長銀事件逆転無罪判決の闇
旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件で、最高裁判所は7月18日、執行猶予付き有罪とした1、2審判決を破棄、元頭取ら3人に逆転無罪を言い渡した。
刑事事件で最高裁が逆転無罪判決を出すのは極めて異例である。
日本の三権分立はおとぎ話である。内閣総理大臣が三権を掌握し得るのが実態である。政治権力は司法、警察、検察に対しても支配力を及ぼすことが可能である。
今回の最高裁判決の真のターゲットはこの事件にはないはずだ。旧長銀と類似した事案で裁判が行われている「日債銀事件」が謎を解く鍵である。
「日債銀事件」では大蔵省OBで国税庁長官を務めた窪田弘氏が起訴され、1審、2審で執行猶予付き有罪判決が出されている。
大蔵省、財務省は、同省最高幹部を経て日債銀に天下りした窪田氏の有罪確定を回避することを最重要視してきた。
長銀事件が最高裁で逆転したことが、日債銀事件に影響する。
日債銀事件で同様の逆転無罪判決が出されるなら、ここに示した仮説が間違いでないことが判明すると考える。
日本の権力構造の闇は限りなく深い。
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» 植草一秀氏を読む。『長銀事件逆転無罪判決の闇』。:長銀頭取無罪なら破綻の責任は誰にある! [晴天とら日和]
当 ブ ロ グ へ の
皆様のご支援に感謝致します! ありがとう!
私は、思う。
植草さんはすごい「闇」を相手にしてしまったもんだと思う。
植草さんは書き続けることで、「己が命」を守れるのだと思う。
植草さんが書くのを止められ....... [続きを読む]
» 旧長銀粉飾決算事件 ② 狙いは日債銀か? [タクシードライバーの資格(司法書士&社労士)挑戦日記+α]
旧日本長期信用銀行(現新生銀行)事件のことを記した様々なblogを読むと、興味深いものが散見されました。
ただ、残念ながら僕の抱いている仮説の検証を直接的に行えるものは無く、傍証を積み上げるしか無さそうです。
旧長銀粉飾決算事件の最高裁判決の次に控えているのは、旧... [続きを読む]
» 犯罪行為はあっても犯罪者はいないの怪? [木霊の宿る町]
本日は総論と各論に分けて書きます:
総論
1998 年に日本長期信用銀行という銀行がつぶれた
当時の頭取らが粉飾決算の責任を問われ、一、二審で有罪の判決が下されていたのだが、この七月十八日に最高裁(中川了滋裁判長)が無罪にしたという
馬鹿なとは思ったが、日本の司法機関、検察機関の根っこが腐敗していることを知っているから驚きはしない。しかし、この判決を善しとする新聞や評論家が結構いるということには驚いている。日本人は本当に馬鹿なのかもしれない
粉飾決算は経済犯罪であり... [続きを読む]