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2008年6月22日 (日)

政権交代なくして真の改革なし

「kobaちゃんの徒然なるままに」様「晴天とら日和」様、記事ご紹介ならびに貴重なご高見をありがとうございました。心より感謝申し上げます。

  

前回記事「政治の対立軸()三つのトピックス」について、「kojitakenの日記」kojitaken氏が疑問を提示され、「カナダde日記」様の美爾依さんが貴重な見解を示してくださった。美爾依さんはいつも意義深いメッセージを示してくださり心から感謝している。

  

  

日本の独立自尊外交について、私の考え方を伝えておきたい。美爾依さんが紹介して下さった前回記事末尾部分は私の考え方を集約して示している。

  

 「日本は正義と公正の視点に立って、自らの主張を国際社会に発信するべきである。そして、日本政府は日本国民の幸福を追求する存在でなければならない。米国が日本にとって重要な国であることを否定する者は少ない。米国との関係を重視することを私は間違っていると思わない。しかし、米国を重視することと米国に隷属することはまったく違う。」

  

北朝鮮との問題の原点には2002年9月17日の小泉元首相による北朝鮮訪問がある。天木直人氏が指摘するように、小泉元首相は日朝平壌宣言に調印する過程で、拉致問題の解決を曖昧にしたままで北朝鮮への経済援助と国交正常化交渉開始を決めてしまった。

 

ところが、その後の日本国内での世論の強い反発を受けて、北朝鮮に密約していた日本の基本姿勢が宙に浮いてしまった。拉致被害者が問題の全面解決を求めるのは当然だ。日本が北朝鮮の核問題に関する十分な情報収集を行わずに国交正常化交渉開始の方針を決めたことも問題だった。日本の動向を事前に知らされなかった米国は、北朝鮮の核問題を重視して日本政府の行動をけん制した。

  

核問題を重視する米国は6ヵ国協議の枠組みで問題解決を図ろうとしたが、日本が6ヵ国協議進展の前提条件として拉致問題解決を主張して、協議が立ち往生した。結局、米国は日本の意向を無視して、核問題処理を条件に北朝鮮に対するテロ支援国指定解除に動くことになった。

  

  

日本は米国に梯子を外されながらも、米国の言いなりになるしかない状況に追い込まれている。問題の原点には、小泉元首相が自らの利害を優先して、変則的な外交を展開した事実が存在する。

  

  

2002年9月、日本経済は厳しい状況に追い込まれていた。株価が暴落し、経済悪化が深刻化した。2002年1月に田中真紀子外相を更迭して以降、小泉政権に対する支持率は急落し、政権は危機に直面していった。国民の批判から目をそらすことと、一部の外務官僚が正規の外交ルートを外れた交渉を進めて小泉元首相に情報を提供したことが結びついて、9月17日の突然の日朝首脳会談が開催された。

  

拉致被害者の一部の方々が帰国できたことは日本国民にとって最大の喜びであったが、この日朝交渉は、最初の時点での日本政府の対応に大きな問題があったと言わざるを得ない。

  

  

このような形で交渉をスタートさせ、日朝平壌宣言にまで調印してしまったために、その後の交渉が極めて困難になってしまったのだ。「拉致問題解決なくして国交正常化交渉なし」の正論が有効性を発揮できない状況を生み出してきてしまったのだ。

  

日本政府は拉致被害者の救出に全力をあげるべきで、そのための手法として、どのようなアプローチが良いのかについて、最大の知恵を出してゆかなければならないと思う。小泉政権を含めて小泉政権以降の政権が、「拉致問題の解決なくして国交正常化交渉、経済制裁解除、6ヵ国協議進展なし」と主張してきたにもかかわらず、今回、米国が北朝鮮に対するテロ支援国指定解除に動くと、何らの説明をも示さずに、経済制裁解除に進むことに大きな疑問を感じないわけにいかない。

  

  

私が問題にしている対象は、日本政府の外交姿勢が完全な対米隷属になってしまっていることにある。日本政府は北朝鮮との問題について、当初から筋を通した交渉を進めるべきであったし、その場その場で、交渉姿勢を変遷させてきたことも問題である。

  

  

日本でいま最も大切なことは、本当の意味で日本の政治を「CHANGE」することである。小泉政権の芝居に乗せられて、2005年9月の郵政民営化選挙で、国民は与党に衆議院の3分の2以上の議席を付与してしまった。しかし、小泉政権は、①弱肉強食礼賛・弱者切り捨て・格差拡大推進の市場原理至上主義、②官僚利権死守、③対米隷属外交を基軸に据え、国民に大きな苦しみをもたらした。

