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2008年8月 8日 (金)

政治の品格

政府が不況を認定したのは、総選挙対策の利益誘導の大義名分を得るためだ。「目的のためには手段を選ばない品格欠落」を日本政治に定着させたのは小泉元首相だが、福田首相も十分に小泉元首相の好敵手になる力量を備えていることが判明した。

権力の蜜には魔力の味わいが潜んでいるのだろう。なりふり構わぬ権力死守への執念が傍若無人の振る舞いに対する禁忌(タブー)を消滅させている。為政者に求められる「美学」が消えた。

福田首相の「とにかく選挙に勝たなければならないから」(7月29日付日経新聞)の言葉が象徴的だ。

福田政権の無原則・無節操を明らかにし、不正義の行動を糾弾しなければならない。

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貴重なご高見を拝読させていただき、いくつかのご高見を紹介させていただきたく思います。機会を改めて記述させていただきますので、ご理解賜りたく思います。

政府は8月7日、月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の基調判断について月例経済報告は、7月の「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動き」との表現を、8月は「景気は、このところ弱含んでいる」に下方修正した。

与謝野経済相は「後退という言葉は使わないが、弱含みとは日本経済は楽観できない状況に入りつつあることを表現したものだ」と述べた。福田政権は「事実上」日本経済の景気後退局面入りを認めたことになる。

政府の不況を認定した理由は景気対策実施の大義名分確保にある。日本経済が景気後退局面に移行しているのは確かだ。不況を認定して景気支持策を実施することは政策の方向として間違ってはいない。

しかし、福田政権が突如、政策方針を全面転換するのは無節操、無原則そのものだ。これまでの国民に対する説明、行動と明らかに矛盾する。

内閣改造後の福田政権の基本性格を改めて整理しておく。

新体制の特徴は、「①派閥均衡」、「②脱小泉」、「③財務省基軸」の三つだ。

①派閥均衡

福田首相は新体制構築に際して、昨年の自民党総裁選で支持を得た町村派、津島派、古賀派、(谷垣派)、山崎派、伊吹派、高村派、二階派の8派閥を処遇した。

さらに、総裁選での対立候補だった麻生太郎氏を幹事長に起用した。麻生氏が福田降ろしに動くこと阻止することが狙いである。「派閥均衡による保身」が第一の特徴だ。

②脱小泉

「脱小泉」が第二の特徴だ。小泉元首相に連なる中川秀直氏、小池百合子氏、渡辺喜美氏、石原伸晃氏、猪口邦子氏などの「上げ潮派」人脈が排除された。外野から政局発言を繰り返した小泉元首相への福田首相の意趣返しの側面があるのだろう。

また、「上げ潮派」、「小泉チルドレン」、「TPL」、「自民別働隊知事グループ」、「脱藩官僚の会」などの連携による「偽装CHANGE」活動の自由度を意図的に創出した疑いもある。

「偽装CHANGE」勢力の「官僚利権打破」などの主張は、もちろん「偽装」である。偽装「CHANGE」勢力が旗揚げされる場合、新勢力が自民党別働隊であることは論を待たない。自民党が自ら反自民票の受け皿を用意して、野党勝利阻止を目指すのだ。

③財務省基軸

第三の特徴は「財務省基軸」だ。伊吹財務相-与謝野経済相-谷垣国交省の親財務省トライアングルを軸に政権が運営される。内閣府副大臣に宮沢洋一氏、増原義剛氏が起用された。両者は元財務官僚だ。

「偽装景気対策」、「偽装無駄ゼロ政策」、「偽装消費税増税封印」は財務省が主導する。「無駄ゼロ会議」では国交省および厚労省の地方部局と関連公益法人が標的にされる可能性が高い。

「①派閥均衡」、「②脱小泉」、「③財務省基軸」の三つの特徴は、自公政権が旧来の自公政権に先祖返りしたことを意味する。福田政権は小泉政権以来の「改革」路線から離れて「守旧政治」に戻る道を選択した。

小泉政権の「改革」路線は日本国民に苦しみしかもたらさなかったから、「小泉改革路線」からの決別は間違いでない。「①弱肉強食奨励」、「②官僚利権死守」、「③対米隷属外交」が「小泉改革」の基本方針だった。この「小泉改革」が日本社会を崩壊に向かわせた。

国民が「小泉改革」路線の誤りにやっと気付き、自公政権が政権喪失の危機に直面したために、福田政権は「小泉改革」路線と訣別する姿勢を示したのだ。

しかし、福田首相が新たに選択した道も誤っている。福田首相は「守旧」の道を選択した。福田首相は「官僚主権構造」の本尊である「財務省&霞が関」に本陣を構えてしまったのだ。

財務省は「一般国民を切り捨てて官僚利権を死守する」=「歪んだ緊縮財政政策」の砦である。財務省は本来、景気対策に消極的だが、その財務省がにわかに「景気対策」策定に動き始めた。

狙いはただひとつ。政権交代の阻止だ。財務省&財務省基軸政権が目論む「消費税増税」は政権交代によって粉砕される。「エビ=景気対策」で「タイ=消費税増税」を釣り上げる作戦が動き始めた。

「緊縮財政」、「基礎的財政収支黒字化」、「社会保障支出切り捨て」を表看板に掲げてきた福田政権が景気対策発動に動くには、大義名分と新たな顔が必要になる。

それが、「不況認定」と「麻生幹事長」就任である。景気対策を打つ余裕があるなら、これまでに一般国民の生存権を侵害する社会保障費切り捨てを回避すべきだった。

新たな景気対策で福田政権は透明性の高い政策を選択しない。組織票を利益誘導できる手法だけが選択される。財務省は財務省利権にならない社会保障費、公共事業費、ひも付きでない地方への支出を嫌悪するが、財務省に配分権が付与される裁量支出を熱烈歓迎する。

「無駄ゼロ会議」が開催されるが、「財務省の天下り利権」根絶は絶対に示されない。選挙の時だけ「ドロドロの利権財政支出」で有権者をかどわかし、選挙が終われば一般国民のことなど眼中にも入れず、「政官業外電=悪徳のペンタゴン」で利権を山分けする政治に回帰する。

思えば、小泉首相は郵政民営化選挙で同朋に刺客を差し向けた。国債30兆円の公約を破ると、「この程度の約束を守れなかったことは大したことではない」と嘯(うそぶ)いた。

非戦闘地域を質問されると、「そんなこと聞かれたって分かるわけがない。自衛隊がいるところが非戦闘地域だ」と発言した。年金未納が発覚すると、「人生いろいろ、社長もいろいろ」と開き直った。

福田政権がいま着手しようとしているのは、文字通りの「ばらまき財政」だ。緊縮財政を頑(かたく)なに主張して、障害者、高齢者、非正規雇用者、母子世帯などに血も涙もない政治を強行してきたのが福田政権だ。

にもかかわらず、自らの利権が侵される危険が明らかになると、手の平を返して利権まみれ、利益誘導の「ばらまき財政」に着手するのだ。そのような財源があるなら、これまでに血の通った政策を実行するべきではなかったのか。

国民は「偽装景気対策」、「偽装無駄ゼロ政策」、「偽装消費税増税封印」の「偽装3兄弟」に決して騙されてはならない。騙されて幸福に導かれることはない。

NHKが突然、日本経済の不況を喧伝し始めた。漁業者の全国集会の過剰報道から選挙対策プロジェクト報道は始まっていたと考えるべきだ。政治の品格欠落は国家の品格欠落に直結する。「政治の品格」回復が求められている。

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