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2008年7月17日 (木)

民主・国民新党合意は「自End」への一歩

民主党と国民新党の合意成立は政権交代実現に向けての重要な一歩だ。政権交代を実現し、「真正の改革」を実行しなければならない。

   

権力維持を至上命題とする自民党は、「偽装CHANGE」勢力を準備して、国民を欺き、決戦となる次期総選挙を克服しようとしている。しかし、政権交代なくして真の改革はない。

権力は腐敗する。「官僚主権構造」は自民党政権と表裏一体の関係にある。小泉政権は「改革」の旗を掲げたが、「官僚主権構造」を「改革」しなかった。財務省を主軸とする「官僚主権構造」は小泉政権時代に強化された。

福田政権が財務省主軸の「官僚主権構造」を土台としていることは、日銀総裁人事の迷走によって証明された。福田首相は財務省から日銀幹部への天下り利権死守に執着し、日銀副総裁を4ヵ月も空白のまま放置している。日銀人事混迷の責任は福田政権にある。

   

繰り返すが、「偽装CHANGE」勢力は自民党別働隊である。「偽装CHANGE」勢力が登場するのは、次期総選挙を目前にして自民党が苦境に追い込まれているからだ。

「官僚主権構造」を打破しなければならないことに国民は気付いた。「年金」、「後期高齢者医療制度」、「格差拡大」などの問題が明らかになり、根本的な変革が求められている。

     

昨年7月の参議院選挙で自民党が敗北し、民主党が参議院第一党の地位を確保した。野党は参議院の過半数を制圧した。本年4月、6月の山口2区衆院補選、沖縄県議選でも野党が勝利した。

次期総選挙で野党が勝利すれば、政権交代が実現する。国民は劇場型政治に騙されてはならない。2005年9月の郵政民営化選挙。自民党が地滑り勝利を収めたが、その結果が「年金」、「後期高齢者医療制度」、「格差」に代表される国民不在の政治問題噴出だ。

   

「脱藩官僚の会」、「上げ潮派」、「TPL」、「知事グループ」、「小泉チルドレン」、「前原誠司一派」の裏側を見れば「偽装CHANGE」勢力の正体が分かる。小泉純一郎、中川秀直、小池百合子、飯島勲、竹中平蔵、の面々が蠢(うごめ)いている。

「偽装CHANGE」勢力が、日本経済と日本文化を破壊し、外国勢力に巨大利益を供与してきた小泉政権以来の歴代政権の別働隊であることは火を見るよりも明らかだ。

  

「セーフティーネット」を整備しなければ、すべての国民が安心して暮らすことはできない。「市場原理至上主義」は弱肉強食、拝金主義、弱者切り捨てを肯定する。

小泉政権以来の政権の大きな特徴は、財務省を軸とする官僚利権を死守してきたことだ。キャリア官僚の特権を擁護し、天下り制度を死守しようとする。

「真正の改革」の心髄は「天下り利権の根絶」にある。「偽装CHANGE」勢力は、必ず天下り利権を温存することになる。

小泉政権以降、日本の経済政策は外国資本に利益供与するために運営されてきた。一方で日本国民は、苦しみの淵に追い込まれ、見殺しにされた。日本の経済政策を「売国政策」から「経世済民の政策」に転換しなければならない。

   

福田政権が内閣改造に失敗すれば、今秋ないし来年年初に総選挙が行われることになる。残された時間は限られている。

自民党が「偽装CHANGE」勢力を創設し、マスメディアを総動員して世論操作を図ることを踏まえて、野党勢力は政権交代実現に向けて全精力を注がなければならない。

   

民主党の代表選は次期総選挙への活用の視点だけから論じられるべきだ。前原誠司前代表の行動は個人の利害を優先しているか、民主党の分断を狙っているかのどちらかの理由によるものとしか考えられない。

前原氏が自民党別働隊である「偽装CHANGE」勢力の一味である可能性も高く、民主党は党議員の反党行為に対して厳正に対応する必要がある。

  

田原総一郎氏に代表されるメディア関係者が、政権与党と内通してテレビメディアを政治的に利用している疑いも強い。民主党はテレビメディアに対する党所属議員の出演をコントロールすべきだ。

前原誠司氏だけでなく渡部恒三最高顧問も反小沢一郎代表の意趣を内包していると考えられ、渡部氏が複数候補による民主党代表選挙実施を主張しているのもそのためと考えられる。

   

次期総選挙に好影響を与える代表選を実施できるなら、代表選実施の意味があるが、党内対立を際立たせるだけなら、プラス効果は存在しない。

政権与党は民主党代表選挙を実施させようと必死にメディアコントロールを強めている。政権与党の狙いは、代表選を実施させ、民主党内に小沢代表批判が存在することを、マスメディアを総動員して国民に刷り込むことにある。

自民党総裁選は、自民党が支配下のマスメディアを駆使して自民党の宣伝になるように報道させるから、自民党にプラスの効果しかもたらさない。

しかし、民主党代表選は自民党に支配されたメディアが逆方向の報道を展開するから、効果も逆になりやすいのだ。この点を見逃してはならない。

      

5月29日記事「自民党が恐れる最大の存在は小沢一郎民主党代表である」に記述したように、自民党は執拗に小沢氏攻撃を続けている。自民党は、小沢代表体制が強化されて次期総選挙が実施されることを強く恐れている。

大連立協議、渡辺博史日銀総裁案は、小沢代表の影響力排除を狙う謀略だった可能性が高い。自民党は民主党代表選を小沢代表攻撃のラストチャンスと捉えていると見られる。

民主党は党内の民主党分断工作派を掌握し、小沢氏の無投票代表再選を早急に決定し、代表選に代えて「マニフェスト発表党大会」を大規模に実施すべきだ。

  

民主党が次期臨時国会に「天下り根絶法案」を提出することも重要だ。「官僚主権構造」と一体の自民党が「天下り根絶法案」を提出することは不可能だ。「偽装」と「真正」はこの一点で明瞭に区別できる。

野党内選挙協力体制の確立を急がねばならない。池尾和人氏の日銀審議委員就任人事に民主党が同意しない方針を決定したことは英断だった。これによって、民主党と国民新党との連携が維持された。

   

今回の民主党と国民新党との合意成立は極めて意義深い。民主党内部にも対米隷属勢力が存在し、具体策決定において論議が紛糾する恐れがあるが、日本国民の利益、幸福を基準に論議を深めれば、合意内容を着地させることが可能だ。

社民党との選挙協力も早急に詰めるべきだ。次期総選挙立候補予定者は苦しい判断を迫られるが、政権交代を実現するためには選挙協力が鍵を握る。各候補者には大義を重んじ、個利を捨てる行動が求められる。

共産党が擁立候補を削減することは、政権交代実現に大きなプラス効果を生む。共産党は自公政権打倒の大目標を重視して、自民党を利する野党攻撃を抑制すべきだ。民主党を中心とする野党各党は共産党との選挙協力も積極的に検討すべきである。

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