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2008年8月20日 (水)

「フライデー」名誉毀損訴訟での勝訴確定

週刊誌「フライデー」誌2004年4月30日号が事実無根の虚偽内容の記事を公表して私の名誉を著しく傷つけたことについて、株式会社講談社に対して名誉毀損損害賠償を求めた裁判(平成19年()第9897号損害賠償等請求事件)で、7月28日、東京地方裁判所は原告である私の訴えを認め、被告らに対し、原告に110万円の支払を命じる判決を示した。被告側は控訴期限までに控訴せず、判決が確定した。

フライデー誌は「過去に7、8回、同様の行為で厳重注意を受けている」などの記述を掲載したが、記事内容は事実無根である。公表されている事件以外に私が警察と関わりを持ったことはただの一度も存在しない。判決は記事内容が真実でなく、また真実と信じる相当の理由もないと認定した。

問題の「フライデー」誌は2004年4月16日に発売された。事件が初めて報道されたのは4月12日だったが、記事を書いた記者Kは公判で、12日に事件を知り、13日に取材行為を開始し、14日に原稿を入稿したという。

フライデー誌の虚偽報道は一連の虚偽報道の先駆けとなる事案である。私が無実を訴えている時点で、虚偽の情報に基づいて私に対する負のイメージを世間一般に流布した点で、極めて悪質であり、私の蒙った被害は極めて甚大だった。

4月21日の公判で、記者Kは懇意にしている警視庁担当の記者から「過去7、8回、同様の行為で厳重注意を受けた」という話を聞き、その情報が正しいかどうかを旧知の警察関係者に確認したと証言した。

その警察関係者が過去の犯罪歴にアクセスできる人に調べてもらい、「まあ、そうだ」、「おおむね正しいよ」などと言ったので情報が正しいと思い、記事を書いたと証言した。

同日の公判では原告代理人が記者Kに問題のファイル名を尋ねた。公判を傍聴したひらのゆきこ氏によると、記者Kは記憶を辿るような仕草をしながら、「見てもらったのは、犯罪歴照会証明書という名前だったような気がする」と答えた。ひらのゆきこ氏は名誉毀損損害賠償請求訴訟についても、多くの有益な記事を発表してきてくださっている。

公判で被告代理人は文書を特定しないまま、警察の内部記録の文書送付嘱託を申請した。私は事実無根の真実を明らかにするために、もしそのような文書が存在するのなら被告側からではなく原告側から文書送付嘱託を申請してほしいと原告代理人に要請したが、原告代理人は被告代理人からの文書送付嘱託申請に反対した。その理由は「文書送付嘱託による被告側の探索的証拠収集を認めるべきでない」というものだった。

裏付けを取らずに記事を掲載して名誉毀損損害賠償を請求された被告が、記事掲載時に確認していない情報を裁判のプロセスを利用して探索的に証拠収集することを認めると、今後の同種名誉毀損損害賠償請求訴訟に悪用される悪しき前例を作ってしまうことを避けるためだと説明を受けた。

被告代理人が法廷で断定的表現を用いて前科前歴の存在を述べたことについて、原告代理人は被告代理人の行為が新たな追加的な名誉棄損行為にあたる可能性があるとの判断から求釈明書を裁判所に提出した。被告代理人は発言の根拠を説明できていない。

警察内部の文書は示されなかったが、公表されている事件以外に私が警察と関わりを持ったことは一度もない。記者Kの証言をそのまま信用することはできないが、記者Kが証言した人物を中心に考えると、記者K、警視庁担当記者、警察関係者、過去の犯罪歴にアクセスできる人、のいずれかが虚偽を述べたことになる。

記者Kが独自に虚偽の情報を捏造して報道した可能性も否定はし切れないが、事件報道当初から複数の媒体が似たような虚偽情報を流布したことを踏まえると、警察当局が虚偽情報を意図的に流布した疑いが強くなる。そうだとすると、警察の情報「リーク」による重大な人権侵害が生じたことになる。

原告代理人が提出した第5準備書面では、この問題を以下のように記述した。

「リークとは意図的に秘密を漏らすことである(三省堂、大辞林、広辞苑も同じ)。犯罪報道による人権侵害の原因として、警察のリーク情報による情報コントロールの危険が指摘されてきた。

報道関係者は警察の流す情報が公式発表でない場合は格段に、その情報が意図的なリーク(すなわち意図的な情報コントロールのための虚偽情報の配布)はないか、の警戒感を鋭くして警察の情報コントロールに操縦されないように情報の真偽を確かめなければならない。

原告が「現代日本経済政策論」の著者であって、小泉政権下の経済政策について舌鋒するどい批判を行っている著名な経済評論家であればなおのこと、警察の独自情報が原告を陥れる公権力の濫用的行使ではないかとの報道関係者としての懐疑をもつべきところであった。」

(中略)

「「リーク情報」とは、意図的に漏らされる情報のことを指すところ、特に、本件記事のような犯罪(事件)報道の場合には、警察(官)や検察(官)が、意図的にマスコミに対して流す捜査情報のことを言う。

前述の通り、いわゆる「相当性」に関して、最高裁判所が厳しい裏付取材を要求するのは、リーク情報など公式発表でない情報のもつ高度の危険性(虚偽情報をリークされることのよって生じる書かれる人の人生・運命をも左右してしまいかねない危険性)を十分に理解し、報道関係者の高い注意義務を設定しているがゆえである。」

さらに、原告第5準備書面は、被告会社である講談社が、「僕はパパを殺すことに決めた」秘密漏示罪被疑事件の捜査過程や被告会社の編集課程の問題点につき、同社のホームページに調査委員会報告書を掲載していることを指摘した。被告株式会社講談社は同報告書において、リーク情報の危険性に言及し、検察庁(官)によるいわゆる「リーク情報」に対して、厳しい批判的見解を表明しているのだ。

民事訴訟弁護団団長の梓澤和幸弁護士が主宰されているNPJ(News for the People in Japan民事訴訟に関する情報を掲示してくださっているのでご高覧賜りたい。 

フリー・ジャーナリストの高橋清隆氏は、私が巻き込まれてきた冤罪事件を詳細に追跡してきてくださっているが、講談社名誉毀損事件についても、重要な指摘を含む記事を繰り返し発表してくれている。

高橋氏が「情報リークで「犯人」づくりも意のままに」と表現されるように、国民が確認できないファイルがあるかのように偽装されて、虚偽情報がリークされ、マスメディアが裏付けを取らずに報道すると、重大な人権侵害が多発することになる。

高橋氏は「あいまいな犯罪歴ファイルの恐怖」でも問題を指摘されている。2004年事件では、横浜から私を追った神奈川県警警官の公判証言が事件の重大部分で二転三転した。現場での目撃証言における物理的に重大な矛盾も多数明らかになった。私の無実を明白に示す防犯カメラ映像は警察によって消去された。一方で、マスメディアは警察がリークした虚偽情報を異常に過熱した態様で流布したと見られる。

  

フライデー事件の公判では虚偽情報の出所が明らかにされなかった。国家権力が個人を陥れるために虚偽情報を意図的に流布したのなら、それは重大な犯罪行為だ。政権交代が実現しなければ真相解明は難しいだろう。巨大な権力の闇は深く、真相解明には多大な困難を伴うと考えるが、真実を追求し、必ず真相を明らかにして参りたい。

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