  

昨年7月の参議院選挙で国民は自民党を惨敗させ、参議院野党に過半数の議席を付与した。本年4月の衆院補選、6月の沖縄県議選でも自民党を惨敗させた。国民が次期総選挙で野党を勝利させれば、日本の政権が変わる。官僚機構が実権を握る「官僚主権構造」を打破し、「市場原理至上主義」を是正して、弱者を適正に保護する施策を実行することができるようになる。

   

また、対米隷属から脱却して、正義と公正を軸に日本の独立自尊外交を示すことも可能になる。既得権益、既成権力を打破して、国民主権、地域主権の新しい日本の統治システムを構築する最大のチャンスが近づいている。

  

  

政権与党は死に物狂いで既得権益の維持、政権の維持に邁進する。国民の判断に最大の影響を与えるマスメディアを総動員して、世論を誘導しようと動くのだ。

  

自衛隊イージス艦による漁船衝突沈没事故は三浦和義氏のサイパンでの逮捕のニュースでかき消された。後期高齢者医療制度に対する国民の怒りが沸騰した時点では、テレビ報道の大半の時間が四川大地震にすり替えられた。

  

山口2区衆院補選、沖縄県議選での与党惨敗のニュースは大きく報道されなかった。憲政史上初の首相に対する参議院での問責決議案可決は衆議院での信任決議可決とセットで報道された。

  

  

最近の政治ニュースは自民党内部の「上げ潮派」と「財政再建派」の対立を紹介するものばかりで、民主党の動向が政治ニュースから姿を消している。民主党関係で登場するのは、前原誠司元民主党代表や大江康弘参議院議員などによる小沢一郎民主党代表を攻撃する情報ばかりである。

  

フジテレビ月曜9時ドラマが小泉元首相の元秘書官である飯島勲氏の監修により制作されていることが少しずつ知られるようになっているが、竹中平蔵氏と関わりの深い「脱藩官僚の会」が「CHANGE」のコピーを用いて、8月にも設立総会を開くとの情報が報道されている。今回の月9ドラマは変則的に5月12日に放送が開始され、8月中旬に最終回を迎える可能性が高い。

  

55年体制と呼ばれる政治体制の下で、自民党による政治支配が、ごく短期の例外期間を除いて50年以上続いてきた。自民党政治と官僚主権の統治システムは同義と解して差し支えない。小泉政権は「改革」を標榜したが、自民党内での権力掌握主体を「平成研究会」(旧田中派)から「清和政策研究会」(旧福田派)に「改革」したが、「官僚主権構造」は完全に温存した。

  

清和政策研究会が基盤を置いていると見られる財務省、警察、検察の権限は強化、拡大されてきた。官僚の天下り利権も温存され、新しい国家公務員制度の下で、「天下り」および「キャリア官僚制度」は制度的に、より強化される見通しである。

  

  

「脱藩官僚の会」を含む最近の政治論議および行動は、既得権益を維持する勢力が、既得権益を維持するために仕組んでいると洞察すべきである。「敵をあざむくにはまず味方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」という飯島勲氏の言葉を十分に踏まえる必要がある。飯島氏に誤算が生じているとすれば、その原因はこの言葉を公開したことにあるだろう。参謀は陰に隠れていてこそ真価を発揮する。

  

  

既得権益を打破し、新しい価値を生み出すには、その既成権力が退場し、新しい主体が登場しなければならない。国民は「まやかしの改革」に目をくらまされてはならない。大きな変革を実現するには、志を共有できる者が、小異を残して大同につき、無私の精神で協働しなければならないと思う。

  

真の改革を目指す者が小異によって分裂するのでは、既成権力の思うつぼである。政権交代に基軸を据えて、総力を結集しなければならない。既成権力はマスメディアと財界の財力を総動員して、政権交代の阻止に全力をあげるだろう。心ある人々は草の根から情報を発信し、野党勢力は小異を残して団結する必要がある。

  

  

市場原理至上主義が蔓延し、日本社会が崩壊することを阻止しなければならない。政府は国民の幸福を実現するために存在する。少数の力の強い人々にとって都合の良い社会を作るために存在するのでも、外国勢力にとって都合の良い社会を作るために存在するのでもない。これまで権力を掌握してきた官僚機構が引き続き権力を維持するために存在するのでもない。本当の変革を実現するために、私たちが草の根から地道な運動を展開しなければならないと思う。

  

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