その差額は25.5兆円にも達する。

 ドルはこの期間に13.0%下落した。ユーロは41.7%上昇した。

 仮定計算だが、7月末時点の外貨準備高1兆0047億ドルのすべてをユーロで運用したとすると、円に換算して73兆円もの差が発生する。

外貨準備の運用におけるドルとユーロの違いが73兆円もの時価評価の相違を発生させる。日本政府は73兆円もの機会損失を発生させたことになる。

日本政府による「狂気に満ちたドル買い支え介入」の実行が、円上昇を阻止したことになる。日本円は不当に低い水準に誘導された。2002年から2004年にかけてドル下落が進行していれば、米国はドル防衛から金利引き上げを迫られただろう。米国が早期に金利引き上げに着手していれば、米国のサブプライム問題を回避できたかもしれない。

人為的な円下落誘導政策によって外国投資家は日本資産を低いコストで購入することができた。外国資本による「日本収奪」支援が、狂気に満ちた「ドル買い=円売り」介入の真の狙いであったと考えられる。それ以外にこの規模での為替介入を説明する根拠を見出すことはできない。

46.8兆円の介入資金は米国国債の売買を通じて、日本収奪の原資とされたと考えられる。「生き抜く力」様の掲載記事に対するコメントで、この点を指摘されたブログがあったが、当記事執筆時点で確認できなかったため、指摘されたブログ名については、改めて記載したい。

「小泉一家」を母体とする「上げ潮派」は日銀の超金融緩和政策を強く主張する。日銀の超金融緩和政策は円安誘導政策と表裏一体をなす。すでに記述してきたように、2000年から2008年にかけて日本円は米ドルを除く主要通貨に対して暴落した。ドル暴落に直面する米国が金利引き上げを実施せずに済むよう、日本政府が巨額資金を米国に提供したため、米国は利上げを回避できた。その代償として、日本は円暴落の被害を蒙ったと表現することができる。

日本の一人あたりGDPが世界1位から世界17位に急落した最大の要因は円の暴落だ。「円高は日本の国益」である。「日本収奪」を全面支援した小泉政権の経済政策は「売国政策」そのものだった。この「売国政策」をそのまま引き継いでいるのが「上げ潮派」の経済政策である。

「私のしごと館」などの政府資産が民間に売却される方向にある。「払い下げ」される公的資産を暴落価格で取得しようと外国資本が虎視眈々と狙う。年金・簡保関連保養施設などの公的施設、「ダイエー関連リゾート」、「グッドウィル」や「不二家」などさまざまな形で攻撃された企業の旨味のある実物資産を誰が取得しているかの詳細を調査して、「日本収奪」の構造を明らかにしなければならない。

「日本収奪」から日本国民を守らなければならない。

  

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